喉の痛みや咳に有効なはちみつの効果
はちみつの持つ殺菌・抗菌作用は喉の痛みや咳に効果的とされています。
そのまま塗る、またはそのまま摂取してもいいですが、はちみつには様々な活用方法がありますし、使用する上での注意点もあります。
はちみつの効果はもちろんですが、喉の痛みや咳を予防方法も紹介しています。
はちみつ以外にも喉の痛みや咳に効果的な食材を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
スポンサーリンク
喉の痛みや咳に有効なはちみつの効果について
喉の痛みや咳に、はちみつが有効なことは古くから知られています。
なぜ喉の痛みや咳にはちみつが効果的となのかについて解説していきます。
はちみつには殺菌・抗菌作用ある
はちみつの持つ殺菌・抗菌作用によって喉の細菌を殺し増殖を抑えることができます。
はちみつは、糖の含有量が多く水分が少ないという特徴があり、ほとんどの細菌が活動するには水分が必要なので、水分の少ないはちみつの中では細菌は生きられません。
また、糖は吸湿性の高い物質なので、周囲の細菌から水分を吸い出し、殺菌する働きがあります。
さらに、ミツバチがはちみつを作る際には、ハチの唾液のに含まれるブドウ糖酸化酵素という酵素が注入されます。
これは花の蜜に含まれるブドウ糖と反応し、グルコン酸・過酸化水素といった強い酸性の成分を作り出します。
ほとんどの細菌は酸性の環境では生きられないため、強い酸性を持つという性質も殺菌効果に一役買っています。
他にもビタミン・ミネラル・アミノ酸といった殺菌効果・抗菌効果がある成分も含まれています。
はちみつの粘りによる粘膜保護効果が期待できる
喉の痛みは喉の粘膜が炎症を起こしているのが原因なので、はちみつの粘りで粘膜を保護し、外部からのダメージを受けにくくすることで治りを早くするという考え方です。
はちみつは保湿効果があるとされているため、大声を出しすぎたなどでダメージを受けた喉や、咳が止まらず乾燥した喉を潤し保護する効果も期待できます。
また、冬場など空気が乾燥しやすい時期は、空気中のウイルスに感染しやすくなります。
はちみつで喉の粘膜を保護することで、今ある喉の痛みを改善するだけではなく、風邪菌やインフルエンザウイルスから身を守って喉の痛みを予防できるのです。
寝ている間も喉は乾燥しやすいので、寝起きに喉の痛みが気になる方は寝る前にはちみつを舐めることで改善できます。
はちみつの糖による疲労回復効果
はちみつに含まれるブドウ糖、果糖、ビタミンB1などの栄養素は、疲労回復に効果があり、体の疲れが取れると免疫力も上がるため、咳や喉の痛みなどの症状の治りが早くなるのです。
はちみつに最も多く含まれているブドウ糖や果糖は単糖類で、消化にかかる時間が少ないことも特徴です。
はちみつを作るとき、ミツバチの唾液に含まれる酵素によってショ糖が分解され、体に負担をかけずに吸収できる成分に変わっているのです。
そのためはちみつに含まれる糖類は腸で素早く吸収され、短時間で全身に行き渡るため即効性のある疲労回復が期待できます。
ブドウ糖は、口から食事を取ることができない時にする栄養点滴の主成分でもあり、体内で素早くエネルギーに変わって全身の機能を向上します。
はちみつは、運動の後や特に疲れた日の疲労を素早く取り除き、免疫力を上げて健康な体の素地を作ります。
腸内環境の改善
はちみつはグルコン酸やオリゴ糖を含んでいるので、優れた整腸作用を持っています。
人の免疫力の半分以上は腸に依存しているため、腸内環境の改善は免疫力の向上に繋がります。
また、はちみつにはトリプトファンも含まれているので自律神経のバランスを整えるセロトニンの生成を助けます。
セロトニンはストレス解消に必要な物質であり、セロトニンが増えることによりストレス起因の便秘の改善に効果的です。
喉の痛みや咳にはちみつを使用する時の注意点
喉の痛みや咳に効果的とされているはちみつですが、使用する場合は注意が必要です。
効果的かつ安全に使用する必要があるので、以下の項目をチェックしてください。
非加熱の生はちみつを使用する
はちみつなら何でもいいわけではなく、生はちみつを使用するようにしてください。
加熱処理されていたり、別な糖分が添加されているはちみつも販売されており、そういったはちみつを使用しても十分な効果を得られません。
また、特にこういった殺菌・抗菌にはマヌカハニーがおすすめです。
赤ちゃん・乳幼児にはちみつを使用しない
はちみつには稀にボツリヌス菌が含まれていることがあり、赤ちゃん・乳児が摂取するち乳児ボツリヌス症を発症する可能性があるため、大変危険です。
1歳未満の赤ちゃんには絶対に使用しないように注意してください。
喉の痛みや咳に有効なはちみつの選び方
喉の痛みや咳に効果的とされるはちみつですが、はちみつなら何でもいいわけではありません。
どんなはちみつがおすすめなのかについて以下で解説していきます。
非加熱の生はちみつを摂取する
喉の痛みや咳の改善には、非加熱の生はちみつを選ぶのがおすすめです。
はちみつには、蜂の巣から取れたものをそのまま販売している「天然はちみつ」「生はちみつ」と、加熱処理や他の成分を混ぜて味を調節した「加工はちみつ」があります。
商品の種類にもよりますが、加熱などの処理を行っているとはちみつに含まれる栄養素が壊れ、十分な効果を得られない可能性があります。
はちみつは加工をしなくても傷みにくい食材のため、はちみつの健康効果をより効果的に得たい場合には非加熱の生はちみつを選びましょう。
マヌカハニーを選ぶ
マヌカハニーとは、ニュージーランドに自生する「マヌカ(ティーツリー)」の花の蜜を原料にして作られたはちみつです。
マヌカは花の時期が短く、自生している範囲も狭いため貴重なはちみつとして知られています。
マヌカハニーには、他のはちみつには含まれない「メチルグリオキサール(MGO)」という成分が含まれています。
メチルグリオキサールには高い抗菌効果があり、風邪だけではなくピロリ菌への除菌効果も実証されています。
マヌカハニーは一般的なはちみつに比べて8倍もの抗菌効果があるとも言われていて、非常に健康に効果的な食材なのです。
MGOを確認する
マヌカハニーを購入する際には、メチルグリオキサールの含有量を表す「MGO」規格に注目するようにしましょう。
パッケージなどに書かれている「MGO500」など、数値が高ければ高いほどメチルグリオキサールを豊富に含み、高い効果を得られる商品と言えます。
この数値が低いものは、マヌカから作られたはちみつであってもメチルグリオキサールの量が少なく、成分が一般的なはちみつと大差ない場合もあります。
ただ、数値が高いほど味や香りにクセがあるので、心配な方はMGO100のマヌカハニーを試してみましょう。
喉の痛みや咳に効果的なはちみつの食べ方
綿棒などを使って、マヌカハニーのような殺菌・抗菌作用に優れたはちみつを直接塗る方法もありますが、抵抗がある方もいるかと思います。
そこで、喉の痛みや咳を抱えていても食べやすいはちみつの食べ方を紹介します。
シンプルにそのまま食べる方法もありますが、はちみつには粘りがあるので喉の状態によっては飲み込めない場合もあります。
子供でも食べやすいはちみつの食べ方をいくつか紹介していきます。
なお、摂取するはちみつは非加熱処理の生はちみつにしてください。
加熱処理されたはちみつは栄養素などが壊れているのでおすすめできません。
はちみつをそのまま食べる
まずはスプーンを使ってはちみつをそのまま食べる方法。
何より簡単ですし、はちみつの粘性によって喉をコーティングしやすい特徴があります。
しかし、粘性がある分、喉の状態によっては飲み込みづらい場合もあるので、水を飲み込むのも大変な場合はおすすめできません。
はちみつの摂取量
小さじ1杯程度の量を摂取するだけで問題ありません。
多ければ多いほど効果が上がるわけではないので、喉に負担がかからない程度の量を摂取するようにしてください。
はちみつをヨーグルトにかけて食べる
定番の食べ方ではありますが、喉を通りやすいですし、ヨーグルトに含まれる乳酸菌によって整腸作用を高めてくれるメリットもあります。
特にデメリットがある食べ方ではありませんので、はちみつをそのまま食べるのが苦手な人はヨーグルトにかけて食べるようにしてください。
紅茶やホットミルクにはちみつを溶かして飲む
紅茶やホットミルクにはちみつを溶かして飲むのもおすすめです。
紅茶の赤い色の元になっている「テアフラビン」には抗菌効果があり、喉の痛みや咳にも効果があります。
ホットミルクにはタンパク質やカルシウムが含まれるため、疲労回復効果やリラックス効果があり免疫力の改善に役立ちます。
紅茶やホットミルクにはちみつを溶かす時にも、白湯の場合と同様温度には気をつけましょう。白湯と同じく40度〜50度に冷ましてからはちみつを入れるのがおすすめです。
また、風邪が原因で喉の痛みや咳が出る時には、生姜を混ぜるのも効果的です。
生姜には抗菌効果がある「ジンゲロール」という成分が含まれるため、はちみつとの相乗効果で優れた殺菌・抗菌力を発揮します。
さらに「ジンゲロール」は乾燥させると「ショウガオール」という成分に変わり、血行をよくして体を温める働きをします。
風邪で熱が出ているときは、血行をよくして代謝を上げ、汗をたくさんかくのが効果的なので、生の生姜よりも乾燥生姜を選びましょう。
はちみつレモン
はちみつの効果だけでなく、レモンに含まれるビタミンCによる免疫力の向上やコラーゲンの生成の補助、クエン酸による疲労回復が喉に効果あるとされています。
ストレス軽減効果も期待でき、単純に栄養補給としても優れているので、喉の痛みや咳におすすめです。
はちみつレモンの材料と作り方
- はちみつ
- レモン
- 密閉できる瓶
作り方は非常に簡単で、輪切りにしたレモンが浸るくらいはちみつで漬け、密閉できる瓶で2週間程度冷暗所で保存してください。
そのまま食べてもいいですし、喉の痛みでそのまま食べられない場合は、お湯で割るとホットはちみつレモンとして飲むことができます。
はちみつレモンはアレンジしやすいので、自分の好きな飲み物や飲みやすい物で割ることをおすすめします。
はちみつ大根
喉の痛みや咳に大変効果的とされているのがはちみつ大根です。
はちみつには殺菌・抗菌作用がありますが、大根にも抗菌作用があり、他にも抗炎症作用や白血球の働きを活発にする作用があります。
はちみつと大根があれば簡単に作ることができますし、喉の痛みや咳対策に有効とされています。
はちみつ大根の材料と作り方
- はちみつ
- 大根
- タッパーなどの容器
1cm程度のサイコロ状にした大根が浸るくらいはちみつで漬け、3時間~6時間ほど常温で放置します。
そうすると大根エキスが出て、トロトロじゃなくサラサラになったら完成です。
そのまま飲んでもいいですし、飲みづらい場合は水やお湯、紅茶で割ってもいいでしょう。
白湯(さゆ)にはちみつを溶かして飲む
喉の痛みがあるときは、はちみつのように粘度の高いものを飲み込むのが難しい場合もあります。
そういった場合は、白湯にはちみつを溶かして飲むのがおすすめです。
ただし、白湯にはちみつを溶かすときには温度に注意するようにしましょう。
はちみつに含まれる酵素は、45度前後で働きが鈍くなり、60〜70度でかなり活性が悪くなると言われています。
また、はちみつに含まれるミネラル、パントテン酸、葉酸、ビオチンなども加熱に弱く、40度前後から成分が壊れやすくなります。
それ以上の温度になると全く効果がないというわけではありませんが、はちみつを高温のお湯に溶かすと風味や成分が失われてしまいます。
白湯にはちみつを溶かすときは、40度〜50度くらいの温度に下げてから混ぜるようにしましょう。
ちなみに、湯冷ましを作るのが面倒な場合は、沸騰したお湯に同量の水道水(10度〜18度)を混ぜると50度前後のお湯が出来上がります。
白湯(さゆ)にはちみつを溶かして「うがい」も効果的
はちみつには殺菌作用があるので、はちみつを溶かした白湯でうがいをするのも効果的です。
ただうがいをすればいいわけではないので、以下で手順を紹介します。
- はちみつを溶かした白湯を口に含み、口の中をうがいする
- 口の中のうがいが終わったら、口に含み真上を向き、喉をうがいする
ポイントとしては、最初に口の中がきれいにします。
口の中にも最近やウイルスがいるので、それが喉へ移らないようにするためです。
喉をうがいする時は、喉に染み込ませるイメージで丁寧にうがいするようにしましょう。
はちみつ入りコーヒーを飲む
喉の痛みや咳には、はちみつ入りコーヒーが最適です。
コーヒーは、呼吸器疾患への効果が認められていて、イタリアで1980年代に行われた研究によれば、コーヒーを1日3杯以上飲む人は全く飲まない人に比べて喘息を発症するリスクが28%低いという結果が出ています。
コーヒーに含まれるカフェインには抗炎症作用があり、炎症を起こしている喉の粘膜を鎮静する働きがあります。
また、カフェインを構成するキサンチンには気管支拡張作用があります。器官が広がることで、喉の粘膜が炎症を起こしていても呼吸がしやすくなり、咳の発作も楽になります。
これらのコーヒーの効果ははちみつの殺菌・抗菌作用と非常に相性がいいため、喉の痛みや咳に最適な飲み物と言えます。
アメリカのペンシルバニア州立大学で行われた研究では、コーヒー粉末とはちみつを混ぜてペースト状にしたもの服用することで、ステロイドやグアイフェネシンといった咳止め薬よりも効果が出たという実験結果もあります。
ただし、コーヒーには覚醒効果があるため、夜寝る前に飲むのは控えた方がいいでしょう。
また、白湯や紅茶、ホットミルクと同じく、コーヒーも40度〜50度に冷ましたあとではちみつを溶かすのがおすすめです。
はちみつ以外の喉の痛みや咳に効果的な食材
はちみつ以外にも喉の痛みや咳に効果的とされている食材は数多くあります。
- 生姜
- 大根
- ゆず
- 玉ねぎ
- オクラや長芋
メープルシロップ
メープルシロップには抗炎症作用があるので、喉の痛みや咳に効果的とされています。
また、ポリフェノールを豊富に含んでいるので抗酸化作用も期待できますし、カリウムも含まれているのでむくみ対策にもなります。
喉対策以外にもアンチエイジングとして優れた効果があるので、普段から摂取していきたい食材でもあります。
緑茶
緑茶に含まれているカテキンは今や常識と言えるほど有名です。
カテキンは殺菌作用に優れており、抗ウイルス作用もあるので風邪にも効果的とされています。
余談ですが、ウーロン茶はカテキンの含有量が少ない上に、喉の油分を流してしまい粘膜に悪影響を与える可能性があるので摂取は控えた方がいいでしょう。
生姜
特に生姜の喉への効果が非常に有名です。
抗炎症作用や殺菌作用、免疫力の向上など、効果的とされる作用が多く、喉のトラブル時に「生姜湯」を飲む方も多いです。
大根
大根については上述した通り、殺菌・抗菌作用がありますし、白血球を活性化してくれる作用もあります。
料理して食べるよりも、はちみつ大根にした方が喉には効果的とされています。
ゆず
ゆずにはレモンの3倍のビタミンCが含まれています。
風邪と言えばビタミンCというほど有名ですし、保湿効果など、喉対策に嬉しい効果があるとされています。
そのまま食べるよりも、柚子茶などが摂取しやすくおすすめです。
玉ねぎ
玉ねぎを切った時に目にしみた経験がある方は多いと思います。
これは硫化アリルという成分が原因なのですが、硫化アリルには殺菌・抗炎症作用があるとされており、喉の痛みや咳に有効とされています。
なるべく細かく刻んで摂取することで効果が上がりますし、スライスして喉に届くように吸い込むのも効果があるとされています。
玉ねぎの匂いが気になりますが、寝ている間枕元に置いておくのも効果があるとされています。
長芋
喉がイガイガする、乾燥する、という人は長芋などネバネバした食材を摂取するのがおすすめです。
喉の粘膜が少なくなっている可能性があるので、長芋などに含まれている水溶性食物繊維によって粘膜を保護することができます。
喉の痛みや咳の原因
喉の痛みの原因は喉の炎症によるものです。
細菌やウイルスが入り込んでしまうと、免疫反応という最近やウイルスと戦う反応として炎症が起こります。
また、細菌やウイルスが入り込まないようにする反応が咳です。
体を守ろうとして起きている反応が、喉の痛みや咳の原因です。
他にも空気の乾燥によって粘膜が弱り喉が傷つきやすくなったり、アレルギーによって免疫機能が過剰に反応する場合もあります。
単純に声の出し過ぎ=声帯の使いすぎによって炎症を起こす場合もあります。
同様にお酒やタバコも喉に負担をかけることになります。
喉の痛みの予防方法
原因がわかれば対策することが可能です。
基本的にすぐに対策できることばかりなので、喉の痛みの予防の参考にしてみてください。
喉を保湿
喉が乾燥してしまうと粘膜が弱り、喉が傷つきやすくなってしまいます。
飴を舐めて唾液が分泌しやすいようにしたり、マスクをするなどの喉の保湿を意識してみてください。
喉や首回りの保温
冬などの寒く冷えてしまう時期は、マフラーやネックウォーマーを活用して温めるようにしましょう。
温めることによって免疫力が向上し、細菌やウイルスの影響を受けづらくなります。
アレルギー対策
食べる、もしくは触れてしまってからでは遅いので、自分がどんなアレルギーを持っているかを理解しておくことは重要です。
血液検査によりアレルギーを調べることができます。
喉に負担をかけない
声帯を酷使したり、喉への刺激が強い食事を控えるようにしましょう。
声帯を使う場合は休憩を入れたり喉に優しい物で保護すると喉への負担が軽くなります。
食事に関しては、上述したお酒やタバコはもちろん、唐辛子などの刺激物をなるべく控えることをおすすめします。