オートミールは便秘解消に効果があるのか
数日に一度しか便通が来ない便秘。お腹が張るなど意外と辛いですよね。そんな便秘を解消する救世主ともいえる食べ物があります。アスリートやセレブが健康や美容のためにこぞって食べるオートミール。オートミールの便秘解消の効果についてご説明します。
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便秘とは?
まず便秘とは、何日以上お通じが無い状態のことでしょうか。一般的には3日以上排便が無いと便秘と考える人が多いそうです。
しかしこれは間違いです。腸内環境が良い状態であれば、食べてから消化、吸収、排便までの時間は24時間が一般的です。ですので、一日一回お通じが無ければ「便秘」と言えます。
大便の80%以上は水分です。しかし、便秘になると大便が大腸内に留まる時間が長くなり、水分が徐々に大腸に吸収されるため水分の割合が少なくなっていき、固い大便になっていきます。
大便が硬くなると大腸内での動きが鈍くなり、便秘が悪化するという悪循環に陥ります。
便秘の種類
便秘にもいくつか種類があります。危険性が高い便秘もあり、癌や腫瘍、痔、甲状腺異常が原因による便秘です。これらの便秘の場合は、血便になることが多く、排便時に痛みを感じるのが特徴的です。
これらが原因の便秘である場合は、早急に医療機関を受診する必要があります。ただ、便秘の理由がはっきりしているので便秘自体の治療方法が確立されています。
日本人に最も多い便秘は、機能性便秘(慢性便秘)という便秘です。機能性便秘には症状・原因によってさらに以下のように分類されます。
直腸便秘
ストレスや不規則な生活によって便意の抑制が繰り返されたり、下剤や浣腸を乱用することによって直腸の感受性が下がり、起こる便秘。便意を感じにくくなり、水分が抜けた固い大便となる。
けいれん性便秘
ストレスが鯨飲の便秘です。自律神経の失調によって大腸が収縮し、大便の移動が妨げられて起こる便秘です。少量の硬い便が特徴です。
弛緩性便秘
食事量、食物繊維量の不足が原因の便秘です。他にも運動不足や加齢も原因になります。腸の動きが鈍くなり、便が大腸内に留まり、少量の硬い便になります。
ダイエット中は便秘になりやすい
上述した便秘の種類のうち、日本人に最も多い便秘は「弛緩性便秘」です。特に食事量の少ない女性やダイエット中の方に多く見られる便秘です。
食事量が少ないと大便の材料が不足しますので、大腸内に留まりやすくなります。その結果、悪玉菌が増殖し、有害物質を発生させます。この有害物質が腸から吸収されて血液に流されて全身を巡りますので、体がこの有害物質を排除しようとします。
その結果、エネルギー代謝が落ち込み、カロリーを消費しにくい「痩せにくく太りやすい体質」になってしまうのです。ダイエットのために食事を減らして努力しても、便秘になると皮肉にも逆の結果を招く危険があります。
そのため、極端な食事制限をした「食べないダイエット」はやめた方が良いと言われるのです。同様に、ダイエットの時には野菜を多く食べて食物繊維を摂りなさいと言われるのも同じ理由です。
また、ダイエットの大敵である高カロリーな油(脂肪分)が不足しても便秘になりやすいです。脂肪分は腸管を滑らかにする効果がありますので、適度な脂肪分は便通を良くします。ダイエットの時でも、バランスよく適量の食事を摂るように心がけましょう。
オートミールは便秘解消に効果的
ダイエットに効果的なオートミールが、便秘にも良い食品として注目されています。誰しもが便秘には食物繊維が良いという話を聞いたことがあると思います。
これは日本人に最も多い便秘である「弛緩性便秘」の最大の原因が食物繊維の不足だからです。この食物繊維が非常に多く含まれているのがオートミールです。
弛緩性便秘には食物繊維が効果的
まず食物繊維についてですが、現在では第六の栄養素と言われる程、ヒトにとって重要な栄養素です。厚生労働省も食物繊維の食事摂取基準を設けており、成人男性で一日あたり19グラム以上、成人女性で一日あたり17グラム以上の摂取を推奨しています。
食物繊維は腸内で以下の効果をもたらします。
- 便のカサ増しになり、排便を促す。
- 大腸の運動を活発にさせ、排便を促す。
- 大腸内の有害物質を便として排出させる。
- 大腸内の細菌環境を整え、悪玉菌を減らして善玉菌を増やす。
このように便秘の予防・改善に非常に効果的にも係わらず、実際には日本人の平均的な食物繊維の摂取量は、13.7グラムと基準を大幅に下回っています。特に若い女性の摂取不足が深刻であり、若い女性に便秘が多いのにも頷けます。
食物繊維の不足は便秘の原因だけではなく、大腸がんの原因にもなり得ますので注意が必要です。
オートミールに含まれる食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性の2つの種類があります。性質や役割が異なるので、どちらか一方の食物繊維だけでは不十分です。両方の食物繊維をバランス良く摂取することが便秘の改善・予防に重要です。
それぞれの食物繊維の特徴をご説明します。
- 水溶性食物繊維
整腸効果が期待できる食物繊維。大腸内の細菌環境を改善し、有害物質の排出効果がある。糖の吸収を穏やかにする効果もあるのでダイエットに最適。 - 不溶性食物繊維
大便のカサ増し効果があり、腸の活動を活発にさせる。大便の滞在時間を短縮させ、排便を促す。
このように役割が異なります。これらの食物繊維をバランスよくとることが便秘の予防・改善に効果的です。
この二つの食物繊維をバランスよく摂れるおすすめの食品が「オートミール」です。オートミールには穀物でトップクラスの食物繊維の含有量を誇り、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含んでいます。
ビタミンやミネラルなどの栄養も豊富で、低GI食品でもあるのでダイエットに最適な食品の1つです。便秘でお悩みの方は是非一度試してみて下さい。