連続式?単式?ラム酒の作り方
全世界的に非常に高い人気を誇るお酒「ラム酒」。世界各地で生産されており、非常に種類も銘柄も多いお酒です。ラム酒はサトウキビが原料の甘いお酒ですが、どのような製法で作られているかご存知ですか?
ラム酒の一般的な製造方法をご紹介します。
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ラム酒の一般的な製法
ラム酒はウオッカと同様に世界的にも非常に人気の高いお酒です。その歴史は古く、17世紀に生まれたと言われており、その成り立ちから「海の男の酒」というイメージが強いお酒でもあります。
ラム酒はサトウキビから作られた蒸留酒です。しかし、産地やメーカー、種類、銘柄によって様々な特徴を有しており、その製造方法も異なってきます。そこで、一般的なラム酒の作り方(製造方法)を以下でご紹介しますので、参考にしてみて下さい。
ラム酒の原料
ラム酒の原料は「サトウキビ」です。醸造原料としてサトウキビを使用するのはどんな種類のラム酒にも共通していますが、細かな違いがあります。
インダストリアル製法について
全世界で生産されるラム酒の実に98%がこのインダストリアル製法で作られていると言われています。インダストリアル製法では、減量としてサトウキビから砂糖を精製する際に出る副産物である「モラセス」を原料としています。
モラセスは貯蔵が可能なため、サトウキビの収穫時期に関わらず、通年で製造が可能なラム酒の製法であり、最も一般的な製法です。
アグリコール製法について
アグリコール製法とは、サトウキビのしぼり汁を直接原料とする製法です。インダストリアル製法よりも新しい製法であり、世界的にも生産量が非常に少ない製法です。
サトウキビの栽培地の近くでしか行えない製法であり、サトウキビの収穫時期意外では醸造酒の製造が行えないなど、限られた場所と時期でしか作られないラム酒です。
ラム酒の発酵工程
サトウキビからモラセス(糖蜜)を作れたら、次に行う工程は「発酵」です。発酵方法もラム酒には2種類あります。
酵母を使った発酵
モラセスに酵母を加えて行う発酵方法です。純粋培養された酵母で発酵することから、純粋酵母発酵とも呼ばれています。主にホワイトラムの製造に使われる発酵方法です。
自然に任せた発酵
発酵を自然に任せ、モラセスを数日間そのままにして自然発酵させる製法もあります。発酵を促す為にサトウキビの搾りカスを加えることが多いです。主にヘビーラムの製造に使われる製法です。
ラム酒の蒸留工程
原料を発酵させ醸造酒を作ったら、次の工程は「蒸留」です。使用する蒸留器の種類によって2つの製法に分かれます。
また、いずれの蒸留方法においても、複数回蒸留を行ってエタノール濃度を一時的に80%程度にまで濃縮することが多いです。熟成の前後に加水され、アルコール度数を40%から50%に調整して出荷されることが多いです。
連続式蒸留器
1つは連続式蒸留器を使用する製法です。連続式蒸留器はその名の通り、連続的に蒸留させる装置であり、クリアでアルコール度の高い蒸留酒を得ることが出来ます。主にライトラムの製造に使われることの多い製法です。
単式蒸留器
もう1つは単式蒸留器を使用する製法です。単式蒸留器とはその名の通り一度だけ蒸留が行われる装置です。連続式蒸留器よりも精製度は低くなりますが、風味がより多く残るのが特徴です。主にヘビーラムの製造に使われる製法です。
ラム酒の熟成・ろ過工程
蒸留し終えたら、熟成して完成となります。オーク樽を用いた樽熟成が基本ですが、タンク等で熟成させる製法もあります。また、ソフトな香りを楽しむライトラムの製造では、内面を焦がしていないオーク樽での短期熟成が基本であり、濃厚な風味を楽しむヘビーラムは、内面を焦がしたオーク樽で3年以上の長期熟成を行うなど、種類によって熟成方法は異なります。
また、ラム酒の種類によっては着色・香り付けの工程が加わることもあります。特にライトラムの製法では、最後に活性炭によるろ過を行い、よりクリアでソフトな香りのラム酒に仕上げます。