色・原料・製法で変わる様々なラム酒の種類
もともとは海の男のお酒ですが、現在では都会的で洗練された印象をもつ人気のお酒「ラム酒」。ウオッカと並んで世界的に人気の高いお酒であり、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の影響でさらに人気が高まっています。
そんなラム酒ですが、種類が非常に多いことでも有名です。そこで、ラム酒の種類についてその特徴と共にご紹介します。
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ラム酒の風味による種類と特徴
ラム酒は「色」「香り」「製法」によって種類分けされており、それぞれ特徴が異なります。その中でも「香り・風味」による分類が最も一般的です。
ラム酒を風味で種類分けすると、「ライトタイプ」「ミディアムタイプ」「ヘビータイプ」の3種類に分けられます。それぞれ風味だけではなく、製法や特徴が異なりますので、それぞれについてご説明します。
ライトタイプ
ライトタイプのラム酒の特徴は、柔らかな口当たりと軽い香りです。熟成期間が短いため、このような特徴が現れます。また、製造の最後に活性炭で処理すると無色のホワイトラムとなります。
製造法としてはまず、モラセスと水を純粋酵母発酵させ、連続式蒸留器で蒸留します。出来上がった蒸留酒をホワイトオーク樽やタンクで短期間熟成させれば出来上がりです。
樽熟成のままのですと「ゴールドラム」に、活性炭でろ過処理を行えば「ホワイトラム」となります。ライトタイプのラム酒は軽い香りと柔らかな口当たりが特徴ですので、カクテルのベースとしても良く使われています。
主な産地としては、スペインの統治下だった「キューバ」や「プエルトリコ」です。
ヘビータイプ
ヘビータイプのラム酒の特徴は、色が濃く味も濃い点です。ジャマイカラムが代表的なへビータイプのラム酒です。イギリス海軍で支給されていたラム酒の多くは、ヘビータイプのラム酒と言われています。
ヘビータイプのラム酒の製造法としては、モラセスを自然発酵させて単式蒸留器で蒸留して製造します。蒸留後に内面を焦がしたオーク樽で3年以上の長期間熟成させれば、ダークラムとなります。
エタノール以外の副生成分が多く含まれているので、色が濃く風味が強いのが特徴です。地域によっては色が濃い程高品質と誤解していることもあり、過度に着色されたヘビータイプのラム酒もあります。
主な産地としては、イギリス連邦加盟国でもある「ジャマイカ」「トリニダード・トバゴ」などです。
ミディアムタイプ
ミディアムタイプのラム酒の特徴は、ライトタイプとヘビータイプの中間です。淡い色と軽い香りが特徴のラム酒です。
ミディアムタイプのラム酒の製造方法としては、2種類あります。1つは、ヘビータイプと同様にモラセスを自然発酵させ醸造酒を作りますが、蒸留方法が異なります。
ミディアムタイプは銘柄によって連続式蒸留器と単式蒸留器が使い分けられています。もう1つの製法は、ヘビータイプとライトタイプをブレンドする方法です。多様な製法を有しているのもミディアムタイプのラム酒の特徴です。
主な産地としてはフランス系植民地が有名であり、海外県であるマルティニーク島・グアドループ島が有名です。
スパイスト・ラム(フレーバー・ラム)
ラム酒の香りによる分類は3種類とご紹介しましたが、1つ異質な種類があります。それは「フレーバー・ラム」とも呼ばれる「スパイスト・ラム」という種類です。
スパイスト・ラムとは、バニラなどの香辛料で香り付けされたラム酒であり、一般的なラム酒よりもアルコール度数が低いのも特徴です。スパイスト・ラムといえば「キャプテンモルガン」のラム酒が有名です。
>>キャプテンモルガン(Captain Morgan)のラム酒について
ラム酒の色による種類
ラム酒はその色によっても種類分けされています。その種類と特徴について以下でご紹介します。
ホワイト・ラム
活性炭によってろ過して作られた無色のラム酒を「ホワイト・ラム」と言います。シルバー・ラムとも呼ばれており、クセの少なさからカクテルのベースによく用いられているラム酒です。
ゴールド・ラム
樽で熟成させて作られる薄い褐色のラム酒を「ゴールド・ラム」と言います。程良い色づきと適度な香りが特徴であり、アンバー・ラムとも呼ばれています。着色料を添加して作られるゴールド・ラムもあります。
ダーク・ラム
ゴールド・ラムと同様に樽熟成で作られますが、濃い褐色でより風味の強いラム酒を「ダーク・ラム」と言います。その風味の強さを活かして、製菓やカクテルにも使われています。
醸造原料によるラム酒の種類
ラム酒の基本的な製法は、製造した醸造酒を蒸留してから熟成させます。しかし、原料によって「インダストリアル製法」と「アグリコール製法」の2つの製法に分けられます。
インダストリアル製法
インダストリアル製法とは、サトウキビから砂糖を精製する際に出る副産物「モラセス」を原料とするラム酒の製法です。この製法で作られたラム酒を「インダストリアル・ラム(工業ラム)」と言います。全世界で作られているラム酒のほとんど(98%近く)がインダストリアル製法で作られています。
モラセスは貯蔵が可能なため、サトウキビの収穫時期に関わらず、通年で製造が可能なラム酒の製法です。
アグリコール製法
アグリコール製法とは、サトウキビのしぼり汁を原料とする製法です。アグリコール製法で作られたラム酒を「アグリコール・ラム(農業ラム)」と言います。インダストリアル製法よりも新しい製法であり、世界的にも生産量が非常に少ない製法です。
サトウキビの栽培地の近くでしか行えない製法であり、サトウキビの収穫時期意外では醸造酒の製造が行えないなど、限られた場所と時期でしか作られないラム酒です。