人工甘味料と間違いやすい?トレハロースとは
このページでは人工甘味料と間違われやすいトレハロースについて紹介していきます。まずはどんな成分なのか歴史と一緒に紹介していきます。
そのあとには、トレハロースの用途やもたらせてくれる効果などもお伝えし、最後に安全性・危険性などを根拠も交えて記載していきます。
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トレハロースとは?
トレハロースはブドウ糖が結合してできた2糖に分類されます。ライ麦から発見された成分で、食品をはじめ化粧品などにも使用されて今では有名な成分となっています。
ライ麦の他にも海藻類やひまわりの種、エビやキノコ類など様々な植物や微生物などに含まれているので、知らない間に口にしていることも大いにある成分です。
トレハロースの歴史
微生物や植物の体内にもトレハロースの成分があるという事で、トレハロースは太古からある成分として考えられていますが、実際に存在が明るみになったのは1832年のことです。
ライ麦の中に成分が発見されてから、薬・美容・食品など様々な分野で使うことが出来るのではとたくさんの研究がおこなわれました。しかし当時はトレハロースを抽出するのが難しかったために1kg4~5万円とかなり高額だったそうです。
応用できる道が見つかったとしても、これだけのコストがかかってしまうと実用化できないという事で、トレハロースを大量に生産する研究も同時におこなわれていました。1994年にでんぷんからトレハロースを生産することに成功し、400円~500円と1/100の価格で利用できるようになりました。
トレハロースが人工甘味料と間違われる理由
トレハロースが人工甘味料と間違われる理由が2つあります。
まず、1つ目です。人工甘味料には2つの種類があり、それが「合成甘味料」と「糖アルコール」と呼ばれています。そのうちの糖アルコールは自然にある成分を人工的に作り出しているという特徴があります。
冒頭で少しお話ししましたが、トレハロースも元は自然にある成分で量産するために人工的に作られているという流れがあり、糖アルコールの特徴が当てはまってしまうので勘違いされやすいのです。
2つ目は、トレハロースが「糖質」であること。甘味料といえばもちろん甘さをイメージしますよね?世間的に糖質も甘いイメージを持たれていることと、1つ目の理由が重なり結果合成甘味料と勘違いされるのです。
糖質はもちろん甘味をもつ成分もありますが、実際はお米や麦などの穀類やイモ類などのでんぷんも仲間です。トレハロースは甘味料ではなく糖質であることを覚えておいてくださいね。
トレハロースの用途と特徴
トレハロースは砂糖の半分の甘みしかないのにも関わらずカロリーが1gに対して砂糖と同じです。砂糖と同じ甘さにしようとすると、トレハロースはたくさん入れなければいけないため約4倍ほどのカロリーになってしまいます。
ですから甘みをつけるという使い方ではなく品質を保つ事を目的として使用されることが多いようです。
冷凍食品の風味変質の抑制
食品があまった時は冷凍させるのが一般的かと思います。冷凍すると賞味期限は長く持つもちますが、どうしても風味がおちてしまったり、変質してしまうことがありますよね。
トレハロースは、風味や変質を抑えてくれる効果があるので、冷凍する前の味に近いまま保つことが出来ます。クリームなどの軟らかい食品も解凍しても滑らかな舌触りをキープしてくれますよ。
でんぷんの老化を防止
ご飯をしばらく放置するとかたくなってしまいますよね?その原因がまさにでんぷんの老化になります。しかしコンビニ弁当やお餅のデザートも、いつ買っても固くなっていることはありませんよね。
それがトレハロースの力なのです。トレハロースにはでんぷんの老化を防ぐ効果があるので軟らかいまま維持することが出来ます。コンビニやスーパーで売られている食品には大概トレハロースが使われています。
美容にもつかわれる保湿力
トレハロースの最大の特徴は保水力。その効果は食品にとどまらずスキンケアやコスメにも使われています。
乾燥肌の人には得意の保水力が効果的ですし、敏感肌の人には肌の細胞を保護してくれる効果もあるので重宝されいます。オイリー肌の方も、元の原因は肌の乾燥からくるものなので、トレハロースが悩みを解決してくれます。
もともとは高級化粧品として販売されていましたが、今はお手頃な価格で手に入るため、美を意識している女性にとても人気が出ている成分でもあります。
トレハロースの安全性・危険性
WHO(世界保健機関)からも安全性を認められており、本来だと体に害が出ないように成分ごとに許容摂取量を設定するのですが、トレハロースは設定する必要がないほど安全だと太鼓判を押されています。もちろん厚生労働省も安全な成分であると食品添加物に認定しています。
かなり安全性の高いトレハロースですが、唯一危険性としていわれているのが、トレハロースを抽出する元の素材(トウモロコシやじゃがいもなど)が海外からの輸入品が99%占めていること。
海外の食材は自然にできた作物ではなく、遺伝子組み換えで作られているものが多いため品質に問題が出てくるのでは?との見方も強いようです。