長く美味しく!梅酒の賞味期限と上手な保管方法
梅酒はアルコールであるため、長期間の保存も可能となっていますが、どのような方法で置いておいてもいいわけではありません。長く美味しく飲むためにはしっかりとした保管方法を行わなければいけないのです。
そうなると気になるのは梅酒の賞味期限です。保管方法をしっかり行っていても限界があるのではないか?と考える方はもちろんいるでしょう。そこでこちらでは梅酒の賞味期限と上手な保管方法についてご紹介していきます。
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梅酒の賞味期限について
まずは梅酒の賞味期限についてご紹介していきましょう。とは言っても結論から言うと梅酒に賞味期限はありません。これにはいくつかの理由があります。
お酒はアルコールである以上、アルコール殺菌されている状態になります。アルコール自体も腐敗するという概念は存在しません。腐るということ自体、細菌の増殖によって有機化合物が有害物質に変化することです。
アルコールは有機化合物ではあるものの、細菌が増殖できないため有害物質に変化することはありません。また梅酒は梅から抽出されたエキスが含まれていますが、そのエキスの成分の大半はクエン酸になります。クエン酸を含むエキスは酸性であるため、多くの細菌は死滅することから、こちらが腐ることもないのです。つまり梅酒全体が腐ってしまい飲めないと言うことはほぼないのです。
賞味期限とは安全性や味、風味など全ての品質が維持される期限であり、安全性については上記の通りほぼ保証されるところとなります。そのような観点からいけば賞味期限はないと言えるでしょう。
手作り梅酒の賞味期限は?
手作りの場合も基本的には上記の理由から賞味期限はないとも言えます。しかし、ベースに使用したお酒のアルコール度数が35%以下の場合は、出来上がった梅酒のアルコール度数が低い可能性が高いため、殺菌効果が薄いことも考えられます。
また手作りだと梅が完全に漬かっていない場所が発生することがあります。そうなるとカビが生える可能性がかなり高くなるので注意が必要です。
>>手作り梅酒の作り方と注意点やアレンジ方法について詳しくはコチラ
飲めるかどうかのチェック項目
予めの賞味期限こそ分かりませんが、梅酒が飲める状態かどうかのチェックは自分でも出来ます。先述したように梅酒は見た目や味で飲めるかどうかがすぐに分かるので、それを元にチェックしてみましょう。
- カビが生えている
- 妙な酸味がある
この2つの項目がチェックするポイントになります。この2つのどちらかに該当するのであれば飲むのは諦めましょう。
梅酒の保管方法
それでは梅酒を保管する場所はどのようなところが良いのでしょうか。基本的に大きい容器でなければ冷蔵庫で保管している方が多いと思います。実際そのような涼しい場所に保管するのが良いのですが、手作りの場合や市販品でも瓶が大きいものは冷蔵庫に入らないものもあります。
そのようなものの場合は冷暗所が好ましいです。涼しくて直射日光が当たらない場所であれば問題ありません。梅酒にとって日光と温度は特に注意が必要です。直射日光に当たる、あるいは温度が上昇することで影響受け、品質劣化することがあります。そうなると先ほどのような妙な酸味などが生まれ飲めなくなるので、注意が必要です。
梅酒を長く保存するためのポイント
基本的な保管場所は冷蔵庫や冷暗所で良いですが、さらに長く保存するためのポイントも知っておきましょう。手作りであろうと市販品であろうと美味しい梅酒は長く楽しめることにこしたことはありません。しっかりとポイントをおさえておきましょう。
ベースのアルコール度数をチェックする。
市販品の場合は、商品表示上アルコール度数がどれくらい高いのか一目で分かります。先ほどの説明通り、アルコール度数が低いものは高いものより品質管理に気を配る必要があるので、チェックは必要です。
手作り梅酒であれば特にアルコール度数のチェックは重要です。ベースにどのようなお酒を使うかで、アルコール度数が変わってしまうためです。アルコール度数が高いものを使えば雑菌などが発生する可能性はほぼ無くなります。逆に低いものだと雑菌の心配や、発酵によってアルコール度数が高まってしまうことがあり、酒税法に抵触する可能性があります。
酒税法については関連ページにて詳しくご説明していますので、そちらをご覧ください。いずれにしてもアルコール度数のチェックは長期間梅酒を楽しむための重要な要素になります。
空気になるべく触れないようにする
空気に触れるのはアルコールである梅酒と言えど禁物です。空気中のカビ菌を含む雑菌が空気によって触れ続けることで、カビが生えることがあります。市販品であれば蓋をしっかり閉めるなど、空気に触れないようにしましょう。
手作りの場合は梅酒を作る容器にスペースができないよう出来るだけ梅を敷き詰め、ベースのお酒を満タンに入れて梅が可能な限り出ないようにし、空気が触れる面積を小さくするといいでしょう。また容器自体もプラスチック製ではなく、空気を通さないガラス製のものを使用してください。
梅酒を長く保存する場合の注意点
梅酒の中には梅がそのまま漬けてある市販品もあります。梅酒は長い熟成期間を経て、梅のエキスが抽出され、あの香りや味わいが生まれるのですが、さらに長期間漬けておくと梅の苦みが染み出てきてしまいます。
梅の実が入っている梅酒を長期間放置した場合、黒ずんだ液体が沈殿するのはその苦味のエキスになります。基本的にはこの黒ずみ液は飲まないようにというように注意書きがされていますが混ざることで味が損なわれるのであればある意味、賞味期限が切れているとも捉えられます。
また梅酒の場合、アルコール度数が高いホワイトリカーや本格焼酎など蒸留酒が用いられているためアルコール度数が高めで、先述のような殺菌効果が期待できることで安全性が保たれていますが、商品によってはベースに醸造酒を使用しているものもあります。
醸造酒は蒸留酒と違いアルコール度数が低いため、出来上がる梅酒も必然的に度数が低くなります。そうなると保管状態が悪ければ、カビなどが映える可能性が出てきます。腐るという可能性は先ほどの成分の問題で考えにくいですが、あり得ないわけではありません。
そのためアルコール度数が低いものについても、カビが生えてしまったものや舌を突くような不快な味がするもの、香りなどがおかしいものは既に飲めないため、残念ですが破棄するほかありません。このような状況からも賞味期限という概念が全くないというわけではないので注意してください。