自宅で手軽!手作り梅酒の作り方と注意点やアレンジ方法
梅酒というと、自宅でも手軽に作れることで有名であり、実際に自分で作る方もそれなりにみえます。作り方も簡単なのでやったことがない方もぜひ挑戦していただきたいのですが、いくつかポイントと注意点もあります。
またアレンジ方法もあり、自分好みの梅酒を作ることも可能となっています。作るのであれば、やはり美味しいものを作りたいですよね。そこでこちらでは手作り梅酒の作り方と注意点やアレンジ方法をご紹介していきます。
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手作り梅酒を作る時の注意点
梅酒は簡単に作ることができるため、古くから家庭で作るのが普通であったお酒でした。これも旧酒税法の影響で一度は廃れてしまいましたが、改定によって再び家庭でも条件付きですが作ることができるようになりました。
詳しい歴史については関連ページがあるのでそちらで確認していただくとして、問題は手作り梅酒を作る上での条件です。現在の酒税法では以下のような条件下でなら製造を許可されています。
- 製造した本人が飲用することを目的として、販売や提供をしないこと
- アルコール度数が20%未満のお酒はベースとして使用しないこと
基本的にお酒の製造には免許、販売には認可が必要です。そちらも酒税法によって規定されているのですが、梅などをお酒に漬け込み、新たに他種のお酒を造るのも製造にあたるので本来は免許が必要であり、勝手に行えば酒税法違反となるのです。
しかし作ったお酒を自分で飲む場合に限り、そのような行為も認めるとされているのです。ただしそれを友人などに提供する、あるいは販売してしまうと途端に抵触するので注意しましょう。
アルコール度数20度未満のお酒はベースに使わない
梅酒には一般的にはアルコール度数が高いホワイトリカーが使われます。このお酒は癖も少ないためベースとしては適しているのですが、市販のものでもこれ以外のお酒をベースとして作られたものが多数販売されています。
例えば本格焼酎やブランデーといったホワイトリカー同様にアルコール度数が高いお酒から、日本酒やワインといった醸造酒のようなアルコール度数が低いものまで使用されています。
しかし酒税法を知らずに日本酒やワインといったアルコール度数が20%未満のお酒を使ってしまうと、例え自宅用として作ったとしても酒税法違反になってしまうのです。
20%未満のものだと糖が発酵して新たにアルコールが生成されてしまい、この時人体に有害なメタノールという物質も生まれます。この物質が体に悪影響を与える可能性が高いため法律で制限されています。
どうしても日本酒やワイン、そしてみりんをベースにしたいのであれば、商品としては少ないですがアルコール度数が20%以上のものを購入して使うようにしてください。
酒税法違反だけでなく、腐敗しやすくなる
もう1つアルコール度数が低いことは、製造した後の保存にも影響します。梅酒は基本的に市販でも手作りのものでも賞味期限はありません。これはアルコールや梅から抽出されるクエン酸が殺菌効果を持つため、腐敗することがないとされています。
しかしこれはあくまで殺菌効果によって雑菌が沸かないためです。アルコール度数が低いもので梅酒を作れば、出来上がった梅酒はさらにアルコール度数が下がったものになってしまいます。そうなると殺菌効果は薄まるため雑菌が繁殖しやすく、梅酒が傷みやすくなってしまうのです。製造や保存の観点からもアルコール度数は高い方が良いのです。
手作り梅酒の美味しい作り方
手作りをする上での注意点はこれで理解していただけたと思いますので、ここからは実際に作り方をご紹介していきましょう。
手作り梅酒の材料
まずは手作り梅酒の材料と道具です。下記をご覧ください。
- 青梅:1kg
- 氷砂糖:500g
- ホワイトリカー:1.8L
- 密閉できる容器
- 竹串
この分量で大体2~2.5L程度の梅酒が出来上がります。そのため密閉できる容器は5L入る程度のものを準備するのがベターとなります。また空気に触れないようにすることが製造上の注意、あるいは保存上の注意に挙がりますのでプラスチックではなく瓶のものを用意することをおすすめします。
竹串は後述でも説明しますが、梅のヘタを取るために使うのですが、1本だと折れてしまうことがあるので数本から数十本用意しておきましょう。
手作り梅酒の作り方の手順
それでは作り方に移りましょう。まずは手順をざっとまとめておきます。
- 容器を煮沸消毒する。
- 青梅を洗う。
- 水気を拭き取る。
- 青梅のヘタを取る。
- 青梅と氷砂糖を容器に入れる。
- ホワイトリカーを注ぐ。
- 密閉して冷暗所で保存する。
これだけでもある程度分かりますが、それぞれの工程を簡単にご説明させていただきます。
1.容器を煮沸消毒する。
実は梅酒を作る上で保存のことも考えるとこの工程が一番大切であり、面倒なものとなっています。容器に熱湯を少し注いで傾け、そのお湯を中で回すことで内部を熱で消毒していきます。終わった後はお湯を捨て、きれいな布巾などで水気をしっかり拭き取ってください。
さらに瓶の口を下にして、布巾を敷き、直射日光のもとで乾燥させて完了です。これが一番簡単な煮沸消毒になります。
もしできるなら寸胴など深い鍋にお湯を沸かし、その中に容器を入れて煮沸消毒する方がより確実です。容器を入れるとき、鍋の底に直接触れないように布巾を間に噛ませる必要があります。また取り出す際にはトングなどが必要となってくるのでそれなりに大がかりです。
梅酒自体がアルコールなので、先ほどの簡易的な煮沸消毒でも十分殺菌効果を望めますので、そこまで神経質になる必要もありませんが、どうしても心配な方は後者の方法を行ってください。
2.青梅を洗う。
容器の準備が出来たらいよいよ作業に取り掛かります。ボウルに水を張り、その中で梅を入れ、流水をかけながら手洗いしてください。スポンジなどを使うと表面い傷をつけてしまい、美味しい梅酒が作れなくなってしまいます。
そのため梅を洗っている時に傷がついているものを見つけたら、それは除いておきましょう。
3.水気を拭き取る。
洗い終わったらカビの防止のためにも、きれいな布巾で水気をよく拭き取りましょう。しかしごしごし拭くと、これもまた傷つける原因になるので力加減には注意してください。
4.青梅のヘタを取る。
梅酒造りでは2番目に面倒な工程がこれです。竹串をヘタの横から少し入れ込み、先端を持ち上げれば簡単に取ることができます。1つ1つは簡単なのですが、それを1kg分となると数があるので、少々面倒です。
ただこのヘタ取りを怠るとエグ味が出てしまいます。梅酒の爽やかな味わいを出すためにもヘタはしっかり取りましょう。
5.青梅と氷砂糖を容器に入れる。
いよいよ容器に詰めていきます。ここで上手く梅酒を作るコツとしては、梅と氷砂糖を交互に詰めていくことです。
まずは容器の底に1層分梅を敷き詰めてください。きれいに隙間なくというのは梅の形状の問題で無理だと思うので、無理に敷き詰めようとはせず1層ができるくらいに優しく敷き詰めて下さい。
続いて梅の層の上に氷砂糖をやはり1層分詰めていきます。こちらも大体で良いです。また梅の隙間などに入れられる大きさのものは少し詰めておきましょう。ただ無理に詰めて梅を傷つけないようにしてください。
あとはこれを繰り返していくだけです。用意した梅と氷砂糖を交互に敷き詰めて完成です。
6.ホワイトリカーを注ぐ。
最後に上から優しくホワイトリカーを注いでいってください。この時、用意したものは全て入れ、梅が全て浸かるようにしてください。ホワイトリカーよりも上に梅が出ていると、その部分にカビが生えることがあります。
7.密閉して冷暗所で保存する。
こちらも空気に触れないようにしっかり密閉して下さい。ただし容器の中を真空にすることは出来ないので、それは仕方ないとして、外から新たに空気が入らないように蓋を密閉します。
この容器を冷蔵庫や冷暗所において熟成させます。最速で6カ月くらいで飲めるようになりますが、より深い味わいにしたい場合は1年ほど待つと梅のエキスがしっかり染みだすのでおすすめです。
ただ1つ注意して下さい。1年以上漬けておくと梅酒が黒ずむことがあります。これは梅の中のエキスが抽出され切って、内部のエグ味が出てしまっている状態です。1年ちょうどでそうなるわけではありませんが、1年以上漬けてあり、すぐに全部飲みきらない場合は、梅を出すか容器を変えた方が良いかもしれません。
梅酒を作った後の梅の活用法
では完成した梅酒から取り出した梅は捨てなければいけないのか、と問われることがありますが、実はこれ、活用する術があるのです。確かに梅のエキスは溶けだしていますが、そこには美味しい梅酒となった液が染み込んでいるのです。それだけに捨てるなんて勿体ない代物です。ここからは活用方法を2つご紹介していきましょう。
梅ジャム
梅を使って梅ジャムにしてみるのはいかがでしょうか?作り方も簡単ですし、普通の梅で作るのとはまた違った美味しさがあります。またそのままはもちろんのこと、ヨーグルトを加えて酸味を追加しても美味しくなります。
実はこのアレンジレシピは非常に人気であり、高い支持を得ているので是非とも試してみてください。
梅ジャムの材料
それでは材料から見ていきましょう。用意するものも非常に単純です。
- 梅酒で使った梅
- グラニュー糖
- レモン汁
この3つを用意してください。レモン汁は絞っても良いですが、ポッカレモンなどでも十分です。
梅ジャムを作る手順
手順は以下の4工程です。煮るのに少し時間がかかりますが、ピューレ(ペースト)になってしまえばあとは他の材料を加えるだけになります。
- 梅酒で使用した梅を柔らかくなるまで煮る。
- ピューレ・ペースト状にする。
- ピューレ・ペースト状の梅にレモン汁とグラニュー糖を加える。
- さらに煮て完成。
梅酒ゼリー
続いて梅酒ゼリーです。梅酒に使った梅を使っているので大人向けのスイーツとなりますが、手軽に作れますし、人気のレシピとなっています。
梅酒ゼリーの材料(2人~3人分)
材料は以下の通りです。梅酒の梅と同時に、それで作った梅酒も活かせるので材料としてはゼラチンと砂糖を新たに用意するくらいでしょう。
- 梅酒で使った梅:2~3個
- 梅酒:100cc
- 水:200cc
- ゼラチン:5g
- 砂糖:大さじ2杯
梅酒ゼリーを作る手順
それでは作り方の手順に移りましょう。5工程あるので難しそうに見えるかもしれませんが、やってみると簡単です。よくやる失敗が粗熱が取れる前に冷蔵庫に入れて上手く固まらないと言うことがあるので、必ず熱がある程度取れてから入れるようにしましょう。
- ゼラチンを大さじ3杯程度の水でふやかしておく。
- 水と砂糖を沸騰させ、ゼラチンを加える。
- 混ぜながら少しずつ梅酒を加える。
- 容器に梅を入れて、先ほどの材料を流し込む。
- 粗熱が取れたら冷蔵庫で2~3時間ほど冷やす。