カモミールティーの成分や効果効能
カモミールティーはハーブティーの中でも最も有名かつ人気のあるハーブと言えるでしょう。ここではその特徴、成分、効能、だけでなく、飲み方や注意点、ブレンドに至るまでご案内させていただきます。
ハーブの個性を知ることでハーブティーをより楽しむことができます。これを読めばきっとあなたもカモミールティーについて詳しくなれるでしょう。
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カモミールティーの特徴
カモミールはキク科の植物です。このハーブはハーブの中で最も古い歴史があり、およそ4000年前から薬草として使用されていた記録があります。
ハーブティーとして飲まれるものは主にジャーマンカモミールという種類の花の部分となります。ジャーマンカモミールは小型の1年草で花の中心が盛り上がっている特徴があります。
やさしい口当たりとりんごに似た香りで飲みやすく、人気のあるハーブです。
カモミールティーの成分と効果効能
カモミールの効能としては炎症を抑える、気持ちを落ち着かせる、アンチエイジングなどがあげられます。それでは成分と効能について詳しく見ていきましょう。
成分
- αビサボロール
- マトリシン(カマズレン)
- アピゲニン
- ルテオリン
- ケルセチン
- クマリン
- カマメロサイド
効能
- 炎症を抑える (抗炎症作用)
- アレルギーを抑える (抗アレルギー作用)
- 胃腸の調子を整える (抗炎症/鎮痙作用)
- リラックス (鎮静作用)
- アンチエイジング (抗酸化/抗糖化作用)
- その他
炎症を抑える
この効能をもつ成分としてはビサボロールやアピゲニン、ルテオリン、カマズレン(マトリシンが精油の工程で化学変化、ティーにはほとんど含まれない)があげられます。ルテオリンは強い効能をもつとされ、炎症の原因物質(ロイコトリエン)の生成を阻害し炎症を抑えます(抗炎症作用)。これらは消化器系に作用します。
また、歯周炎対策としてはうがい薬として使用することも良いとされています。
皮膚の炎症を抑えるにはハーブの成分を抽出した精油※を薄めて湿布することでその効果が期待できます。この時、抗炎症作用に関わる物質はカマズレンとされています。
※精油:ハーブを蒸し、その蒸気を回収、冷やして得られる液体のうち、水に浮いた部分のこと。水に浮くと言っても油ではなく水より軽い成分、揮発性の高い香り成分(アルコールや芳香族化合物)が凝縮したもの。
アレルギーを抑える
カモミールに含まれるアピゲニンはアレルギー原因物質のヒスタミンの放出を抑制する作用が知られており、カモミールティーを飲むことによってその効果が期待できます。
胃腸の調子を整える
上記にもありますように、胃腸の粘膜への抗炎症作用、そして、アピゲニンのもう2つ目の効能、鎮痙作用(腹部の筋肉の収縮、痙攣が緩和させる)により、胃腸の調子を整える効能も期待できるとされています。
リラックス
カモミールはリラックス効果が高いことでも知られています。この効能を持つ成分もアピゲニンとされています。これは神経を興奮させる物質(ドーパミン)の貯蔵に関わるたんぱく質を活性化させると言われており、それによって興奮物質の貯蔵を促し(細胞の中の袋の中に貯める)興奮物質の影響を抑えると言われています。
アンチエイジング
カモミールにはアンチエイジング(老化防止)に繋がる抗酸化、抗糖化作用を持つ成分も含まれていると言われています。その成分はケルセチン、クマリン、カマメロサイドがあげられます。
ケルセチン、クマリンは、体内の活性酸素に対して優先的に結合することでその影響をなくします(抗酸化作用)。体内の過剰な活性酸素(他の物質にくっつきたい酸素分子)は体内の必要な物質と結合することでその物質を酸化させ、悪影響を及ぼすため、それを阻止します。
カマメロサイドは老化の原因されるたんぱく質の糖化を阻止します(抗糖化作用)。
その他
カモミールは上記の他にも、安眠作用や生理痛の軽減などの効能もあると言われています。
カモミールティーの注意点
キク科のアレルギーを持つ方はカモミールティーを飲まないでください。また、妊婦の方も飲まないほうが良いという見解もありますので、ご注意願います。
カモミールティーは比較的安全性の高いハーブとされていますが、薬によっては作用に影響を与えることも否定できません。常備薬がある方、不安がある方は医師や薬剤師に相談すると良いでしょう。
ハーブは薬ではありませんので医師から処方された薬の代わりに使用することはできません。また、そのメカニズムについても解明されていない部分が多いというのが現状です。ですが、古くからその効能が認められ、飲まれ続けているという事実は変わりません。効能についての理解した上でハーブティーの良さを楽しみましょう。
カモミールティーの上手な入れ方
- 用意するもの
- ティーポットや急須(蓋ができるもの)
- 茶こし(ティーポットについている場合、ティーバッグを使う場合は不要)
- ティーカップ
- お湯 150~180cc (1杯分)
- ハーブ ティースプーン山盛り1杯:1~2g (1杯分)
※お湯とリーフの量は目安です。
- 入れ方
- お湯を沸かす
- ティーポット(急須)とティーカップにお湯を注ぎ、温まったらお湯を捨てる(ティーカップのお湯はそのまま)
- ティーポットにハーブを入れる
- お湯(95℃以上)※をティーポットに入れ、蓋をして3~5分蒸らす
- ティーポットを水平にしたまま軽く回し、濃さを均一にする
- ティーカップのお湯を捨ててティーを注ぐ
※ハーブの成分をしっかり抽出するために必ず沸騰したお湯を使用してください。
※ティーバッグを使用する際はメーカーによってハーブの量が異なる為、表示を確認してからいれてください。
※ハーブティーはその成分のほとんどが1度に出てしまいます。
もし、おいしいと感じられない場合は、ハーブの量を加減したり蒸らし時間を調整し、自分好みの味や濃さにしても良いでしょう。また、もしあれば、フレッシュハーブを浮かべると見た目も楽しくなります。
また、夏場はアイスもおすすめです。カモミールはオレンジジュースとの相性が良く、オレンジジュース70%に対し、冷たくしたハーブティーが30%を目安にブレンドすると良いでしょう。また、アイスのハーブティーを作るときは通常よりお湯の量を1/2~1/3として濃く作り、それを氷を入れたグラスに注ぐと丁度良くなります。
カモミールティーの上手な飲み方
カモミールは安全性の高いハーブとされておりますが、(妊婦の方を除く)目安としては1日3~4杯程度が良いでしょう。量を飲むと違和感を感じるという方もいるようですので様子を見ながら飲みましょう。
効能の中に、安眠作用があると言われていることから、寝る前に飲むこともおすすめです。ノンカフェインなので身体への負担も少なく、寝る前も安心して飲むことができます。
カモミールティーとのブレンドに相性の良いハーブ
カモミールと特に相性の良いハーブとしてはペパーミント、ハイビスカス、リンデンフラワー、マロウブルーがあげられます。ブレンド例としてはカモミールとペパーミントを1:1/2の割合です。
ただ、ブレンドするほどハーブを揃えることは難しいです。その場合は目的別にブレンドされたハーブティーが販売されていますのでいくつも種類を集めなくても気軽に楽しむことができます。
下記におすすめブレンドティーを紹介させていただきますので宜しければ参考までにご覧下さい。
おすすめのカモミールティー
ジャーマンカモミール(100%)
まずはカモミール100%のものを、そして有機栽培のものを選ぶと良いでしょう。下記にいくつか紹介させていただきますので参考までにご覧ください。
生活の木 / 農薬不使用カモマイルジャーマン
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100g入り。ティーバッグタイプではないので計量が必要です。また、同社では15g入りのものから1kg入りのものまであります。
生活の木 / ティーバッグハーブティー農薬不使用カモマイル・ジャーマン
現在の価格はコチラ |
ティーバッグタイプ15個入り。
ブレンドティー
ブレンドティーは目的に合わせて相性の良いハーブを組み合わせられているため、手軽に楽しむことができます。下記におすすめのブレンドティーを紹介させていただきますので参考までにご覧下さい。
GREEN PARK Ave. / おやすみ茶
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安眠に良いとされるハーブ7種類を配合したブレンドティーです。50g、100g、300g入りの3タイプがありますが、コストパフォーマンスに変わりはありません。(容量の多いものを購入してもリーズナブルにはなりません。)
celestial seasonings / sleepytime
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ティーバッグタイプ20個入り。ハーブティー初心者でも飲みやすいブレンドで人気があります。