産地や料理や種類で選ぶ!美味しい海苔の正しい選び方
販売されているたくさんの海苔の中から1つの商品を選ぶというのは、選び方がわからなければ悩んでしまうものです。産地などの情報が書かれていてもその特徴がわからず、結局価格で選んでしまうという方も多いのではないでしょうか。
価格で海苔を選ぶのも良いですが、せっかくなら味や使い方も考慮して選んでみてはいかがでしょう。海苔には価格以外にも産地、収穫時期など選ぶ際のポイントがいくつかあります。
今回は海苔の産地や種類、料理の仕方などにも注目しながら美味しい海苔の選び方をご紹介します。
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美味しい海苔の正しい選び方
海苔は、年間を通して販売され、袋に入っているため香りなどもわからず、見た目でも良し悪しがわかりにくいので、何の知識も無い状態では選ぶのが難しい食品です。しかし、ちょっとしたポイントをおさえることで、使用用途や好みに合う製品を選びやすくなります。
海苔は日本の広い地域で生産されていますが、産地ごとに味や風味、質感などに特徴があります。また、1年中販売されていますが収穫時期は限られているため、購入する時期によって味わいも異なります。
それぞれの産地の特徴や収穫時期などから海苔の選び方を知り、自分の好みに合う美味しい海苔を購入しましょう。
美味しい海苔の特徴
美味しいと感じるかは個人の好みによる部分も大きいですが、一般的に美味しいとされる海苔には以下のような特徴があります。
- 光沢(ツヤ)がある
- 厚みが均一
- 手触りが柔らかい
- 濃い黒紫色をしている
- 光に照らした際に穴が開いていない
- 海苔特有の香りが強い
光沢や色合い、穴の有無などの見た目の特徴は確認がしやすいですが、手触りや香りは実際に購入してみないとわからないところが多いです。ですが、これらの項目を満たす海苔は高級品となる傾向があるので、価格も1つの指標となります。
手ごろな価格帯でいくつかの製品がありどれを購入するか悩んだ際には、ツヤがあり黒に近い濃い色をした海苔を選んでみるといいでしょう。
時期や使用用途で海苔を選ぶ方法
どういった海苔が美味しい海苔なのかわかったところで、ではその美味しい海苔の中からさらにどれを選べばいいのかという話になります。海苔の選び方としては以下のような方法が挙げられます。
4つの選び方があると考えると複雑に思えるかもしれませんが、これらは大まかに分けると海苔の収穫時期で選ぶか使用用途で選ぶということになります。
海苔には産地や種類によって特徴があるため、相性のよい調理法や料理の仕上がりにも違いがあります。そのため海苔の使用用途で選ぶ場合には、産地や海苔の種類にも注目することが重要となります。
もちろん必ずしも「この料理にはこの産地のこの種類の海苔を選ぶ」という必要は無いですし、自分の好みに合う組み合わせを見つけるのも海苔の楽しみ方の1つと言えるでしょう。
自分好みの海苔を見つけるためにも、収穫時期や産地など様々な観点から海苔を選ぶ方法をご紹介していきます。
収穫の時期で海苔を選ぶ方法
海苔は1年中いつでも販売されていますが、収穫は1年間ずっと行われているわけではありません。産地によって時期に差は出ますが、収穫の早い地域では10月の下旬頃、遅い地域でも12月上旬頃から収穫が始まり翌年の4月から5月頃に終了します。
このように収穫可能な期間が長い理由の1つに、冷凍網の存在があります。冷凍網とは海苔を種付けした網を冷凍保存したもので、収穫期間の途中からはこの冷凍網で栽培された海苔が収穫されます。
冷凍網に対して収穫期間の最初に使用される網を秋芽網と言います。秋芽網は種付けした後そのまま養殖され、収穫の時期が訪れると摘み取られます。
海苔は1度収穫した後もしばらくすると成長しまた収穫可能となりますが、回数を重ねるごとに品質が落ち硬い海苔となってしまいます。つまり序盤に収穫された海苔ほど質がよく、最初に収穫した海苔は特に「初摘み」と呼ばれ重宝されています。
「初摘み」はパリッとした歯切れのよさと、口溶けのよい柔らかさを兼ね備えているのが特徴で、甘みや海苔の風味にも優れていると言われています。とろけるような質感で風味豊かな海苔を味わいたい方におすすめの海苔となっています。
なお、秋芽網と冷凍網のどちらからも「初摘み」が生産されます。秋芽網の方が香りの強いやわらかい海苔となり、冷凍網の方は味が濃く旨みの強い海苔となる傾向があるとされています。どちらの方が美味しいかは好みによると思いますので、食べ比べてみるのもいいでしょう。
産地によって時期に多少の差はありますが、「初摘み」は秋芽網のものが11月から12月頃に、冷凍網のものは1月から3月頃に販売されます。秋芽網の「初摘み」はお歳暮でも人気となっているので、贈答用の海苔をお探しの方にもおすすめです。
「初摘み」には他にも呼び方があるので、いくつかご紹介します。以下の名前の海苔も初摘みと同じく網から最初に収穫されたものとなります。
- 一番海苔
- 一番摘み
- 秋芽海苔
- 秋芽網海苔
「初摘み」と「一番摘み」が使われることの多い呼び名ですが、似たような言い回しで「初摘み」かはっきりとわからない場合にはお店の方に確認されるといいでしょう。
海苔の産地で選ぶ方法
日本では太平洋側を中心に各地で海苔が作られています。農産物や他の海産物でも産地が違えば味わいが変わってくるように、海苔も産地によって味や香りに特色があるので、自分の好みに合う海苔の産地を見つけるのが美味しい海苔を選ぶ方法の1つです。
海で育つ海苔はその地域の海の風味を楽しむことができる一方、環境の変化による質の低下などの影響を受ける恐れもあります。また、同じ産地でも人の手が加わっているので品質にもばらつきがあり、美味しい海苔もあれば保存状態の悪い質のよくない海苔というのも存在します。
そういった事情も考慮しつつ、産地ごとの特徴を参考にしながら美味しい海苔を選んでいきましょう。一般的にどこの海苔が人気というのもありますが、食の好みは人それぞれですから自分好みの海苔の産地を見つけてください。
有明海
日本有数の海苔産地でもある佐賀県を筆頭に、福岡県、長崎県、熊本県が主な産地となります。味わいと香りに優れた良質な海苔を好む方におすすめです。
瀬戸内海
近畿、四国、中国の瀬戸内海に面する地域で、代表的な産地は兵庫県と香川県となっています。コンビニのおにぎりにも使用されており、硬めの質感とツヤのある美しい海苔が好きな方におすすめです。
東京湾
昔は東京の品川近辺でも海苔が生産されていましたが、現在は千葉県が主な産地で他に神奈川県でも生産されています。香りに優れた、しっかりとしたやや硬めの食感の海苔を好む方におすすめです。
伊勢湾
愛知県と三重県が代表的な産地です。海苔の養殖に向いている土地ということもあり品質がよく、柔らかく食べやすい質感で海苔の風味が濃厚な味わいの製品を好む方におすすめです。
海苔の種類や使用料理で選ぶ方法
海苔にも加工方法の違いなどにより、いくつかの種類があります。それぞれの海苔で使用するのに向いている料理も異なるので、海苔を使った料理を楽しみたい方は種類も考えながら海苔を選んでみてはいかがでしょう。
種類とあわせて先にご紹介した産地も考慮していただくと、好みに合う美味しい海苔が選びやすくなるかと思います。自分がどういった海苔が好きなのかを考えながら、購入する品を選んでください。
生海苔
生海苔は名前の通り生の状態の海苔で、収穫時期の冬に出回る希少品となっています。とろりとした舌触りとプリプリとした食感で、口の中に広がる豊かな磯の風味とバランスのいい塩気が味わえます。
食べ方としては鮮度のよいものでしたら、ポン酢をかけたり酢の物にしたりと生のままお刺身のように食べるのがおすすめです。お味噌汁の具にするのも定番で、磯の香りのするお味噌汁へと仕上げてくれます。
生海苔は海苔の佃煮の原料としても使用されているので、自家製の佃煮を作りたい方にもおすすめです。自宅で作ることで海苔の風味が豊かな佃煮を作れるだけでなく、味付けも自分好みに調整することができます。
乾燥海苔
乾燥海苔は生海苔を紙のように漉き板状に加工し乾燥させた海苔のことで、板海苔とも呼ばれています。今の日本では海苔と言えば焼き海苔が主流となっていますが、昔は乾燥海苔が主流でした。
焼き海苔との大きな違いとして、乾燥海苔は食べる前に自分で焼く必要があることが挙げられます。面倒だと感じる方もみえるでしょうが、海苔は焼くことで風味が増すので、使用直前に焼くことで風味のよい海苔を味わうことができます。
また、焼きあげが行われていないため、乾燥海苔は焼き海苔よりも水分を多く含みます。そのため焼き海苔と比較するとパリッとした質感では劣るものの、太巻きや直巻きおにぎりを作る際に使用すると破れにくいという利点があります。
手間隙かけても風味のよい海苔を食べたいという方や、巻き寿司などをよく作る方には乾燥海苔がおすすめです。
焼き海苔
焼き海苔は乾燥海苔を焼き上げたもので、現在日本で流通している海苔の主流となっています。心地よい磯の香りと口の中に広がる旨みのバランスがよく、パリッとした歯ざわりのよさが特徴です。使用前に焼く必要もないので、手軽に使える便利さも魅力とされています。
現在主流となっているだけあって料理とも相性がよく、定番のおにぎり以外にも丼物のトッピングや磯部餅など様々な食べ方がされています。和食に限らずラーメン、パスタなどにのせてもほどよい磯の風味を与えてくれるので、美味しくいただけます。
食べる直前に海苔を巻くおにぎりが好きな方や、すぐに使えて扱いやすい海苔をお探しの方には焼き海苔がおすすめです。
味付け海苔
味付け海苔は焼き海苔に砂糖、醤油などのタレを塗りつけてから乾燥させたものです。旅館の朝食で出されることも多く、パリパリとした食感と甘辛い味わいは子どもにも人気となっています。
白いご飯と相性のよい味わいから、ご飯と一緒に食べるのが定番の食べ方です。他には味付けをいかして和え物に加えても味を整えてくれますし、卵焼きを作る際に巻き込むと甘辛い味に加え見た目にも楽しさを与えてくれます。
味付け海苔には他の海苔よりも湿気を吸収しやすいという特徴があるため、小分けのパックになっている製品は食べる直前に開封するようにしましょう。湿気を吸収してしまうと歯ざわりが悪くなるだけでなく、ベタついて食べにくくもなるので注意が必要です。
独特の味付けから海苔の風味が苦手な方でも味付け海苔なら食べられるという方もみえるので、食べやすい海苔を選びたい方におすすめです。
青のり
青のりはアオノリ類の海藻を乾燥させたものです。たこ焼き、お好み焼きなどのトッピングに使われる青のり粉は乾燥させた後に粉砕したもので、日本で青のりと言えば青のり粉が定番となっています。
完成した料理にふりかけるだけで心地よい磯の風味を加えられる青のり粉はトッピング以外にも、天ぷらの衣に加える磯辺揚げやたっぷりの粉チーズと一緒にパスタに絡めるなど、料理にも活用できます。
青のり粉と比べると量は多くありませんが粉砕前の青のりも販売されており、お味噌汁やお吸い物など汁物の具にしたり天ぷらなどの料理と相性がよいとされています。
また、青のりは綺麗な緑色をしているため料理の色づけにも利用できます。卵焼きに青のりを加えると、黄色に緑色が映えて彩り豊かになりますし味わいにも磯の風味を与えてくれます。
青のりはお好み焼き、たこ焼きなどの粉物が好きな方におすすめですし、海苔の食感が苦手だけれど磯の風味は好きという方は青のり粉なら食べやすいかと思いますのでおすすめです。