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知っておきたい!産地で変わる海苔の養殖方法と味の違い

海苔の養殖方法と味の違い

魚にも養殖物と天然物があるように、海苔にも養殖物と天然物があります。天然物は岩海苔として販売されることが多く、家庭で使われることの多い焼き海苔はほとんどが養殖物となっています。

海苔の養殖は日本各地で行われているのですが、養殖方法は2種類あり地域によって使われている方法が異なります。養殖方法によって仕上がりにも違いが出るため、産地ごとの養殖方法を知っておくと購入の際に海苔を選びやすくなるでしょう。

そこで今回は、産地によって変わる海苔の養殖方法と味の違いについてご紹介します。

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養殖海苔とは?

養殖海苔とは?

海苔の養殖について大まかに説明すると、以下のような工程となります。

  1. 水槽でかきの殻に海苔の種を植え付け育てる
  2. 秋になり海苔が胞子を出すようになると、網に胞子をつける「種付け」を行う
  3. 種付けを行った海苔網を海中に張り育てる
  4. 冬に育った海苔を摘み取り、洗浄して加工する

養殖という言葉から水槽で行われるイメージがありますが、実際には途中からは海中で行われています。天候など自然環境の影響も受けながら、海の栄養をたっぷりと取り込み作られているのが養殖海苔です。

海苔の養殖は昔から行われていましたが、今のような技術が確立されたのは1953年になってからです。1949年にイギリスの藻類学者のドリュー女史が海苔の糸状体を発見し、それまで謎につつまれていた海苔の夏のすごし方を解明したことがきっかけとなります。

ドリュー女史の発見を元に熊本県の水産試験場の研究員が研究を重ね、1953年に海苔の人工採苗に成功しました。人工採苗による海苔の養殖技術は全国に広まり、生産量が増加するとともに安定した供給が可能となっていきました。

野生種の海苔について

海苔養殖において現在最も用いられているのはスサビノリの養殖品種である、ナラワスサビノリとなっています。ナラワスサビノリが使われるようになったのは1970年頃からで、それ以前にはアサクサノリという種が養殖に使われていました。

ナラワスサビノリはアサクサノリよりも病気に強く、生育も早いため養殖がしやすいという特徴があります。そのためアサクサノリは養殖に使われなくなり、生息数は減少していきました。

さらにアサクサノリの生息場所であった干潟の埋め立てや水質汚染などが原因となり、生息に適した環境が減ってしまい自生していたアサクサノリの野生種も生息数は激減します。

このように、アサクサノリよりも育てやすい養殖品種の誕生や生息場所の減少といった出来事が重なり、現在アサクサノリは、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。自生地は全国で4箇所から8箇所ほどしか確認されていません。

>>海苔の種類の違いについて詳しくはコチラ

海苔の養殖方法

海苔の養殖方法

海苔の養殖方法には以下の2種類があります。

  • 支柱柵養殖
  • 浮き流し養殖

それぞれの方法は行うのに適した環境が違うため、海苔の産地ごとにどちらかの方法を選択していることが多くなっています。養殖方法とあわせてどこの産地で行われているのかもご紹介するので、普段食べている海苔の産地を確認してみてください。

支柱柵養殖の特徴

支柱柵養殖は水深の浅い場所で行われる方法で、有明海に面する佐賀県、福岡県、熊本県が代表的な産地となっています。他に千葉県、愛知県、三重県でも一部の地域では支柱柵養殖が行われています。

干潟で昔から伝統的に行われている養殖方法となっており、海に立てた支柱に海苔網を張り養殖を行います。潮の満ち引きを利用していることに特徴があり、海苔は海中にいる時間と空気に触れる時間ができます。この2つの状態を経ることで、柔らかい海苔に仕上がるとされています。

支柱柵養殖の行われている有明海は日本を代表する海苔の産地ですので、取り扱っているお店も多く購入がしやすいです。支柱柵養殖の海苔を食べてみたい方は、まずは有明海産の海苔を探すのがおすすめです。

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浮き流し養殖の特徴

支柱柵養殖が水深の浅い場所で行われるのに対し、浮き流し養殖は水深の深い場所で行われる養殖方法で、べた流し式とも呼ばれています。代表的な産地は兵庫県、香川県などの瀬戸内海に面した地域となっています。他に宮城県、千葉県、愛知県、三重県などでも浮き流し養殖が行われています。

昔は海苔の養殖は干潟で支柱柵養殖で行われていましたが、時代とともに工業化が進むにつれ干潟は埋め立てられ工業地帯となり、養殖場が減っていきました。そうした環境の変化の中で養殖技術も進化していき、水深の深い場所で行う浮き流し養殖が可能となりました。

浮き流し養殖では支柱を使わずに、海の深い場所に浮きをつけた海苔網を沈め、流されないよう錨で固定して行います。支柱柵養殖と違い常に海苔が海中にあることが特徴で、その結果厚みのあるしっかりとした海苔に仕上がるとされています。

瀬戸内海は有明海に次ぐ国内の海苔の産地で、浮き流し養殖の盛んな地域です。愛知県、三重県などは支柱柵養殖と浮き流し養殖の両方が行われているので、浮き流し養殖の海苔を試すなら瀬戸内海産がおすすめです。

また、浮き流し養殖の海苔はコンビニのおにぎりにも使用されています。海苔の食べ方としておにぎりに巻くことが多い方は、コンビニのおにぎりで試してみるのもいいでしょう。

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養殖方法と味の違い

養殖方法と味の違い

養殖方法によって海苔の仕上がりに違いがあることは先述しましたが、それぞれの方法で作られる海苔の味の違いなどについてまとめると以下のようになります。

  • 支柱柵養殖:甘みがあり旨みの強い味わいで、やや赤みを帯びた色をした柔らかく口溶けのよい海苔
  • 浮き流し養殖:噛む度に旨みが広がる味わい。黒に近い濃い色でツヤがあり厚みのあるしっかりとした海苔

支柱柵養殖が行われている佐賀県、福岡県などの有明海地区は、海苔の甘さと旨みを兼ね備えた口当たりの柔らかな海苔が多く作られており、食べやすさと美味しさから人気のある産地となっています。パリッとした歯切れのよさも特徴の1つで、食べる直前に海苔を巻くタイプのおにぎりを好む方におすすめです。

浮き流し養殖の盛んな兵庫県、香川県などの瀬戸内海地区では、噛む度にじわりと旨みが広がり、色艶が美しくしっかりとした厚みで噛みごたえのある海苔が作られています。しっかりとした海苔は直巻きおにぎり、太巻きなどに向いていることから、コンビニおにぎりなどの業務用として広く使われています。

支柱柵養殖と比べると浮き流し養殖の海苔は味わいがやや淡白とも言われていますが、厚みがあり噛む度に旨みが感じられるので、じっくりと海苔の味わいを堪能したい方におすすめです。

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