ポマースブランデーとは?製法や種類と定番銘柄

数多あるブランデーの種類の中でも異彩を放つ「ポマースブランデー」。ブドウの搾りかすで作られるポマースブランデーは、日本では粕取りブランデーとも言われています。
そんなポマースブランデーの種類と特徴についてご紹介します。
スポンサーリンク
ポマースブランデー(粕取りブランデー)の種類と特徴
ポマースブランデーとは、ワインの醸造後に出る発酵後のブドウの残りかすである「ポマース」を蒸留して作ったお酒を指します。ポマースブランデーは日本では粕取りブランデーと呼ばれており、伝統的な蒸留酒として様々な地域で作られています。
ポマースブランデーは古くから世界中で作られてきたお酒です。蒸留技術が伝わると、ワイン醸造の文化がある地域の多くではポマースブランデーが作られ始めたと言われています。
そんなポマースブランデーの種類は以下のとおりです。
- グラッパ(イタリア)
- マール(フランス)
- ラキヤ(ブルアリア)
- オルホ(スペイン)
- ジヴァニア(キプロス)
- チャチャ(グルジア)
- トレスター(ドイツ)
- チプロ(ギリシャ)
上記の8種類以外にも世界には多くの種類のポマースブランデーがあり、それぞれに特徴が異なります。そこで、「グラッパ・マール・ジヴァニア・オルホ」と呼ばれる代表的なポマースブランデーの種類と特徴をご紹介しますので、ブランデー選びの参考にしてみて下さい。
グラッパ
現在の価格はコチラ |
最も有名なポマースブランデーと言われるのが、イタリア特産の「グラッパ」です。グラッパはポマースを発酵させたアルコールを蒸留して作られており、無色透明でブドウの香りが豊かなポマースブランデーです。
グラッパは樽熟成を行わないものが多く、無色透明であることが多いです。またアルコール度数は30度から60度のものが多く、イタリアでは食後酒として非常にポピュラーです。
イタリア全土で作られていますが、ヴェネツィアの北西の「バッサーノ・デル・グラッパ」が産地としては有名です。日本では知名度は低い物の、近年では大型の酒店で見かけることも多く、イタリアンファミレスの「サイゼリア」にも置かれています。
ジヴァニア
地中海のキプロス島で伝統的に作られ続けてきたポマースブランデーが「ジヴァニア」です。ジヴァニアは基本的にはブドウを原料とした蒸留酒です。しかし、それだけではなく、熟したブドウのみで作られた辛口ワインに、ブドウの搾りかすであるポマースを混ぜて蒸留することによって製造されています。
他にも、通常のブランデーと同じ製造方法のジヴァニアや、それにポマースを漬け込んで希釈したジヴァニアの製造方法もあります。
ただ、いずれの製造方法でもジヴァニアの特徴は、レーズンのような華やかな香りです。
マール
現在の価格はコチラ |
フランスで作られるポマースブランデーを「マール」と言います。マールの語源は、フランス語で「つぶす、砕く」という意味を持つ「Marcher 」の派生語からきています。
マールはワインの製造過程で出る搾りかすを蒸留して作られており、他のポマースブランデーの多くが熟成させないのに対し、マールは樽熟成させることが多いです。
それゆえ、マールは色味や香りがポマースブランデーの中では強いのが特徴です。また、フランスは高級ワインの産地でもあり、高級ワインで有名なシャンパーニュやブルゴーニュで作られたマールはワイン同様に評価が高いです。
オルホ
現在の価格はコチラ |
スペイン北部で生まれたポマースブランデー「オルホ」。オルホはブドウを潰した後に残る搾り粕を蒸留して作るポマースブランデーであり、高いアルコール度数にもかかわらず飲みやすいのが特徴の人気のお酒です。
通常のオルホは無色透明ですが、「orujo envejecido」と呼ばれる黄色のオルホもあります。これは「年を経たオルホ」という意味であり、2年以上の樽熟成されたオルホを指します。
スペイン北部の伝統的なお酒として受け継がれてきたオルホは、もともとはホームメードリキュールとして家庭で親しまれてきました。しかし現在では、高品質なオルホが生産され、スペイン全土で飲まれています。