中国の黄茶の種類や美味しい入れ方
お茶の発祥の地と言われる中国は、地域によって様々なお茶文化が育っており、数百種類とも言われるお茶が楽しまれています。そのお茶を発酵度によって大きく7つに分けられています。その1つである「黄茶(ファンチャ)」は、中国茶の中でも最も希少価値の高いお茶と言われています。
そんな黄茶(ファンチャ)の特徴やおすすめについてご紹介します。
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中国茶の種類【黄茶(ファンチャ)】とは?
中国7大茶の1つに数えられる黄茶(ファンチャ)。黄茶(ファンチャ)は「弱後発酵茶」に分類される中国茶であり、中国茶の中でも最も希少価値が高いお茶として知られています。清朝皇帝も愛飲したといわれる黄茶(ファンチャ)は、100g1万円を超える価格の茶葉も珍しくありません。
黄茶(ファンチャ)は荒茶製造工程中に軽度の発酵を行うお茶であり、茶葉を湿った布で覆い、高温多湿の場所に置くことで細菌による発酵を促します。黒茶までは発酵させないので、緑茶よりもまろやかで香り高く、黒茶程のクセが無いお茶となっています。
>>中国茶の種類 | 緑茶・白茶・黄茶・青茶・紅茶・黒茶・花茶
黄茶(ファンチャ)は製造工程が複雑で手間がかかる為に生産量が非常に少なく、手に入りにくお茶の1つです。清時代の小説で中国の源氏物語と言われる「紅楼夢」にも取り上げられており、宮廷専用茶になった歴史のある気高いお茶です。
その希少さから、現在でも100gあたり1万円以上で取引される黄茶(ファンチャ)も珍しくありません。
黄茶のグレードや等級
茶葉のグレードは特級から1級、2級、3級と、グレードが定められています。このグレードが悪い程、茶葉の形状が悪く、茶葉がこま切れ状態の粉茶状態に近い物となっています。
このグレードは、お茶の銘柄ごとに定められており、銘柄によって異なります。黄茶(ファンチャ)ではありませんが、プーアル茶などでは等級だけでも「生茶葉のグレード」「晒青毛茶のグレード」「プーアル熟散茶のグレード」「茶葉の大きさによるグレード」のグレードがあります。ただ、全ての銘柄にグレードが設定されている訳ではありませんのでご注意ください。
また、よく「極上」と記載されたパッケージの中国茶を目にしますが、「極上」というグレードは存在しません。ちなみにペットボトルや缶で売られているお茶は、5級や6級のグレードが使われていると言われています。
中国の代表的な黄茶の種類
黄茶(ファンチャ)は使われる茶葉の種類によって、大きく3種類に分類されています。その種類と代表的な銘柄についてご紹介します。
黄芽茶
黄芽茶とは、茶葉の芽の部分だけを使って作られた黄茶(ファンチャ)のことです。黄芽茶の代表的な銘柄は以下の通りです。
君山銀針
君山銀針(くんざんぎんしん)は黄茶(ファンチャ)を代表するお茶です。ほのかに甘い口当たりと清涼感のある風味が魅力の黄茶(ファンチャ)です。柔らかな薫焙香と、はちみつに例えられる甘みが特徴です。
蒙頂黄芽
蒙頂黄芽(もうちょうこうが)とは、「豆」に例えられる、ほっこりとした甘みが特徴の黄茶(ファンチャ)です。非常に長い歴史を持つ銘茶であり、唐代の詩人である「白居易」も好んで飲んだと言われている黄茶(ファンチャ)です。
黄小茶
黄芽茶とは、茶葉の若葉だけを使って作られた黄茶(ファンチャ)のことです。黄芽茶の代表的な銘柄は以下の通りです。
北港毛尖
北港毛尖(ほっこうもうせん)とは、主に中国は湖南省で生産されている黄茶(ファンチャ)であり、芳醇でしっかりとした清涼感のある香りが特徴的なお茶です。緑茶に近い味わいですので、日本人にも好まれやすい黄茶(ファンチャ)です。
黄大茶
黄芽茶とは、茶葉の少し大きくなった葉を使って作られた黄茶(ファンチャ)のことです。黄芽茶の代表的な銘柄は以下の通りです。
霍山黄大茶
霍山黄大茶(かくざんこうたいちゃ)とは、黄大茶を代表する銘柄であり、中国は安徽省の霍山が主な産地です。ほんのりとした甘みと、ほうじ茶のような香ばしさが特徴の黄茶(ファンチャ)です。
黄茶茶の美味しい入れ方
では、実際に黄茶(ファンチャ)を飲む際の入れ方をご紹介しますので、参考にしてみて下さい。まず、用意してほしい物は以下の通りです。
- 茶壺(チャフー) ※無ければ急須かグラス
- 茶杯(チャハイ) ※無ければ湯呑み
- 茶盤(チャバン) ※無ければボール
基本的な黄茶(ファンチャ)の入れ方は以下の通りです。
- まずは茶壺に沸騰したお湯を入れ、温めます。
- 次にそのお湯を茶杯に入れて茶杯を温め、残った湯を茶盤に捨てます。
- 茶壺に茶葉を入れます。150ccに対して4gから5gが目安です。
- 70度前後の沸騰させて少し冷ましたお湯を茶壺に入れ、1~10分蒸らします。
- 蒸らしてる間に茶杯を温めるために入れておいたお湯を捨てます。
- 茶葉から爽やかな若葉の香りがし始めたら飲み頃です。 お茶の濃さが均等となる様に少しづつ注いでいきます。※茶海があれば、いったんすべて茶海に注いでから茶杯に注ぎます。
- 茶葉は繰り返し飲めます。ただ、3回目以降は蒸らし時間を少しづつ伸ばしてみて下さい。
1度は飲んで欲しいおすすめ黄茶
ここまで、中国茶の中でも最も希少価値が高いとされる黄茶(ファンチャ)についてご紹介してきましたが、高価で多くの銘柄のある黄茶(ファンチャ)の中でも、1度は飲んでほしいおすすめの黄茶(ファンチャ)をご紹介しますので、中国茶選びの参考にしてみて下さい。
君山銀針(くんざんぎんしん)
現在の価格はコチラ |
「黄茶の王様」と称される黄茶(ファンチャ)を代表するお茶、君山銀針(くんざんぎんしん)は1度は飲んでほしいおすすめのお茶です。湖南省の君山という島で生産されるお茶であり、その名の通り銀の針に似た形をしています。
毎年数キロしか取れなかった時代は、全て皇室御用達となっており、上流階級の人間ですら飲めなかったお茶です。現在でも年間生産量は300キロ位程度しかなく、偽物も非常に多い希少価値の高い黄茶(ファンチャ)です。
霍山黄芽(かくざんこうが)
現在の価格はコチラ |
爽やかで清涼感のある香りと、キリッとした味が特徴の黄茶(ファンチャ)を代表する銘柄「霍山黄芽(かくざんこうが)」もおすすめです。栗の炭などで燻して作られている為、栗っぽい風味も楽しめる黄茶(ファンチャ)です。
蒙頂黄芽(もうちょうこうが)
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蒙頂黄芽(もうちょうこうが)も1度は飲んで欲しいおすすめの黄茶(ファンチャ)です。非常に歴史の深いお茶であり、唐代の詩人である「白居易」も好んで飲んだと言われています。古くから愛されてきた高級茶をぜひ試してみて下さい。