バーで人気のビール「ペールエール」の特徴と魅力
近年、ビールの種類が豊富なバーなどで人気を獲得しつつ有るのがペールエールと呼ばれるビールのスタイルで、イギリスやベルギー等では定番のビールとなっており、日本国内でもマイクロブルワリーを中心とした地ビールのメーカーから出ている物が高い人気を獲得しているため、ビールを語る上で欠かせないスタイルとなっています。
そこで今回は、普段のビールでは物足りないあなたの為に、ペールエールの特徴や魅力について解説しつつ、これは飲んでおきたい!というおすすめのペールエールも紹介しておきます。
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ペールエールって何?
ペールエールと呼ばれるスタイルのビールは、上面発酵で作られる"エール"と呼ばれる種類(下面発酵はラガー)のビールの中でも最も人気の高いスタイルであり、イギリスを発祥としており、パブなどでは定番となっているオーソドックスなビールです。
ピルスナーが下面発酵の定番であるように、上面発酵ビールの定番はペールエールとされていて、恐らく日本のビールに詳しいバーなどでは1番飲まれているビールと言っても過言では有りません。
ちなみに、イギリスのバートン・アポン・トレントで発祥したビールである事から、バートンエールとも呼ばれる事が有りますが、バートンエールはあくまで、バートン・アポン・トレントで作られたペールエール、もしくはビターエールの事を指します。
ペールエールの定義
ペールエールというのはその名の通り、淡色(ペール)な上面発酵(エール)のビールなのですが、淡色といってもペールエールの大多数は赤褐色であり、中にはピルスナーの様な黄金色のペールエールも有ります。
スタウト(黒ビール)に比べて色が淡い事からペールエールという名前がついており、硬度の高い硬水と淡色麦芽で醸造されています。
ペールエールの特徴
苦味の強さは、非常に弱いペールエールもあれば、かなり強いペールエールまであるため一口には言えませんが、ライトボディからミディアムボディ程度の飲み応えなため、しっかりとビールの味を感じながらもグビグビと飲めて喉越しも軽快なのが特徴です。
アルコールの度数は一般的なペールエールの場合3%から4%程度です。
普段からキンッキンに冷やしたピルスナーばかりを飲んでいる人からすれば驚きかもしれませんが、ペールエールが美味しく飲める温度は10〜13℃であり、これがよく"海外のビールはぬるい"と言われる理由かも知れません。
しかしペールエール自体が20℃前後で発酵されるため、ペールエールからしたら10℃でもかなり冷やされているのです。
ペールエールの魅力
一般的なビールしか飲んでいない人は、ワインやウイスキーのような複雑な香りが立つビールに驚くかもしれませんが、何よりもこれがペールエールの醍醐味であり、少しぬるめに飲むのが美味しい(香りが立つから)理由と言えます。
ペールエールの口当たりは非常にまろやかで、香りや風味共にフルーティーであり、キンキンに冷えたピルスナーと比べると喉越しはいささか劣りますが、2杯目のビールとしてのペースや飲み方であれば、これ以上美味しいビールは無いかもしれないと感じる程の味わいが魅力です。
ペールエールの種類とは?
ペールエールはイギリスで発祥したビールですが。アメリカでも独自に成長を遂げており、ビールのスタイルのなかでも定番だからこそ、様々な種類が存在しています。
その中でも有名なペールエールと言えば、イギリスで定番のイングリッシュ・ペールエール、そして日本でも人気の高いアメリカン・ペールエール、そしてビール好きの間では熱狂的な支持を獲得しているインディア・ペールエールの3つです。
イギリスで最も一般的で伝統的なペールエールと言えば、樽詰めで出される"ビター"と呼ばれるビールですが、日本では一般的でないため今回は割愛します。
ここが原点「イングリッシュ・ペールエール」
イギリス産のホップを使用し、ハーブの様な香りと軽い口当たりが特徴のビールで、折角ペールエールを飲むのであれば1度は口にしてほしいのがイングリッシュ・ペールエールです。
今から400年前くらいに考案されたと思われるペールエールで、エール特有のエステル香(フルーティーな香り)が強調されており、比較的苦味が強めな物が多いのもこの種類です。
イングリッシュ・ペールエールで有名なビール
日本でも人気「アメリカン・ペールエール」
コンビニなどでも買えるようになった"よなよなエール"のおかげで、ペールエールのなかでも比較的日本人の認知度が高いビールがこのアメリカン・ペールエールです。発祥はアメリカの西海岸でイングリッシュ・ペールエールには無い独特の個性があり、北米産のホップを苦味付けの段階から使用する事で、繊細な苦味と香りを持っていて、はじけるような口当たりが魅力的なビールです。
アメリカン・ペールエールで有名なビール
ビール好きなら「インディア・ペールエール(IPA)」
ホップの風味が強く、後列な苦味をもったペールエールです。
非常に人気の高いスタイルで、ビール愛好家からは熱狂的な支持を獲得しているため、別のページにて、より詳細に解説しています。
おすすめのペールエールはコレ!
ちょっとビールに興味がわいて、ピルスナーだけじゃつまらない!もっと色々なビールが飲んでみたい!という人が、ピルスナーの次に飲むべきビールと言えばこの"ペールエール"です。
そこで、今回はペールエールの美味しさを堪能出来るおすすめの3種類を紹介しますので、是非共3種類を飲み比べながら、さらには普段から飲んでいるビールとも飲み比べて、ビールの楽しさに触れてみて下さい。
ヤッホーブルーイング「よなよなエール」
現在の価格はコチラ |
最近ではコンビニ等でも見かける事が増えました、しかし日本人の脳にはまだまだ「ビール=ピルスナー」という考えが有るのでしょうか。とまあ湿っぽい言い方はやめて、そんな日本人の「ビールと言えば」の選択肢に入りそうな程に支持を獲得しているのがこの、ヤッホーブルーイングの"よなよなエール"と呼ばれるアメリカンスタイルのペールエールです。
とくにオシャレな若い層からの支持が厚く、喉越しではなく舌で感じるビールの美味さをダイレクトに教えてくれるペールエールであり、爽やかな味わいとバランスの良いホップ感が、普段のビールとは違う!と感じさせてくれる逸品です。
バス「ペールエール」
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日本で本格的に導入された最初のビールと言われているのが、このバス・ペールエールであり、現在ではアサヒビールが輸入し販売しています。あのアサヒビールが「売れる!」と感じて輸入している訳ですから、ある意味で味の保証はお墨付きといったところでしょうか。
ビールの歴史を紐解く上で外せないペールエールの1つであり、ハーブ系のアロマは他のペールエールにはないブリティッシュ・ペールエールらしさのある独特な物、お茶のように飲めるアッサリとした味わいで、ペールエールとしては苦味が少なく、日本の食文化とも相性が良いビールと言えます。
サンクトガーレン「ペールエール」
現在の価格はコチラ |
強烈なアメリカンホップの輪郭に強い苦味が特徴の ペールエールであり、アメリカンペールエールとしても強い個性があるため絶対に飲んでほしいペールエールとしておすすめします。国産のマイクロブルワリーの中でも、随一の表彰歴を誇るサンクトガーレンだからこそ出来るコダワリのペールエールは、非常にパワフルな味わいが魅力です。
とくにお勧めしたいのは、ピルスナーしかビールを知らない人、さらに言えば「ビールのコクってなに?」と感じる人。そんなアナタに是非共飲んで頂きたいビールであり、ペールエールが持つ"舌で味わうビール"を簡単に理解出来る、そんなビールなのです。"ピルスナーは水に近く、ペールエールはワインに近い"この意味を味わえる逸品です。