1パック何カロリー?納豆の栄養成分
納豆は体に良いので毎日食べている人もいるでしょう。しかし、体に良いとは聞くけれど実際何がどのくらい含まれていて、どう体に良いのか、成分までは細かく知らないことが多いかと思います。
今回は納豆に含まれる成分を事細かく解説しています。特にビタミンやミネラル類は意識して摂取することが健康な体作りに欠かせないので、ぜひ参考にして納豆の良さを知っていただければ幸いです。
栄養素は食品100gで算出されることが多いですが、ここではわかりやすいように納豆1パック分、50gとして進めていきます。
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納豆1パックのカロリー
何となく質素な感じがしてカロリーが低そうな納豆ですが、意外とあります。
- 糸引き納豆(粒):100kcal
- ひきわり納豆:97kcal
それほどカロリーを気にしていない方は、納豆単体ならそんなに気にならないかもしれないですが、ご飯と合わせると約300kcalになるので、食べ過ぎには注意が必要です。
納豆1パックの三大栄養素
三大栄養素とは「タンパク質・脂質・炭水化物」の3つで、生命維持や身体活動のエネルギー源になり、生きていくのに絶対に必要な栄養素のことです。
タンパク質
タンパク質は体の構成や生命維持に欠かせない栄養です。筋肉も臓器も皮膚も毛髪もすべてタンパク質でできています。その他にも血液成分、ホルモン、免疫の抗体、遺伝子までもがタンパク質でできていて、この人体のタンパク質の元となるアミノ酸の中には体で作れない種類のものもあるので、食品から摂取することが重要になります。
- 糸引き納豆(粒):8.25g
- ひきわり納豆:8.3g
納豆(大豆)のタンパク質は他の植物性タンパク質に比べて例外的に優秀で、植物性タンパク質の中では唯一必須アミノ酸がバランスよく入っていて、しかも吸収率も良いので、植物性タンパク質は納豆から摂るのが最も効率的です。
納豆のアミノ酸スコア
アミノ酸スコアとは満点を100とし、食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを数値化したものです。動物性の場合には100であることが多いですが、植物性タンパク質は低いことが多いです。しかし納豆(大豆)のアミノ酸スコアは植物性タンパク質の中では例外で、限りなく100に近いと言われています。
ただ、納豆も完璧ではなく、少ない必須アミノ酸もあります。そのため納豆と何かを一緒に食べることでアミノ酸スコアを100にすることができます。例えば白米は大豆に多く含まれているリジンが少なく、大豆に少ない含硫アミノ酸を多く含んでいるので「納豆ご飯」はアミノ酸スコアを100にすることができる食べ合わせです。
脂質
脂質はエネルギーを生産する、燃料として貯蔵される、身体を作る成分となる、脂溶性ビタミンの吸収を良くするなど重要な役割を持ちます。
- 糸引き納豆(粒):5.00g
- ひきわり納豆:5.00g
納豆の脂質は素朴の見た目とは裏腹に少し多めとなっています。
炭水化物
炭水化物は身体活動のエネルギー源になったり、腸の環境改善が期待できたりと、こちらも生きていくのに必要な栄養素です。
- 糸引き納豆(粒):6.05g
- ひきわり納豆:5.25g
炭水化物と言えば白米ですが、白米を同じく50gで計算した場合の炭水化物は18.55g なので、納豆は少なめです。
食物繊維 / 糖質
栄養成分の表記をみてみると、市販されている食品の多くは「炭水化物」と表記されていますが、この炭水化物というのは「食物繊維と糖質の合計」で表されています。糖質制限ダイエットなどをしている方であれば気になるポイントですよね。
食物繊維は胃で消化されず便通を良くする効果があり、糖質は身体活動のエネルギー源になります。
- 糸引き納豆(粒):3.35g / 2.7g
- ひきわり納豆:2.95g / 2.3g
納豆は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含んでいるので、食物繊維を摂取する上では大変優秀です。
納豆1パックのビタミン
納豆は比較的ビタミン類の含有量が豊富です。まず何と言っても納豆の特徴であるビタミンKの含有量は他の食品に比べても断トツで多いです。次いでビタミンB2、B6、パントテン酸なども断トツではないながらも比較的多めの含有量となっています。
ビタミンE
ビタミンEは身体の酸化を抑える抗酸化作用や、血行を良くしたり、美肌になったり、成人病を予防する効果、血行を良くし、血行障害からくる肩こり、頭痛、冷え性等の症状を改善する効果も期待できます。
- 糸引き納豆(粒):0.25mg
- ひきわり納豆:0.4mg
納豆のビタミンE含有量は他の食品と比べると少なめです。
ビタミンK
ビタミンKは出血時に血を固める効果や、骨にカルシウムが沈着するのを助ける効果があり、骨粗鬆症などの予防が期待できます。
- 糸引き納豆(粒):300μg果
- ひきわり納豆:465μg
納豆のビタミンK含有量は他の食品と比べても格段に多く、ビタミンKが多いとして知られる海藻類と比べても引けを取らない程含まれています。
ビタミンB1
糖質をエネルギーに変えるときに必要な補酵素の役目をします。 ビタミンB1が不足すると、糖質を分解できず、乳酸などの疲労物質がたまりやすくなり、疲れやすくなってしまいます。
- 糸引き納豆(粒):0.04mg
- ひきわり納豆:0.07mg
納豆のビタミンB1含有量は他の食品と比べると少なめです。
ビタミンB2
脂質の代謝を促進する働きをします。皮膚、髪、爪の再生に関わっていて、不足すると肌荒れや口内炎などが起こりやすくなります。
- 糸引き納豆(粒):0.28mg
- ひきわり納豆:0.18mg
納豆のビタミンB2含有量は他の食品と比べても少ないわけではなく、一部の海藻や肉のレバー類には劣るものの、比較的多めの含有量と言えます。
ナイアシン
ナイアシンは脂質、糖質、タンパク質の代謝に必要な栄養素です。ナイアシンが不足すると顔や手足に炎症が起きたり、胃腸障害や精神障害を引き起こします。さらに二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解するので、ナイアシンが不足していると二日酔いになりやすくなります。
- 糸引き納豆(粒):0.55mg
- ひきわり納豆:0.45mg
納豆のナイアシン含有量は他の食品と比べると少なめです。
ビタミンB6
たんぱく質の代謝にに必要な栄養素です。また、脂質の代謝もサポートし、肝臓に脂肪が蓄積するのを抑える効果が期待できます。ビタミンB6が不足すると目、鼻、口、耳の周囲にアレルギー症状のような湿疹やかゆみが起きたり、神経系の異常として就寝時に足がつるなどの症状が起こります。
- 糸引き納豆(粒):0.12mg
- ひきわり納豆:0.15mg
納豆のビタミンB6含有量は他の食品と比べて抜きんでて多いわけではありませんが、少ないと言うほどでもありません。肉類や木の実には敵いませんが、穀類や乳製品に比べれば含有量は多いです。
葉酸
葉酸は赤血球や細胞が新しく生まれるときに必要な栄養素です。特に胎児の正常な発育に不可欠で、妊娠、授乳中は特に必要な栄養素です。不足すると口腔の炎症、肌荒れ、疲労感などの症状が現れます。
- 糸引き納豆(粒):60μg
- ひきわり納豆:55μg
納豆の葉酸含有量も他の食品と比べて抜きんでて多いわけではありませんが、少ないと言うほどでもありません。一部の肉類や海藻類には圧倒的に敵いませんが、他の食品と比べればまだ多い方と言えます。
パントテン酸
パントテン酸は脂質、糖質、たんぱく質の代謝を助ける働きがあり、体の抵抗力を高め、風邪をひきにくくするする効果が期待されます。あまり欠乏することはないですが、欠乏した場合には皮膚炎、成長障害などが起こります。
- 糸引き納豆(粒):1.8mg
- ひきわり納豆:2.14mg
納豆のパントテン酸含有量は他の食品と比べて多めとなっています。
ビオチン
ビオチンはコラーゲン生成を助ける作用や頭皮の血行促進、爪や髪を健やかにするなど様々な作用があると言われています。
- 糸引き納豆(粒):9.1μg
- ひきわり納豆:不明(おそらく同量程度)
納豆のビオチン含有量は他の食品と比べると少なめです。
納豆1パックのミネラル
納豆の1パックのミネラル量ではカリウム、カルシウム、マグネシウム、モリブデンが比較的多めの配合量となっています。
ナトリウム
ナトリウムは細胞内外のバランスを調整してくれる働きがあります。基本的には食塩から摂取しているので不足することはあまりなく、むしろ過剰摂取の方が危惧されていますが、もし不足すると倦怠感や食欲不振などの症状が現れます。
- 糸引き納豆(粒):1mg
- ひきわり納豆:1mg
納豆のナトリウム含有量は他の食品と比べて極めて少ないです。
カリウム
カリウムはナトリウムによる血圧上昇を抑制したり、筋肉の働きを良くしたりする作用が期待できます。日本人の食習慣ではナトリウムの摂りすぎから高血圧などの生活習慣病に陥りやすくなっているので、ナトリウムの排出を助けるカリウムを摂ることはとても重要です。
- 糸引き納豆(粒):330mg
- ひきわり納豆:350mg
納豆のカリウム含有量は他の食品と比べて抜きんでて多いわけではありませんが、少ないと言うほどでもありません。一部の海藻類やきのこ類には圧倒的に敵いませんが、その他の食品と比べればまだ多い方と言えます。
カルシウム
カルシウムは健康な骨や歯を作ったり、神経の興奮の抑制、筋肉を収縮して心臓を活動させるなどの効果があります。カルシウムが不足すると骨が弱くなって骨粗鬆症の原因になったり、イライラしやすくなるなどの症状が起こます。
- 糸引き納豆(粒):45mg
- ひきわり納豆:29.5mg
納豆のカルシウム含有量は他の食品と比べて多いとは言えないですが、牛乳50gでカルシウム量が65mgなので、特に糸引き納豆は少なすぎるわけでもありません。ただ、干しエビなどは50gでカルシウム3550mgとなるので圧倒的に敵わない食品も多々あります。
マグネシウム
マグネシウムは体内にある様々な酵素の働きを手助けしてくれます。マグネシウムが不足すると不整脈などを引き起こし、虚血性心疾患のリスクが高まります。
- 糸引き納豆(粒):50mg
- ひきわり納豆:44mg
納豆のマグネシウム含有量は他の食品に比べて多いわけでもなく少なすぎるわけでもなくといったところですが、海藻類とは圧倒的な差があると言った印象です。
リン
リンは骨や歯を作ったり、糖質の代謝を高めたり、ナイアシンの吸収を助けると言った働きがあります。リンは不足することは少なく、逆に食品添加物に良く使用されるので過剰摂取が危惧されています。リンを摂り過ぎると、骨からカルシウムが放出され、骨のカルシム量が減少し、骨が弱くなってしまいます。
- 糸引き納豆(粒):95mg
- ひきわり納豆:125mg
納豆のリン含有量は他の食品と比べて少なめです。
鉄
鉄は血液の中で赤血球のヘモグロビンの成分になって酸素の運搬をします。鉄が不足すると不足すると息切れ、めまい等の貧血による症状が現れます。
- 糸引き納豆(粒):1.65mg
- ひきわり納豆:1.3mg
納豆の鉄含有量は他の食品と比べて少なめです。しかし納豆よりも含有量が少ない食べ物はたくさんあるので、下の上か中の下といった印象です。当然ながら肉のレバーやひじきなどには圧倒的に差で敵いません。
亜鉛
亜鉛は体内の酵素を作るのに必須な成分で、発育を促し、傷の回復を早め、味覚を正常に保ちます。不足すると貧血や味覚異常、皮膚炎、うつ状態といった症状が起こります。
- 糸引き納豆(粒):0.95mg
- ひきわり納豆:0.65mg
納豆の亜鉛含有量は他の食品と比べて少なめです。
銅
銅は赤血球のヘモグロビンを作るために必要な栄養で、様々な酵素の成分となって代謝を促します。不足すると貧血、毛髪や皮膚の色素脱色が見られるようになります。
- 糸引き納豆(粒):0.31mg
- ひきわり納豆:0.22mg
銅は様々な食品に含まれていて、納豆の銅含有量は平均的な数字です。ただし、干しエビや肉のレバーなどには圧倒的に敵いません。
セレン
セレンは抗酸化作用や動物の発育と生殖に必要で、種々の疾病を予防する作用が期待されています。セレンは不足よりも過剰摂取したときの危険性が提唱されているので摂り過ぎには注意しましょう。セレンを慢性的に過剰摂取すると、爪の変形や脱毛、胃腸障害、嘔吐、腹痛、下痢、疲労感、皮膚症状などが現れます。
- 糸引き納豆(粒):8μg
- ひきわり納豆:不明(おそらく同量程度)
納豆のセレン含有量は魚介類、動物の内臓、卵類などに比べれば少ないですが、土壌のセレン濃度に大きく左右されるため一概には言えません。目安としてお考えください。
クロム
クロムはインスリンの活性化や、血液中の中性脂肪やコレステロール値を正常に保つ働きがあります。不足すると血糖値が上昇し糖尿病などのリスクが高まります。
- 糸引き納豆(粒):0.5μg
- ひきわり納豆:不明(おそらく同量程度)
納豆のクロム含有量は他の食品に比べて少なめです。
モリブデン
アルデヒドオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼなどの酸化酵素の働きを助ける役割をします。不足すると頭痛、精神障害、昏睡、水晶体のズレ、食道癌発病のリスク増大などが起こると言われています。
- 糸引き納豆(粒):145μg
- ひきわり納豆:不明(おそらく同量程度)
納豆のモリブデン含有量は他の食品と比べても多いです。モリブデンの1日の推奨量は成人男子で25μg、成人女子で20μg、摂取上限が成人男性で550μg、成人女性で450μgと言われているので1パックでモリブデンは十分に足りると言えます。