万能?おすすめのクローブと特徴や美味しい食べ方
肉料理や魚料理、カレーなどといった料理には、より風味豊かな仕上がりに欠かせないのがスパイスです。最近では、スーパーなどでも手軽にスパイスを入手することができるようになり、ご家庭でもプロの味を表現することが簡単になりました。そんなスパイスには、たくさんの種類があるのですが、その中でも「クローブ」について詳しくご紹介したいと思います。
クローブの特徴や美味しい食べ方、期待できる効果や効能などもご紹介しますので、料理の隠し味として利用してみてはいかがでしょうか。
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クローブとは?
「クローブ」は、インドネシアのモルッカ諸島が原産のハーブです。フトモモ科で熱帯性常緑樹「チョウジノキ」の、開花直前の花のつぼみを乾燥させたもの。日本料理では、あまり使用することがないのですが、インド料理のカレーや肉料理などではおなじみのハーブとなっています。また、カルダモンやシナモン、ショウガなどとブレンドして「チャイ」として飲むことも多いです。
名前の由来となったのは、クローブのつぼみの形が釘に似ているところから、フランス語で釘を意味する「Clou」から来ているのだそう。さらに、英語でも同じ語源となっているため「Clove」と呼ばれるようになったそうです。さらに、中国語でも同じく釘が名前に由来していて、釘の意味を持つ「丁」から、「丁子(ちょうじ)」と呼ばれています。
インドネシアなどでは、クローブの精油である丁子油で香り付けされた「ガラム」というタバコもあり、有名なハーブです。インドネシアの他にも、スリランカやマダガスカル、ドミニカなどで栽培されています。そんなクローブは、およそ20年で10~15メートルもの高さにまで成長するため、昔は花のつぼみが高い所になり、高所作業なうえ、手摘みなのでクローブは高価なものでした。なお、収穫期は、1月~2月と7月~9月の年に2回となっています。
歴史
クローブの歴史は古く、紀元前から世界各地で親しまれていたのだそうです。インドや中国などでは、殺菌や消毒に使用していたといわれていて、その後の大航海時代になってからは、コショウなどのスパイスと共に流通するようになりました。
さらに、中世ヨーロッパの時代では、魔除けとしてもクローブは重宝されていました。当時流行っていたペストなどの伝染病から身を守るといわれていて、オレンジなどのフルーツにクローブを刺して乾燥させた「フルーツポマンダー」と呼ばれるポプリを身に付けていたのだそうです。
また、日本でも正倉院にまつわる記述にもクローブが登場することから、その時代にはすでに利用されていたのが分かります。当時の日本では、料理に使うというよりは、お香などとして使用されていたようです。
クローブの特徴
クローブは、甘く独特な香りをしています。よく例えられるのは「バニラのような香り」。また、その甘い香りの中にスパイシーさも合わせ持っているので、料理やハーブティーなどとして親しまれています。最近では、アロマオイルや香水、お香などにもクローブが人気となっています。
そんなクローブは、少しでもつぼみが開花してしまうと、極端に香りが弱くなります。そのため、開花前のつぼみを摘み取る必要があります。そのつぼみを乾燥させるとこげ茶色になり、料理などに使用するスパイスのクローブとなりました。
良品の見分け方としては、茎の部分が明るい赤茶色で、つぼみの部分は薄い赤茶色となっているものが良いでしょう。この乾燥させてクローブは、噛むと下がしびれるような鋭い刺激と辛みがあります。ですが、この刺激は料理で火を通すことによって、とってもまろやかになる特徴があります。
また、他のスパイスとブレンドすると、絶妙なバランスとなるので、クローブは、ミックススパイスなどにも配合されている万能スパイスです。
効果・効能
独特な甘くてスパイシーな香りが特徴的なクローブですが、体にとってさまざまな効果が期待できるといわれています。それでは、以下にクローブは具体的にどのような効果や効能があるのかを詳しくご紹介します。料理だけでなく、日常生活でも役に立つ効能もありますので、是非参考にしてみて下さい。
鎮痛効果
クローブには、鎮静効果があるため、歯痛や歯肉炎などを和らげる効果が期待できます。そのため、現在でも歯の治療で麻酔にも使用されているほどです。その他にも、炎症を抑える作用もあるため、関節炎やリウマチなどの改善にも効果的です。
抗菌効果
クローブの精油には、抗菌効果があるといわれています。特に、のどの痛みを和らげる効果があり、少量のクローブに大さじ1のハチミツを加えたものを飲むと、喉がコーティングされて痛みを緩和してくれるのでおすすめ。また、抗菌効果だけでなく防腐作用もあるため、16世紀あたりではペストなどの流行病の予防薬としても利用されていました。
整腸作用
クローブは整腸作用もあるため、胃腸薬としても利用されています。漢方や生薬としても有名で、「女神散」や「柿蒂湯」などに使われています。また、胃の炎症を抑え、腸内に溜まったガスの排出も促すのだそうです。クローブは、胃腸が弱っている場合には働きを助けてくれるので、不調を感じた時は一度試してみるのも良いでしょう。
コレステロール値低下
全米心臓協会によると、クローブはコレステロール値を下げるのにも効果があるとの研究結果が公表されました。これは、クローブに含まれている成分が、体内の中性脂肪やコレステロールの減少を助けるといわれていて、適量を毎日の食事で摂り入れるのが推奨されています。コレステロール値を下げることは、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの重大な病気を予防することにも繋がります。
口臭改善
クローブには、香気成分の「オイゲノール」が多く含まれています。この成分が、口腔内の殺菌をしてくれるため、口臭を防いでくれるのだそう。クローブを料理のスパイスとして使用したり、クローブをそのまま噛むことで効果が期待できます。また、整腸作用もあるため、胃腸のトラブルからくる口臭にも効果的です。
抗酸化作用
鎮痛・抗菌効果だけでなく、クローブには抗酸化作用もあるといわれています。体内に活性酸素が増えすぎると酸化し、細胞や血管の老化が進んだり、動脈硬化などの病気になったりしてしまいます。
そのため、酸化を防ぐ抗酸化作用のあるクローブを摂取すると、体の中から健康を維持することにも繋がります。また、日本では昔から日本刀などにクローブの精油を塗り、さび止めとしても利用されていました。
ゴキブリ除け
クローブの香りには、ゴキブリや害虫などが嫌う成分が配合されています。そのため、ゴキブリが出現しそうな場所にクローブを置いておくと効果があるといわれています。暖かくなってきたら、ゴキブリが家の中に出てきて嫌な思いをされたことはあるかと思います。そんな時は、お皿に盛って置いたり、ティーバッグに入れて使用してみてはいかがでしょうか。
クローブの美味しい食べ方・使い方
クローブは料理に使う場合は、乾燥させたつぼみをホールのまま使用するか、パウダー状になったものを使用します。それぞれ使い分けると、よりクローブの風味を引き出せるので、どのような料理に使うのが適しているのかをご紹介します。
クローブは、独特な香りがするので、臭みを消すのに使用されています。そのため、主に肉料理に使うことが多く、パウダー状のクローブをハンバーグやミートボールなどに混ぜるのがおすすめ。中でも豚肉と相性が良く、ホールをブロック肉やハムなどに刺して焼くと美味しく仕上がります。
また、ポトフなどの煮込み料理には、パウダー状よりホールの方が適しています。クローブは、料理だけでなくデザートにも使用するとより美味しくなります。焼き菓子やフルーツのコンポートにも良く合います。その場合は、ホールを使用すると風味が豊かに仕上がります。
また飲み物にもクローブの風味を味わえるものがあります。それがインドで良く飲まれている「チャイ」です。紅茶をベースにして、カルダモンやシナモンなどと一緒にたくさんのスパイスをブレンド。それぞれのスパイスの配合をお好みで調整すると、オリジナルのチャイを作ることができます。その場合は、ホールのままでもパウダー状でもどちらでも良いでしょう。
ちなみに、ホールは調理後に取り出すことができるので、風味付けに使う場合には便利です。
注意点
クローブは、香りがとても強いため、使用するときはたくさんではなく、少量にしておきましょう。先ほどご紹介したとおり、体に良い効果も多いのですが、摂取し過ぎはかえって体に良くはありません。1日の摂取量の目安としては、大さじ2杯程度。
また、アロマとしてなど精油を直接お肌に使用する場合は、顔に使用するなら0.25%以下に、全身に使用するなら0.5%の濃度に薄めるようにしましょう。クローブには、特にこれといった強い副作用はないといわれています。
ですが、通常とは体調が異なるような場合や、生理中や妊娠中の方、小さなお子様は、異常を感じたらすぐに使用を控えるようにしましょう。また、ペットのいるご家庭では、誤飲に気を付けましょう。
おすすめのクローブ:厳選3種
料理やアロマオイルとしてさまざまな用途で使用できるクローブ。そんなクローブのおすすめ厳選3種をご紹介します。形状や内容量などが異なるものを集めてみましたので、是非これらを購入の際の参考にしてみて下さい。
マスコット / クローブ パウダー 30g
現在の価格はコチラ |
スパイスや香辛料のブランド「マスコット」のクローブパウダー。こちらのクローブは、マレーシア産でパウダー状となっているので、さまざまな料理にお使いいただけます。ハンバーグやミートボールなどに混ぜたり、チャイにおすすめです。
ohtsuya / クローブ ホール 50g
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こちらのクローブは、乾燥したつぼみのホールそのままのタイプ。マダガスカル産とスリランカ産で、たっぷり入った50gなのに、とってもリーズナブルとなっています。料理やハーブティーなどにぴったりです。保存の際は、高温多湿を避けて保管しましょう。また、開封後はなるべく早めに使用して下さい。
NOW essential oils / クローブ 精油 30ml
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こちらのクローブは、アロマオイルとしてマッサージや香りを楽しむことができる精油タイプです。使用の際は、お肌に直接つけたり、目に入らないように気を付けましょう。また、妊娠中や授乳中の方は、使用する前に医師に相談するようにしましょう。