デザートに!おすすめのバニラと特徴や美味しい食べ方
日常的に、お菓子などのフレーバーとして何気なく口にしているバニラ。こちらでは日本人にも馴染み深いバニラについて、改めてご紹介します。
植物としてのバニラの分類やバニラの歴史、栽培方法など、慣れ親しんでいるバニラについて、新たな発見があるかもしれません。
他にもバニラの香りの効能や、天然バニラと合成バニラの違いについてなど詳しくご紹介します。用途に合わせたおすすめのバニラ商品についてもご紹介しますので、ぜひご参考ください。
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バニラとは?
バニラはメキシコ・中央アメリカ原産のスパイスです。現在はメキシコ・グアテマラ・ブラジルなど中南米や、インドネシア・マダガスカルなどオセアニアの国々で主に栽培されています。温暖な気候を好む植物で、日本では福岡で商業用のバニラが栽培されています。
「バニラ」とはラテン語で「扁平な葉」を意味し、その名の通り扁平で細長い葉が特徴です。主にスパイスとして使われるはその種子で、「バニラビーンズ」と呼ばれますがバニラはマメ科ではなくラン科バニラ属の植物です。
蔓性の植物で、樹木などに絡んで成長していきます。細長い鞘の中にできる種子は収穫時は無香で、発酵と乾燥を繰り返す「キュアリング」という作業をすることでおなじみの甘い香りが出てきます。
歴史
バニラを人が栽培し始めたのは15世紀です。メキシコの沿岸部に住むトトナコ族という民族が栽培を始め、トトナコ族を征服したアステカ族へ、そしてアステカ族を征服したスペイン人の手へとバニラは渡り、ヨーロッパへ伝わりました。
始め、バニラはアステカ族が好む「ショコラトル」というチョコレートの原型のような飲み物の香り付けとして使われ、それ単体では重用されませんでした。
17世紀になり、イギリスの女王エリザベス1世の薬剤師がバニラ風味の砂糖菓子を考案し、それを女王が気に入ったことでバニラは菓子用の香料として注目を集めるようになりました。
18世紀にフランスで初めてアイスクリームの香料としてバニラが使われ、現在でも馴染み深い「バニラアイスクリーム」が誕生したのです。
この頃、バニラは大変高価な香料でした。栽培が始められた当初、バニラの人工栽培は大変難しかったためです。原産国から他国へ持ち出して育てようとすると実がならず、その受粉のメカニズムは長年の間謎とされてきました。
原産国以外で受粉しなかった理由は、バニラがハリナシバチという特定のハチの働きでしか受粉しないためです。そのことを発見したベルギーの植物学者モレンが1873年に人工授粉法を発明しました。
その後1841年に、インド洋に浮かぶフランスの植民地レユニオン島のバニラ農園で働いていた奴隷のエドモンド・アルビウスがより効率の良い受粉方法を生み出しました。これにより大量生産が可能になりバニラの価格が大幅に下がったため、現在のように人々が広くバニラの香りを楽しめるようになったのです。
バニラの特徴
バニラは豆の鞘のように見える細長い実のなかに、無数の黒い粒状の種をつけます。この種を発酵・乾燥させるキュアリングという作業を繰り返すことで、甘い芳香が特徴の「バニリン」という成分が生成され、おなじみの甘い香りとなるのです。
単純に甘い香りというだけではなく、バニラの香りに含まれる成分は奥深く、細分すると250〜500種類もの香りが複雑に重なり合ってバニラ特有の香りを形作っていると言われます。
人工栽培が可能になっても、多くの人手とキュアリングの手間がかかるため、バニラはスパイスの中ではサフランに次いで二番目に高価と言われています。
手間がかかり高価な天然のバニラに比べ、バニラの香り成分「バニリン」のみを人工的に生成することは比較的容易です。木材パルプの原料や丁子油などからも生成でき、その価格は天然のバニラの20分の1ほどです。
そのため、市販のものなど安価な菓子やアイスクリームなどに使われるバニラエッセンスは、現在では99%以上合成バニラ由来です。
効果・効能
バニラはその芳香で人をリラックスさせ、多幸感を与えたり不眠を改善します。
バニラに含まれる成分としては強壮効果のあるフェランドレンや抗感染効果のあるリナロールなどがありますが、効果が顕著に出るほどの量を口にする機会は殆どないためバニラの主な効能は香りによる癒し効果と言えるでしょう。
古くは民間療法として月経不順や熱病など様々な病気の治療に使われたこともあったようですが、医学的に効果的と言える成分は見つかっておらず根拠はありません。
薬として用いる場合、バニラはその香りで舌に甘さを錯覚させ苦味を感じにくくさせるので、他の苦い生薬を飲み下すために補助的に用いられることもあります。
食用として菓子に用いられる以外にも、アロマオイルや香水、お香、タバコに香料として配合されるなど、様々な方法でバニラの香りを楽しむことができます。
香りを楽しむ場合、天然バニラと合成バニラの香りには効能的に大きな差が有るわけではありませんが、やはり香りの複雑さや奥深さが合成は天然に及ばないと感じる方が多く、天然のバニラを好む方が多いようです。
バニラの美味しい食べ方・使い方
バニラはバニラの実そのものを加工した「バニラビーンズ」と、バニラの香り成分をアルコールや油脂に溶かしたものに分かれて販売されています。
バニラビーンズはその製造にかかる手間から非常に少量で高価なため、特別なお菓子やデザートを作る際に使うといいでしょう。そのまま部屋に置いておくだけでも芳香剤としても使えます。
バニラの香り成分をアルコールに溶かしたものをバニラエッセンス、油脂に溶かしたものをバニラオイルと呼びます。バニラエッセンスとバニラオイルは天然・合成どちらからも作られるため、価格面や香りの好みなど、自分に合うものを選びましょう。
日本ではあまり一般的ではありませんが、バニラエクストラクトというものもあります。バニラエッセンスと似ていますが、これは香り成分だけではなくバニラビーンズを直接アルコールに漬けたものです。
バニラエクストラクトは香りの濃縮度がエッセンスやオイルに比べて低いため、使用する際もバニラエッセンスのように一滴二滴垂らすだけではなく、小さじなどで計量して使います。
どれも変わらず菓子などの香り付けに使えますが、バニラエッセンスとエクストラクトのアルコール系は揮発しますがバニラオイルは揮発しないので、一般的にバニラエッセンス、エクストラクトは生菓子向け、バニラオイルは焼き菓子向けと言えます。
紅茶、コーヒー、ココアなどの飲み物への香り付けや、ケーキやクッキーなど焼き菓子を作る際に使ったり、アイスやヨーグルトなど冷たいデザートを食べるときに使うこともできます。
甘いものならば基本的に何でも相性は良いですが、バニラエッセンス・バニラオイル・バニラエクストラクト全て甘い香りに反して強い苦味があるので、使用する際は量に気をつけましょう。
注意点
バニラには特に重篤な副作用はありません。基本的に副作用が出るほどの量を口にする機会はないので特別気にする必要はないでしょう。
ただし、バニラエッセンスやバニラオイル、バニラエクストラクトには、メーカーや種類により保存料や添加物などが含まれる場合があります。
妊娠中の方や小さなお子さんがいる家庭では、購入する際に有害な物質が添加されていないかどうか調べてから購入するようにしましょう。また、バニラエッセンスとバニラエクストラクトにはアルコールが含まれるため、極端にお酒に弱い方やアルコールにアレルギーがある方は控えた方が良いでしょう。
おすすめのバニラ:厳選3種
高いリラックス効果のあるバニラを日常的に楽しめる、おすすめの商品をご紹介します。高品質なバニラビーンズ、無添加にこだわりたい方のためのバニラエクストラクト、安価にバニラの香りを楽しみたい方向けのバニラエッセンスと、三種を厳選しました。
それぞれにおすすめの使い方もご紹介しますので、ご自分に合ったものを選ぶ際にお役立てください。
ビーハイブ / マダガスカル産バニラビーンズ 5g
現在の価格はコチラ |
TVにも複数紹介された京都で人気のアイスクリームショップ「ビーハイブ」が、お店で使用しているのと同じバニラビーンズを販売しています。マダガスカル産のバニラビーンズは、品質が高く芳醇な香りで他の産地のものよりも圧倒的に人気があります。
自宅でお菓子作りに本物のバニラビーンズを使う場合は、材料として混ぜるだけではなく牛乳で煮出すのがおすすめです。レシピで使用する量の牛乳を鍋に入れ、火にかける前に鞘からこそいだバニラビーンズと、鞘本体も入れて弱火でじっくりと煮出します。
香りが十分に出たら冷やした後に鞘を取り除き、生地やクリームに使います。こうすることで、種だけではなく鞘からも煮出した香りをお菓子に生かすことができ、より芳醇な香りを楽しむことができるのです。
また、バニラビーンズを購入し、ウォッカに漬けて自家製バニラエクストラクトを作ることもできます。瓶を煮沸消毒し、度数の高いウォッカやラムを入れて漬け込むだけです。お菓子作りだけではなく、カクテルにも使えます。
合成のバニラエッセンス等に比べると価格は高く手間もかかりますが、それを超える満足度があることが本物のバニラビーンズの魅力です。
アリサン / バニラエキストラクト 59ml
現在の価格はコチラ |
日本ではお菓子にバニラの香り付けといったらバニラエッセンスが一般的ですが、海外ではこちらのバニラエクストラクトの方が一般的です。上述しましたが、香りの濃縮率がバニラエッセンスとは違い、使用量も違うため注意が必要です。
こちらのアリサンのバニラエクストラクトは、使用しているバニラがオーガニックで、添加物・化合物も使用していない点が特徴の商品です。そのため、無添加にこだわりたい方や、小さなお子様がいる方に人気があります。
製法上アルコール分が含まれていますが熱すれば揮発するため、焼き菓子や煮出し紅茶、ホットミルクに使用する場合はアルコールが苦手な方やお子様でも安心です。アルコール分に問題がなければ、ロースイーツ(卵・砂糖・バターを使わず、加熱もしない健康的なスイーツ)への使用も人気です。砂糖を使わず実際にはそれほど甘味がなくても、バニラの香りで甘さを錯覚するため満足感が増します。
オーガニックやローフードに興味がある方や、ダイエット中の方におすすめしたい商品です。
明治屋 / エッセンスバニラ 30ml
現在の価格はコチラ |
とにかく手軽で安価にバニラの香りを生活に取り入れたいという方におすすめです。スーパー製菓用品コーナーでも手に入れることができます。
合成バニラ由来ですがしっかりとした濃い香りで、少量でもきちんと香り付けができます。温めた牛乳に一滴垂らしたり、焼き菓子の生地に使ったりと、使い勝手が良い商品です。
天然バニラに比べ合成バニラが有害ということは特にないので、由来にこだわらなければ安価に必要十分なバニラの香りを楽しむことができます。
市販品やスイーツ店の商品にも、価格や使い勝手の点で合成バニラ由来のバニラエッセンスを使っているものはたくさんありますので、安価なぶんだけ品質が劣るということもありません。香りに大差がなければ安価なものを選びたいという方も多いでしょう。
頻繁にお菓子を作る方や、バニラの香るホットミルクやヨーグルトで日常的にちょっとした癒しを得たいという方におすすめです。