必見!おすすめのフェヌグリークと特徴や美味しい食べ方
日本ではあまり馴染みのない名前のスパイスである「フェヌグリーク」。しかし実は、フェヌグリークは無意識のうちに誰もが口にしたことのあるスパイスなのです。
カレーなどにほぼ必ず使われているため、香りを嗅げば、「この香り、知ってる」となる方も多いのではないでしょうか。フェヌグリークはその多岐にわたる効能で、古くから世界中で使われてきたスパイスです。
糖尿病や心臓病の予防をはじめ、男女それぞれの悩みの改善など用途も効果も多いスパイスですので、これまで馴染みのなかった方も積極的にフェヌグリークを取り入れてみてはいかがでしょうか。
フェヌグリークの詳しい効能や、フェヌグリークを使ったおすすめのレシピをご紹介します。
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フェヌグリークとは?
フェヌグリークとは、豆亜科のハーブ・香辛料の一種です。「フェヌ」は「馬草」、「グリーク」は「ギリシャ」を意味し、直訳すると「ギリシャの馬草」という意味の名前となります。
他に「メッチ(メッチシード)」「メティー(メティーシード)」という名前で呼ばれる場合もあり、これはヒンディー語でフェヌグリークを表す「メーティー」が元です。日本では「メーティー」は主にフェヌグリークの葉を表す時に使い、「フェヌグリーク」はその種子を呼ぶ時に使うことが多いようです。
中国で生薬として使われる場合は「胡廬巴(フールーバー)」と呼ばれます。この呼び方は日本にも伝わっており、日本語では「胡廬巴(ころは)」と読みます。
タンパク質・ビタミン類・ミネラルなど多くの栄養が含まれており、古くから様々なスパイス料理に使われてきました。特に古代インドで発生した「アーユルヴェーダ料理」には欠かせないスパイスといわれています。
またフェネグリークは別名「マザーズハーブ」とも呼ばれ妊娠中や授乳中の女性に嬉しい効能があるスパイスのため、古くから多くの女性たちに愛用されてきました。
歴史
フェヌグリークは地中海地方原産の一年草植物です。古くから食用・薬用利用を目的に中近東・インド・アフリカなどで栽培されてきました。日本には享保(1716年〜1736年)の時代に持ち込まれましたが、農作物として栽培されることはありませんでした。
フェヌグリークは古くから世界中の多くの地域で様々な用途に利用されてきたスパイスです。
古代エジプト時代から人々はフェヌグリークを利用してきたと言われ、紀元前1550年頃に書かれた医学書に出産を楽にする薬草としての記述が残されています。またツタンカーメン王のピラミッドからもフェヌグリークの種子が見つかっており、これはミイラの保存にフェヌグリークが用いられたためと考えられています。
古代ローマ・古代ギリシャ時代には家畜の飼料として用いられ、これが「ギリシャの馬草」という意味を持つ名前の由来となっています。家畜の飼料として以外にも、ヨーロッパでは流行した口蹄疫の治療や、胃腸障害を改善する薬草として広く使われてきました。
インドや北アフリカでは、古くから料理に欠かせないスパイスとして用いられてきました。インドで生まれた伝統医学であるアーユルヴェーダでは、フェヌグリークは体を温め、体内に溜まっているエネルギーを外に流して陰陽のバランスを整えると言われています。
現在でも、フェネグリークは飼料用に栽培されたり、カレーやタンドリーなどのスパイス料理に欠かせないものとして日常的に使われています。
ベジタリアンの方の貴重なタンパク源として豆のまま食されることもあります。また、胃腸の働きを改善したり、ホルモンバランスを整える薬効からサプリに使われることもあります。
日本ではあまり馴染みのないフェネグリークですが、ヨーロッパ・インド・アフリカ等の地域では、古代から現在まで様々な用途で使われてきた生活に根付いた身近な植物なのです。
フェヌグリークの特徴
フェヌグリークの葉や芽(スプラウト)を食する場合もありますが、主にスパイスとして用いられるのは豆(種子)の部分です。直径3〜4mmの多角形をした明るい褐色の硬い豆で、約6cmの細長いさやの中に生ります。
豆にはメープルシロップに似た甘い香りと強い苦味があり、挽いてよく火を通すと苦味が飛び、より甘いカラメルのような香りが出てきます。
豆のまま茹でたりふやかして料理に使うこともありますが、一般的には乾燥させてから挽いて粉末状にしてからカレーなどに用いることがほとんどのため、その状態で販売されている商品が多くなっています。
効果・効能
フェヌグリークにはタンパク質・ビタミン類・ミネラル・アルカロイド・ステロイドサポニン・食物繊維など多くの栄養素が含まれています。そのため効果・効能も多岐にわたり、古くから様々な目的で用いられてきました。フェヌグリークの効能のなかでも主なものをご紹介します。
胃腸の働きを助ける
フェヌグリークには胃腸の働きを助ける効能があり、食欲不振・胃もたれ・便秘などの改善に用いられます。これはフェヌグリークに含まれる食物繊維と抗酸化物質の効果で、体内の不要なものを押し流し排出する働きがあるのです。
そのため、フェネグリークを摂取すると短期的に胃もたれや便秘の改善できるほか、長期的に摂取すると体内に不要なものを溜め込まないためダイエットやデトックスにも繋がります。
糖尿病・心臓病の予防に役立つ
フェネグリークに含まれる水溶性食物繊維は、血中の糖分の吸収を穏やかにします。また、インスリンの生産を誘導するアミノ酸も含んでいるため、食後に血糖値が上昇するのを抑え、糖尿病の予防に効果的なスパイスといえます。
また、フェネグリークにはステロイドサポニンというコレステロールの吸収を抑える成分が豊富に含まれており、血中コレステロール濃度を下げる働きがあります。心拍数と血圧を制御するカリウムも豊富に含まれるため、心臓病のリスクを軽減する働きがあるのです。
女性特有の悩みの改善
フェネグリークは古くから母乳の量を増やす効果があるとされ、出産後の女性に用いられてきたスパイスです。これはフェネグリークに含まれるジオスゲニンという成分の働きです。
フェネグリークに含まれるジオスゲニン、イソフラボン、エストロゲン等は体内で女性ホルモンに近い働きをするとされ、月経中や月経前症候群(PMS)の腹痛や不快感を軽減する効果もあります。
女性ホルモンに近い成分が含まれるためバストアップにも効果があると言われ、また妊娠中や授乳中に不足しやすい鉄も含まれるため、女性特有の悩みを抱える方は積極的に摂取するべきスパイスとなっています。
男性機能の改善・育毛効果
フェネグリークは女性のみではなく、男性にも効果的なスパイスです。フェヌグリークに含まれるステロイドサポニンは男性ホルモンのテストステロンを刺戟する効果があり、強壮や精力増強に役立ちます。
また、男性ホルモンが増えることで育毛効果があり、髪が健康で強くなるともいわれています。また、筋肉トレーニングをしている方はフェネグリークを摂取すると、男性ホルモンの働きで効果的に筋肉を増強することができます。
フェヌグリークの美味しい食べ方・使い方
甘い独特の香りを持つフェネグリークは、カレー粉に欠かせないスパイスの一つです。フェネグリークの健康効果を日常的に取り入れたい方は、市販のカレールーでカレーを作る際に粉末のフェネグリークを別途購入して追加するといいでしょう。
甘い香りが臭みを取るため、肉料理にもおすすめです。インドのタンドリー料理にも、フェネグリークは頻繁に使われます。フェネグリークの甘い香りは、シナモンやバニラエッセンスの代用としてお菓子や紅茶にも使うことができます。しかしフェネグリークには強い苦味があるため、健康効果を期待して大量に入れるのではなく、味見をしながら少しずつ足すようにしましょう。
他にも、炒め物やスープに隠し味として使ったり、ホットミルクやココアに香り付けとして入れたりと、フェネグリークは用途の多いスパイスです。甘い香りに反した苦い味に気をつけながら、日常的に取り入れてみましょう。
注意点
フェネグリークは天然成分のため安全ですが、6ヶ月以上の継続的な摂取やサプリなどを利用しての過剰摂取により副作用が起こる可能性があります。フェネグリークの副作用としては、下痢、胃・腹部の不快感・膨満感、汗・尿のメープル臭・鼻づまり、咳、喘息、顔の腫れ、アレルギー反応・低血糖があります。
フェヌグリークは豆科の植物のため、大豆・ピーナッツ・グリーンピースなどの豆にアレルギーのある方は摂取することができません。
またフェヌグリークには血糖値を下げる効果があるため、糖尿病などで既に血糖値を下げる治療をしている場合、低血糖症を引き起こす恐れがあるため摂取は控えた方が良いでしょう。
また妊娠中は早産を引き起こす恐れがあるため多量の摂取は避けましょう。幼児がフェネグリークのハーブティーを飲んで意識を失ったという報告もあるため子供に摂取させるのも避けた方が良いでしょう。
おすすめのフェヌグリーク:厳選3種
多くの健康効果が見込めるフェヌグリークの、おすすめ商品をご紹介します。
初心者にも使いやすい粉末状のもの、少し上級者向けのホールのものなど、それぞれの利点とオススメのレシピもご紹介しますので、フェヌグリークを購入する際の参考にお役立てください。
意外に自宅で育てやすいスパイスであるフェヌグリークの栽培キットや、育て方についてもご紹介します。
GABAN / フェヌグリーク 24g
現在の価格はコチラ |
24g入りの小瓶で販売されているフェヌグリークパウダーです。大きめのスーパーならスパイス売り場で見つけることができます。
どこでも購入しやすく安価なため、まず試しにフェヌグリークを食生活に取り入れてみたいという方におすすめです。瓶から直接、料理の鍋や飲み物に入れることができるため、衛生的で便利です。
まずはカレーに入れてみることから始め、香りや苦みに慣れてきたらお菓子や飲み物に挑戦するのがいいでしょう。肉料理に使うのもおすすめです。フェネグリークパウダーとカレー粉、塩、ヨーグルトを混ぜて鶏肉を漬け、焼くだけで簡単に自宅で本格的なタンドリーチキンを作ることができます。
使いやすい小瓶のため、家族や一緒に食事をする人の中に豆アレルギーの人や妊娠中の人がいても、食卓に置いておいて個別に料理に足すことができます。
フェヌグリークをはじめ、既に粉末状に挽いてあるスパイスは長く保存しておくと香りが飛んでしまうため、短期で使い切りやすいサイズ感も魅力的です。
GABANからは他に200g入りの缶でもフェヌグリークパウダーが発売されているので、大容量のものをお求めになりたい方はそちらを選ぶといいでしょう。
ラセラヌー / フェヌグリーク ホール 100g
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本格的に暮らしにスパイスを取り入れてみたい方におすすめの、ホールのフェヌグリークです。フェヌグリークは粉末にして料理に用いる以外にも、風味や苦味をそのまま楽しむため、ホールのまま料理に用いることもあります。
生の野菜を唐辛子・コリアンダーなどのスパイスとレモン汁で漬けるアチャール(インド風の浅漬け)に使うのがおすすめです。その他にも、豆のまま茹でたり炊いたりして主食のように食べたり、豆のカレーやスープの具として使うこともできます。火を通せば苦味は弱まるので、大豆やトウモロコシのように食べることができるのです。
粉末として使いたい場合はその都度自分で挽くことになり手間はかかりますが、元から粉末で販売されているものよりフレッシュな香りが楽しめるためおすすめです。
自分で挽く場合は乳鉢やすりこぎですりつぶしたり、粗挽きで構わなければ胡椒を挽くペッパーミルでも代用することができます。
株式会社グリーンフィールドプロジェクト / 育てる発芽豆キット(フェヌグリーク) スプラウト
現在の価格はコチラ |
フェヌグリークをスプラウト(芽)から育てることができる楽しいキットです。種を半日ほど水に漬けたあと、朝晩水洗いをして育てます。
フェヌグリークは豆以外も、芽や葉の状態で食べることができます。2〜3日ほどでスプラウトが、一週間ほどで育った葉を食べることができます。フェヌグリークの芽や葉は栄養価が高く、種と同様に糖尿病や胃腸の機能の改善に役立つと言われています。
フェヌグリークの芽や葉は、生のままサラダとして食べたり、炒め物やカレーの具として使ったりと多くの用途で美味しく食べることができます。こちらのキットには、フェヌグリークの芽を用いたインドの炊き込みご飯「メティ・バート」のレシピが付属しています。
フェヌグリークは世界各国で栽培されている強い植物なので日本の気候でも育てることができ、ある程度までスプラウトとして育てたあと土に植え替えれば、自宅で豆を収穫することもできます。
収穫した豆は新聞紙で包んで乾燥させればそのままホールのスパイスになるため料理に使え、豆から発芽させてもう一度育てることもできます。
芽・葉・豆と三段階に使えるフェヌグリークを自宅で育てて使ってみたいという方は、このような手軽なキットから始めてみるのもいいのではないでしょうか。