万能!おすすめのペッパーと特徴や美味しい食べ方
世界で最も使用されている香辛料のペッパー。日本人にとっても非常に身近な存在です。
ペッパーには家庭料理でもよく利用されているブラックペッパーやホワイトペッパー、その他にもグリーンペッパーやピンクペッパーなどの種類がありますがこれらの詳しい違いを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
今回はそんなスパイスの王様であるペッパーに焦点を当て、今まで知らなかったペッパーの特徴や魅力を詳しく見ていきたいと思います。
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ペッパー(胡椒)とは?
ペッパーは世界中で最も使用されている、名実ともに「スパイスの王様」です。ブラックペッパーやホワイトペッパーなど、様々な種類が製造販売されていますが、その全てが同じコショウ科コショウ属の、つる性植物である常緑低木の果実から作られています。
主に熱帯アジアが原産で熱帯各地で栽培されています。節のある茎と卵型の葉を互生させることが特徴です。夏に長い花穂を付け、その後球形の果実になります。この果実を乾燥させ香辛料としたものがペッパーです。
色の違いだけでなく形状の違いも非常に多く、その違いは挽き方の差異により決まります。粒子の大きさ順にホール(粒)、クラッシュ、グラインド、パウダーと小さくなっていきます。
料理や使用する工程により最適なペッパーが違うというのも奥深いペッパーならではの特徴と言えるのではないでしょうか。
ペッパーの種類と違い
ペッパーは同じ木から収穫される果実を乾燥させ作られているにも関わらず、収穫される時期によって色や名称が変わるという変わった特色を持っています。ここではペッパーの分類についてまとめてみました。
ブラックペッパー(黒胡椒)
ブラックペッパーはペッパーの木になる果実を完全に熟す前に収穫し、その後長い時間をかけて乾燥させたものです。世界で最もポピュラーなペッパーで、どこの国でも塩の隣にはブラックペッパーの瓶があると言われる程です。
独特の強い風味があり、牛肉ととくに相性が良いペッパーです。
ホワイトペッパー(白胡椒)
ホワイトペッパーは、ペッパーの果実が赤く完熟してから収穫し、乾燥させたあとに水に浸けることで外皮をやわらかくし、剥いたものを指します。ブラックペッパーよりも風味が弱く、魚料理に適したペッパーです。
薬用としてペッパーが使用される場合は大抵がこのホワイトペッパーが使用されます。
ホワイトペッパーの香りは人によって強い不快感を覚える場合がありますが、これはホワイトペッパーの製造工程で一般的に不快感を感じさせる臭気の元になる成分が発生しやすいためです。この不快感をもたらす臭気の強さは製造工場における製造工程に関係があり、流水を流し続け外皮を腐敗させることにより不快臭のない状態のホワイトペッパーが製造できることが分かっています。
グリーンペッパー(青胡椒)
完全に熟す前に収穫する工程まではブラックペッパーと同じですが、その後塩漬け、または短期間で乾燥させたものがグリーンペッパーになります。爽やかな辛みが特徴で、肉料理にも魚料理にも合うペッパーです。
タイ料理や、カンボジア料理などではこのグリーンペッパーをスパイスとしてではなく、食材として炒め物などに使用します。このグリーンペッパーという名称はピーマンと混同されやすいため、やや注意が必要です。
ピンクペッパー(赤胡椒)
果実が完全に熟してから収穫するのはホワイトペッパーと同じですが、その後外皮を向かず皮ごと使用するのがピンクペッパーです。南アメリカなどでよく使用され、マイルドな風味と鮮やかな色合いが特徴のペッパーです。
代用品として南アメリカ原産のウルシ科の植物「コショウボク」の実がピンクペッパーの名称で使用されていることがありますが、この実はいわゆるコショウではありません。
また、赤胡椒は直訳すればレッドペッパーなのですが、そう呼ばれないのはレッドペッパーが一般的に唐辛子のことを示すためです。
歴史
ペッパーは古代からインド地方において主要な輸出品でした。紀元前4世紀の初め頃、古代ギリシアの植物学者で植物学の祖と呼ばれているテオフラストゥスが植物誌の中でペッパーの考察を行っています。
また古代の地中海世界では長コショウ(ヒハツ)が成熟することでブラックペッパーになると考えられていました。この間違いは16世紀に改められるまで続いたようです。
中世になると、ペッパーはその抗菌、防腐、防虫効果の高さから、冷蔵技術がまだ確立されていなかった当時において欠かすことのできない存在へとなっていきます。大航海時代、食料を長期保存するためにペッパーは非常に重宝されていたという記述が残っています。
ペッパーはヨーロッパの様々な料理に古くから使用されており、その影響を受けた料理にもまた多く使用されています。こうして需要が高まった結果、ペッパーはインドへの航路が見つかるまで非常に重宝されていました。その価値の高さは、十字軍や大航海時代などの目的の1つにペッパーの存在があったという見解からもうかがえます。
そんな様々な事柄が相まって、ペッパーは長い期間、驚く程の高値で取引されてました。例えば1世紀のローマではペッパーの価値は同重量の金や銀と同価値であったという表記がされているほどです。また中世ヨーロッパではペッパーは香辛料の中で最も高い価値があり、貨幣の代用に使用されていたこともあるのです。
このペッパーの価値を高めていたのは、輸出していたヴェネツィアの人々はペッパーを「天国の種子」と呼称し、積極的に価値を高める工作を行っていたようです。
中国・日本でのペッパー
そんな過程を経て、ペッパーは中国へと伝わります。中国でのペッパーは西から伝わった香辛料という意味で「胡椒」という名称が付けられました。日本でも胡椒という名称で呼ばれているのは、ペッパーが中国から日本へと伝わったためです。
日本におけるペッパーの歴史も非常に古く、最も古い記録では756年聖武天皇の77日忌に遺品が東大寺に献納された際、その献納品の目録の中にペッパーは登場しています。当時の日本ではペッパーは調味料ではなく、生薬として使用されていたようです。
その後、断続的に輸入されていくうちに平安時代には調味料として使用されるようになりました。当時の日本でのペッパーの使用用途は現在よりも多かったようで、唐辛子が伝わる前までは山椒と並んで多用されている香辛料だったようです。
唐辛子も伝来当初はペッパーの亜種とみなされており、その名称も「南蛮胡椒」などと呼ばれていました。この文化は現在も残っており、唐辛子を使用して作られている柚子胡椒やコーレーグス(高麗胡椒)に胡椒と付いている理由が、日本におけるペッパーの浸透の高さによるものなのです。
ペッパーの特徴
世界で最もポピュラーな香辛料であるペッパー。ここではそのおおまかな特徴についてまとめてみました。
ブラックペッパー
ブラックペッパーはピリっとした辛みと刺激的な香りが特徴のペッパーです。香りも辛みも強めで、料理のアクセントとしても重宝されています。
ホワイトペッパーよりもブラックペッパーの方が辛みや香りが強いのは、ホワイトペッパーが完熟した果実の外皮を剥いて作られるのに対し、ブラックペッパーは未完熟の果実の外皮ごと使用されるためです。ペッパーの独特の香りの元である製油が外皮に多く含まれていることと、辛みの成分であるピペリンとシャビシンが未完熟の果実の方に多く含まれているのが理由です。
ブラックペッパーはそのワイルドな香りと辛味を生かし、ステーキなどの肉料理に代表されるように、風味の強い食材や料理に使用します。
また、ポテトサラダやカルボナーラなどの落ち着いた色味の料理に使用することで、色味と味の良いアクセントにもなります。
ホワイトペッパー
ホワイトペッパーはブラックペッパーよりも香りも辛みもマイルドで上品なのが特徴です。その主張しすぎない香りと辛みは魚料理などの味が優しい料理や、クリームシチューなどの柔らかな色合いの料理に多く使用されています。
ブラックペッパーほど強い香りを付けたくない場合に多く使用されるのがホワイトペッパーの用途と言えるでしょう。
グリーンペッパー
ホワイトペッパーよりもよりマイルドさが際立つのがグリーンペッパーの特徴です。香りはホワイトペッパーよりも爽やかながら、外皮を使用しているので辛みはしっかりと感じられるのも大きな特徴と言えます。
その名の通り、緑色をしているのでその色味を生かして料理のトッピングとして使用されることがあります。
ピンクペッパー
一般的に使用されているピンクペッパーは辛みがほとんどなく、デザートなどに添えられていることもありますが、ここで使用されているピンクペッパーはウルシ科の植物から作られているもので、ペッパーの熟果から製造されているものに関しては辛みがあります。
しかし、日本でペッパーの熟果を使用しているピンクペッパーはあまり流通していません。
効果・効能
生薬として使用されていたこともあるペッパーは様々な効果効能を持った香辛料です。ここではペッパーが持つ効能の中で主に体にもたらす効果をまとめてみました。
代謝向上・冷え改善
ペッパーの辛みの元になっているアルカロイドの1種であるピペリンは、古くから防虫、抗菌、防腐作用があるということで重宝されてきました。
そして近年、このピペリンには酸化のダメージから体を保護する抗酸化作用と血行促進作用が注目されています。中でも血管を広げ血流を良くすることにより、末端まで血流を行き届かせる作用は冷え性で悩む人が増加している現代において、非常に嬉しい効果だと言えます。
また、ペッパーにはアドレナリンの放出を促す作用があります。アドレナリンがエネルギー代謝を促進させ、新陳代謝が活発に行われるようになると冷え改善の他にも脂肪燃焼効果も期待できます。
唐辛子にも同様の効果がありますが、多量摂取すると副作用がある唐辛子に比べ、ピペリンは作用が穏やかなためより安全性が高くなっているのも嬉しいポイントです。
消化能力向上
ペッパーに含まれているピペリンには食欲増進効果、消化酵素を刺激し消化機能を向上させる効果があります。この効果の注目すべき点は、ただ消化を促進するのではなく、血流量を増やして胃腸の血流を良くし、温めることで胃腸機能を向上させていることです。
この働きにより、冷えからくる腹痛、便秘、下痢などの幅広いお腹の不調の改善にもつながります。
また、ピペリンは一緒に摂取した他の食べ物から得る成分の吸収率を高めてくれる効果もあります。料理にペッパーを使用することにより食材が持つ栄養をより効果的に吸収できるのは非常に魅力的なのではないでしょうか。
貧血予防・美肌作り
ペッパーは2gに対して0.4mgもの鉄分を含有しています。この含有量は貧血に良いと言われているイチジクなどを上回る数字です。日本人女性の半数以上が貧血であると言われている現代において、ペッパーのような簡単に鉄分が摂取できる食品は非常に重宝されるのではないでしょうか。
1日に必要な鉄分の全てをペッパーから摂取することは難しくとも、毎日の食事のなかでペッパーをさっと振り掛ける習慣を付けるだけで摂取する鉄分の量がかなり変わってきます。貧血に悩んでいる人にペッパーはおすすめの香辛料なのです。
また、上記のペッパーの効能は体だけではなく、肌をも健やかな状態へと導いてくれます。血行が悪いせいで顔色も悪くなってしまっている人や、肌細胞の栄養不足により乾燥や肌荒れに悩んでいる人などにペッパーは非常におすすめです。
抗酸化作用にはアンチエイジング効果があることは広く知られていますし、鉄分が不足するとコラーゲンの生成が鈍ってしまうことも有名です。ペッパーを摂取することは美肌作りの観点から見ても有効だと言えます。
ペッパーの美味しい食べ方・使い方
私たちの生活に密接に関係している香辛料のペッパーですが、ここでは種類ごとにおすすめの食べ方をまとめてみました。
ブラックペッパー
ブラックペッパーは肉と非常に相性が良いペッパーです。そんなブラックペッパーの良さを堪能したいのならペッパーステーキがおすすめです。牛肉、豚肉、鶏肉など、好みの肉にブラックペッパーを多めにかけて焼くというシンプルなものですが、ブラックペッパー好きにはたまらない刺激です。
また、淡白な白身魚にはホワイトペッパーが合いますが、赤身の魚にブラックペッパーは意外と合います。マグロを醤油と砂糖、そしてブラックペッパーで漬けにするのも手軽で美味しいのでおすすめです。
料理にパンチが欲しい時はブラックペッパーを使用するだけで刺激的なアクセントとなり、味に締まりが出ます。
ホワイトペッパー
肉よりも魚と相性がよく、下ごしらえなどに使用されるホワイトペッパーは、白く仕上げたい料理に適しています。ポタージュやシチューなどにはホワイトペッパーを使用することで美しい見た目に仕上がります。
ラーメンに使用するのも、やはり魚介系のスープがおすすめです。主張しすぎないホワイトペッパーが上品に香りと辛みを足してくれます。
また生姜を効かせたスープに入れるのも美味しいだけではなく、吸収率を上げてくれる効果もあるのでおすすめです。
種類別:おすすめのペッパー
ここまで、ペッパーの魅力や特色について詳しく見てきました。普段何気なく使用しているペッパーの魅力を改めて知った人もいるのではないでしょうか。最後に市販されているペッパーの中でおすすめのものを厳選して紹介したいと思います。
おすすめのブラックペッパー:厳選3種
刺激的な辛みと風味で料理のアクセントとして活躍してくれるブラックペッパー。世界的に最も使用されているだけあって非常に沢山の種類が販売されていますが、その中でもおすすめのものをまとめてみました。
マスコット / ライプペッパー 完熟胡椒
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マスコットの「ライプペッパー 完熟胡椒」はブラックペッパーでありながら完熟した果実を使用していることが大きな特徴です。そのため、今まで食べたことのないブラックペッパーを体験できます。
辛みは他のブラックペッパーよりもやや抑えられますが、その分豊かな香りが楽しめます。基本はブラックペッパーの香りですが、その中にあるオリエンタルでフルーティな香りは1度使用したら虜になるブラックペッパーだと言われています。
ホールのブラックペッパーですがミルは付いていないのでそこだけは注意が必要です。
ユウキMC / T&Tミルブラックペパー
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挽きたてのブラックペッパーを楽しみたい人におすすめなのがユウキMCの「T&Tミルブラックペパー」です。低価格ながらもミル付きでコストパフォーマンスにも優れた製品です。
オーソドックスなブラックペッパーですが、挽きたての美味しさはやはり格別なもの。ホールタイプを初めて購入する人にもおすすめのブラックペッパーです。
FAUCHON / 缶入りサラワク ブラックペッパー(あらびき) マレーシア産
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ブラックペッパーの香りが好きという人におすすめなのが「缶入りサラワク ブラックペッパー(あらびき) マレーシア産」です。ガツンとした香り、辛みが料理をぐっと引き立てます。
香りが非常に強く、コク深い味わいは他のブラックペッパーと一線を画します。リピーターが続出しているほどの人気を誇るブラックペッパーです。
おすすめのホワイトペッパー:厳選3種
穏やかな辛みと香りで料理を引き立てるのがホワイトペッパーの魅力です。ここでは厳選したおすすめのホワイトペッパーを紹介します。
マスコット / ホワイトペッパーパウダー
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パウダー状で下ごしらえから仕上げまで使用できるのがマスコットの「ホワイトペッパーパウダー」の魅力です。パウダーではありますが上品で香り高く、ホワイトペッパーのイメージが変わるような製品です。
マスコットならではのおしゃれなデザインのボトルも魅力的です。
コウベグロサーズ / ホワイトペッパーホール
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コウベグローサーズの「ホワイトペッパーホール」は通常のホワイトペッパーの使用方法はもちろんですが、ブラックペッパーの香りが強すぎると感じる人におすすめです。ホールなので香り高いのは特徴ですが、ブラックペッパーよりも穏やかで柔らかい香りなので料理の風味を邪魔しません。
容量は多いのですがミルは付いていないので注意してください。
GABAN / グルメミル ホワイトペッパー入
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GABNの「グルメミル ホワイトペッパー入」はホワイトペッパーよりもミルの方がメインではあるのですが、それでも非常に香り高いホワイトペッパーが楽しめます。
軽く挽けるのも使いやすく魅力的な製品です。