和食向け!おすすめの山椒と特徴や美味しい食べ方
山椒と聞いてうなぎの蒲焼や揚げ物など、味のアクセントとして使う和のスパイスといったイメージがありますよね。でも実際一体どんなものから出来ているのか知らない方も多いと思います。今回はそんな山椒について詳しく紹介します。
特徴や歴史、実は摂取することでこんな効果や効能が期待できるといった内容まで紹介します。今まで山椒について曖昧な印象をお持ちだった方も、これを機に山椒についてより理解を深めることができるでしょう。ぜひご覧ください。
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山椒(サンショウ)とは?
山椒とはミカン科サンショウ属の落葉低木からなる実で、別名「ハジカミ」ともよばれています。同じ木でも雄珠と雌珠のうち雌珠だけに実がつき、芳醇な山の薫りとピリっとした独特の辛みが、料理などのアクセントにうってつけです。
実は日本では古くから親しまれている香辛料で、実の他にも葉の部分なども食べることができます。山椒はひとつひとつは小粒ですが、ことわざで「山椒は小粒でもぴりりと辛い」と言われるように、小さい実でも非常に辛くスパイシーです。
日常生活の中で山椒を頻繁に食べる機会は意外と少ないですよね。うなぎの蒲焼など和食や辛い料理の多い四川料理など大人の世代が好む料理に使われるイメージがあり、若い世代には馴染みが薄いかもしれません。
山椒について詳しく知って頂くために、以下ではそんな山椒の歴史についても触れていきます。
歴史
山椒の歴史はとても古く、縄文時代の土器から山椒の実が見つかっており、日本最古の香辛料とも呼ばれています。一説には有史時代よりも前から魚や獣肉の臭みを抑えるために使われていたとも言われています。
もともと「ハジカミ」という別名は山椒のことだけではなく、ショウガなどの辛みのある薬味や香辛料に対して使われていた名ですが、古い時代では山椒が「ハジカミ」という名の代表で、幅広く好まれていたものだったようです。
時代が流れ、中国からショウガが伝わり定着するとともに「ハジカミ=ショウガ」という認識が広まります。また、同じ頃仏教などの関係で肉食が減少し、調理方法や食材の使い方が分けられるようになり、次第に山椒の使用率、出番が減っていきました。
しかし当時のことが書かれた文献などには、室町時代にはうなぎの蒲焼に使われるなど今の時代のような使われ方をしており、明治時代には山椒の本格的な栽培が始まったとされています。
また、醤油などの発酵調味料との相性も良くそういった他の調味料の発展とともに、山椒もまたあらゆる料理に使われるようになりました。時代の波に流されながらも今日まで、料理の味わいを引き立ててくれる香辛料として長く親しまれてきました。
山椒の特徴
山椒の特徴は何より、その小さい実からしっかり味わうことのできる独特なピリっとした辛みと薫りです。その特徴的な辛みは「サンショール」という成分が作用しています。サンショールには麻酔作用があるため、ピリっとした痺れるような辛さを舌が感じるのです。
他にも、山椒は実だけでない葉の部分なども食べられると紹介しましたが、それぞれ部位によって名前が違います。よく使用される実の部分は実山椒、もしくは青山椒と言います。
実山椒は赤くて熟した状態のことを言いますが、青山椒はその名の通り熟す前の青い若い山椒のことを言います。また、葉の部分は木の芽、花の部分は花山椒と呼ばれています。どの部分も余すことなく食べることができるのも山椒の特徴です。
山椒は四川料理などの辛い料理にも使われているイメージがありますが、その多くは花山椒が使われており、対して実山椒や青山椒は日本料理に多く使われています。
花山椒は辛みがより強くパンチがあります。実山椒、青山椒は花山椒に比べると辛みはそこまで強くなく、柑橘系の薫りが豊かで、焼き物や揚げ物など使えば味わいを引き立てるだけでなく、爽やかな風味もプラスしてくれます。
また、薬効成分も含まれており、古くから漢方薬などにも取り入れられていました。こんなに小粒なのに体に嬉しい薬効成分や栄養素が、たっぷり入っているのも山椒の特徴です。
効果・効能
漢方薬や健康を支える食べ物として取り入れられていた山椒ですが、その効果や効能はどういったものがあるのでしょうか。
免疫力がアップ
山椒の独特な薫りには「ジテルペン」という成分が大きく関係しています。ジテルペンには免疫細胞を活性化させる力があり、抗酸化作用がアップし免疫力が高まると言われています。
抗酸化作用がアップすれば、免疫力だけでなく体の酸化を抑え、肌や髪にハリとツヤをもたらす効果も期待できます。また疲れにくい体作りにも効果的です。
胃腸機能の向上と改善
「サンショオール」など山椒に含まれている成分の多くに、胃腸の働きを促し向上させる効果があると言われています。整腸作用や胃や内蔵の粘膜を強くする効果が期待できます。
夏バテや冷たいものを食べ過ぎて、内蔵が冷えたことで起こる腹痛などにも、効果的であると言われています。
冷え性改善
内蔵や胃腸機能の向上だけでなく山椒に含まれる多くの辛味成分は、新陳代謝や発汗を促す効果が高く、体中の各機能を活性化させてくれます。そのため血の巡りも良くなり冷え性の改善に期待ができます。
また新陳代謝が良くなることで、女性などに多いむくみの改善にも効果があると言われています。
他にも・・
胃腸の働きが良くなることで消化作用が増し、また柑橘系の爽やかな薫りが食欲を促します。他にも青魚などの臭いを抑える効果や、防腐、殺菌などの効果もあると言われており、食中毒の多い夏場の料理に役立つメリットばかりです。これらの効果や効能がたくさんある山椒を、美味しく楽しんで食生活に取り入れたいですよね。山椒を美味しく楽しんで食べる方法も次の章で紹介します。
山椒の美味しい食べ方・使い方
山椒は調味料として食材として、あらゆる料理に風味をプラスしてくれます。その中でもおすすめの美味しい食べ方を紹介しますので、ぜひ参考にして試してみてください。
- 焼き物や揚げ物に合わせる。
実山椒または青山椒を粉末状にした山椒粉というものを薬味に使用します。揚げ物や焼き物に山椒を合わせると風味を引き立ててくれますが、それだけではありません。
山椒のピリっとした辛みと爽やかな柑橘系の薫りが、揚げ物の脂っぽさや焼き物の濃い味付けのアクセントになり、より一層美味しく食べることができます。
- タケノコなど野菜と和えて食べる。
山椒は和え物にしても美味しく食べることができます。例えば木の芽和えという、木の芽と呼ばれる山椒の若葉を刻み白味噌と野菜を合わせた料理があります。
木の芽和えはタケノコやカブなど味わいが淡白な野菜によく合い、白身魚などに合わせても美味しいです。
- お吸い物にも山椒が合う。
山椒の木の芽は和え物だけでなく、その薫りを活かしお吸い物にもとても合います。特に刻んだりせずそのまま少量の木の芽をぱらっと乗せるだけで、薄口のお吸い物の薫りをより豊かにしてくれます。
- 山椒の辛さが美味しい麻婆豆腐
四川料理など辛さが特徴的な料理の中で、特に山椒の味わいがマッチするのが麻婆豆腐です。こちらは調味料として使用します。山椒の中でも粉末状にした花山椒を使います。
独特な辛みと薫り、麻婆豆腐を代表に四川料理には欠かせない調味料です。
注意点
魅力的な山椒にも、もちろん食事に取り入れる上で注意すべき点があります。それは食べすぎないことです。山椒は期待できる効能や効果がたくさんあるため、食べ過ぎてしまえばそれが逆効果、または別の副作用を起こしてしまうことが考えられます。
山椒の一日の摂取量目安については断言できるものがありませんが、あくまでも食材の風味を活かすことのできる量として使えば、食べ過ぎることはありません。
食べ過ぎた時の主な症状
例えば、目が充血してしまったり、下痢や嘔吐といった症状が出る可能性があります。他にも大量に食べ過ぎてしまったことで意識障害が出てしまったなんて方もいるようです。
効能や効果の章で紹介したように、血の巡りを良くしたり、胃腸の動きを促してくれるような効果が、大量に摂取することで副作用を起こしてしまい裏目に出てしまうことがあります。
どんなに良いものでも過剰摂取は体調や体質によって、悪い結果に繋がってしまうことがあります。ご自身の体に合う適切な量を知り、くれぐれも食べ過ぎないように注意しましょう。
妊娠中の方、幼いお子さんの場合
妊婦の方は辛いものを避けた方がいいといった話も聞きますが、山椒に関して言えば食べ過ぎず適量であれば大丈夫です。寧ろ好きな方は食べないことでストレスを溜めてしまう方が逆効果です。
ただし、他の方同様に食べ過ぎは絶対禁物です。下痢や嘔吐などが続けば体力を奪ってしまいますし、意識障害なんて起こればお腹の中の赤ちゃんも危険です。ご自身で食べ過ぎてしまわないか心配な方は控えた方が良いでしょう。
幼いお子さんには体質に合うかどうか試してみるのも難しいため、積極的に与えることはしない方が無難です。山椒のような刺激が強いものはすい臓などの内蔵に負担をかけてしまう可能性があります。
おすすめの山椒:厳選3種
山椒の特徴や魅力を知ることで、早速食事に取り入れたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここではそんな山椒を調理などに使いやすく製品化されたおすすめのメーカーと、商品名を厳選し3つ紹介します。
これでお手軽に美味しく食べることができること間違いなしですので、ぜひご覧になて参考にしてみてくださいね。
飛騨山椒 / 山椒粉
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奥飛騨の特産品、飛騨山椒の山椒粉です。飛騨産の山椒は日本全国の中でも特に柑橘系の爽やかな薫りが特徴で、そんな特産品の山椒を100%使用して作られています。少量で山椒特有のピリっとした辛みを味わうことができます。
その美味しさは旅館やホテルなどでも使われているほど。山椒の風味をふんだんに楽しむことができ、魚料理や肉料理、イタリア料理にも合うとのこと。ジャンルを限らず合わせて美味しい山椒です。
やよい / ちりめん山椒
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こちらは実山椒とちりめんを上品に炊き上げた総菜です。京都でよく作られています。山椒の薫りと甘い味付け、そして塩気もある優しい味わいのちりめんの佃煮と、合わせた上品な一品です。ちりめん山椒は京都旅行のお土産でも人気があり、白いごはんのお供におすすめです。
他にも冷ややっこに合わせたり、もちろんちりめん山椒だけでもおかずとして頂けます。保存も効くのでおにぎりの具やお弁当のおかずとして入れてもばっちりです。
GABAN / グルメミル 四川赤山椒(花山椒)入り
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四川料理には欠かせない四川赤山椒入りのミルです。既に粉末状で販売されているものに比べ、料理に使用する時にミルで挽くので薫りがより際立ち、少し粗挽きなのも美味しさの秘訣です。
わざわざ別でミルを買わずに済み価格もお手頃なので、気軽に購入できます。麻婆豆腐を始めその他の四川料理のレトルト品でも、一振りするだけで一気に本格的な味わいに。ぜひ試してみてください。