三井製糖の歴史や特徴とおすすめの砂糖
砂糖の代名詞とも言える「スプーン印」のお砂糖。古くから日本人の食卓に馴染み深いこのお砂糖を作るのが、国産トップブランド「三井製糖」。
砂糖業界は常に波乱!戦後、安価な砂糖が大量に輸入された時もそう、そして現代人の「糖質離れ」もそう。この先またTPP的な脅威だってありうるし!そんな、常に危機にさらされながらもトップを走る三井製糖の魅力は、「変わらないこと」と「変わり続けること」の両立。
永遠のロングセラーが愛され続ける理由と、糖質離れブームの逆襲とも言える次世代甘味料の開発の背景。砂糖業界トップの維持と底力をご紹介します。
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三井製糖とは?
スプーン印でおなじみの「三井製糖」。言わずと知れた三井グループの一つであり、業界ナンバーワンのシェアを誇る大手老舗砂糖メーカーです。三井製糖のすごさを語るには、その生産体制をご紹介するのが早いでしょう。
通常製糖工場は、複数の製糖会社が合同で運営していることが多いのです。ところが三井製糖は国内でも珍しく、自社単独の工場を運営。2013年、60億円を投じてリニューアルした神戸工場は、なんと甲子園球場の1.2倍の大きさ!場所は食品コンビナートの最も海側。タイやオーストラリアから輸入する原糖(精製前の砂糖の原料)を、スムーズに直接搬入できる場所に設置してるのです。
幾度かの合併で作り上げたネットワークを駆使し、原料調達・スムーズな物流・製造・販売の一体化を維持しているのです。さて、三井製糖は砂糖ビジネスを核に、以下の3つの事業を展開しています。
- 砂糖事業
- 不動産事業
- フードサイエンス事業
詳しくは後述しますが、長年培ってきた製糖とバイオテクノロジーを駆使した、フードサイエンス事業の展開が目覚ましいのです。精製工程で作られる「サトウキビ抽出物事業」(消臭やテイ味(雑味や苦味)改良効果が認められている)や、医療面でも注目を集める機能性甘味料などの、食品素材事業でも成功を収めているのです。
三井製糖の歴史
江戸時代から続く三井財閥ですが、三井製糖が製糖会社として出現したのは終戦後・昭和22年の事です。
当初は湘南糖化工業(株)として設立され、1960年以降はタイの砂糖事業に資本参加。「三井製糖」に社名が変更したのは1970年代に入ってからの事です。
その後、「三井製糖」「台糖(株)」「(株)ケイ・エス」、この巨大メーカー3社の合併により、今日の三井製糖は作られました。三井製糖に社名が変更して以降の詳しい歩みを見てみましょう。
- 1970年 三井製糖(株)設立
- 1982年 三井製糖食品(株)設立
- 1984年 機能性甘味料パラチノースの生産・販売を開始
- 1992年 本社を東京日本橋に移転
- 1994年 三井製糖食品(株)を吸収合併
- 2005年 「台糖(株)」と「(株)ケイ・エス」と合併。今日の三井製糖(株)へと社名変更。各地に工場を増設。
- 2011年 上海に事務所を設立。
- 2013年 岡山工場を閉鎖し、リニューアルした神戸工場と統合
- 2014年 ニュートリー(株)を連結子会社化
- 2016年 タイに事務所を開設
三井製糖の砂糖の特徴
「日本の砂糖の品質は世界一」と、世界でも名高いジャパンメイドのシュガー。それは、早くから海外に事業展開し、厳格な管理のもとに製造される三井製糖の砂糖のことを指すのです。
上白糖などの白砂糖は、おそらくどの家庭にも「スプーン印」が長年根付いてきたはずです。スプーン印の上白糖が、戦後の日本の家庭料理を創りあげてきたと言っても過言ではありません。
三井製糖の商品の中で、特に業界を魅了したのが他ならぬ「コーヒーシュガー」。砂糖業界においてコーヒーに合う砂糖をクリエイトするほど難関なものはありません。風味を損なわず味に奥行きを持たす、さらにコーヒー本来のコクを引き立てる。それらをクリアしたヒット商品「ロザッティ」は、コーヒー愛好家から絶大な支持を得ているのです。
また、レモンティー専用に開発されたレモンシュガーや、ヨーグルト用の砂糖も大人気。このように様々な食材、及び使いやすさに特化した商品(スティックシュガーや顆粒タイプ、角砂糖、氷砂糖など)豊富な種類の商品を取り揃え、長年ファンを魅了しているのです。
三井製糖の強みは、これらのロングセラー商品の人気を継続するとともに、昨今ブームである低糖・低カロリー・低GIに重きを置いた「機能性甘味料」の開発に長けていることです。医療面からもダイエッターからも注目され、糖質離れした消費者の心を再びキャッチしているのです。
例えば内臓脂肪が蓄積しにくく、砂糖に味の似た甘味料「パラチノース」。需要の高さから、2022年までに現在の10倍の増産を見込んでいるのです。
昔ながらの上白糖や三温糖シリーズも、カロリーハーフやスローカロリー(血糖値の上昇が緩やか)などのシリーズを作っています。高い技術で長年のファンの需要と現在のニーズ、両方に応えているのです。ここにも三井製糖が伝統を守りながら次世代に向けて業界をリードしていることが伺えます。
要するに、三井製糖の製品の特徴は非常にシンプルなのです。いろいろな用途に特化した様々な砂糖。もしくは糖質離れに応えた「機能性甘味料」、この2種なのです。
ただ、他社との大きな違いがあります。それは三井製糖の最も大きな魅力とも言えるでしょう。これらの商品は、ほぼすべて「砂糖由来」の甘味料なのです。健康ブームの追い風で競合他社は、天然甘味料や植物を科学的に糖化した甘味料など、砂糖以外の商品を多く製造販売しています。例えば中国果実由来の「ラカント」や、「オリゴ糖」などが分かりやすい例でしょう。三井製糖はそれらの新規産業には目もくれず、あくまでも甘蔗(サトウキビ)か甜菜(サトウダイコン)由来の「お砂糖」から自社商品を開発しているのです。
ここに、誇り高き老舗メーカーの砂糖事業に対する「意地」と「伝統」、そして真の力が見て取れるのです。
三井製糖でおすすめの砂糖
それでは、日本最大の砂糖メーカー「三井製糖」のおすすめの砂糖をご紹介します。
やはり困った時は大手の砂糖が一番!定番のクラシカルタイプから体に良いとされる自然派まで、どれも上質で美味でハイコスパ!国産の大手だから作れる、質の高い安定感抜群のラインナップです。
スプーン印 上白糖
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定番の味!赤いパッケージにスプーン印でおなじみの白砂糖、三井製糖の「上白糖」です。しっとり保湿性があり、クセがなくて淡白。醤油との相性も良いので照り焼きやすき焼きに使うと甘辛いコントラストが際立ちます。
菓子作りに使うと、保湿性の高さからしっとり仕上がります。また水にも溶けやすく淡白なため、コーヒーや紅茶にも最適。サイズは大小2種類。スプーン印の中でも特にリーズナブルで、最も万能に活躍するロングセラー商品です。
スプーン印 三温糖
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レトロなパッケージは、きっと見覚えがあることでしょう!
おいしそうな褐色の砂糖が敷き詰められた、ブラウンカラーにスプーン印がアイコン。日本人なら皆大好きな、香ばしさが魅力の「三温糖」。豊かなカラメル風味が長年ファンを魅了!しっとりと強い甘みが特徴で、料理にも菓子作りにも使え、味にコクと奥行きを持たせます。
サイズは大小2種類。機能性甘味料シリーズから2/1カロリーの三温糖も発売され、ダイエッターや健康管理をされている方にオススメです。
スプーン印 グラニュ糖
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お菓子作りには欠かせない!黄色いパッケージにスプーン印の「グラニュー糖」。白砂糖の中でもキラキラ・サラサラしたお砂糖です。
サトウキビとサトウダイコンのブレンドであるため、比較的まろやかで淡白な甘みが特徴。日本では古くから飲料水や菓子作りに利用されてきました。コーヒーや紅茶にもサラサラと溶け、風味や香りを損ねません。真っ白なのでジャム作りや果実酒にも最適。お菓子の仕上がりは、上白糖と違ってサックリ!
サイズは大小2種類。海外ではグラニュー糖こそが調味料として定番。意外ですが、これひとつあれば万能調味料として活躍してくれるのです。
スプーン印 白ザラ糖
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ふわふわの綿あめができると、大好評!鮮やかなブルーパッケージにスプーン印がアイコンの「白ザラ糖」。お菓子には欠かせない、ちょっと特別なお砂糖。
キラキラした小粒の結晶で、料理のトップングにこそ威力を発揮します。過熱による変色や変形が起こりにくいため、クッキーなどのトップングにすると、食感と見た目の両方を楽しめます!
また、ゆっくり溶ける性質を生かした果実酒などを作る際にもオススメ。通常のお砂糖よりはちょっとお高めで特別な存在。デイリーユースではなく「特別なお砂糖」として一つ持っていると、きっと料理の幅が広がるでしょう!また自宅でお子様に綿あめを作ってあげると、喜ばれること間違いありません。
スプーン印 中ザラ糖
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ノスタルジックなブラウンの小粒がぎっしり詰まった「中ザラ糖」。黄色いパッケージにスプーン印がアイコンです。こちらは白ザラ糖同様に四角い小さな砂糖の結晶。
純度が高く甘みが強く、非常に香ばしいのが特徴。カラメル風味と豊かなコクは、日本の甘党を長年虜にしているのです。ホットミルクなどの飲料や、風味や色を活かした菓子作りに最適。
醤油や味噌との相性が抜群なので、照りを出したい和食や佃煮、味噌漬けや粕漬けなどにもオススメです。
スプーン印 国産さとうきび糖
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健康志向に嬉しい!スプーンマークはやや控えめのシンプルなパッケージに、ぎっしり詰まった褐色の「きび糖」。正真正銘国産のサトウキビから作ったお砂糖です。
白砂糖よりミネラルや自然の風味が残されていることで、最近人気が復活!料理や菓子作りにも万能に活躍します。特に和食とは相性が良く、煮物や照り焼きなどに最適。また色味や風味を生かしたパンやクッキーなどの菓子作りにも愛用されている方が多いのです。
黒砂糖ほどクセがないので、白砂糖を卒業したい人の、初めの一歩として最もお勧めの砂糖です。
スプーン印 沖縄黒砂糖
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豊かな栄養素と奥深い甘みが大人気!自然のおいしさを丸ごと食せる三井製糖の人気製品「沖縄黒砂糖」。
他の甘味料を添加した加工黒糖とは違い、正真正銘沖縄産のサトウキビのみを使用。サトウキビの絞り汁を煮詰めただけの純度の低い黒砂糖は、体に優しく和食や風味を生かした菓子作りに最適。塊タイプはそのまま食しても良いし、調理用なら溶けやすい粉末タイプがオススメ。
特にスプーン印の黒砂糖は、他社と比べても食べた瞬間に甘さが際立ち、味のバランスの良さが高評価。コスパもよくて手に入りやすいので、黒糖を初めて使ってみる方にこそ一押しです。