10年も使える?砂糖の賞味期限と上手な保存方法
10年も使える?砂糖って賞味期限がないの!?そう、日々の暮らしに欠かせない砂糖。みんな大好きな甘いお砂糖。実は非常に寿命が長くて劣化しにくい優れた食品なのです。ただ、それでも食品は食品。適切な保存方法と保管方法を知っていると知らないでは随分開きがあるのです!
いつまでも美味しく食せるコツは、他でもない「湿度管理」。乾燥しすぎても湿気すぎてもダメ。以外と繊細で結構な難題!そこで、賞味期限がないと言われる砂糖の寿命と、より美味しさを保つための上手な保存方法について、詳しく見ていきましょう。
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砂糖の賞味期限
結論から言うと砂糖は、賞味期限のとても長い食品です。その寿命は半永久、いや賞味期限がないと言っても過言ではないのです。上手に保存していれば、10年くらい経っても劣化せず、品質には問題がないのです。そう、上手に保存していれば!
実際驚くことに、市販の砂糖のパッケージには賞味期限が表記されていません。賞味期限といえば、メーカー(製造者)が決めた「開封前の食品を最も美味しく食せる期限」のこと。では開封後はどうでしょう?いくら劣化しにくいとはいえ、やはり食品は食品。特に開封後は適切な方法で保存してこそ、長期間も品質を保てるのです。
そこで、賞味期限がないと言われる砂糖の寿命と、より美味しさを保つための上手な保存方法について、詳しく見ていきましょう。
砂糖は劣化が少ない食品
本来調味料は賞味期限の記載が義務付けられています。ところが日本で販売されている砂糖は、基本的に賞味期限が表記されていません。食品衛生法やJAS法では、長期保存が可能な食品は賞味期限・消費期限の記載の省略が許されているのです。そう、砂糖は「賞味期限の記載が必要なし!」とお墨付きの、「寿命が長くて腐らない食品」なのです。なんといっても古来から砂糖自体が、防腐剤として活用されていたくらいですから!
ただ、砂糖は時間とともに変色したり固まったりすることがあります。白砂糖なら周りが黄色く変色し、黒砂糖なら色が濃くなるのです。これは砂糖に含まれる微量のアミノ酸がメイラード反応を起こしたのが要因。気になる方は早めに食されると良いですが、品質には全く影響ありません。また、砂糖が固まってしまう現象には誰もが遭遇したことがあるでしょう。この困った現象と対処方法については、後に詳しく触れていきます。
砂糖の上手な保存方法
砂糖は劣化しにくく、未開封でも開封後でも常温で保存することができるという優れた食品です。ただ、「湿度の変化」と「臭い」に弱いという弱点があるのです。特に長期保存は湿度対策こそが要。なぜなら乾燥するとすぐに固まってしまうからです。
また臭いの吸収も早いため、臭い移りしにくい環境に保管するのがベスト。劣化しにくいとはいえやはり適材適所で的確な保存方法こそが大事!そこで、砂糖の未開封時と開封後、それぞれの的確な保存方法をご紹介しましょう。
未開封の場合
未開封の砂糖は常温保存が可能ですが、高温多湿な場所を避けて清潔な冷暗所で保管することをお勧めします。不衛生な場所や湿度の高い場所は虫や菌が繁殖しやすく、ゴキブリやネズミなどが発生するような場所であれば、たやすく袋を噛みちぎられる可能性だってあるのです。
あまりにも長く未開封のまま保存していたものは、開封前に変色や凝固のような変化がないか確認しましょう。何か異変が見られるなら、知らぬ間に穴が開いて菌が増殖したなどの可能性もあるので使用は控えましょう。(ただしこう言ったパターンは稀なので、過剰なまでの心配は不要です。)
開封後の場合
開封後は密封容器に入れて保存するのが最も適切な方法です。密封容器がない場合はジップロックなどに移し替えて密閉。砂糖の入っていた袋をそのまま使いたい場合は、空気を抜いてからクリップや輪ゴムなどでしっかり密封しましょう。
開封後の砂糖も、保存は常温で大丈夫です。むしろ常温で十分なのです。ただ未開封とはいえ、湿度の変化が少ない冷暗所で保存するのが品質を保つためにはベストです。
冷蔵庫は湿度管理には便利ですが、庫内が乾燥しているのが難点なのです。冷蔵庫から取り出す度に温度変化で結露が起こり、湿気の原因になるのも問題です。よって砂糖は、冷蔵保存はもちろん冷凍保存はあまり適していないのです。特に上白糖や三温糖などしっとりとした性質の砂糖には、適度な湿気も必要。よって冷蔵保存はお勧めできません。
また「臭い移り」の心配もしなくてはいけません。実は、最も頻繁に使う上白糖や三温糖は、他の砂糖よりにおい移りしやすいのです。シンク下やパントリーなどに保管する際は、石鹸や漂白剤、匂いの強い調味料や漬物や味噌などのそばに保管するのは避けましょう。もちろん蓋の締め忘れにもご注意を。
例外として黒砂糖(黒糖)は、メーカー判断で賞味期限が設けられていることがあります。黒糖は糖蜜由来で保湿性が高く、精製度が低くてミネラルなどが含まれているめ、カビ発生の可能性があるのです。腐りにくいけどカビやすい!そんなお砂糖なのです。冷蔵保存をお勧めするメーカーもいますが、やはり取り出す際の温度差を考えると、密封容器にシリカゲルなどを投入して、清潔な冷暗所で保管するのがベストでしょう。
なぜ砂糖は固まるのか?
さて、砂糖はなぜ固まってしまうのでしょうか?いざ砂糖を使おう!というときに、固まってなかなか崩せないといった経験は多いことでしょう。一言で言うと砂糖の凝固は、乾燥により起こる現象です。厳密には、一度湿気てしまった砂糖が、再び乾燥することで固まってしまうのです。
砂糖は大きく2種類に分類されます。しっとりとした性質を持つ「車糖」と、サラサラと結晶の大きな「ザラメ糖」。車糖は日本人におなじみの上白糖や三温糖のことを指し、これらは転化糖と呼ばれる保湿性の高い糖液が添加されています。上白糖や三温糖は、乾燥すると転化糖の水分が減り、糖分が結晶化してしまいます。結晶は小さいほどくっつきやすく凝固するため、砂糖の中でも特に車糖=上白糖や三温糖が固まりやすいのです。
一方ザラメ糖の中で、最もポピュラーなのが菓子作りに欠かせないグラニュー糖。こちらは水分を含む転化糖が添加されていないため、サラサラしています。また上白糖より結晶が大きいために固まりにくいのです。ただ、それでもやはりそこに湿度が加わると結晶同士がくっついてしまい凝固の原因となります。よって開封後は上白糖同様、外気の空気が触れない冷暗所での保管をオススメします。
固まった砂糖をサラサラにする方法
まずは砂糖を固まらせないように注意を払うことが得策です。今までの内容と重複しますが、改めて砂糖を固まらせない対策法を確認しましょう。
- 密封して空気を入れないこと。=密封容器に入れる
- 湿度を変化させないこと=冷暗所に保存
- 大きめの結晶の砂糖を最初から混入しておく
3は、ヨーグルトなどに添加されている顆粒タイプのザラメ糖、通称フロストシュガーなどのことを指します。このような大きめの結晶を混ぜておくことにより、砂糖の凝固を防ぐことができるのです。
それでは、万が一固まってしまった場合、サラサラにする方法を幾つかご紹介しましょう。
- スプーンなどで砕いたり袋に入れて揉み解す
- フードプロセッサーで撹拌する
- 水分を与え湿気を加える
- 他の食品の水分を移す
- 軽く加熱する
スプーンなどで砕いたり袋に入れて揉み解す
一度固まった砂糖は想像以上に固く、スプーンなどで砕いたり揉み解す方法はなかなか至難の技です。
フードプロセッサーで撹拌する
便利ですが面倒な作業とも言えます。古典的な方法ですが、やはり水や食品の水分から水気を与えることで、湿気を与えて元に戻すのが一番有効的です。
水分を与え湿気を加える
霧吹きを吹きかけたり砂糖の容器に1滴の水を垂らすだけの方法。一晩で驚くほどサラサラな状態に戻るのです。
他の食品の水分を移す
食パンやロールパンなどのパンのかけらや、りんごやオレンジの皮、キャベツの葉などを砂糖の容器に投入して5〜6時間ほど放置するという方法です。
それらに含まれる水分が容器の中に湿度を与えてくれるのです。ただし直接砂糖に触れないように小さな容器やキッチンペーパーなどをかますと良いでしょう。
軽く加熱する
最近主流のレンジやトースターで2〜3分加熱して湿度を与える方法です。これは特にグラニュー糖に有効な方法ですが、実は結構難易度が高いのです。加熱しすぎると砂糖の品質を損い、分量によっても温める時間が変わってしまうからです。
対処方法として、水の入ったコップと一緒に温める。またはレンジなどに頼らず、「フライパンで弱火で炒る」といった方法が、目に見えて変化がわかるので大変おすすめです。