高級砂糖!おすすめの和三盆と特徴や美味しい食べ方
口にすると皆ほっこり。その驚きの口溶けは匠の為せる200年の伝統の技。南国のサトウキビとは別種の地元産サトウキビ「竹糖」が原料。寒い時期に収穫され、熟練の職人が手間暇かけて作る、高級砂糖「和三盆」。うどんに並ぶ四国名物であり、世界に誇る日本の伝統食品。
食品ブームにより和三盆はプリンにロールケーキにも使われる人気ぶり!甘みに溢れ飽いた現代社会に驚きをもたらす、美しすぎる200年の伝統の味を、ご紹介しましょう。
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和三盆とは?
日本が誇る伝統的な高級国産砂糖、それが「和三盆」。
淡く黄みがかった細かな粒子で、独特の風味と上品で優しい口どけが特徴。香川県と徳島県の特産品であり、高級和菓子には欠かせない高価な砂糖です。干菓子やせんべいなどの和菓子はもちろん、最近ではロールケーキなどの洋菓子にも使われ注目を浴びています。
そんな特別な和三盆、原料は沖縄や海外産のサトウキビとは別品種の、地元産「竹糖」という希少価値の高いサトウキビ。分類としては蜜を含む「含蜜糖」の一種です。伝統的な手法で手間暇かけて作られ、お盆の上で3度研ぐ作業から「和三盆」と名付けられました。
限られた土地で作られ、江戸時代から今もなお受け注がれている日本の高級砂糖「和三盆」の背景とその魅力をご紹介しましょう。
和三盆の歴史
200年も続く日本の伝統甘味料である「和三盆」。発祥は、時の将軍徳川吉宗が全国に砂糖作りを奨励したことに始まります。
それまでの砂糖はほぼ輸入品と、南西諸島でわずかに作られていた黒砂糖のみでした。よって、日本の砂糖文化の幕開け、及び砂糖を使った和食の文化は、この吉宗の命こそがきっかけだったと言われているのです。
時の高松藩・徳島藩は、財政の立て直しのため、温暖な四国地方に根付いていた在来種「竹糖」を原料に、独自の精製法で砂糖作りを確立していきます。これらは後の、徳島産「阿波和三盆」・香川産「讃岐和三盆」となり、今も尚親しまれています。
当時食されていた和三盆は、現在のものとは程遠い、黒糖や和三盆の元となる「白下糖」でした。いわゆる糖液を煮詰めただけのものだったのです。改良を重ね、現在に近い和三盆が生まれたのは江戸時代後期。しかし、開国後に多くの安価な白砂糖が他国からもたらされ、日本においての砂糖作りは衰退。沖縄の黒砂糖と和三盆だけが生き残り、継承されていったのです。
戦後さらに国産砂糖の需要は下がり、和三盆作りは衰退しましたが、昨今の食材ブームと共に人気が再燃。高級食材としての需要とは裏腹、作り手や栽培面積が減っているという現状が問題視されています。
和三盆の製造工程
和三盆の原料は、イネ科に属する在来品種「竹糖」。沖縄産のサトウキビとは種類が異なり、背も低めで貧弱。また味も随分違うと言われています。晩秋に収穫され、寒い時期に職人の手によって長い時間をかけて作られます。
まず最も重要な工程が「白下糖」作り。職人が1か月もこもって竹糖を絞り、丹念に精製濾過して煮詰める工程です。この白下糖は蜜分を含む黒糖と近い「含蜜糖」です。
次に白下糖をお盆の上で冷水を加えながら練り上げて粒子を細かくします。この作業は「水で研ぐ」と言い、これこそが名前の由来。熟練の職人による技が必要とされる繊細な工程です。実際は三度ならぬ五回以上研ぐことで、より白くキメの細かい和三盆を作っているそうです。
その後、麻の布を詰めた「おし船」という箱に入れて重石で圧縮。この圧縮により黒い糖蜜を抜く作業を繰り返し、きめ細かい和三盆になるのです。最後に寒風で1週間ほど乾燥させて仕上げます。このように熟練の職人によって寒冷期に長時間かけて丁寧に作られるのが、特別な砂糖「和三盆」なのです。
和三盆の特徴
和三盆は、淡い黄色をしたきめの細かい砂糖です。高級食材のためあまり市場では見かけませんが、昨今の食材ブームで、ネットや百貨店でも手に入る機会が増えました。
そんな和三盆の特徴は、やはり他の砂糖にはない優しい上品な甘み。そして口どけの良さでしょう。さらに詳しい特徴を見ていきましょう。
甘さや風味について
和三盆は上品な甘みと、どこか黒糖を思わすまろやかな風味が魅力なのですが、これは和三盆が「含蜜糖」に分類されるからです。上白糖のように糖液を結晶化したものではないため、黒糖やきび糖同様に蜜がほんのり残されているのです。
黄色っぽい色こそ蜜の色でありミネラルでもあり、蜜の持つ苦味でもあります。また甘味度は非常に高く、成分中の98%がショ糖。これは上白糖や三温糖に近い数値です。ただ味は非常に淡白で、優しくまろやかな甘みなのです。
粒の粗さについて
和三盆の粒子は大変細かく、龍角散や粉砂糖ほど。そして結晶が柔らかいのが特徴です。細かな粒子は口どけがとても良く、淡白で上品な甘さが口いっぱいに広がります。
干菓子などは和三盆を美しい型に入れ固めて生計しただけの菓子。そのままでも美味であることから、和三盆の持つ奥深い旨味と甘さがお分かりになるでしょう。ただ、非常に繊細な砂糖であるため、湿気に弱く開封するとすぐ固まります。開封後は早めに使い切ることをお勧めします。
和三盆の美味しい使い方・食べ方
和三盆アイスに和三盆ロールケーキ、口溶け良い和三盆入りプリン!そんな売り文句や商品名を聞いたことがあるのではないでしょうか。200年の時を経て、和三盆は最もホットな時期を迎えています。
そこで、以前より親しみやすく手に入れやすくなった和三盆の美味しい使い方や食べ方をご紹介しましょう。
和三盆を存分に味わえる使い方がおすすめ
和三盆は、実は和食作りにも大変活躍します。粒子が細かい分、溶けやすいのでしみこみやすく、まろやかで上品な味付けに仕上がるのです。
高級寿司屋の酢飯や、蕎麦屋の麺汁など意外に多く使われているのです。ただ、これはなかなかの上級編。日常の和食にはコクの有るキビ糖や黒糖、万能な上白糖など安価で優秀な日本のお砂糖がたくさんあるのです!
そこでやはり和三盆は、その魅力をストレートに味わえる食べ方こそがオススメ。和菓子や洋菓子など、シンプルに甘さを感じれる菓子こそが最適といえます。ケーキやクッキーの甘味料としてはもちろん、スノーボールやフレンチトーストなど、トッピングとしてまぶすと、舌先にあたる柔らかい甘みを堪能できます。
また牛乳や香りの控えめな紅茶だと、和三盆自体の味が堪能できてオススメです。珈琲も意外とマッチするので好んで使われる方も多々。ただ、やはり高級な和三盆。飲料や和食に使ってしまうより、存分に魅力を味わえる和菓子・洋菓子に使われることをお勧めします。
美味しいおすすめの和三盆:厳選2種
それでは、和三盆の聖地である四国・徳島を代表するオススメの和三盆をご紹介します。高級和菓子屋への卸専用販売であった粉状タイプも、最近のブームで手に入りやすくなりました。
一度口にすると必ずはまる、厳選2種!購入の際の参考にしてくださいね。
岡田製糖所 / 阿波和三盆糖
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阿波和三盆の中で最も有名なのがこの「岡田製糖所」。200年の歴史を誇り、日本を代表する和三盆を独自の方法で作り続けています。
細かな粒子をそのまま袋付めしたものもあれば、つなぎを一切使わず美しく仕上げた干菓子、独特の風味を持つあられなども販売。細かな粒子が溶けやすく、生菓子などに最適。あっさりと品の良い仕上がりになります。
日本健康堂 / 阿波和三盆100%
現在の価格はコチラ |
自然食品・健康食品の製造販売会社「日本健康堂」が取り扱う、徳島県伝統の手作り和三盆。まろやかで独特の風味と口どけの良さが多くのファンを魅了しています。菓子や和食はもちろん、珈琲や紅茶にもよく合います。