いつまで?ジャムの賞味期限と上手な保存方法
ジャムは保存性に優れた食品として有名です。冬でも果物を入手しやすい今の時代と違い昔は冬には果物はあまり無かったため、寒冷地の北欧では果物を使ったジャムは越冬食品として親しまれてきた歴史もあります。
保存食品であるジャムですが、正しい保存方法や食べ方を知らずに使用すると、カビが生えてしまう恐れがあります。また、健康に配慮した低糖度のジャムや砂糖不使用の製品は、保存性が低いので注意が必要です。
今回は、ジャムの賞味期限と上手な保存方法についてご紹介します。
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ジャムの賞味期限について
ジャムの賞味期限は保存されている容器や製品の糖度によって差があり、大体以下のように設定されています。
- 瓶詰め(高糖度、中糖度):2ヵ年以内
- 瓶詰め(低糖度):18ヵ月以内
- 紙カップ入り:1ヵ年以内
- ポーションパック:6ヵ月前後
- 小袋入り:6ヵ月前後
- 缶詰:3ヵ年以内
ただし上記の期間はあくまでも目安となっているため、製品によっては賞味期限が短く設定されている場合などもあります。購入した製品を使用する際には、記載されている賞味期限をきちんと確認するよう気をつけてください。
ジャムの消費期限について
消費期限というのは期限が5日以内程度となる、お弁当やケーキなどの傷みやすい食品に書かれており、ジャムではあまり書かれていません。賞味期限と消費期限の違いがよく分からないという方もいらっしゃると思いますので、以下に簡単に2つの違いをまとめておきます。
- 賞味期限:未開封で正しく保存した場合に美味しく食べられる期限。期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではない
- 消費期限:未開封で正しく保存した場合に安全に食べられる期限。期限を過ぎたら食べないほうがよい
期限を設定する際には実際に日持ちする日数を算出するために、表示される期限のおよそ1.2倍から1.5倍の期間まで検査が行われています。そのため賞味期限から消費期限を推測した場合には、1.2倍から1.5倍程度の日にちが消費期限となると考えられています。
しかし食品や保存状態によっても違いがありますし、保存状態が悪ければ劣化も早まります。正しい保存方法で保存した上で期限内に使うようにし、期限が切れてしまったものはカビが生えたり悪くなっていないか確認してから、なるべく早めに使い切るようにしましょう。
ジャムの保存方法
ジャムは保存性に優れており賞味期限も長く設定されていますが、正しい保存方法を用いなければ品質が劣化してしまう恐れがあります。ここからはジャムの保存方法について解説していくので、ご家庭で保存する際の参考にしてください。
保存場所
ジャムの保存に適した場所は開封前と開封後で異なるので、以下に簡単にまとめて記載いたします。
- 開封前:直射日光、高温多湿を避けた常温の場所
- 開封後:冷蔵庫
開封前は密封され中が真空状態となっているため、カビが生えにくい状態が保たれています。しかし開封してしまうと空気に触れることでカビが生える恐れが出てくるので、温度と湿度が低くカビの生育がしづらい環境となる冷蔵庫で保存するのが最適とされています。
ジャムは冷凍保存も可能ですので、大量のジャムがある場合には使いやすい量ごとに小分けにして、チャック付きの袋などに入れ冷凍するといいでしょう。瓶のまま冷凍すると凍る際にジャムが膨張し瓶が割れてしまうことや、耐熱性の瓶を用いないと割れてしまう可能性があるため注意してください。
保存時のポイント
ジャムの保存場所についてはご紹介しましたが、適切な場所に保存をする場合でも気をつけておきたいポイントがあります。暑さや寒さといった気温の変化と湿度に関してです。
カビは高温多湿の環境で生育がしやすく、特に湿気の多い場所ではカビの生育が速まるため、湿気の多い場所は避けるよう注意が必要です。湿度の高い日が続く梅雨の時期には、冷蔵庫に保存していても早めに食べきるようにしてください。
冷蔵庫に保存しているジャムでも使用時には空気に触れてしまいますので、気温の変化や湿度の影響はどうしても避けられません。保存している場所だけでなく使用時の環境のことも考え、暑い季節には室内に置く時間を短くするなどの工夫をするといいでしょう。
また、保存したジャムを使用する際には清潔なスプーンを使い、パンなどに触れたスプーンは容器に戻さないよう気をつけてください。
ジャムの保存の必要性
保存性に優れているジャムでもきちんとした保存方法に従わなければ、その優れた保存性を発揮することができません。保存方法を間違えてしまうとカビが生えたり、品質の劣化が早まる恐れがあるため保存にも気を配ることが必要不可欠です。
甘くフルーティーな味わいが魅力的なジャムの美味しさを長持ちさせ、カビを生やさずに最後まで使いきれるよう、正しい方法で保存することを心がけましょう。
カビの危険性
ジャムを正しい保存方法で保存しなかった場合に起こる事態としては、カビの発生が挙げられます。カビが生えてしまった食品でも取り除けば食べられると考え実践する方もいらっしゃいますが、危険ですので食べないことをおすすめします。
表面上のカビを取り除いても内部にまで菌糸が張り巡らされていることが多く、カビが実際にどこまで侵食しているかは肉眼では確認が難しいです。安心してジャムを食べるためにもカビが生える原因を理解し、正しい保存方法でカビを予防して保存しましょう。
カビが生える原因
ジャムにカビが生える原因の代表的なものとして、以下の2つが挙げられます。
- 水分が入ってしまった
- 暖かい場所、湿気が多い場所で保管した
ジャムは本来、砂糖が水分を取り込んでいるためカビの利用できる水分が少なく、カビが生えにくい食品です。しかしジャムを取り出すのに使用したスプーンの水滴などから水分が入ってしまうと、カビに利用できる水分を与えてしまうことになり、カビが生えやすくなってしまいます。
また、カビが生育するには温度や湿度、酸素など様々な条件が整っている必要があります。カビは暖かく湿気の多い場所では生育が速まるため、ジャムを保存する際には寒く湿度の低い冷蔵庫のような場所が適しているとされています。
この2つの原因は代表的なもので、他にもスプーンについたパンくずや、空気中の雑菌が原因となる場合もあります。ジャムを使用するときは清潔な乾燥したスプーンを使い、蓋を開けておく時間は極力短くし、使い終わったら冷蔵庫に保管するようにしましょう。
ジャムの糖度と保存性
ジャムの保存性は糖度と関係があり、糖度が高いほど保存性に優れています。これはジャムを作る際に使用する砂糖が水分を取り込み、細菌が活動しにくい環境となっているためです。
糖度が高いと健康面での影響が気になるという方も多く、日本では低糖度のジャムが人気があります。しかし、砂糖が控えめのジャムや不使用のジャムは糖度の高いジャムと比べると保存性が低いため、保存期間に関しては注意が必要です。
ここからはジャムの糖度ごとの保存性について簡単にご紹介していくので、自分のよく買うジャムの糖度と照らし合わせてみてください。
糖度50%のジャムの保存性
糖度50パーセントのジャムは市販品では低糖度に分類されています。低糖度という言葉から甘さが控えめのジャムを想像されると思いますが、日本では販売されているジャムの45パーセント程度が低糖度の製品ですので、市販のジャムをよく食べる方には食べやすい甘さとなっています。
瓶詰めした後に中の空気を逃がす脱気を行い密閉された状態の場合には、常温でも4ヵ月から6ヵ月ほど保存可能とされています。ただし開封後は冷蔵庫で保存し、2週間程度を目安に食べきるようにしてください。
糖度34%のジャムの保存性
日本では糖度が40パーセント以上の製品がジャムと認められています。糖度が34パーセントですとジャムよりも甘さは控えめですが、果物本来の甘みや美味しさが感じられ、しつこい甘さもなくすっきりとした味わいが楽しめます。
ジャムは糖度が高いほど保存性が高いので、糖度が低い分保存性もジャムと比べると低くなっています。瓶詰め後に脱気処理を行い、密閉されたものであれば常温でも2ヵ月から3ヵ月程度保存できると言われています。開封後は冷蔵庫に保存し、7日から10日程度を目安に使い切るようにしましょう。
砂糖不使用のジャムの保存性
砂糖不使用のジャムは日本ではフルーツスプレッドという名称で販売されています。市販品の場合糖度の高い果物を厳選したりと、砂糖不使用でも甘さも楽しめるよう工夫がされているため、あっさりとした甘さと果物の自然な味わいが楽しめます。
砂糖を使っていないため、保存性に関してはあまりよくはありません。工場で作られた製品でしたら、開封前の密閉された状態では常温保存可能なものも多いですが、自家製の場合には冷蔵庫に保存し3日程度で使いきるほうがよいとされています。