美容健康に!優れた納豆の栄養や効果効能を徹底解説
始まりは弥生時代、なんてことも言われていて大変歴史のある日本の伝統食「納豆」。今この納豆の持つ様々な健康効果や美容効果が非常に注目されてきています。それは日本だけに留まらず、海外でも話題になるほどです。
そこで、納豆に含まれる成分や栄養がどのように健康に良いのか、どのように美容効果があるのかを総合的に詳しく解説していきます。記事中では「納豆がダイエットに良い」という噂の真偽や、効果的な納豆の摂り方、納豆料理についてや食べ過ぎた際の注意点なども触れているので、ぜひこの機会に納豆の魅力を知って、積極的に食べるようにしましょう。
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納豆は美容や健康に効果的?
納豆は大豆を発酵させた食品で、栄養や体に良い影響を与える成分が実に豊富です。
例えばビタミンKは他の発酵食品の数十倍、ビタミンB2は大豆の約2倍、食物繊維はゴボウの約2倍、腸内環境を整える納豆菌は乳酸菌よりも強く簡単に腸に届けられる、ナットウキナーゼが血液をサラサラにすると言われているなど、納豆1パック食べただけでこんなにも効率的に様々な成分を摂取することが可能です。
それぞれどんな効果が期待できるのか詳しく見ていきましょう。
高い保水力
納豆に含まれる「ポリグルタミン酸」という成分はヒアルロン酸の10倍の保水力があると言われているので、とても高い保湿力が期待できます。
さらにポリグルタミン酸は肌が本来もっているはずの保湿力やバリア機能を正常に戻してくれる効果も期待されているので、健康な状態の肌を取り戻すために適した成分だと言えます。
アンチエイジングパワーが強い
納豆に含まれる「ポリアミン」という成分はヒアルロン酸よりも体の中に届きやすく、アンチエイジングパワーが強いと言われています。さらにポリアミンは動脈硬化も予防してくれるので、ぜひ摂取しておきたい成分と言えます。
肌トラブルの予防改善
納豆に含まれるビタミンB6は肌の再生、ターンーオーバーを促進させてくれるので肌トラブルの改善に役立ちます。さらにビタミンB2は皮脂の分泌を抑えてくれるので、脂性肌、オイリー肌で悩んでいる方におすすめです。
血液をサラサラにする効果
納豆に含まれるナットウキナーゼは血液をサラサラにして血栓ができにくくする効果が期待されています。これによって心筋梗塞や脳梗塞を予防すると言われています。
腸内環境を整えて便秘を予防改善
納豆を作るときに重要な納豆菌は腸内で悪玉菌を抑え、善玉菌を増やす手助けをしてくれるので便秘を改善してくれます。
善玉菌として有名なヨーグルトなどに含まれる乳酸菌は胃酸に弱く生かしたまま腸内に届けることが困難ですが、納豆菌は胃酸では死滅しないので簡単に腸内に届けることができます。
骨を強くしてくれる
納豆にはカルシウムもたっぷり含まれています。しかもカルシウムを骨に結合させるためのビタミンK2もたくさん含まれているので非常に効率的です。
納豆に含まれる栄養成分
成分名 | 含有量 | 特徴 |
エネルギー | 100kcal | - |
タンパク質 | 8.25g | 体の構成や生命維持に欠かせない栄養です。 |
脂質 | 5g | エネルギーを生産する、燃料として貯蔵される、身体を作る成分です。 |
炭水化物 | 6.05g | 身体活動のエネルギー源になったり、腸の環境改善が期待される成分です。 |
ビタミンE | 0.25mg | 身体の酸化を抑える抗酸化作用や、血行を良くしたり、美肌になったり、成人病を予防する効果が期待 される成分です。 |
ビタミンK | 300μg | 出血時に血を固める効果や、骨にカルシウムが沈着するのを助ける効果が期待される成分です。 |
ビタミンB1 | 0.04mg | 糖質をエネルギーに変えるときに必要な補酵素の役目をします。 |
ビタミンB2 | 0.28mg | 脂質の代謝を促進する働きをします。 |
ナイアシン | 0.55mg | 脂質、糖質、タンパク質の代謝に必要な栄養素です。 |
ビタミンB6 | 0.12mg | たんぱく質の代謝にに必要な栄養素です。 |
葉酸 | 60μg | 赤血球や細胞が新しく生まれるときに必要な栄養素です。 |
パントテン酸 | 1.8mg | 脂質、糖質、たんぱく質の代謝を助ける働きがあり、体の抵抗力を高め、風邪をひきにくくするする効果が期待されます。 |
ビオチン | 9.1μg | コラーゲン生成を助ける作用や頭皮の血行促進、爪や髪を健やかにするなど様々な作用が期待されます。 |
ナトリウム | 1mg | 細胞内外のバランスを調整してくれる働きがあります。 |
カリウム | 330mg | ナトリウムによる血圧上昇を抑制したり、筋肉の働きを良くしたりする作用が期待できます。 |
カルシウム | 45mg | 健康な骨や歯を作ったり、神経の興奮の抑制、筋肉を収縮して心臓を活動させるなどの効果があります。 |
マグネシウム | 50mg | 体内にある様々な酵素の働きを手助けしてくれます。 |
リン | 95mg | 骨や歯を作ったり、糖質の代謝を高めたり、ナイアシンの吸収を助けると言った働きがあります。 |
鉄 | 1.65mg | 血液の中で赤血球のヘモグロビンの成分になって酸素の運搬をします。 |
亜鉛 | 0.95mg | 体内の酵素を作るのに必須な成分で、発育を促し、傷の回復を早め、味覚を正常に保ちます。 |
銅 | 0.31mg | 赤血球のヘモグロビンを作るために必要な栄養で、様々な酵素の成分となって代謝を促します。 |
セレン | 8μg | 抗酸化作用や動物の発育と生殖に必要で、種々の疾病を予防する作用が期待されています。 |
クロム | 0.5μg | インスリンの活性化や、血液中の中性脂肪やコレステロール値を正常に保つ働きがあります。 |
モリブデン | 145μg | アルデヒドオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼなどの酸化酵素の働きを助ける役割をします。 |
食物繊維 | 3.35g | 食物繊維は胃で消化されず便通を良くする効果があります。 |
ナットウキナーゼの効果効能
ナットウキナーゼとは納豆菌が大豆を発酵させるときに作りだす「タンパク質分解酵素」のことです。人体では血栓を分解させる効果が期待されます。血栓とは血液中にできる血の塊のことで血管を詰まらせ、脳梗塞や心筋梗塞の原因になってしまうものです。
その他にも血栓分解酵素を活性化させたり、血栓を溶けにくくしてしまう物質を抑制したりと、様々な角度から血栓ができるのを予防したり、できてしまった血栓を分解させることができます。
さらに血流改善作用や血圧降下作用、血小板凝集抑制作用などが確認されていて、それらによって様々な生活習慣病の予防ができると期待されています。
ポリアミンの効果効能
ポリアミンはアミノ酸の一種で、細胞分裂に伴う遺伝子のコピーなどを行う役目を担っており、細胞の生まれ変わりに必要な成分です。若いうちは体内でも作ることができますが加齢とともに上手く作れなくなってしまうので、食品から摂取することが重要です。
ポリアミンを補うことで細胞の生まれ変わりを促進し、新陳代謝を活性化することができます。新陳代謝が活発になることで加齢によって肌に現れやすい老化現象の、シミやしわ、くすみなどの改善が期待できます。
さらに血管の老化も助けてあげることができるので血管内の炎症を抑制し、動脈硬化を予防する効果があると考えられています。
大豆イソフラボンの効果効能
大豆イソフラボンは豆腐や豆乳、納豆などの大豆を使った食べ物に多く含まれている、女子ホルモンの1種であるエストロゲンに似た働きをする栄養素です。女性ホルモンに似た働きをすることで、
- 肌のハリや髪の毛の潤いを保ってくれる
- コラーゲンの生成やホルモンバランスを整えて薄毛対策になる
- 乳腺細胞の増殖を促してバストアップが期待される
- 更年期障害を緩和してくれる効果が期待される
- 肌の老化やツヤの減少を抑えてくれる
- 骨からのカルシウムの流出を抑えてくれる作用で骨密度を保ってくれる
- 血圧や血中コレステロール値の上昇を抑えてくれる
などの様々な効果が期待されています。
ムチンの効果効能
ムチンとは糖とタンパク質が結合することでできる物質でできていて、納豆や山芋、オクラなどのネバネバした食品に多く含まれています。単にネバネバさせるだけの成分ではなく、人体では粘膜としても使われています。
よって、ドライアイの改善や胃粘膜を保護して胃炎を予防する作用、肝臓の機能や腎臓の機能を向上させる効果、鼻や喉など呼吸器の粘膜を保護して風邪の原因となる細菌やウィルスの侵入を防ぐ、など様々な効果が期待されています。
納豆はどんな人に効果的?
上述した納豆の効果や栄養成分を踏まえて、どんな人が納豆を積極的に摂取すべきか解説していきますね。もちろん、以下で紹介する人だけではなく、あらゆる方に納豆は健康食材として楽しんでいただくことができます。
その中でも特に、こんな方は納豆を食べるのがおすすめですよ!という意味合いですので、当てはまる方は是非、普段の食生活に納豆を取り入れてみてください。
妊活中の女性
納豆に含まれる大豆イソフラボンは子宮内の状態を整えてくれる働きがあるため、受精卵の着床が良くなったり、胎児が育ちやすくなったります。それから妊娠するとホルモンバランスが崩れて体調不良を起こすことがありますが、大豆イソフラボンを摂取するとホルモンバランスを安定させることができると言われています。
納豆自体、摂取しすぎると腹痛や下痢になる可能性があるので食べ過ぎは禁物ですが、朝ごはんに納豆を1パック食べるのを習慣にしておけば安定して大豆イソフラボンを摂取できます。
成長期の女子
納豆に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンを補い、女性らしい身体にしてくれるので、乳房や性器の発達に一役買ってくれます。効果や成長期の時期には個人差がありますが、早いうちから納豆を食べる習慣をつけておけば納豆の苦手意識もなくなって自然に摂取することが可能です。
生活習慣が不規則な人
納豆には様々な栄養素が豊富に含まれています。不規則な生活を送っている人は総じて栄養が不足していることが多いので、納豆を食べて体に栄養を補給してあげましょう。なんといってもこれだけたくさん栄養が含まれているのにご飯に乗せるだけで良いので手軽に食べられるのが魅力です。
それから不規則な生活では免疫力が低下し、風邪をひきやすくなるので、納豆を食べて風邪を予防、免疫力を高めておくことも大切です。
納豆はダイエットにも効果的?
納豆はカロリーだけを見ると高カロリーでダイエットに向いていなそうな気がしますが、実はカロリーが気にならなくなるほどの効果が期待できるのです。
まず納豆に含まれるビタミンB群が脂肪の代謝をサポートしてくれるので脂肪が吸収されるのを抑えてくれ、食物繊維が豊富なので便秘解消も期待されます。
さらに食欲を抑えてくれたり、食事制限中に足りなくなりがちな栄養も豊富に含まれているので健康的にダイエットに取り組むことができます。
納豆ダイエットに効果的な組み合わせ
もちろん普通に食べるだけでもダイエットに良いですが、他の食品と組み合わせることで相乗効果によってさらに効果的にダイエットに取り組むことができるようになります。
納豆とキムチで脂肪燃焼!
キムチに含まれる乳酸菌が加わってさらに便秘解消、同じくキムチに含まれるカプサイシンという成分が脂肪燃焼を助けてくれます。
納豆とオリーブオイルで便秘解消!
オリーブオイルにも食欲を抑える効果があるので、自然とストレスなく食事量を減らし、ダイエットをサポートします。さらに便秘を解消する効果もあるのでポッコリお腹や代謝不良を改善してくれます。
納豆と大根おろしで食事量を減少!
大根おろしの食物繊維は胃の中で膨らむので、量をたくさん食べなくても満腹感を得ることができるという組み合わせです。その食物繊維はその後腸を通るので便秘解消にもなりますし、納豆にも大根にも消化酵素や分解酵素がたくさん含まれているので消化、吸収をサポートしてくれます。
美容や健康に効果的な納豆の食べ方
まず納豆の成分を活かして美容や健康に良い摂取時間は夕食後から就寝前です。これは血栓のできやすい時間が深夜から早朝なので、その間にナットウキナーゼを働かせて血液のドロドロを予防しようとするものです。
そして食べる量ですが、納豆1パックは約50g入っています。その50gの中には様々な栄養が入っていて、プリン体は1日7パックで過剰摂取となってしまうため痛風にリスクがかなり上昇します。たくさん食べれば良いわけではなく、1~2パックでも十分に納豆の栄養を摂取することができるので多くても1日2パック、通常は1日1パック食べる程度にすると良いでしょう。
より効果的に納豆を食べるポイント
より効果的に納豆を食べるためのポイントは以下の4つです。
- 熱は加えずに食べる
- タレはかき混ぜた後に入れる
- ひきわり納豆ではなく粒納豆
- 賞味期限直前の納豆が効果的
熱は加えずに食べる
納豆菌は熱に強いので問題ないのですが、血液をサラサラにする効果が期待できるナットウキナーゼは熱に弱いので加熱しないほうが健康面では効果的です。
タレはかき混ぜた後に入れる
途中でも出てきたアンチエイジングパワーが強いポリアミンですが、タレに含まれる塩分によって増えるのが邪魔されると言われているので、先にかき混ぜたほうが良いでしょう。
さらに、より納豆を美味しく食べるための工夫で、最初に良くかき混ぜて粘りを出してからタレを少し入れ、また良くかき混ぜたらタレを少し入れ、と言うのを繰り返して混ぜた納豆の方が旨味が増して美味しくなります。
ひきわり納豆ではなく粒納豆
同じくポリアミンはひきわり納豆を製造する段階で失われてしまうので、アンチエイジングを目的とした場合には粒納豆を選んだ方が良いでしょう。
ただし、必ずしもひきわり納豆が劣っているわけではなく、ひきわり納豆の方が多く含まれている栄養素もあるのでバランス良くどちらも食べるのが良いでしょう。
賞味期限直前の納豆が効果的
納豆は出荷された後にも納豆菌が生きていて少しずつ発酵が進んでいます。発酵する段階でポリアミンやビタミンKがどんどん増えていくので、賞味期限ぎりぎりまで発酵させて食べると効率が良いです。
納豆の効果を引き出す組み合わせ
納豆はたくさんの栄養を含んでいますが、当然栄養素によっては多い少ないがあります。そこで、少ない栄養素を他の食品で補うことでより効果を引き出すことができます。
アンチエイジングに効果的な組み合わせ
- 「雑穀米」+「納豆」+「味噌汁」
- 「雑穀米」+「納豆」+「おくら」+「キムチ」+「味噌汁」
- 「雑穀米」+「納豆」+「おくら」+「キムチ」+「味噌汁」+「ヨーグルト」
美容やダイエットに効果的な組み合わせ
- 「納豆」+「キムチ」+「玉ねぎ」
- 「納豆」+「キムチ」+「レモン果汁」
- 「納豆」+「キムチ」+「パプリカ」
これらはビタミンCも摂れるほか、混ぜて一晩寝かせると少し発酵して乳酸菌や納豆菌が増えます。
血液サラサラ効果の期待できる組み合わせ
- 「納豆」+「玉ねぎ」
- 「納豆」+「らっきょう」
- 「納豆」+「オリーブオイル」
疲労回復に効果的な組み合わせ
- 「納豆」+「生姜」
- 「納豆」+「生姜」+「豚肉・鶏肉・牛肉」
- 「納豆」+「生姜」+「ニラ」
納豆の副作用
納豆は食べ物なので副作用と言うよりは食べ過ぎの注意点があります。納豆に含まれるセレンやプリン体には1日の摂取上限を超えてしまうと、通風や下痢を引き起こしてしまう可能性があるので注意しなければなりません。
痛風に注意
納豆は100g中にプリン体を115mg含んでいます。プリン体を1日400mg以上継続的に摂取すると痛風になってしまう恐れがあるので、毎日7パック以上食べ続けると痛風になる可能性が高まります。
1日1~2パックなら全然問題ないですが、他にもプリン体を多く摂取している場合には少し注意したほうが良いかもしれません。
セレンの過剰摂取に注意
厚生労働省の日本人の食事摂取基準2015年版によると、18〜29歳の男性で1日420μg、同年齢の女性は330μgが摂取量の上限(健康障害を起こさないであろう限界値)とされています。納豆=セレンというイメージがある方も多いかと思いますが、納豆100g当たりのセレン含有量は約16μgしかありません。
セレンを過剰摂取した場合には脱毛・爪の変形・下痢・嘔吐・頭痛・しびれなどが起きてしまうのですが、過剰摂取するには納豆1パックが50gだとすると、男性の場合52パック、女性の場合41パックを1日で摂取しなければならないため、納豆の食べ過ぎでセレンの過剰に摂取になるかどうかは、さほど気にする必要はないといえるでしょう。
納豆が苦手な方はサプリもおすすめ!
もし納豆が苦手で、料理しても食べられない、または忙しくて食べる時間はないけど納豆の栄養は摂りたい、という場合には納豆のサプリメントがおすすめです。納豆のサプリはほとんどがナットウキナーゼに注目していて、血栓ができるのを予防する効果が期待できるサプリが多いです。
中には納豆の栄養になるべく近付けたサプリもあるのでそこは目的に応じて選びましょう。カプセルに入っていて納豆の匂いや味は全くしないので納豆嫌いの方も安心して摂取することができます。