豆乳とは?無調整豆乳や調製豆乳など種類と違い
豆腐の生成の途中に出来る大豆から出来た液体である豆乳。最近では健康の為に豆乳を飲む方も多いです。しかしこの豆乳とはそもそもどんなものなのでしょうか?
健康に良いからと飲むものの、どういうのものなのかというのが謎な方も多いと思います。そこでまずこちらで豆乳の基本的な知識をご紹介していきます。無調整豆乳や調製豆乳などの種類や違いなどを知っていただければ、と思います。
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豆乳って何?
豆乳は、大豆を水に浸して磨り潰し、水を加えて煮つめた汁を漉した飲料です。牛乳に似た外観と食味があり、大豆特有の青臭さがあります。
この風味を好む人も多いのですが、飲みづらいと感じる方もみえるため、果汁を加えたり砂糖などで甘みを加えた飲料も販売されているものが多いです。
ちなみに、煮詰めた汁を濾して残った繊維質のものがおからであり、この豆乳の一種ににがりを入れて成型したものが豆腐になります。また豆乳をさらに煮詰めて表面に出来る薄皮が湯葉になります。
世界各地の豆乳について
世界各国でも豆乳はよく飲まれる飲料として食卓に並びます。主には東南アジアでよく飲まれていますが、最近ではアメリカでもダイエット食品として人気があります。
中国
中華文化圏では「豆漿(トウチアン)」と称されよく飲まれています。
「甜豆漿(ティエントウチアン)」:暖めた豆乳に砂糖を加えた飲み物で、包子などの朝食と共に飲まれます。またこれに油条と呼ばれる揚げパンを浸して食べる習慣もあります。
「鹹豆漿(シエントウチアン)」:豆乳に塩味の出汁を加え、浅葱と細かく切った油条を浮かべた塩辛い豆乳で、小さく凝集したおぼろ豆腐が含まれ朝粥感覚の"食べる豆乳"となっています。
香港 / ビタソイ
香港では当初ガラス瓶入りの豆乳でしたが、現在は紙パック入りの方が主流となった飲み物です。
ベトナム / スアダウナイン
ベトナムでは主に朝食用の甘い豆乳が販売されており、バニラやココア風味のものもあります。
タイ / ナームトーフー
タイでは甘いものほか、タピオカパールやゼリー入りのものも販売されています。
カンボジア / タッグ・ソンダエク
カンボジアで一般的なものは練乳入りの豆乳です。
豆乳の効果
元々大豆から作られた飲料であるため、高タンパク低カロリーなものとして認知されています。また、大豆タンパクがコレステロール低下作用があるとされ、ダイエット・健康飲料として飲まれています。
大豆イソフラボンも含まれています。これはポリフェノール化合物の一種で、「植物由来エストロゲン」と呼ばれることもあります。体内で女性ホルモンのエストロゲンと同様の働きをし、以下のような効果を発揮すると期待されています。
- 骨粗鬆症予防効果
- 抗動脈硬化作用
- 更年期障害の緩和
- 乳がんや前立腺がん等の予防
- 腫瘍の血管新生を抑える効果と、それによる腫瘍の増殖を抑制効果
- 血糖値改善効果(大豆固形成分含量が高い豆乳)
しかし、豆乳中のトリプシン・インヒビターのトリプシン親和性は、豆腐、味噌、きな粉などの大豆製品に比べて高いことが指摘されており、これは摂取しすぎると消化不良を起こし、下痢になるおそれがあるので注意が必要です。
豆乳の作られ方
簡単な豆乳の作られ方は先述しましたが、もう少し詳しく手順を追っていきましょう。手順は以下の4ステップです。
- 水に浸ける
軽く洗った大豆を水に一晩付ける。 - 大豆を細かく磨り潰す
水を十分に吸った大豆をザルにあげる。大豆と同量の水を用意し、その水を使いミキサーなどで細かくする。攪拌時間は約2分。 - 火入れ
細かくした大豆を大きめの鍋に入れ、水を加えて強火にかけ焦げ付かないようにヘラで混ぜる。沸騰したら弱火に落とし、ヘラで混ぜつつ10分加熱する。 - 大豆を搾る
2重にしたさらしなどを固く絞りザルに広げ、火入れした大豆を入れ、包み込むようにして濾す。固形物に水気がなくなるくらい搾り出す。
豆乳の種類
さてここまで豆乳の基礎的な部分についてご説明してきましたが、実は豆乳と一言で言っても3種類に分けることができます。それが以下の3つになります。
- 無調整豆乳
- 調製豆乳
- 豆乳飲料
名前は聞いたことがあると思いますが、詳しくは知らないという方が多いのではないでしょうか?そんな方の為にもこちらでは各豆乳の特徴をご紹介してきます。
無調整豆乳の特徴
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無調整豆乳は製造時に大豆と水以外は使用していないので、添加物などが含まれていません。JAS(日本農林規格)で水分を除いた大豆の成分(大豆固形分)が、8%以上の豆乳のことです。
そのため豆乳ひいては大豆本来の味がするのが特徴となっています。また大豆の栄養素をそのまま引き継いでいます。臭みがあって飲みにくいとされるのはこの豆乳です。
しかし大豆の大部分の成分が入っており、健康に良いとされる大豆サポニンや大豆ペプチドといった栄養分を、多く含んでいます。なおかつ成分無調整豆乳は、ダイエット効果が一番高いとされているのも特徴の1つです。
無調整豆乳の使い方としては、ダイエット飲料というよりも、料理や豆腐を作る時に使うのが一般的となっています。手作りクッキーや鍋など、色んなレシピに活用されているのが現在形の無調整豆乳です。
調製豆乳の特徴
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調製豆乳は飲料物として飲みやすくするために、カルシウムや砂糖を加えているのが特徴です。JAS(日本農林規格)で、大豆固形分が6%以上の豆乳の事で、無調整豆乳より大豆成分が少ない豆乳を指します。
豆乳に含まれている成分も、無調整豆乳とあまり変わらないので、ダイエットとして調製豆乳を愛用している人が多いです。少し豆乳の臭さは残りますが、調製豆乳の方が豆乳の成分調整を行っている分、無調整豆乳よりも飲みやすくなっています。
豆乳飲料の特徴
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豆乳飲料は調製豆乳に野菜やコーヒー、フルーツなどを混ぜて風味や美味しさを加えた飲み物です。JAS(日本農林規格)で、大豆固形分が4%以上で果汁が入っていないのと、大豆固形分が2%以上で、果汁が入っているものがあります。
3種類の中では一番豆乳の臭みがなく、とても飲みやすくなっているのがこの豆乳飲料です。その分豆乳の使用量も一番少ないので栄養素の含有量も最も少なくなっています。
豆乳は苦手だけど豆乳ダイエットはしてみたいという方は、まず豆乳飲料から始めてみてもいいかもしれません。
USS製法(ウルトラ・ソイ・セパレーション製法)
さて、大豆の種類なども知っていただいたところで、豆乳の製法がさらに進化を遂げていることも知っていただこうと思います。それが不二製油が開発したUSS製法という技術です。
これは不二製油が大豆本来のおいしさを追求する中で独自に開発した、世界初の新しい大豆の分離分画技術です。成長戦略である「大豆ルネサンス」の核になる技術で、 大豆を卵や牛乳のように分離することで、「低脂肪豆乳」と「豆乳クリーム」の2つの素材が得られます。
低脂肪豆乳も豆乳クリームも大豆由来のため、動物性の素材に比べ低カロリーを実現しています。また、大きな特徴として野菜や果物、和風出汁との相性も良いことが分かっています。それでは抽出されるこの2つ素材についても見てきましょう。
低脂肪豆乳の特徴
卵白や牛乳における「脱脂乳」に相当する特徴を持った大豆の新素材です。豆乳の低カロリー化の実現はもちろん、大豆脂質による風味劣化の低減を可能にしています。
起泡性、凝固性、皮膜性などにすぐれ、泡立てればメレンゲとしても使用できます。
豆乳クリームの特徴
卵黄や牛乳における「生クリーム」に相当する特徴を持った、大豆の生クリームになります。食品にまろやかさや大豆のコクを出すことを可能にし、乳化力に優れているため、新素材の和風のクリームとしても注目されています。
さらに、生クリームには見られない旨味を増強する性質があり、単なる乳製品の代替ではなく独自の用途開発が期待されています。これを使用した低カロリーな菓子類が増える日もそう遠くないのかもしれません。