飲みすぎ注意?効果的な豆乳の飲み方と摂取量目安
健康食品して注目を集める豆乳は、その栄養価の高さから様々な効果を期待できます。しかし何事も限度があり、健康に良いからと言って摂りすぎてしまえば体に害を及ぼすこともあることをご存知でしょうか?
1日に摂取していい量というものは決まっており、それを越えてしまうと変調を起こす可能性があるのです。そこでこちらでは効果的な豆乳の飲み方と摂取量目安をご紹介します。
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毎日はダメ?豆乳の飲み過ぎによる弊害
豆乳は大豆由来の栄養成分を多く含む健康食品の1つとして有名ですが、どんな健康食品でも過剰摂取はかえって健康を害する恐れがあります。豆乳も例に漏れず飲みすぎによって弊害を被ることがあります。
例えば豆乳に含まれるトリプシンインヒビタはインスリン分泌を良くしてくれるので、糖尿病や糖尿病予備軍に効果が期待できる物質ですが、その一方でタンパク質を分解するために膵臓から出る酵素のトリプシンの分泌を妨げてしまいます。
これにより消化器系に異常をきたし、下痢になってしまう可能性があります。さらに過多になると消化器系疾患が起こるリスクも高まります。
また大豆由来のイソフラボンが多く含まれ、これは女性ホルモンと同じような働きをするという研究結果があります。これが美肌やダイエット効果に繋がってきますが、それはあくまで適量飲んでいる場合であり、過剰に摂取してしまえばホルモンバランスを崩し、ニキビなどが出来ることもあります。
これはあくまで男女問わず一般的に起こり得る弊害であり、性別や条件によって更なる変調を起こすこともあります。
妊娠中・授乳中の女性は豆乳に要注意?
まず妊娠中、授乳中に飲んではいけないことはありません。豆乳にはタンパク質や鉄分、カツシウム、レシチンなど胎児の発育に必要な成分が多く含まれているので摂取したほうがいい飲み物と言えます。
しかし最大の問題は先述したイソフラボンの存在です。イソフラボンを過剰に毎日摂取しすぎると胎児や赤ちゃんの生殖機能に影響が出る可能性があるとされています。
大豆イソフラボンに限定した科学的根拠はないためあくまで可能性となっていますが、その危険性も否定はできないので摂取は控えるべきです。
男性は豆乳の飲み過ぎに要注意?
男性の場合も過剰摂取には注意が必要です。こちらも大豆イソフラボンが深く関わってきます。女性ホルモンに似たイソフラボンの摂取で男性ホルモンの分泌が抑えられるので男性特有の脱毛を予防でき、抜け毛が減り、育毛効果が期待できます。さらに美肌効果や大衆を気にされる方にも効果的だとされています。
これだけ聞けばプラスに働くことばかりにみえますが、やはりこれも適度な量を摂取した場合になります。しかし恐ろしいのは、この女性ホルモンというホルモンの特性です。元々男性であっても女性ホルモンというのは存在します。ただ女性よりも少ないというだけで、男性ホルモンが優位となっているだけです。そのため女性と違い男性特有の顔立ちや筋肉質な体が出来上がるのです。
しかしこれが豆乳の摂りすぎで女性ホルモンが増えてしまった場合、男性の体に大きな変化を及ぼします。これが男性の女性化です。
過去にこのような事例があります。40代男性が毎日豆乳を過剰摂取した結果、胸が急激に成長しDカップにまでなったそうです。当初は肥満によるものを思われていましたが、病院での診察結果はイソフラボンの過剰摂取による乳房の発育であることが分かりました。
また男性ホルモンよりも女性ホルモンが優位になった場合、男性ホルモンによって製造を促される精子が減少してしまうという症例も知られています。このように男性はイソフラボンの摂取に女性以上に気を付けなければいけないのです。
私見ですが、最近の若者による男性の女性化や中性化が進んでいるのは、もしかするとこのような大豆イソフラボンの摂取量の変化が影響しているのかもしれません。
成長過程で健康志向な家族の影響などで大豆製品を多く摂取する環境があった場合、その影響がまだ認知されず、健康に良いからと1日の摂取量が過多となっていたならば、それも考えられるかもしれません。あくまで推論の話ですが、昔よりも豆乳を見かけることは増えた気がするので、あながちないとも言い切れません。
豆乳の1日の摂取量目安
さてここまで過剰摂取における影響を見てきましたが、詰まるところ大豆イソフラボンの摂取量を気にすれば過剰摂取しすぎることはなさそうです。それでは一般的に売られている200mlの豆乳の中にはどれだけの大豆イソフラボンが含まれているのでしょうか?
- 無調整豆乳:68mg
- 調製豆乳:50mg
- 豆乳飲料:30mg前後
このようになっています。それでは目安の摂取量はどれだけなのかというと、大豆イソフラボンの1日の安全な摂取目安量の上限は70~75mgとなっています。ここから上限は75mgと設定されています。これは内閣府食品安全委員会事務局が発表した数値です。
閉経後の女性を対象にした大豆イソフラボン錠剤の5年間長期摂取試験の摂取量が1日に150mgとなっており、これにより60ヶ月時点、つまり5年で子宮内膜増殖症の発症が有意に高かったことが明らかになっています。そこから安全性を考慮して1/2に抑えた数値が上限となっています。
さらにこれが特定保健用食品として摂取する場合は、上限の75mgにプラスして上乗せで1日に30mgまでなら許容範囲だとされています。ただしこれは一般的な場合で、胎児や乳幼児、小児、妊婦には推奨されていないので気を付けてください。
豆乳以外の大豆食品に含まれる大豆イソフラボン
豆乳以外の大豆食品には主な物に納豆、豆腐及び豆腐食品、味噌、黄な粉、煮豆が挙げられます。この食品の大豆イソフラボンの含有量は以下のようになります。
分類 | 製品 | 大豆イソフラボン含有量 | 200gあたりの含有量 |
豆腐 | 木綿豆腐 | 42mg(1/2丁 150g) | 56mg |
絹ごし豆腐 | 38mg(1/2丁 150g) | 51mg | |
豆腐製品 | 厚揚げ | 37mg(1/2枚 100g) | 74mg |
薄揚げ | 12mg(1枚 30g) | 80mg | |
がんもどき | 34mg(1個 80g) | 85mg | |
納豆 | 納豆 | 36mg(1パック 45g) | 160mg |
味噌 | 味噌 | 6mg(1杯 20g) | 60mg |
きな粉 | きな粉 | 19g(大さじ2 12g) | 317mg |
煮豆 | 昆布豆 | 11g(30g) | 74mg |
丹波黒豆 | 11g(30g) | 74mg | |
大豆水煮 | 13(30g) | 87mg |
各食品の大豆イソフラボン含有量と、豆乳200mlと同量にした時のイソフラボンの量となっています。きな粉を200gも摂ることはないですが、断トツで多いですね。
こう見ても1日に大豆食品をどう摂るかで豆乳の摂取量が変わってきます。大豆食品をあまり摂らない場合は200ml飲んでも大丈夫ですが、そうでない場合は100mlなど抑えめにしておきましょう。
美容や健康に効果的な豆乳の飲み方
ここまで豆乳の過剰摂取における弊害などを中心に説明してきましたが、量に気を付ければ美容やダイエット、健康に効果が期待できます。豆乳の効果は主に以下の通りです。
- 悪玉コレステロールを減少して善玉コレステロールを増やす
- このコレステロールの変化により痩せやすい体質になる
- 血圧を抑えコレステロールを排出する
- レシチンにより血流の流れを良くして動脈硬化や脳梗塞を予防する
- サポニンにより血管の脂肪を減らし脂肪の増加を防ぐ
- 骨を丈夫にして髪や肌を潤わせて女性らしくする
- リノール酸によりアレルギーやアトピーなどを予防する
- 春先に飲めば喘息や花粉症にも有効になる
- イソフラボンにより女性ホルモンを補い新陳代謝を促して美肌や美髪効果が期待できる
このような効果が期待できます。しかし量だけ気を付ければこの効果全てを期待できるわけではありません。飲む時間やタイミングなどにも注意する必要があるのです。
豆乳を飲む時間帯
それではまず飲む時間帯から見ていきましょう。時間帯は主に朝と夜がおすすめです。この次の項であるタイミングにも関係してきますが、豆乳の栄養成分の吸収が理由となります。詳しくはこの次のタイミングで説明します。
豆乳を飲むタイミング
基本的にタイミングとしては先ほどの時間に関連したものでは朝起きた後、そして夜寝る前がおすすめです。
朝起きた後だと栄養やエネルギーを効率よく吸収でき、便秘の改善にも役立ちます。また夜寝る前に豆乳を飲むと褐色脂肪を増やして白色脂肪を減少させます。この状態になると脂肪を燃焼させやすい体になり、女性ホルモンの効果も受けやすいのおすすめとなります。
ただ夜は脂肪を蓄積しやすいからダメだという意見も出ています。またカロリーの消化にもならないので、食事の量は控えめにしましょう。
他にも食事の30分前に飲むと大豆サポニンによって脂肪やコレステロールの吸収を抑える効果も得られ、血糖値の上昇が緩やかになります。またお腹がすいたときには豆乳を飲むことで余分な間食を防ぐ事が出来るのでおすすめとなっています。
1回の豆乳摂取量
先述通り1日の摂取量は他の大豆製品をあまり摂取しないのであれば1日に200ml、摂取するようであれば100mlに抑えるのが理想です。
ここで先ほどのタイミングと照らし合わせると、朝と夜に分けて飲むとすれば起きた直後に100ml、夜寝る前に100ml飲むと効果的です。またこのように分けることで、大豆製品を食事でとった場合は、夜寝る前に飲むのを控えれば調整しやすくなります。
こうすることで便秘を改善して痩せやすい体質を作るという豆乳の効果を活かした飲み方ができます。ただ女性は生理中の時、飲む時間帯でも控えるようにしましょう。
これはイソフラボンの効果で女性ホルモンのバランスが崩れやすく、生理周期に影響を及ぼすケースがあるためです。また飲み始めてすぐに効果が出るものではないので、肌が生まれ変わる28日間は頑張って継続してみましょう。そうすると目に見える効果が出てくようになります。
豆乳の温度
普通豆乳は冷えたものが置かれていますが、飲むなら温めて飲むことをおすすめまします。これは温めて飲むことで栄養素の吸収が良くなると言われているためです。
豆乳は熱や冷えに強く、温めても栄養価はほとんど変わりません。むしろ冷たい豆乳を飲むことで体を冷やしてしまいかえって代謝を悪くしてしまうこともあります。
温度としてはタンパク質が変質しない40℃くらいまでにとどめておきましょう。そうすることで余すことなく豆乳の栄養素を吸収できます。