木綿豆腐って何?栄養成分や美味しい食べ方
皆さんの食卓にもよく並ぶであろう豆腐ですが、その豆腐についてどれだけのことをご存知ですか?食ともなるとその美味しさにばかり目を向けられがちですが、実は豆腐には美味しさだけでなく健康にも良い面があるのです。
そこでこちらでは、そんな豆腐の1つである木綿豆腐に焦点をあて、栄養成分や美味しい食べ方をご紹介していきます。
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木綿豆腐とは?
まず木綿豆腐とは、と言うことですがあまりにも日常で取り扱われる豆腐なので、今更説明は要らないかもしれません。ただ正しく知っていただくためにも、こちらで改めて知っていただければと思います。
木綿豆腐は一般的な豆腐としてスーパーなどで販売されている製品です。普通豆腐との名称が付くほど取り扱われる豆腐の中では特にメジャーな物で、この製品を使った数多くの豆腐料理があるほどです。
大豆を原料としているのは他の豆腐と変わりませんが、にがりなどの凝固剤を加え凝固させ、木綿豆腐用の型箱に布を敷いて流し込み圧搾成型した豆腐です。そのため表面に布目が付くことから、この「木綿豆腐」という名称がつけられています。
海外でも普通豆腐と言う名称から「regular tofu」と呼ばれています。
絹ごし豆腐との違い
木綿豆腐と同じようにメジャーな絹ごし豆腐との大きな違いは、豆腐の固さにあります。木綿豆腐は製造の過程で圧搾成型されるのは先述しましたが、それにより水分が抜けだすため、固めの豆腐となります。それだけに食感が強く残るのが特徴的です。
それに対して絹ごし豆腐は圧搾しないため、水分を多量に含み柔らかくきめの細かい豆腐に仕上がります。そのため食べた時もふわっとした食感が印象的な豆腐です。
製造過程の違いから、ここまで大きく食感の違いがある2つの豆腐になるので、作る料理によって使う豆腐も変わってくると言うことです。
木綿豆腐の製法
先ほど簡単にですが製法をご紹介しました。こちらではもう少し詳しくご紹介していきましょう。
- 大豆を水に浸けておく
割豆や虫喰豆などを取り除き、8~10時間水に浸けておきます。 - 浸水しておいた大豆に水を加え磨り潰す
水を加えて柔らかくなった大豆を磨り潰します。
磨り潰した状態を生呉と言います。 - 生呉が焦げないように煮る
大豆のタンパク質を凝固しやすくするため加熱します。
加熱して出来た状態のものを煮呉と言います。 - 煮呉を布で濾し豆乳を完成させる
ここで布の中に残った固形物がおから、出てきた液体が豆乳になります。 - にがりを入れて凝固させる
搾りだし熱した豆乳ににがりを入れ豆乳を固めます。にがりを入れる際の温度が豆腐作りで最も重要な部分となります。温度によって固さが変わり、既定の温度よりも低いと上手く固まりません。 - 凝固した豆乳を崩し、掬って型に入れる
用意した型に一度固まっ豆乳を崩して、隅の方から丁寧に流し込んで敷き詰めます。 - 蓋と重石で水分を抜き形成する
蓋をして重石を乗せ、凝固した豆乳に残った水分を抜きます。 - 型から出して切り分ける
布に包んだ状態で水に晒し、30分程浸けてから1丁ごとに切り分けます。
この時間で余分なにがりが溶け出しますが、長時間付けると旨味まで溶け出してしまうので注意が必要です。
これが一般的な木綿豆腐の製法になります。店で作るときも手作りのときも製法は同じですが、使う原料の量が桁違いであり、使う型の大きさも違ってきます。ただどちらであっても、にがりを入れるときの温度管理は一番気を付けなければいけないポイントとなっています。
またにがりを入れてから成型するまでの一連の流れを「寄せ」といい、ここで豆腐の美味しさは決まります。この寄せを終えた時点で作られる豆腐を「寄せ豆腐」といいますが、この寄せ豆腐が美味しいお店はどの豆腐も美味しいと言われています。
木綿豆腐の栄養成分
そんなシンプルな原料でできる木綿豆腐ですが、栄養成分は以下のようになります。
栄養成分名 | 1丁 (300g)あたりの含有量 |
カロリー | 216kcal |
タンパク質 | 19.8g(79.2kcal) |
脂質 | 12.6g(113.4kcal) |
炭水化物 | 4.8g(19.2kcal) |
食物繊維 | 1.2g |
糖質 | 3.6g |
木綿豆腐は圧搾成型するため、他の豆腐よりも脂質が高くなっているのが特徴です。そのためエネルギー量も多くなっています。
しかしこの脂質は植物性であることから不飽和脂肪酸がほとんどとなっているため、身体につきにくい脂肪となっています。
脂質は脂肪になるため摂取してはいけないと思われがちですが、脂質不足が起こると集中力の低下、物忘れ、情緒不安定だけでなく、女性は特に気にする肌荒れ、生理不順となり、強い空腹感で過食を招くことになります。
身体に必要なタンパク質が豊富であり、脂質は不飽和脂肪酸で脂質不足も防げ、摂取カロリーも少ないことがヘルシーな所以となっています。
木綿豆腐のビタミン
木綿豆腐に含まれているビタミンは、他の豆腐と種類としてはそれほど変わりません。その中でもビタミンKは他よりも少し多めに含まれているのが特徴です。
また、木綿豆腐には「ビオチン」というビタミンが含まれています。ビオチンとはビタミンB7とも呼ばれる水溶性ビタミンで、ビタミンB群に分類されます。成人で1日の目安量は45μgとなっていますが、腸内細菌叢により供給されるため、通常の食生活において欠乏症は発生しないビタミンです。
ただ卵の卵白中に含まれるアビジンと非常に強く結合するので、その吸収が阻害され、生卵白を大量に摂取することによってビオチンの欠乏症を招くことがあるので、その場合は豆腐などで補ってあげる必要があります。
また抗生物質の服用により腸内細菌叢に変調をきたすと欠乏症を示すこともあります。これにより、湿疹あるいは炎症などの皮膚症状、結膜炎、筋肉痛、疲労感、食欲不振、味覚異常、血糖値上昇、不眠、神経障害が起こることがあります。
起こってしまえば体調が悪い程度の症状かもしれませんが、裏を返せばそのちょっとした体調不良を防いで整えてくれることから、健康食品として見られる1つの要因となっているのでしょう。
木綿豆腐のミネラル
ミネラルについても他の豆腐よりも多くの種類の成分が含まれています。ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンを含んでいます。どれも微量ではありますが、絹ごし豆腐やおぼろ豆腐、ソフト豆腐、充填豆腐には含まれにくい成分です。
ヨウ素不足は、不妊や肥満が起こり、髪や皮膚、爪につやがなくなり活力がなくなります。欠乏症まで行くと甲状腺腫・甲状腺機能低下症を招きます。
セレンは老化防止や癌の予防効果だけでなく精子の生成の活性基もなります。逆に欠乏してしまうと、心筋障害、冠動脈疾患とアテローム性動脈硬化になる可能性が出てきます。
クロム欠乏症としては糖尿病、動脈硬化、高血圧、疲労しやすくなる、また子供であれば発育障害が起こります。
モリブデン欠乏症としては心悸亢進、頭痛、精神障害、昏睡、水晶体のズレ、食道癌発病のリスクの増大します。
どれも豆腐でなくても摂取できるものではありますが、同時に取れる食品としては優秀な製品だと言えます。またカルシウムの含有量がどの豆腐よりも多いのも特徴となっています。
木綿豆腐の美味しい食べ方
木綿豆腐はその固さからしっかりとした食感が特徴の豆腐となっているので、様々な料理に使えます。その中でもサラダや豆腐ステーキ、揚げ出し豆腐、麻婆豆腐、肉巻きなどが美味しく食べられる料理になります。
また夏の定番のつまみである冷奴も木綿豆腐を使うと美味しくなります。冷奴の替わった食べ方として醤油をかけるのではなく、ごま油や塩、うま味調味料をかけて食べると言う方法もあります。
これは俳優の上川隆也がテレビ番組で紹介したものですが、木綿豆腐の固さがこの味付けに合うそうなので是非試してみてください。
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