筋トレに有効!?豆腐のタンパク質含有量と取り入れ方
トレーニングをする方、特に筋力アップを目的とされている方に必須となるのがタンパク質となります。これを摂ろうと肉や魚、卵、あるいはプロテインで摂ると言う方が多いと思いますが、実は豆腐でも必要となるタンパク質が摂れることをご存知でしょうか?
豆腐は他の食材にはない、筋肉をはじめとした体を構成する良質なタンパク質を摂ることが可能となのです。こちらでは豆腐のタンパク質含有量と取り入れ方をご紹介しています。
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1日に必要なタンパク質の必要摂取量
まず人間が生活していく上で必要なタンパク質の摂取量を知っておきましょう。
体重1kgあたりの タンパク質必要量(g) |
体重60kgの人の タンパク質必要量(g) |
|
活発に活動をしていない人 | 0.8 | 48 |
スポーツ愛好家(週に4~5回30分のトレーニング) | 0.8~1.1 | 48~66 |
筋力トレーニング(維持期) | 1.2~1.4 | 72~84 |
筋力トレーニング(増強期) | 1.6~1.7 | 96~102 |
持久性トレーニング | 1.2~1.4 | 72~84 |
レジスタンストレーニング | 1.2~1.7 | 72~102 |
トレーニングを始めて間もない時期 | 1.5~1.7 | 90~102 |
状態維持のためのトレーニング | 1.0~1.2 | 60~72 |
継続的な高強度トレーニング | 1.4~1.7 | 84~102 |
ウエイトコントロール期間 | 1.4~1.8 | 84~108 |
その日に運動をしたかどうかで必要摂取量は変わってきます。体重が1kgあたりに対してタンパク質の量は決まり、体重の量で全体の摂取量が決まります。
例えば60kgの体重の人が活発に活動していなかった場合は、
60kg × 0.8g/kg = 48g
という計算になります。自身の体重で計算してみると自分が1日に摂らなければいけないタンパク質の量が分かるわけです。
豆腐のタンパク質含有量
それでは続いて豆腐のタンパク質含有量についてご紹介していきます。ただタンパク質はそれだけを摂ればいいわけではありません。糖質などと一緒に摂らなければタンパク質は体に吸収されないのです。
その点でいけば豆腐は肉と同等のタンパク質の含有量、また糖質や脂質、食物繊維も同時に摂取できる食品です。それだけでなくミネラルやビタミンなど体に必要とされる六大栄養素を全て摂れる優秀な食品です。
そこでタンパク質と同様に、カロリーや脂質、炭水化物、糖質なども一緒にご紹介していきます。
木綿豆腐のタンパク質
木綿豆腐は製造時に圧搾成型をして作るため水分が少なめで固めの豆腐となっています。そのため栄養素も凝縮されており、他の豆腐と比べて1丁当たりのタンパク質や脂質、糖質の含有量が多くなっているのでが特徴です。
栄養成分名 | 1丁 (300g)あたりの含有量 |
カロリー | 216kcal |
タンパク質 | 19.8g(79.2kcal) |
脂質 | 12.6g(113.4kcal) |
炭水化物 | 4.8g(19.2kcal) |
食物繊維 | 1.2g |
糖質 | 3.6g |
タンパク質だけで言えば、4種類の一般的な豆腐の中では最もタンパク質含有量が多くなっています。それでも上記の必要量から考えれば、2丁半から5丁半食べる必要が出てきます。豆腐でもなかなか量になるので、肉や魚と分担して1日に摂ることで補えます。
絹ごし豆腐のタンパク質
絹ごし豆腐は木綿豆腐と違い圧搾成型をしないので、水分が多くビタミン類が豊富に含まれている豆腐になります。柔らかくなめらかできめ細かい舌触りが特徴の豆腐となります。ただタンパク質の含有量は他の豆腐に比べて一番少なくなっています。
栄養成分名 | 1丁 (300g)あたりの含有量 |
カロリー | 168kcal |
タンパク質 | 14.7g(58.8kcal) |
脂質 | 9g(81kcal) |
炭水化物 | 6g(24kcal) |
食物繊維 | 0.9g |
糖質 | 5.1g |
1丁当たり14.7gとなっているため、1日の必要量を摂るのであれば実に3丁から7丁ほど摂る必要が出てきます。かなりの量が必要なので、絹ごし豆腐でタンパク質を摂ろうとするのなら、それなりの工夫が必要でしょう。
ソフト豆腐のタンパク質
ソフト豆腐は木綿豆腐を作る過程で、凝固した豆乳を崩さず型に流し込むため、柔らかく仕上がったものになります。木綿豆腐と絹ごし豆腐の中間の固さになります。そのため、絹ごし豆腐よりタンパク質は多めになっていますが、木綿豆腐よりは少なめになっています。
栄養成分名 | 1丁 (300g)あたりの含有量 |
カロリー | 177kcal |
タンパク質 | 15.3g(61.2kcal) |
脂質 | 9.9g(89.1kcal) |
炭水化物 | 6g(24kcal) |
食物繊維 | 1.2g |
糖質 | 4.8g |
こちらも1日の摂取量を満たそうと思うと、3丁から7丁食べる必要があります。同じような豆腐として木綿豆腐の方が含有量は多いので、効率よくとるなら木綿豆腐の方がいいかもしれません。
充填豆腐のタンパク質
充填豆腐は上記の3つとは明らかに違う製法で作られます。豆乳の生成までは同じですが、そのあと成型用の枠には入れず、販売用の容器に直接充填し、密閉加熱を行います。
そのため他の豆腐では水と一緒に流れ出てしまう栄養分が残ったままとなり、また加熱してから空気に触れないため生菌もほとんどおらず、保存期間も長くなっているのが特徴です。
栄養成分名 | 1丁 (300g)あたりの含有量 |
カロリー | 177kcal |
タンパク質 | 15g(60kcal) |
脂質 | 9.3g(83,7kcal) |
炭水化物 | 7.5g(30kcal) |
食物繊維 | 0.9g |
糖質 | 6.6g |
こちらも圧搾しているわけではないため1日の摂取量を考えると3丁から7丁を摂取する必要が出てきます。ただ他の豆腐と違い糖質も多めなので、豆腐単体でのタンパク質の吸収は一番効率がいいかもしれません。
豆腐のタンパク質は筋トレに有効?
それではこの豆腐のタンパク質は筋トレに有効なのでしょうか。
豆腐のタンパク質は非常に良質と言われています。それは必須アミノ酸だけでも9種類、非必須アミノ酸も含めると実に20種類ものアミノ酸を含むためです。
後程説明させていただきますが、アミノ酸スコアというものがあり、豆腐はこの数値が非常に優秀となっています。ただ「良質なタンパク質=筋トレに有効」と言えるかと言えばそうではありません。確かに必須アミノ酸は体では生成できないので食事から摂取するしかなく、それが9種類も入っているとなれば効率よく摂取できることになります。
しかし、豆腐ひいては大豆のタンパク質は植物性だと言うことが大きな問題となるのです。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い
ここでタンパク質には肉や魚、卵に含まれる「動物性タンパク質」と大豆に含まれる「植物性タンパク質」が存在します。
結論から言うと、筋トレに必要なのは動物性タンパク質になります。なぜ必須アミノ酸が9種類も入っている大豆の植物性タンパク質よりも肉や魚などの動物性タンパク質の方が筋トレには良いのでしょうか?
それは吸収率によります。確かに大豆から作られた豆腐はタンパク質の吸収率が非常に良いと言われています。しかしそれはあくまで原料である大豆で摂った場合、あるいはその製品である納豆などと比べての話です。
植物性タンパク質は、例えアミノ酸スコアが良かったとしても吸収しにくいタンパク質となっているのです。それに対して動物性タンパク質は多少スコアが悪くても多くの割合で体に吸収されることが分かっています。
もちろん吸収されないわけではないので豆腐などでタンパク質を摂取することは可能です。しかし効率よく摂取し、筋肉を大きくしたいのであれば良質な動物性タンパク質を摂ることをおすすめします。
ただ動物性タンパク質を含む肉や魚は脂質も多く取ってしまう恐れがあるため、低脂質・高蛋白のものを選びましょう。それには鳥のササミや胸肉、まぐろなどが適切です。
豆腐のアミノ酸スコア
ここまで何度か出てきますが、アミノ酸スコアとは何なのでしょうか?
食事をするとき必要とするタンパク質を効率的に摂るためには良質なタンパク質を摂ると同時に、必要なアミノ酸が摂れる食品を組み合わせることが大切です。
特定の食品に含まれる必須アミノ酸の構成比から栄養価を判断する方法がありますが、これによって算出された数値を「アミノ酸スコア」といいます。
これは各アミノ酸が基準値に対して、どれくらいの割合が含まれているかを示すもので、各必須アミノ酸が100に達したものが良質なタンパク質ということになります。
ちなみに100に満たないものを制限アミノ酸といい、数値の低いものから第一制限アミノ酸、第二制限アミノ酸と順番に呼びます。
筋トレ時の上手な豆腐の取り入れ方
先ほど筋トレには動物性タンパク質の方がいいとご紹介しましたが、それでも豆腐で摂ることは可能となっています。ただ取り入れ方に工夫をする必要があります。
栄養分の含有量は先述しましたが、1丁ともなるとかなりの量になります。そのため必要摂取量を考えると3丁や、多い時には7丁とかなりの量になってしまいます。
しかし豆腐の85~90%は水分になります。そこで調理時に行う水切りをうまく利用しましょう。豆腐の水分を抜くことで、同じ栄養の含有量でも豆腐の大きさは半分以下にすることができます。
つまり水切りをして1/2丁にしたとしても同じ分だけの栄養素を得ることが出来るのです。そうなれば、3丁分が半分になって1.5丁分で済むようになります。
さらに栄養素の凝縮されている木綿豆腐を使うのが最も効果的だと言えます。脂質が多いのが気になるかもしれませんが、先述通り植物性脂質は代謝されやすいので、それほど気にする必要はないでしょう。
豆腐でタンパク質を出来るだけ上手く摂るとすればこのような方法が実践できます。ただ筋トレをベースにご説明してきましたが、豆腐でのタンパク質摂取はどちらかと言えば、低カロリーでタンパク質を摂れるだけにダイエットに向いていると言えるので、そのあたりも踏まえた上で使用してみてください。