冷凍も出来る!豆腐の賞味期限と上手な保存方法
様々な料理に使え、健康食品としても注目される豆腐。それ故に購入すればすぐ使ってしまうことが多いですが、豆腐の賞味期限についてはご存知でしょうか?実はパックの状態だとあまり賞味期限が長くなく保存があまりきかないのが一般的です。しかし適切な保存方法をとれば長持ちさせることも可能なのです。
購入した豆腐を少しでも長く保存しておくために、こちらでは豆腐の賞味期限と上手な保存方法についてご紹介します。
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豆腐の賞味期限とは?
保存方法の前にまずは賞味期限について知っておきましょう。何事も原因から解決法を見つけていくため、様々な情報を集めることが大切です。その前に1つ断っておかなければいけないのは、ご存知な方がほとんどだと思いますが「賞味期限」と「消費期限」の違いです。
賞味期限は定められた方法できちんと保存した場合、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示します。
要するに「美味しくいただける期間」ということになります。そのため期限を過ぎたからと言ってすぐに食べられなくなるわけではありません。
問題は「消費期限」です。開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、食べても安全な期限を示しています。安全ともなってくると、この期限を越えてしまえば食べることに支障をきたす期間を指すと言うことです。
一般的な豆腐(絹・木綿)の賞味期限
一般的な豆腐でパックに水と一緒に入り「消費期限」が定められたものは、4~6日程度と短めに設定されています。「賞味期限」が設定された豆腐は、密閉がしっかりされていると言うこともあり、10~14日程度と長持ちします。
これはパックに入った状態だと灰汁が溜まり豆腐が傷みやすくなってしまうためです。完全密閉したものであっても、水に徐々にしみ出してくるため、このような賞味期限や消費期限になります。
灰汁の除去が保存のポイント!
灰汁については必ずしも取り除かなければいけないわけでもありません。豆腐は突き詰めれば大豆製品であり、植物性の灰汁が発生することになります。
野菜や山菜の灰汁は適量でありさえすれば食材の個性的な味覚の一部として判断されており、除去しすぎると特有の風味を失うことになります。また大豆に含まれ、灰汁として出てくるサポニン類は発がんの抑制効果があるという報告もあり、身体には良い効果をもたらす可能性もあります。
もちろん大量に灰汁が水にしみ出している状態では豆腐が傷んでしまいますが、栄養分にもなり、湯豆腐などで出てきた灰汁は必ずしも全て取り除かなければいけないわけではないのです。しかし味との兼ね合いも考えるとなかなか難しいところがあります。
充填豆腐の賞味期限
充填豆腐の賞味期限は驚くなかれ、なんと製造日から10カ月も保存が可能となっています。これは充填豆腐の製造方法に要因があります。
充填豆腐は方に流してから加熱し固めるので、ほぼ無菌状態となります。菌がいない状態で、しかも水で晒さないため灰汁が出てくることもなく長持ちすると言うことです。
保存方法のヒント
ここまでのことから推察するに、豆腐を長期で保存するのであれば豆腐が灰汁に晒されず、菌の繁殖を防ぐことが出来れば、長持ちさせることが出来ることになります。
それを踏まえた上で上手な豆腐の保存方法を見ていきましょう。
上手な豆腐の保存方法
まずは豆腐にとって理想的な環境を整えてあげることが大切です。
先ほどの菌の観点から考えるのであれば、温度は10℃以下になるようにしてあげてください。菌にもよりますが大抵の場合30~40℃で最も増殖します。これは人間の体温に近似し、体内で菌が繁殖しやすい理由がよくわかりますね。
これは夏場の常温の環境とほぼ同じであり、つまりは外に放置しておけば間違いなく菌は繁殖していることになります。味噌汁を作ったとき、夏場にコンロに放置したものを食べてはいけないのは、これが理由です。豆腐は足が速いと言われる所以というわけです。
さて、10℃以下にすれば増殖が一気に低下します。この温度にしようと思うと、やはり冷蔵庫の中が適切ということになります。野菜室でもこの温度をクリアしていますので保存場所としては冷蔵庫が理想的な環境ということになります。
パック入り豆腐の保存方法
さて、それだけではこれまでの保存方法と変わりません。せいぜい賞味期限あるいは消費期限が守られるだけでしょう。もちろんこの期限内に食べることをおすすめしますが、保存方法次第で延ばすことも可能です。
ここで先ほどのヒントが活きてくるわけです。要するに灰汁の除去と殺菌さえできれば保存は可能ということです。
灰汁の除去
まず灰汁については毎日水を替える必要が出てきます。1日でもそのままにしてしまうと豆腐の痛みは進んでしまうためです。すぐ使わないのであれば一度パックから取り出して水を替えるようにしてください。夏場であれば1日に2回程度水を交換するといいです。
殺菌方法
殺菌については、1度茹でることによって行うことができます。殺菌したうえで先ほどの環境に保存できれば安心できます。
ただそのまま茹でると湯豆腐のごとく崩れてしまうので、豆腐を清潔な布巾などで包み、沸騰したお湯に入れて、再度沸騰したら布巾ごと取り出し、冷水で冷まします。
冷めたらもともと入っていたパック、もしくはタッパーに水を張り、布巾から出した豆腐を入れてしっかりラップをし、冷蔵庫で保存します。布巾で包むのが大変と言う場合には、賽の目くらいの大きさに切って茹でても問題ありません。
さらに出すのすらも面倒ということであれば、パック入りであることが前提になりますが、パックごと沸騰したお湯に2分浸けるか、電子レンジで1分程度加熱しても同じような効果が得られます。
ただ水を替えなければいけないことを考えると、取り出して加熱することをおすすめします。また最初の過熱から2~3日経っているようなら再度中心まで熱が通るように加熱してください。
木綿豆腐や絹ごし豆腐と種類に関係なく保存方法は同じになります。ただし先述した充填豆腐だけは開封しない限り、保存期間は非常に長いのでそのまま何もせず保存してください。
開封後の豆腐の保存方法
開封後、使い切れず残ってしまった豆腐の保存も基本的には上記と同じです。一度過熱し、冷ましたらタッパーなどに入れてひたひたの水に浸けてラップなどの蓋をして冷蔵庫で保存します。もちろん水は毎日替えてあげてください。
それでも保存期間の目安は過熱してから2~3日程度となっていますので、早めに消費するようにしましょう。
豆腐の冷凍保存
食べ物となると多くの場合、長期保存の為に冷凍保存が考えられます。豆腐もこれが可能となっています。
元々豆腐の中には凍り豆腐である高野豆腐と呼ばれる豆腐があるほどです。もちろん冷凍して食べることも可能となっています。ただ1つ問題なのは高野豆腐という特殊な豆腐になっている通り、凍らせると解凍しても元の食感には戻らないと言うことです。
これは豆腐の水分に起因します。豆腐に含まれる水分の量は全体の80%以上を占めています。冷凍することによって豆腐からはこの水分が流れ出るため、解凍してもその水分が戻ることは無いと言うことです。
しかし豆腐の栄養は水溶性ではないため、水分と一緒に流れてしまうことはありません。水分が抜けることで豆腐の組織が壊れて独特なしっかりとした食感に変化し、旨みも凝縮して調理に適した食材に変化してくれるのです。
この食感が好きと言う方もみえますし、この冷凍豆腐用のレシピによって違った楽しみ方をする豆腐としてみることができるので、冷凍保存も十分に使えると言うことになります。
冷凍保存した豆腐の賞味期限
冷凍保存が可能とは言いましたが、それでも基本的には1カ月以内に食べきるようにしてください。これは製造元が指定した賞味期限ではないため、安全性が保証されたものではないためです。日にちが経つと水が濁り、臭いも変わってきてしまいます。
また一度解凍した豆腐は再度冷凍することは避けてください。冷凍と解凍を繰り返すことにより、食中毒菌が発生する可能性が出てきます。
上手な豆腐の冷凍方法
豆腐に限らず、生鮮食材は全て、冷凍に時間がかかるほど食品の組織が壊れやすくなると言われています。豆腐も出来る限り早く凍らせる必要が出てきます。
だからと言って買ってきた豆腐をパックそのままに冷凍庫に入れないようにしてください。そのまま入れても栄養価には問題はありませんが、水分を多分に含んだ状態であるため、そのまま凍らせると結露してしまい、調理アレンジの際に支障が出ることがあるためです。
そのような点に注意したうえで上手な冷凍方法を知っていきましょう。
豆腐はすばやく冷凍する
先述した通り、鮮度を保つため素早く冷凍する必要があります。まずは豆腐を小さく切ったり薄くしたりして凍りやすいようにしましょう。
また温度が伝わりやすいように金属トレーなどに乗せ、冷凍庫内の一番冷える場所に置くのもポイントです。
冷凍前に豆腐を水切りする
こちらも先述通り水を含むと支障が出るため、冷凍させる前に手でギュッと絞る、もしくは豆腐の上に重しなどをおいて寝かせておく、電子レンジに2分ほどかけて水分を飛ばすなど、水分がしっかりと抜けるようにしましょう。
豆腐は密閉して冷凍する
豆腐を冷凍保存させるときに注意したいのが、保存容器の中に空気が入ると酸化や霜がつく原因になります。豆腐を細かく切ったら、ラップに包んでまとめて冷凍用保存袋や密閉容器に入れるようにしましょう。
冷凍するときは容器に日付と中身が分かるように記録しておくこともポイントです。
冷凍による豆腐の変化
こちらも先述しましたが、冷凍によって食感が大きく変化します。水分の有無と言うのは豆腐に関わらず食物の食感においては大きな変化をもたらします。
例えばパンでも作る時に水分をどれだけ含ませるかでも食感が変わりますし、実際に食べるときにトーストにしてしまえば柔らかさはなくなり、パリッとした食感になります。
豆腐についても80%も占める水分がほとんどなくなるわけですから、その食感は大きく変わってしまうのは当然です。しかし食感が変わることは不味くなることとイコールではありません。その食感に合わせた調理方法で美味しくいただくことが可能となり、新しい豆腐の美味しさを得ることができるのです。
冷凍豆腐にするなら絹?木綿?
どちらが、と言うことは言及できません。単純に凍らせるだけであれば、水分が多い絹ごし豆腐よりも、木綿豆腐の方が冷凍には向いていると言われます。水分を抜く手間があまりなく、脱水による体積の減りが木綿豆腐の方が少ないためです。
当然水分が多い絹ごし豆腐は、凍らせる前の表面積は同じでも、冷凍することで水分が抜け全体的な量は減ってしまいます。しかし、絹ごし豆腐を凍らせることでスポンジ状になったときの食感が湯葉の様になると言われています。
高級な湯葉に似た食感を楽しみたいのであれば、絹ごし豆腐を凍らせてみるのもいいでしょう。
充填豆腐でも冷凍保存は可能です。水分もほとんどないので、体積が変わることもあまりありません。ただ元々保存期間が長いので、冷凍保存する必要もあまりない豆腐ではあります。
劣化した豆腐の見分け方
ここまで豆腐の賞味期限や保存方法をご紹介してきましたが、もちろん豆腐の状態の見極めもできないと、本当に食べていいのか分からなくなります。そこでここでは見分け方について触れておこうと思います。
劣化した豆腐の見分けるポイントは以下の通りです。
- 黄色くなっている
- 酸っぱい臭いや味がする
- 糸を引きぬめりが出ている
- カビが生えている
- パックが膨張している
黄色くなっている
豆腐は腐り始めると、豆腐に含まれるタンパク質が変色して黄色くなります。ただし冷凍した時も表面が黄色くなることがありますが、こちらは抜け出した水分に溶けた大豆の色素が分離したために起こるものなので、タンパク質の変色ではありません。
酸っぱい臭いや味がする
まず酸っぱい臭いがする時点で食べてはいけません。怪しい時の臭いの確認は豆腐に限らず必須です。異臭がしたら迷わず廃棄しましょう。
糸を引きぬめりが出ている
古くなった豆腐の表面はぬめりが出始めます。それに伴い糸を引くようになります。これは同じ大豆製品である納豆に似ていますが、発酵ではないため腐敗しています。周りの水もとろみが出ているので、すぐに分かります。
カビが生えている
これも有機物である以上、発生します。表面に青や黒、緑色の苔のようなものが出来ていたら、空気に触れないようにすぐに捨てましょう。
パックが膨張している
古くなると豆腐に含まれる大豆の菌がガスを発生させるため、パックが膨張します。この菌は有毒となるため、こちらもすぐに捨てましょう。