金山寺味噌の魅力や特徴と美味しい食べ方
耳に馴染のない方も多いのではないかと思われる金山寺味噌。この味噌は古い歴史を持ち、お土産としては生産地で密かな人気のある味噌です。
今回はこの金山寺味噌の特徴や作り方などに焦点をあててご紹介していきます。
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金山寺味噌の特徴
金山寺味噌は調味料としての味噌と少々違い、大豆・米・麦の他、野菜等から作られるのが特徴です。また熟成期間も短く、最短で1カ月、長くても3カ月です。おかずや酒の肴としてそのまま食べられます。
由来は、鎌倉時代の僧・心地覚心が1254年に修行していた宋から帰朝し、紀州由良(現・和歌山県日高郡由良町)の鷲崎山興国寺の開山となり、その近傍の湯浅(現・湯浅町)に伝えた「径山寺味噌(きんざんじみそ)」が起源とする説が有力です。
金山寺味噌の原材料
生産しているメーカーによっても多少違いますが、使われる材料から原材料は米、大豆、大麦の他、瓜や茄子、生姜、紫蘇、酒精、塩が含まれています。
金山寺味噌の栄養価やカロリー
味噌を使うあるいは食べる上で最も気になるのはやはり塩分です。こちらは塩分が7%となっており、調味料として使われる味噌より塩分は低いです。
これは製作上野菜など、水分が多いものを使うため塩分濃度が下がっています。なめ味噌なのでこれ以上水に溶かすことがないため、この塩分濃度がそのまま食用として摂取することになりますが、それでも低いのは確かです。
では続いてカロリーや三大栄養素についても詳しく見ていきましょう。
大さじ1(18g)中の栄養価とカロリー
- エネルギー : 46kcal
- たんぱく質 : 1.24g
- 炭水化物 : 9g
- 脂質 : 0.58g
米や麦を主としているため、炭水化物が高めの味噌になります。その分糖質が高いので調味料としての味噌よりもカロリーは少しだけ高めになります。
金山寺味噌を愛用する地域
金山寺味噌は、和歌山県、千葉県、静岡県などで生産されている「なめ味噌」と呼ばれる味噌の一種です。和歌山県推奨有料土産品に指定されているほか、千葉県でも特産品、推奨土産品として扱われています。
金山寺味噌の作り方
この金山寺味噌ですが、家でも簡単に作れます。おかずや酒の肴にもなるということなので、食卓の一品に加えてみてはいかがでしょうか。
金山寺味噌作りの材料
- 金山寺麹(米・裸麦・大豆) 800g
- 具材(瓜・茄子・生姜・紫蘇など) 400g
- 砂糖 200~250g
- 塩 120g
- 水飴またはハチミツ 120g
- 焼酎 80cc
具材はそれぞれお好みなので、全部入れてもいいですし、好きな具材のみ選んでもらってもいいです。合計400gになるよにしてください。
甘いのが苦手な方は水飴またはハチミツを同量の水に変えていただいて構いません。砂糖も好みに合わせて200~250g内で調整してください。
焼酎は材料として使わず、器などの消毒に使います。
金山寺味噌作りの道具
- 大きめの容器(プラスチック樽など)
- 容器に合う蓋
- 重石(1kg程度)
味噌がおよそ1.6kg分出来るので本来重石はその30%程度の重さを想定して用意します。ただ金山寺味噌は水分や空気を抜くため60%程度を想定して準備てください。
容器はプラスチック樽があると味噌作りが捗ります。金山寺味噌をコンスタントに作りたい、あるいは他の味噌も作るという方は購入してみてはいかがでしょうか。
金山寺味噌の作り方
作り方はいたって簡単、具材を切って材料を合わせるだけです。と乱暴な説明ではいけないので、細かく説明していきます。
- 具材を切る
- 材料を混ぜ合わせる
- 仕込む
- 発酵熟成させる
以上の4工程になります。それではさらに細かく手順を見ていきましょう。
1.具材を切る
準備していただいた具材の野菜をお好みな大きさに切ってください。オススメは一口大にするといいです。熟成発酵する間に縮むので、ちょうどいい大きさになります。
2.材料を合わせる
次の順番で材料を合わせるといいです。
- 焼酎で拭いたボールに金山寺麹と塩を入れ、手でまんべんなく混ぜ合わせる。
- さらに砂糖をいれ混ぜ合わせる。
- 切った野菜を含む具材を入れ、その中に水飴またはハチミツを入れ混ぜ合わせる。
先述した通り、甘いのが苦手な方は3の工程で水を入れて混ぜてください。味が染みわたるようにまんべんなく混ぜるのがポイントです。
3.仕込む
- 焼酎で拭いたきれいな容器に入れ、上から手で押して空気を抜く。
- 中蓋をして重石をする。
これであとは待つだけです。空気抜きはカビの発生防止の為です。また焼酎を霧吹きに入れ上に吹きかけておくとカビの発生を防ぐのでこれもやっておくといいでしょう。
4.発酵熟成させる
あとはひたすら待つだけです。直射日光の当たらない涼しい場所に置いておいてください。たまに様子をみて、上澄みの汁がカビていた場合、その部分はすくい取ってください。
発酵熟成期間は他の味噌と比べても明らかに短く40~60日寝かすことで食べられるようになるのが最大のメリットでもあります。
出来上がったら、上澄みの汁があるのですくい取ってから中蓋を取ってください。
実はこの上澄みの汁が醤油の元祖ともいわれています。煮炊き用の醤油として使用することもできるので、興味がある方は使ってみてもいいかもしれません。
金山寺味噌の食べ方
金山寺味噌は先の説明通りおかずや酒の肴として食べられることがほとんどです。しかし、そのまま食べることができてもいずれ飽きてしまうこともあるでしょう。そこで、金山寺味噌の美味しい食べ方について詳しくご紹介します。
金山寺味噌を使った美味しいレシピ
金山寺味噌は先述したとおり、様々な野菜を入れて作られているので一般的にはおかずや酒の肴としてそのままたべれられることが多いですが、料理として少しアレンジすることでより美味しく食べることが出来ます。
味の染みた野菜の歯ごたえが良いアクセントになるのですが、今回はそこを活かしたレシピを2つご紹介します。
金山寺味噌タルタルソース
タルタルソースはいろいろなものに使えます。普通のタルタルソースでも美味しいですが、味噌とマヨネーズを使ったタルタルソースはコクが加わりさらに美味しくなります。
金山寺味噌 大さじ3分の2
マヨネーズ 小さじ1~2
卵 1個
金山寺味噌に具材が入っているので他に加えるのはマヨネーズと卵だけで大丈夫です。それでは手順です。
- 卵を茹でる。
- ゆで卵の殻をむき、フォークの背で潰す。
- 金山寺味噌、マヨネーズ、潰したゆで卵を混ぜ合わせる。
たったこれだけで美味しいタルタルソースができます。これを丸パンを真ん中あたりで横に切りこのタルタルソースを挟むだけで美味しいサンドイッチができます。
ちなみにパンは上から4:6(=2:3)くらいで切るのが一番美味しいとされています。これは上あごよりも下あごの方が強いため下側の方が厚い方が美味しく感じられます。
金山寺味噌和え豚の紫蘇巻き
ご飯のおかずにとてもあう豚の紫蘇巻き、それを一手間加えてさらに美味しくしてみましょう。
豚薄切り 12枚
大葉 6枚
金山寺味噌 60g
材料も非常に少なく、手順も簡単です。ただ油を使うので、調理時には注意して行ってください。
- 金山寺味噌を粗みじん切りにしておく。
- 大葉を洗って軸を切り落とし、縦半分に切る。
- 切った大葉を敷いて、豚肉をのせ、味噌小さじ1程度を手前の方にのせ巻く。
- 180℃の油で揚げて、表面がカリッとしたら完成。
味噌を豚肉そして大葉で包む形になります。味噌と大葉を切るだけなので時間もそんなにかかりません。揚げるときは火傷に気を付けてください。
金山寺味噌の賞味期限
賞味期限は3カ月と設定されています。しかし元々保存食としての意味合いが強いため、この期間を超えても腐敗の心配はあまりありません。
ただ熟成は進んでしまうので、買った当初より色・味が異なる状況になることがあります。保存は冷蔵庫で行っていただくことも必須になります。
おすすめ金山寺味噌3種
それでは、通販で購入できる美味しい金山寺味噌を厳選して3種類紹介させていただきます。金山寺味噌が好きな方はもちろん、初めて金山寺味噌を食べるという方にもおすすめです。
丸新本家 金山寺味噌
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丸新本家は金山寺味噌を多く扱っている店です。甘めの仕上がりでオーソドックスな材料を作っているので、元祖金山寺味噌と言える一品です。
丸新本家 うす塩味金山寺味噌
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こちらも甘口ですが、塩分を気にされる方はこちらの方をオススメします。塩分濃度が4.8%となっており自然な甘みとなっています。
新庄みそ 金山寺みそ(ゆず入り)
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この金山寺味噌は珍しくゆずが入っています。材料はシンプルに茄子のみとなっているので、味噌として楽しみたい人にはオススメです。ご飯にのせてお茶漬けとして食べるのが美味しいです。