上手に菌活!納豆菌の優れた効果を徹底解説
最近腸内フローラや菌活という言葉が効かれるようになってきました。そして菌活の中でも最もおすすめしたいのが「納豆菌」です。乳酸菌に比べてマイナーですが、実はすごい可能性を秘めているのです。
今回はそんな納豆菌の菌としての役割や、効果、加熱しても大丈夫なのか、ということを解説していきます。体の健康のために意識して菌活をしているのであれば、納豆菌もぜひ候補に入れてみてください。
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最近注目の「菌活」って何?
菌活とは、様々ある菌の中で体にとって良い働きをする菌を積極的に摂り入れていき、自分の腸内に住んでいる有用菌(善玉菌)を育て、増やしていくことで腸内環境を整えることです。
腸内環境を整えることで、代謝や免疫力の向上、肌質の改善、便秘予防などが、様々な良い効果が期待できます。
菌活に効果的な食材の種類
菌活でまず思いつくのは乳酸菌ではないでしょうか。もちろん乳酸菌も良い菌で、腸の中で善玉菌として働いてくれますが、実は菌活と言っても様々な種類の菌が当てはまるのです。さらにそれぞれの菌で効果も違うので、1つ1つ紹介していきます。
きのこの菌
きのこは菌活で最も注目されている食材の1つです。「菌」は訓読みで「きのこ」と呼ぶくらいで、きのこ自体が菌そのものなので、きのこを食べることは菌をそのまま食べていることになるのです。
きのこは低カロリーなうえに、食物繊維、ビタミンB群、ビタミンD、βグルカン、オルニチンなど、様々な栄養を含んでいて、免疫力アップや肌荒れ防止、腸を健康に保つ働きをしてくれます。きのこ類はムチンを多く含むので、ムチンの主成分である多糖類が善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やすこともできます。
乳酸菌
ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆やキムチなどから摂れる乳酸菌は腸内で大活躍してくれます。ビフィズス菌やガセリ菌も乳酸菌のひとつで、乳酸菌の種類は300種類以上あるとされています。菌1つ1つ見ても少しずつ効果が違うのですが、大まかに動物性乳酸菌と植物性乳酸菌に分けて特徴を紹介します。
ヨーグルトなどの動物性乳酸菌
動物性乳酸菌はチーズや牛乳、ヨーグルトなどの乳製品に多くに含まれていて腸内で乳糖を乳酸に変え、それを養分として増えていきます。菌によって効果は様々ですが、腸内環境を整えたり、花粉症の予防、便秘解消、肌荒れ防止などの効果が期待できます。
しかし、動物性乳酸菌はもともとミルクなどの栄養が豊富で住みやすい場所に生息していたため、胃酸や胆汁などの酸が強い場所に対応できず、生きて腸内に届けることが難しいとされています。
ぬか漬けなどの植物性乳酸菌
動物性乳酸菌は、ぬか漬けやキムチ、醤油や納豆、日本酒などに多く含まれていて、腸内でブドウ糖、果糖、ショ糖など様々な糖を養分にして増えていくことができます。植物性乳酸菌も種類によって効果は様々ですが、腸内環境を整えたり、便秘解消、肌荒れ防止などの効果が期待できます。
植物性乳酸菌はもともと植物などの比較的栄養が豊富でない場所に住んでいたため、酸性の強い胃酸の中でも負けることなく、生きて腸に届きやすいというメリットがあります。
納豆菌
納豆菌は枯草菌の1つで、その種類は数万種類とも言われています。名前からもわかるように大豆を発酵させて納豆を作るときに使う菌です。納豆菌は腸内に入ると、納豆菌自体が悪玉菌を抑える効果もありますし、善玉菌を増やすサポート、さらに乳酸菌と一緒に摂れば乳酸菌が腸に届くのをサポートをしてくれるとさえ考えられています。さらに納豆菌のすごさは後半でも紹介します。
麹菌
麹菌は味噌などに含まれる菌で、肌荒れ防止や疲労回復、善玉菌を増やすサポートや、麹菌が作り出す酵素で消化をサポートしてくれたりします。
納豆菌の優れた効果とは?
実はこの納豆菌、まだまだマイナーな存在ですがものすごい「強さ・長生き度」を有しています。100度で熱してもマイナス100度で凍らせても、多少の酸やアルカリにさらされても死滅することなく生き残ることができます。これはつまり、胃酸なんかでは負けることなく腸に楽々届くことを意味しています。
1度口から摂取すれば4~5日後の排便でもその中に大量に検出されることも過去の実験で明らかになっているので、腸内に届きやすいだけでなく、その後腸内で長生きまでする大変優れた菌なのです。そんな優れた菌ですが、ただ生命力が強いだけでなく、様々な嬉しい効果ももたらしてくれるのでいくつか紹介します。
ガンの抑制効果
昭和42年、金沢大学の亀田幸雄博士によって納豆菌のガン抑制効果の実験が行われました。その実験内容と結果は「両足の付け根にガン細胞を移植したハツカネズミの片方の足にだけ、納豆菌を注入してその後のガンの発達を観察したところ、納豆菌を注入しなかった足にはガンが発生していたが、注入したほうにはガンはなく、あったとしても半分以下の確率だった。」というもので、当時の新聞で発表され、大きな話題となっていたようです。
納豆菌の医学的研究には納豆菌の純粋培養に手間がかかるため、あまり多くは行われていません。この実験もずいぶん前のものでガン細胞が抑制されたメカニズムはわかっていませんが、実際にマウスからガン細胞が無くなっていたことは事実なので納豆にガンの抑制効果は期待できると思っても良いでしょう。
腐敗便を無くす効果
納豆菌は腸内の有用菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やす役割があります。納豆菌をたくさん摂る人と摂らない人では10倍近い乳酸菌量の差があるようです。
この有用菌が増えることによって有用菌が作り出す酸が増え、腸の蠕動運動が活発になることで消化活動が促進されたり、悪玉菌を抑えて便秘などを防ぎます。
便通が良くなること、悪玉菌が減ることで便が腸内に溜まって腐る、いわゆる腐敗便の生成を抑えることができます。腐敗便は毒素を生成したり、臭いガスなどを生成するので積極的に抑える必要があります。
血糖値を下げる効果
納豆菌は腸内でブドウ糖を食べてくれるため、血糖値をぐんぐん下げる効果があります。
納豆菌は加熱しても大丈夫?
通常、あらゆる菌は100度で熱せば死滅しますが、納豆菌は100度では死滅しません。納豆菌を死滅させるためには120度で熱する必要があります。
ただし、納豆菌は多少加熱しても簡単には死滅しませんが、納豆菌が大豆を発酵させるときに生成するナットウキナーゼと言う体に良いタンパク質分解酵素は70度でなくなってしまうので、納豆を全体的に活かすためにはそのまま食べることが理想です。