コーヒー豆の種類と特徴
コーヒー豆には品種や銘柄など非常に多くの種類があり、種類によってそれぞれ味や香り、形状などに特徴があります。コーヒー豆それぞれの特徴を知ることによって、自分の好みのコーヒー豆が見つかりやすくなるのはいうまでもありません。
ここではそんなコーヒー豆の種類と特徴について紹介します。
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コーヒー豆の品種の種類
コーヒー豆には大きく分けるとアラビカ種とロブスタ種、リベリカ種の種類の品種があります。この3つはコーヒーの三大原種とされており、中にはいくつか品種が存在しています。
以下でそれぞれの品種の特徴などを紹介していくので参考にしてみてください。
アラビカ種(コフィア・アラビカ)
エチオピア原産で主に高地で栽培されているのがアラビカ種です。コーヒーにおいて最も重要な品種であり、コーヒー生産全体の70%~80%を占めています。
香味に非常に優れている品種で、産地の土壌や気候による違いがはっきり表れます。このようにデリケートな個性を持っており病害や霜害等に弱いデメリットを持っていますが、デメリットを補って余りある香りの良さを持っています。
アラビカ種から派生して他にも様々な品種があるので以下で紹介していきます。
ティピカ種
アラビカ種の中で最も古い基本品種です。甘みときれいな酸味、豊かな風味とコクを持っていますが、サビ病などに弱く生産性が良くありません。
デメリットを埋める為に品種改良が盛んに行われている品種でもあります。
ケント種
インド・マイソール地方でケントが発見したといわれており、ティピカ種と他の種の交雑とされています。はっきりした味わいとまろやかな酸味が特徴です。
マラゴジペ種
ブラジル・バイア州マラゴジペで発見されたティピカ種の突然変異品種です。スクリーン19以上の大粒で味わいも豊かですが、生産性が低いので一部マーケットで珍重されているのが特徴です。
ブルボン種
ブラジル、中米ではコーヒーの原型とされている品種です。ブルボン島にイエメンから移植されたのが起源とされており、後にブラジルへと移植されました。耐病性が低い上に収獲が隔年なので生産性が低く、品種改良によって市場に出回る量も減ることとなります。
まろやかなコクと甘み、風味が特徴の品種であり、小粒な形状をしています。
アマレロ種
完熟した時黄色になるのでポルトガル語で黄色という意味を持つ名前が付けられました。ブルボン種の突然変異種で甘みに特徴があります。
カツーラ種
ブラジル・ミナスジェライス州で発見されたブルボン種の突然変異種です。繊細さと華やかさがやや劣るもののブルボン種に近い味わいを持っており、耐病性が高い上に多収穫なので生産性に優れているのが魅力の品種です。
ムンドノーボ種
ブラジルを代表するブルボン種の改良品種です。病害虫に強く環境への適応力もあるので生産性が高い品種です。
まろやかさや甘み、苦みのバランスに優れており、ブラジルでの生産に主流を占めている優れた特徴を持っています。
カツアイ種
上記のカツーラ種とムンドノーボ種との交配種です。ムンドノーボは樹高が高く作業しづらいことからカツーラ種と交配することによって樹高が低くなっています。
収穫量が多く霜にも強い反面、味が重く雑味があるのが特徴です。
カネフォラ種(コフィア・カネフォラ)
以下で紹介するロブスタ種が有名な品種です。原産地はサハラ砂漠からビクトリア湖にわたる広域であり、環境への適応能力が高く、熱帯の低地でも栽培されている品種です。
ロブスタ種
病害虫に強く栽培が容易なのが特徴の品種であり、独特の香りと強い苦み、アラビカ種と比べると2倍のカフェインを持っているのも特徴です。
品質は高くないものの、独特の香りが強く安価、取れる液量も多い為、主に缶コーヒーやインスタントコーヒーに使われています。
リベリカ種(コフィア・リベリカ)
幻のコーヒーといわれている品種がリベリカ種です。西アフリカ・リベリア原産の品種であり、三大原種のひとつとされています。
環境への適応力はあるものの、アラビカ種に比べて味が劣り、サビ病に弱いことから西アフリカの一部で国でわずかに栽培される程度となってしまいました。
コーヒー豆生産量全体の5%未満しか生産されておらず、商品としての価値が極めて低い為、自家用や研究用などに使われている品種なので、一般ではほとんど出回っていない品種です。
コーヒー豆の銘柄の種類
エチオピアからはじまり、今となっては世界60カ国以上で生産されているコーヒー豆。生産地によって味や香り、形状など様々な違いが存在します。
以下で主要な銘柄を紹介していくのでコーヒー豆選びの参考にしてみてください。
キリマンジャロ
タンザニア産のコーヒー豆。アフリカ大陸の屋根といわれるアフリカ大陸最高峰の山であるキリマンジャロのふもとの町で栽培されています。
強い酸味と甘い香りと豊かなコクが特徴です。
ブルーマウンテン
カリブ海の島国であるジャマイカにあり、美しく輝く神秘的な山という意味を持つブルーマウンテン。その中でも標高800m~1200mの限られた地域でのみ栽培される高級コーヒー豆がブルーマウンテンです。
苦み・香り・甘み・酸味などすべてのコーヒーの良さを併せ持つといわれるコーヒーの王様といわれているコーヒー豆です。
ハワイ・コナ
ハワイ島コナ地区でのみ栽培される100年以上の歴史と伝統を持つコーヒー豆です。ハワイ州政府によって厳しい品質管理の上で丁寧に栽培されています。
豊かな香りとまろやかな口当たり、すっきりした後味が特徴のコーヒー豆であり、ホワイトハウス御用達にもなっている高級コーヒー豆です。
グァテマラ
中米有数のコーヒー生産国であるグァテマラ原産のコーヒー豆で、コーヒー豆を栽培するのに適した環境で高い品質を保っています。
上品な酸味と甘い香り、苦みとのバランスが良いコーヒー豆として知られています。
モカ
イエメン・エチオピア産の最も古いとされているコーヒー豆です。イエメンの港町からコーヒー豆を輸出していましたが、対岸のエチオピアのコーヒー豆も一緒に輸出されていたので、イエメン産は「モカマタリ」、エチオピア産は「モカハラー・モカシダモ」という銘柄となりました。
フルーツのような香りと酸味、甘みとコクを持っているのが特徴です。
コロンビア
コロンビア産のコーヒー豆です。全体的に豆の粒は大きめですが、その中でも粒が大きいスプレモと粒が小さめのエキセルソに分けられます。
甘い香りとまろやかな酸味が特徴であり、マイルドコーヒーの代名詞とされている銘柄です。
マンデリン
インドネシア・スマトラ島で生産されている高級銘柄です。インドネシアではロブスタ種がポピュラーですが、スマトラ島のマンデリンはアラビカ種です。
酸味が弱く、深いコクと柔らかい苦みを持っているのでバランスが非常に良く、カフェオレにも向いている銘柄です。
コスタリカ
コスタリカ産の銘柄です。栽培地の標高の高さで格付けがされています。「Strecity Hard Bean(SHB)」が最高ランクで標高が1200m~1600mと定められています。
バランスの良い酸味と芳醇な香り、上品な味わいが特徴となっています。
ブラジルサントス
ブラジル産の銘柄であり、サントス港から出荷されたものをブラジルサントスと呼びます。品質が良いものから順にNo.2~No.8があります。
コーヒーらしい味わいを持ちながらもあっさりしており、クセがない味わいが特徴です。
ジャワ
ジャワ島産のアラビカ種の銘柄です。アイスコーヒーやエスプレッソなどに使用されるロブスタ種の主要な産地でもある為、アラビカ種を指す場合はジャワ・アラビカを呼ぶ場合もあります。
酸味がなく味も濃くないので、香りを楽しみつつも飲みやすいのが特徴です。
コピ・ルアク
ジャコウネコにコーヒーチェリーを食べさせ、体内で発酵された未消化のコーヒー豆を糞から取り出し丁寧に洗ったコーヒー豆です。
独特の香りを持つコーヒーとして知られており、希少性の高さから世界で最も高価なコーヒーとされています。高価ではありますがこれは希少性からきているものであって、必ずしも品質が高いというわけではありません。