ペルツォフカの歴史や特徴とおすすめのウォッカ
ウォッカ発祥の地は極寒の地となる東欧や北欧ですが、これはその飲みやすさもそうですが、アルコール度数の高さから体を温める作用もあるため、多くの人々が飲み、その製法も発展していくようになりました。
その中にはさらに体を温められるように唐辛子を加えたフレーバードウォッカも製造されるようになりました。その中でもかつて代名詞とも言われるようになったのがペルツォフカです。こちらではペルツォフカの歴史や特徴とおすすめのウォッカをご紹介していきます。
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ペルツォフカ(PERTSOVKA)とは?
まずはペルツォフカという銘柄についてご紹介してきましょう。
ペルツォフカはロシアで誕生したフレーバードウォッカを作る銘柄の1つです。厳密にはウクライナ地方での誕生ですが、ロシア全土に広がったことにより、現在は国営メーカーによって運営されるブランドとなっています。
ペルツォフカの歴史
その誕生は17世紀まで遡ります。ロシアやポーランドで生まれたウォッカの製造技術が近隣諸国へも広がっていきました。ロシアではピュアウォッカ、ポーランドではフレーバードウォッカの原型とも言える製法が広がっていき、2国に隣接する現在のウクライナ地方にもその製法は伝わったと言われています。
この製法を元に、地域あるいは銘柄によって独自の進化を遂げていくこととなります。その中の1つがペルツォフカになります。1931年には2本の赤唐辛子がシンボルマークとしてデザインされたフレーバードウォッカが販売されました。
やがてロシアがソビエト連邦へと変わり、国内の銘柄を連邦国営会社のソユーズプロドインポルト(S.P.I. Group)が統括することとなり、近年もこのS.P.I. Groupが販売する銘柄の1つとなっていました。
しかし2003年の春先、製造元の税金問題でロシア政府と揉めたことにより、惜しまれつつ製造中止となったことで幻のウォッカとなっていました。しかし現在は復刻しており、再び手に入れられるようになっています。
現在同じような名称で販売されている「ペルツォフカ・メドーヴァヤ」は名称こそ似ているものの、こちらはネミロフ社の製品であり、製造元は製造方法、レシピが違うので注意してください。
ペルツォフカのウォッカの特徴
それではペルツォフカウォッカの香りや味わいなど、特徴をまとめておきましょう。
先述したように2本の唐辛子のシンボルマークの如く、このウォッカには赤唐辛子と黒胡椒、胡椒科のクベバを漬け込むことでスピリッツを加えたフレーバードウォッカです。砂糖が入っておらず、ピリ辛で強いパンチの効いた切れ味が特徴的な飲み口のウォッカです。
その切れ味鋭くコクのある味わいからロシアでは「ウクライナの剣」という俗称さえ付けられていた宋です。赤唐辛子を漬けているのでウォッカ全体もほんのり赤色に色づいています。
これをボトルごと冷凍庫で冷やして飲むことで、アルコールとスパイスの相乗効果が生まれ、体を隅々まで温め、風邪などの特効薬としても飲まれていたと言われています。
そのため製造されていたかつてはこのペルツォフカが唐辛子ウォッカの代名詞的存在として日本でも多くの酒場で提供されていました。しかし先述した通り、以前は製造中止されていたのでお目にかかることはほとんどない幻のウォッカとなってしまいました。
余談ですが、ペルツォフカという名称は1社独占の登録商標ではないため、唐辛子入りのウォッカにはどの会社でも「ペルツォフカ」を名乗ることができます。そのため先述したネミロフ社のものもこの名称が入っています。
しかしこのネミロフ社のものはメドーヴァヤの名の如く、ハチミツが加えられ、そこにハーブの風味が追加されて絶妙な組み合わせで独特の味と香りを生み出しています。それにより唐辛子の辛さが際立っており、マイルドな舌触りと後味にも相まって現在の唐辛子の定番商品となっています。
ただこちらでご紹介している幻のペルツォフカとは、似て非なるものになっているのでその比較のためにもご紹介させていただきました。
ペルツォフカ
現在の価格はコチラ |
それでは改めてペルツォフカの特徴などをまとめておきましょう。
先述したようにペルツォフカは唐辛子ウォッカの代名詞として名高かったフレーバードウォッカの1つです。赤唐辛子を中心に、ブラックペッパーやレッドペッパー、キュベブ(ジャワ胡椒)をアルコール度数と純度が高いスピリッツに浸漬して製造されたロシア産のウォッカです。
赤唐辛子色にほんのり色づいているのが特徴であり、それを元にボトルのラベルにも2本の赤唐辛子をデザインしており、一目でペルツォフカと分かる見た目となっています。
その見た目からも想像ができるかもしれませんが、辛党の方には堪らない逸品となっています。しかし激辛かと言われるとそういうわけでなく、浸けられたペッパーのピリッとした辛みが口の中に広がしますが、ただ痛みだけがあるだけでなく、ペッパーとウォッカの風味が絶妙に混ざり合った美味しいフレーバードウォッカとなっています。
厳冬の夜にこのボトルを冷やして飲むことで、アルコールと香辛料の相乗効果によって体の隅々が温まるウォッカとなっています。そのため、風邪の特効薬として飲まれている地域もあるほどです。
アルコール度数は35%と一般的なウォッカよりやや低めとなっているのもフレーバーウォッカならではの特徴でしょう。この特徴的な絡みとアルコール度数によってブラッディマリーとの相性が非常にいい商品でもあります。
氷を入れたタンブラーに凍ったベルツォフカを注ぎ、冷えたトマトジュースを注ぐことで、辛みは抑えられながらも、トマトジュースの甘味をしっかりと引き立ててくれるその味わいは絶妙な美味しさとなっています。