スピリタスの歴史や特徴とおすすめのウォッカ
ウォッカといえば、メジャーなものだとアルコール度数が40%と高めのスピリッツになります。このアルコール度数の高さと癖のない飲みやすさが特徴となっているのですが、これはあくまで一般的な度数であり、商品によって前後します。
低いものでも40%近くあるのですが、実は高いものだとウォッカの原料のほとんどがアルコールで占められているものもあるのです。それがウォッカ好きやお酒好きの方なら一度は耳にしたころがあるであろうスピリタスという銘柄の商品です。こちらではスピリタスの歴史や特徴とおすすめのウォッカをご紹介していきます。
スポンサーリンク
スピリタス(SPIRYTUS)とは?
まずはスピリタスという銘柄についてご紹介していきましょう。スピリタスはウォッカ生誕の地の1つであるポーランドを原産とするウォッカの銘柄です。現在のスピリタスを生産及び輸出しているのは、ポルモス・ワルシャワ社となります。
スピリタスの歴史
このポルモス・ワルシャワ社の前身となるポルモス社は1919年に設立されています。当時からスピリタスなどを生産していたと言われています。第一次及び第二次世界大戦を経てズブロッカなどのポーランド産ウォッカも世界へ向けて輸出していきました。
そんな中で1989年にポーランドが社会主義経済から資本主義経済へ体制転換したことにより、会社にも変革が起こります。それまで国営だったポルモス社は1991年に国営企業の清算という形で、各工場が独立し、ポルモス・ワルシャワ社として再編されました。
経営再建に乗り出す中で、1998年に私企業化され、さらにウォッカの商標権も各工場に移行されることになりました。そして翌年に、スピリタスの商標権がオークションに出品されたことにより、ポルモス・ワルシャワ社が落札して現在の形に落ち着いています。
スピリタスのウォッカの特徴
スピリタスの特徴を語る上で、そのアルコール度数を避けて通ることは出来ないでしょう。2011年時点ではアルコール度数世界最高の酒として知られています。
飲用可能な無水アルコールを除けば、過去のアルコール度数史上最高の酒類はエストニアの酒類専売公社が製造販売していたジャガイモを原材料とするアルコール度数98%の蒸留酒とされていたようですが、現在は製造されていません。そのためこのスピリタスが現状では最高度数となっています。
その製造は実に70回以上にも及ぶ蒸留を繰り返し行うことで、95~96%の高アルコール度数に仕上げられており、その混ざりもののない仕上がりから世界最高純のスピリッツとなっています。
そのためこちらを飲むときは火気厳禁となっています。喫煙でさえも危険とされているので、禁止されています。お酒の定義から水との共沸混合物でなければならないため、これ以上の蒸留は不可能となっており、純度の精製も限界となっています。そのためこのアルコール度数が最高となります。
主原料はかつての最高度数を誇ったお酒同様にジャガイモと穀物を主原料としています。このスピリタスの名の由来は、ポーランド語の酒精、つまりエタノールを意味する言葉で、ポーランド語の発声に近い「スピリトゥス」が本来の表記になっています。広義にはウォッカを含む蒸留酒全般を表わす言葉でもあります。
歴史でも触れましたが、この商標権を持つポルモス・ワルシャワ社であり、このメーカーの銘柄として有名ですが、実はその前身であるポルモス社が解体される際、その系列会社として再編されたポルモス・クラクフ、ポルモス・ウッジ、ポルモス・ルブリン、ポルモス・シュチェチンなどのポルモス系メーカーで、アルコール度数95%を誇るウォッカをスピリタスという商品名でラインナップに入れています。
しかし日本で販売されているものは、ポルモス・ワルシャワ社製でミリオン商事株式会社が輸入している緑色キャップが目印の瓶の商品がほとんどとなっています。
スピリタスの上手な飲み方
スピリタスはそのアルコール度数の高さからストレートやロックではとても飲むことは出来ませんし、おすすめもできません。
本場ロシアではストレートで飲む方々も少数ながらみえるようですが、さすがに飲み慣れていてもそれが出来る方は少ないでしょう。また同じ本場であるポーランドではスピリタスをそのまま飲む習慣はありません。
スピリタスは一般的にその口当たりからカクテルのベースとして使われることがほとんどのウォッカです。その他、炭酸水で割ったり果実を漬け込んだりして、日本でいうところのサワーや梅酒ソーダのようにして飲む方もみえます。
スピリタスを上手に飲むのであれば、その特有の甘さを活かす形でアルコール度数を下げる飲み方をすると美味しくいただけます。
スピリタス
現在の価格はコチラ |
それではこのスピリタスの味などを改めてまとめておきましょう。
先述したようにスピリタスは現世界最高のアルコール度数を誇るウォッカとして名が知られた有名な商品です。そのアルコール度数もあり、ストレートで飲めば初めは刺すような痛みと強烈な焦燥感に襲われますが、それを過ぎると甘味を感じる不思議な味わいです。
しかし、それまでに他の高いアルコール度数のものを飲んでいた場合、あるいは飲む方の味覚の嗜好によっては最初から甘味を感じることもあります。
ただ本場ロシア以外でもストレートでこれを飲むのはごく少数の方々であり、一般的にはカクテルのベースにされることが多いです。そのアルコール度数と純度の高さからどのようなカクテルのベースとしても合い、また日本特有の飲み方である水割りや、他国でも飲まれるソーダ割りでも美味しくいただけるウォッカとなっています。