ナッツ(種実類)って何?種類や定義と利用法
私たちの身近に存在し、無くてはならないものとなっている「ナッツ」。多くの栄養素を持ち、様々な種類の物に加工されるナッツは、人類の繁栄に大きく貢献してきました。
そんなナッツの定義と種類、歴史についてご紹介します。
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ナッツ(種実類)とは?
ナッツとは「種実類(しゅじつるい)」に分類されるもののうち、木の実のことを指します。種実類とは、固い殻や皮に包まれた食用の果実や種子の総称であり、堅果(けんか)とも呼ばれています。
一般的なナッツとしては、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオナッツ、マカデミアナッツ、クルミなどが有名です。
ナッツは豊富な栄養素を持っており、採取が簡単でそのままや、炒るなどの簡単な調理で食べられるものが多かったことから、貴重な栄養原として重宝されてきました。特に、狩猟採集が基本であった古代にはナッツは食生活の根幹をなしていたと言われています。
人類が穀物の栽培を開始するに伴い、栄養源としての重要性は薄れましたが、嗜好品として重宝されてきました。それまでは採取だけでしたが、農業の開始とともに栽培植物としても育てられました。
ナッツ(種実類)の歴史
前述した通り、ナッツは人類史において栄養源として重宝されてきました。それだけではなく、保存食や宗教的な供物にも用いられてきた歴史を持ちます。
穀物の栽培が行われる以前の人類は、狩猟や採集に依存しており、栄養が豊富で保存のきくナッツは重宝されてきました。ナッツの種類によって歴史の長さは異なりますが、アーモンドは約4000年以上前のヨルダンが原産と言われており、旧約聖書にも記述が残っているナッツです。
ナッツは種類や地域によっては、王侯貴族や上流階級の人だけが味わえる嗜好品としての側面があることでも知られています。紀元前の中国やエジプトでは、国王のお墓などにクルミなどのナッツが供えられていたそうです。
ナッツ(種実類)の種類
ナッツは大別すると以下の3種類に分けることが出来ます。
- 堅果
- 核果
- 種子
まずは「堅果」ですが、簡単にいうと「果実」に属するナッツを指します。外側が非常に硬く、果実とは考えにくいようなイメージです。具体的には、ヘーゼルナッツやクリが堅果に含まれます。
次に「核果」ですが、果実の中に大きな一つの核があるものを指します。この核の中にある種子を食用とするナッツの種類です。アーモンドやクルミ、ペカンなどが核果に含まれます。
最後に「種子」ですが、これはそのままの意味であり、種子をそのまま食用とするナッツを指します。カシューナッツやブラジルナッツが種子に含まれます。
また、ナッツとは木の実ですので、厳密にはナッツに属さない「豆類」もいくつかの種類はナッツとして扱われています。その代表格はピーナッツです。ピーナッツは豆類ですのでナッツではありませんが、ナッツとして扱われることが多いです。
ナッツ(種実類)の加工
ナッツは様々な加工を経て私たちに届けられています。数多くあるナッツの利用や加工の中でも、代表的な利用方法についてご紹介します。
ナッツの利用において最もポピュラーなのは、種子をそのまま食べることです。そのままといっても、全く加工しないことはほとんどなく、ほとんどのナッツは皮や殻を取り除いて乾燥させ、塩や砂糖、油脂による調味が加わり、食べられることが多いです。
また、ナッツは製菓の材料として使用されることも非常に多いです。ナッツを使用したお菓子は世界中に存在しており、バクラヴァ、ドラジェ、マロングラッセ、栗餡、ヌガーなど枚挙に暇がありません。
ミルクとしてもナッツは使用されています。アーモンドやココナッツはすりつぶしてミルク状にして用いられています。アーモンドミルクは豆乳のような飲料の扱いをされることが多く、ココナッツミルクは食材としての性格が強いです。
また、脂肪分の多いナッツは植物油の原料としても用いられています。有名なのはピーナッツオイルやココナッツオイルです。食用油や工業原料としても使われていますが、近年では美容・健康効果に注目が集まっています。
ナッツ(種実類)のアレルギーについて
ナッツに対してアレルギーを持つ人は少なくありません。ナッツアレルギーはアレルギーの中でも症状が比較的重く、耐性を獲得しにくいと言われています。近年ではナッツアレルギーの発症率が上昇していると言われています。
ナッツアレルギーは、ごく少量のナッツ成分でも重篤なアナフィラキシーショックを発症することも珍しくなく、ナッツの含まれていない食品であっても同じ工場でナッツに使用している機器からの微量の混入でも発症した人もいます。
それゆえ、ナッツアレルギーの方はナッツが含まれた食品はもちろん、ナッツを扱っている工場で作られた食品は避けた方が無難です。