鍋を使った美味しいご飯の上手な炊き方
様々な炊飯器メーカーが目指す味といえば「かまど炊き」ですが、炊飯器を使わずに鍋を使って自宅でご飯を炊けば、手軽にかまど炊きの味が楽しめるって知っていますか?とはいっても、炊飯器と違って鍋を使った炊飯は失敗する可能性もあって敷居が高い気がしますよね!そこで今回は誰でもできる鍋炊飯の方法を紹介しましょう。
一人暮らしで炊飯器を持っていない人、キャンプ場での鍋炊飯がしたい人、もちろん美味しいご飯を炊きたくて鍋を使ったご飯の炊き方を調べている人も必見!手軽にかまど炊きした美味しいご飯が食べられる鍋炊飯の方法を分かりやすく解説します。
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美味しい鍋炊きご飯に必要な物
- 炊きたい分量の米
- 浸水後の米と同量の水
- 蓋の閉まる鍋
最もご飯が美味しく炊ける鍋は「土鍋」だと言われており、今では1人用の土鍋が100均などでも販売され鍋炊飯が一時期話題になったりもしました。
味にこだわるのであれば土鍋を使用してご飯を炊くのがおすすめですが、一般的な鍋であっても蓋がしっかりと出来るタイプであれば炊き方は変わりません。
鍋炊飯の定番といえば文化鍋ですが、最近では無水鍋を使ったり圧力鍋を使用して鍋炊飯を楽しんでいる人もいます。鍋炊飯をするときの鍋選びは「蓋がしっかりと閉まるもの」を選ぶことがポイントです。欲をいえば、吹きこぼれ防止機能が付いているものだと、より簡単に鍋炊飯ができるので覚えておきましょう。
鍋を使った美味しい炊き方の手順
では早速、鍋を使った美味しいご飯の上手な炊き方を紹介していきます。
鍋で炊くといっても、美味しいご飯を炊くときの基本の3ステップである「研ぐ・浸水・計る」事は変わりません。しかも米を水にしっかり浸しておけば炊きあがりまで20分もかからないという手軽さがあります。
そんな鍋炊飯の手順は以下の8ステップです。
- 準備(研ぎ&浸水)
- 1対1(1.2)の割合で水を入れる
- 蓋をしたまま火にかける
- 沸騰してから2分そのまま
- 火を弱くして3分炊く
- さらに弱火にして6分炊く
- 10秒強火でコゲ作り
- 10分蒸らして完成
ここからは、鍋炊飯を失敗することなく、鍋で美味しいご飯を炊く方法について詳しく掘り下げて解説していきます。
鍋炊きご飯の準備(研ぎ&浸水)
米研ぎの基本は「水を切った状態で、時間をかけずに優しく研ぐ」という事です。そして鍋炊きにおいて重要なポイントとなるのが"浸水"と呼ばれる手順ですが、簡単に言うなら「米にの芯まで水を浸透させておく」という工程です。
米の浸水に関しては「夏は30分、冬は1時間」と言われており、研いだ後の米を半透明な水のままにしっかりと浸水させて、いわば"乾燥野菜状態"の米を戻してあげることが鍋炊飯で芯を残さず炊き上げるコツとなります。
米を米質にあわせて上手に研ぐ事と、研いだお米をしっかりと浸水させておくことは、鍋でご飯を炊くときだけでなく炊飯器でご飯を炊くときも変わりません。
美味しくご飯を炊くコツについては以下のページにて詳しく解説してありますので、上手な米の研ぎ方や適切な浸水方法、さらには米に合わせた水の選び方など、美味しいご飯の炊き方について知りたい方は参考にしてください。
鍋に対する米と水の分量
鍋炊飯において重要となる米と水分の量。
使用する鍋に合わせた米の量としては、一般的に片手鍋サイズであれば2合程度まで炊くことが可能です。
鍋でご飯を美味しく炊くためには「浸水を終えた米と同量(同体積)の水」を使うのが目安であり、浸水前の米であれば1合につき180~200ml程度、無洗米の場合は1合につき250~300ml程度が目安とされています。
同体積の水というのは、浸水後の米がコップ一杯程度であれば、コップ一杯程度の水が適切量となります。
鍋を使った炊飯における水加減というのは、鍋に使われている素材や厚さ、さらには加熱時間や火加減などによって変化するため、あくまでも一つの参考として試し、そこから自分好みに調節してくのがおすすめです。
鍋炊きご飯の火加減
炊飯器を使っていればボタン1つで炊き上がりを待つだけですが、鍋を使ってご飯を炊く場合は火の具合を適時調節しながら炊き上げる必要があります。
そこでの合言葉は「2−3−6−10−10」です!この言葉を覚えておけば、失敗することなく、軽くおこげのついた美味しい鍋炊きご飯が完成しますので、その合言葉を踏まえて火加減について解説します。
- 蓋をしたまま強火にかけ沸騰を待つ
- 沸騰したら「2分間」火加減そのまま
- 中火に戻して「3分間」火にかける
- 弱火にして「6分間」火にかける
- 水分が抜けたら「10秒間」強火
- 火から下ろして「10分間」蒸らす
お米を十分浸水させてあれば、初めから強火で加熱して大丈夫です。また5合以下の米を炊く際は中火から始めても良いでしょう。鍋の中に水を入れたのち、米が平らになるようにさっと混ぜてから火にかけてください。
音や吹きこぼれで沸騰を確認したら、上の合言葉に従って徐々に火を弱めていき、4ステップ目の弱火状態を終えたら一度蓋を取って中を確認します。そこで水分がまだ残っている場合は追加で弱火にかけ、1分ごとに確認して水分が無くなるまで火にかけましょう。
水分がなくなってから強火で10秒間加熱するのは、おこげを作るためでもありますが、この後の炊き上がったご飯を蒸らすために鍋全体の温度を上昇させておくという意味があります。
鍋でご飯を炊いたら蒸らしが重要!
鍋で炊いたご飯は「蒸らし」という工程を踏むことで、初めて米の芯までふっくらとした炊き上がりになります。上でも説明しましたが、蒸らしに必要なじかんはおよそ10分程度。蓋を閉めた状態で待ちましょう。
蒸らしの際に、鍋の蓋に付着した水滴がご飯に滴ると、せっかくのご飯がベチョっとしてしまうため、フキンやキッチンペーパーなどを蓋と鍋の間に挟んで蒸らすのがおすすめです。炊き上げてから食べるまでの時間が空いている場合も同じで、蓋の水分がご飯に滴らないように工夫すると良いでしょう。
ご家庭での調理であれば、余計な水分を吸い取ってくれるおひつなどに移すのもおすすめです。
鍋炊飯に失敗した時の対応策
鍋を使ってご飯を炊くとなれば、ある程度炊飯に慣れていても、ちょっとしたミスで上手く炊けなかったりします。家庭での鍋炊飯であれば失敗率はかなり少なくなりますが、アウトドアなどでカマドやバーナーを使った鍋炊飯となると、その失敗率は結構高めです。
失敗したからといって捨てるのは農家の方にも申し訳ないですし、時間だってもったいないです。もし鍋炊飯に失敗したとしても、華麗なる対応方法さえ覚えておけば、ピンチもチャンスに変えられるでしょう。
少しベチャっとしている時
水気が多すぎてしまった場合、つい再度火にかけてしまいがちですが、ここで火にかけて水気を飛ばそうとすると大抵コゲてしまいます。
こうなってしまった時は、一度鍋を強火に10秒程度かけて、もう一度蒸らしを行ってみると美味しく炊き上げることが出来ます。
水分はないけど芯が残っている時
もう水分が鍋の中にないのに、まだご飯には芯が残ってしまっている場合。食感としては蒸しただけの生米のような感じになってしまっていると思います。
こういう時は、少しだけ水を加えて極々弱火にかけましょう。芯の度合いにもよりますが「若干芯があるかな?」程度であれば、鍋ごと蒸らしておくだけでもかなり改善されます。
最後の手段は雑炊
芯が残ったり、ご飯としてはユルユルな炊き上がりになってしまった場合。もしくは、失敗したことに気がついた時点で、スープの素や味噌汁などを入れて雑炊にしてしまうという対応策もあります。