新米、古米、古古米、その違いと美味しい食べ方
新米は美味しい!古米はまずい!そんなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?新米という言葉には新鮮でフレッシュなイメージがありますが、古米というと古くて質の悪くなった米のような印象を抱くかもしれません。しかし実はそれって勘違い!農家の人たちはわざと新米を熟成させて古米として食べるんですよ!
そこで今回は、新米と古米に関する信じられないような真実と共に、古米の特徴や古米の美味しい食べ方を詳しく解説していきますので、古米について正しい知識を身につけて、美味しく食べてくださいね!
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新米と古米とは?
新米と古米の違いを明確に区別するような定義は存在しませんが、国が収穫を基準に決めた米穀年度に則るのであれば、毎年11月1日から1年以上経った米のことを古米という名前で呼びます。
つまり、収穫された年の中であれば新米であり、その前年に収穫された米は古米ということになります。
古米、古古米、古古古米、古古古古米
米が収穫された年の物は新米。その前年に収穫された米が古米。前々年に収穫された米は古古米、そこから年数が経つごとに古古古古米、古古古古古米と「古」の数を収穫した年から現在までの年数分呼びます。
嘘のような話かもしれませんが、本当の話です。
古米の特徴
新米というだけで新鮮なイメージになりますし、古米という字面からして「古くて粗悪」のようなイメージになるかもしれませんが、実際の所、新米と古米にはどのような違いがあるのでしょうか。新米と比較した古米の特徴を見ておきましょう。
- ご飯が硬くなる
- ご飯の粘りが少ない
- ツヤや白色度が低い
- 古米特有の香りがある
- 炊くと新米より膨らむ
確かに、これだけ聞くと「やっぱり古米より新米の方が美味しいんだ!」と思うかもしれません。しかし日本のお寿司屋さんでは酢の浸透率を上げるために古米をブレンドしたり、チャーハンやカレーといった料理の種類によっては粘り気の少ない古米の方が相性が良い場合もありますし、安直にマズイ!という訳ではありません。
古米は美味しい?不味い?
古米でも正しく管理された米は1年以上経っても美味しく食べられます。管理における理想的な温度は氷温だと言われており、氷温保存された古米は熟成されて「新米を超える味」と評価する人も多くいます。
実は「新米=美味しい」「古米=不味い」というのは、初物を好む日本人特有のイメージではないかとも考えられています。なぜなら、新米こそが最もおいしいと圧倒的多数の人間が答えているなら「新米と古米はどっちが美味しいの?」という疑問は湧いてこないと思います。
しかし実際に食通な人に聞くと、多くの人が米の美味しさに関して「もっちり=美味しい」だと思っていることが多いだけで、実際に美味しさだけで語るなら、新米も古米もそれぞれに美味しさがあると言われています。お肉が「やわらかい=美味しい」というイメージや、スイーツが「甘さ控えめ=美味しい」といったイメージなのと似ていますね。
農家はお米を熟成させる!
東北などの寒い地域における農家では、自分たちで食べるお米は米倉にて1年程度寝かせてから食べることが定番とされています。実はこれって、今注目されている「氷温熟成米」の技術なんです。こうすることで、新米を超える美味しさを持った古米になるのです。
この、新米を古米にして熟成させる氷温熟成技術というのは、水が0℃で凍り始めるのに対して、一般的な生物が0℃でも凍ることはないという特性を利用して熟成させる技術の事です。
生物というのは凍結しないように体の中に不凍液という物質を蓄積します。この不凍液の中身というのは、デンプンから生成された糖分や、たんぱく質から生成されたアミノ酸であり、米にとっての甘み成分や旨み成分にあたります。
こうやって熟成された古米は、新米よりも甘みや旨みが増加されるのです。
古米を美味しく炊く方法
古米を美味しく炊くには、一般的な新米のおいしい炊き方とは違ったコツが必要となります。まずは古米を美味しく炊くためのポイントを覚えておきましょう。
- ギュッギュッと力を入れて研ぐ
- 水を規定量よりも少し多めに入れる
- サラダ油を古米2合に対し小さじ1/2程度入れる
まずはこの3点に注意して古米を炊いてみましょう、古米なのに驚くほど美味しく炊けてビックリすると思います。新米のおいしい炊き方について知りたい人はこちらのページを参考にしてください。
なぜ古米は強めに研ぐの?
美味しく新米を食べるための研ぎ方といえば「力を入れずにササッと研ぐ事」とされていますが、古米の場合はまったくの真逆!新米の時にやっちゃいけないような、握りつぶすような研ぎ方や、ガシガシと力を入れて強めに研ぐことで、古米の表面に付いたヌカ臭さをしっかりと落とすことが重要となります。
とぎ汁も新米の場合は「うっすら白く濁る程度」とされていますが、古米の時は透明になるまで研いだ方が美味しく炊けるので、古米を炊くときは恐れることなくしっかり研ぎましょう。
古米を美味しく炊くコツ
古米を炊くときに「ちょい足し」することで美味しく炊けるコツがあります。そんな古米を美味しく炊くためのコツをまとめましたので、古米を普通に炊いて美味しくないと感じたら実践してみてください。
サラダ油を入れる
古米2合に対してサラダ油を小さじ1/2程度。
サラダ油をを少し入れて古米を炊くと、パッサパサな食感になりがちな古米がツルピカご飯に炊き上がります。水を規定量よりちょっと多めに入れて、古米を水に浸す時間を3時間くらいにすれば、新米顔負けの味になります。
調理酒を入れる
古米を炊くときに、小さじ1杯程度の調理酒。
古米独特の臭いを取る方法として、おばあちゃんの知恵袋的に伝わる方法といえば、古米を炊くときに調理酒をちょっと入れて炊く方法。色艶や食感よりも臭いが気になるという人は是非試してみてください。
もち米を入れる
古米の1割程度もち米を混ぜて炊く。
なかなか家にもち米があるという人は少ないかもしれませんが、古米はもち米とブレンドして炊くことで美味しくたべれます。あの独特のパサパサ感もなくなりますし、新米に匹敵する食べ応えとなります。
ハチミツを入れる
古米を炊くときに、小さじ1杯程度のハチミツ。
古米を炊くときの水にハチミツをしっかりと混ぜてから炊くと、風味が非常に良くなって美味しくたべられます。特に古米を美味しく食べようと努力している人たちの間では人気が高く、風味も色艶も新米に匹敵するとして支持を得ている方法です。
重曹を入れる
古米5.5合に対して重曹をティースプーン1/2程度。
え!?重曹!?と思うかもしれませんが、古米を炊くときに重曹を入れると驚くほどもっちりしたご飯が炊けます。また、炊けた古米を保温しておくと発生する古米独特の嫌な臭い、これも重曹を入れた水で炊くと臭いが出にくくなります。