お米を美味しいまま保存する方法
精米を終えたお米は夏場なら1ヶ月程度、冬場でも2ヶ月程度が賞味期限だとされており、美味しく食べるには精米年月日から2週間以内が目安だとされているほど、お米は繊細な食べ物です。常に美味しいお米を食べるためには、正しい保存方法を身につけて、お米の味を守りつつ保管することが大切です。
そこで今回は、お米を美味しく保存するためにおさえておきたいポイントや、正しいお米の保存手順、さらにはお米を備蓄する際に使える長期保存の方法などを解説していきます。
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お米を美味しく保存するための基礎知識
お米を美味しい状態で保存するためには、お米が劣化してしまう原因の排除が目標となります。そんなお米を美味しく保存するための3大原則がコチラ。
- 風通しの良い場所
- 涼しい場所
- 暗い場所
この条件に適したものであれば、お米は美味しい状態を比較的長期間キープできます。この3大原則をクリアできる場所というのは家庭の中でも冷蔵庫以外には無いと言っても過言ではありません。
手っ取り早く、お米を美味しい状態で保存したいという人は、冷蔵庫内で保存するのがおすすめですが、厳密に言うと専用の容器を準備したり、様々な工夫を施すことで一層お米は美味しい状態で保存することができます。
購入時の袋が保存に適さない理由
お米を保存するのに購入した時の袋を使用している人がいますが、これは注意が必要です。袋の開けた口を縛ったりは挟んだりするだけで保存していては、お米はあっという間に品質を劣化させてしまいます。
なぜ購入時の袋がお米を保存するのに適さないかというと、よほど特殊なお米でない限り、一般的なお米の袋には空気を抜くための穴が開けられているからであり、いくら袋の口をしっかりと閉じていても、この空気穴から湿気を含んだ空気が入り続け、時には害虫の原因になり、さらには酸化も促進させていまうのです。
中には「お米が呼吸するために空いてる穴じゃないの?」と思う人もいるかもしれません。次の項でも解説しますが、お米というのは呼吸をすればするほど味が劣化するため、米の袋は保存に適さないのです。
お米を劣化させる原因とは?
お米を品質を劣化させる3大要因としては次のものが挙げられます。
- 高温
- 湿気
- 酸素
これらを防げるように保存することで、お米は鮮度を保ったままになるため美味しい状態をキープできます。さらに上記の3大要因を細分化させると以下の7種類に分けられます。
- 米の呼吸
- 米の酸化
- 米の乾燥
- 害虫の発生
- カビの発生
- ニオイ移り
上記7種類の中で気になることと言えば「米の呼吸」ではないでしょうか、この事については次の項で解説します。
米の呼吸はなぜ品質を劣化させるのか
予め注意したい事としては、「玄米は呼吸をするが、白米は呼吸をしない」という事です。つまり、普段から精米後の白米しか買わないという人にはあまり関係のない事になります。
米の呼吸というのは、米に含まれている栄養素と酸素による化学反応の事を指し、この活動は米に含まれる含水率と温度が高くなることで活発になり、呼吸をすればするほどにデンプンなどの栄養素が分解されて味が悪くなるのです。
米の呼吸活動は玄米にしか起きませんが、同じような現象として白米にも酸化現象があります。酸化も玄米の呼吸同様に温度の上昇が原因の1つとなるので、保存方法に注意しなければいけません。
お米の正しい保存方法
お米を美味しいままに保存しておくなら以下の4点に注意して保存することがおすすめです。
- 密閉性の高い保存容器にお米を入れる
- 直射日光や高温多湿を避ける
- 容器の米を全て使い切ってから入れ替える
- ニオイの強いものの近くで保管しない
上記4点は「場所」と「容器」を工夫するだけで簡単に解決できますし、一般的な家庭であれば今すぐにでも正しい保管方法を実践できるような簡単な方法です。では、正しい保存方法について詳しく解説していきます。
お米の保管場所
お米を美味しい状態で保管するには冷蔵庫の野菜室がおすすめです。
お米というのは「生鮮食品」のカテゴリーになります。そのため、いつでも一定の温度や湿度を保ってくれる冷蔵庫の野菜室というのは、お米を保存するのに最適な場所といえるでしょう。
よく、お米をキッチンの周りやシンクの下などで保管している人を見かけますが、これはお米の品質を著しく低下させる可能性があるので要注意!キッチンでは火や水を使用するだけでなく、冷蔵庫などの家電製品も熱を放出するため、お米を美味しいまま保存するにはあまりにも不向きな場所と言えます。
もちろん、キッチン以外の場所であれば、それなりにお米の保存に適した場所もあるかもしれませんが、冷蔵庫の野菜室を超えるベストポジションは他に無いと言って過言ではありません。
お米の保管容器
お米を美味しい状態で保管するにはペットボトルの使用がおすすめです。
お米を保存するためのプラスチック製の米櫃なども販売されていますが、専用のものを用意する必要は特になく、2リットルサイズのペットボトルに入れておくことで、空気を遮断できるため乾燥や加湿を防ぎつつ、食品からのニオイ移りも防ぎ、さらには保存場所として最適な冷蔵庫にもピッタリとフィットします。
ニオイ移りを防ぐためにも、できれば水の入っていたペットボトルを使用するのがおすすめです。
害虫の予防方法
害虫予防には「温度や湿度」と「対策アイテム」の使用が重要となります。
害虫対策用としては乾燥させた唐辛子(鷹の爪)を入れておくのがおすすめです。市販されている防虫グッズもありますが、ペットボトルで保存する場合はサイズ的に入らないことも多いので注意しましょう。
また、米にわきやすい害虫は、温度が20℃を超えると活発に繁殖を始めますので、温度や湿度にも気を配った保管が重要となります。
お米の長期保存方法
お米を美味しいままに長期保存するときは、長期的に保存できる正しい方法を実践することに加えて、長期保存をあけてから5〜10キロ程度のお米を食べきるまでの期間における正しい保管を実践する必要があります。
例えば一人暮らしの人が10キロのお米を1年間正しい方法で美味しいままに保存したとしても、美味しく食べられる期間と言われる2週間で食べきることはできないため、適切な量を適切な方法で保存することが大切です。
また、お米を長期保存したいという人の多くは、近年多発している自然災害などに備えるという意味も込めて保存方法を考えている場合も多いと思います。そうなると20~30キロ近い量のお米を長期保存することも視野に入れなければなりませんから、冷蔵庫を使った保存ではスペースが確保できなくなります。
そこで、長期保存におすすめなのが「無酸素保存」となります。
お米を無酸素状態して保存する
お米の無酸素保存というと難しそうなイメージを抱くかもしれませんが、必要なものだけ準備すれば袋に入れておしまい!とっても簡単な保存方法なため、どなたでも実践しやすくおすすめです。
無酸素保存に必要な物
簡単に言ってしまえば、空気を遮断できる容器に、酸素を抜く材料を入れて、内部の酸素を無くしてしまうという方法でお米を保存するのが、この無酸素保存と言われる方法です。
お米を酸素遮断袋に入れたら、使い捨てカイロやエージレスと呼ばれる脱酸素剤を入れて密閉するだけで完成!酸素遮断袋の代わりに、一斗缶やお菓子の缶などを使用して、テープなどで密閉することでも脱酸素状態をつくれます。
きちんと脱酸素状態にできたお米であれば、1年以上の長期保存でも新鮮なままキープできますし、作業もコストも手軽なため備蓄のための長期保存なら脱酸素保存がおすすめです。
5年間保存できる冬眠米にも注目!
上の項で解説した無酸素状態の保存を、炭酸ガス封入技術と密着包装を組み合わせて作られた「冬眠米」というお米も販売されています。今持っているお米を保存するのではなく、災害時の備蓄としてお米を保存したいという人は、保存方法を考えるだけでなく、こういった長期保存米を活用するのもおすすめです。
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