緑茶って何?日本茶って何?
日本人に最も馴染みのあるお茶である緑茶。遥か昔から現在に至るまで非常に多くの人に愛されているお茶であり、夏は冷茶・冬は暖かいお茶として通年で楽しまれています。
私たち日本人に馴染み深いお茶ではありますが、緑茶とは一体どのようなお茶なのか、ここでは緑茶(日本茶)について紹介していきます。
スポンサーリンク
緑茶とは?
ツバキ科ツバキ属の常緑樹の「チャノキ」の葉から作った茶の一種で、摘み取った茶葉を加熱することによって発酵するのを妨げた不発酵茶を指します。日本でよく飲まれているお茶であり、栽培方法や製法によって様々な種類の緑茶が存在します。
緑茶は日本だけではなく、中国にも緑茶は存在しており、ジャスミン茶などの中国茶も基本的には緑茶として分類されています。
日本茶とは?
緑茶と同じような言葉の使われ方をされている日本茶ですが、緑茶と日本茶の違いはあるのか紹介していきます。
緑茶は上述した通り定義されていますが、日本茶は明確には定義されていない名前です。日本茶とは「日本のお茶」や「日本で作られたお茶」、「日本でよく飲まれる種類のお茶」という意味合いで使われている言葉であり、日常会話で用いられる口語としての呼び名です。
簡単に言ってしまうと緑茶のニックネームのようなニュアンスの役割を果たしているのが日本茶という呼び名です。普段話す分には緑茶も日本茶も同じ意味なので、普通に話し言葉として使ってもまったく問題ありません。
緑茶の種類
緑茶は栽培方法や製法によって様々な種類が存在します。もちろん緑茶の種類によって味わいや香りに違いがあるので、緑茶選びの時の参考にしてみてください。
- 煎茶
程よい渋みと爽やかな香り、すっきりとした飲み口が特徴。日本で最も一般的な緑茶の種類。 - 玉露
渋みが比較的少なく、深いコクと旨みが特徴。一般的には高級とされている緑茶。 - 抹茶
茶臼などを使用して碾茶を粉末状にした緑茶。茶道に用いられる以外にもお菓子に利用されることも多い。 - ほうじ茶
茶葉を焙煎することによってできあがる緑茶。香ばしい香りが特徴。 - 玄米茶
番茶や煎茶に炒るなどした玄米をブレンドした緑茶の一種。すっきりとした味わいと香ばしい香りが特徴。
上記以外にも緑茶には多くの種類があります。それぞれ特徴的な緑茶となっているので、詳しく知りたい人は以下のリンクをチェックしてみてください。
緑茶の製法
日本の緑茶の製法は以下の工程を行います。
- 栽培
- 収穫
- 蒸熱(じょうねつ)
- 粗揉(そじゅう)
- 揉捻(じゅうねん)
- 中揉(ちゅうじゅう)
- 精捻(せいねん)
- 乾燥
- 篩分(しぶん)・切断
- 木茎分離(きくきぶんり)
1、栽培
緑茶は栽培の段階で種類分けされるものもあるので重要な工程です。ここの工程で煎茶や玉露など、どの緑茶になるのか決まる種類もあります。
2、収穫
日本では一般的には年に4回収獲されています。収穫時期によって種類分けされているので紹介します。あくまで一般的な収穫時期なので、地域や気候によって多少前後する場合があります。
一番茶・新茶
4月から5月にかけて収穫されるのが一番茶・新茶です。前年最後の収獲以降の栄養が蓄えられており、味と香りにおいて最高品質の緑茶です。茶葉が柔らかいのも特徴です。
二番茶
一番茶を収穫してから1か月ほど待機させてから、6月に収獲されるのが二番茶です。一番茶ほどではありませんが品質が高い緑茶です。
三番茶・夏茶
二番茶が収獲されてから1か月ほど待機させてから、7月から8月に収獲されるのが三番茶・夏茶です。三番茶ともなると一番茶・二番茶と比べるとさすがに品質は落ちてしまいます。
四番茶・秋茶
9月下旬から10月初旬に収穫されるのが四番茶・秋茶です。茶葉は大きいものの品質が良いわけではなく、一般的には三番茶とブレンドして番茶として利用されます。
3、蒸熱(じょうねつ)
蒸して熱を加えることによって、茶葉に含まれる酵素の酸化発酵を抑えます。緑茶を製造する上で重要な工程のひとつです。ここで発酵させると紅茶になっていくので、お茶が緑茶になるか・紅茶になるかはここで決まります。
その他にも日本で最も一般的に飲まれている煎茶の種類もここで決まります。蒸熱をどの程度したかによって、中蒸しといわれる普通の煎茶や、コクがありまろやかな味わいの深蒸しなどの種類に分かれます。
4、粗揉(そじゅう)
後の工程で茶葉を揉みやすくする為に、熱風によって色や香りを保ちながら乾燥させる工程です。
5、揉捻(じゅうねん)
葉脈や茎など乾燥しづらい部分を揉みだすことによって水分を均一にする為の工程です。揉みだす工程は揉捻のみになるので、緑茶の仕上がりに関わる重要なポイントです。
6、中揉(ちゅうじゅう)
次の精捻で茶葉を揉むのに適した状態にする為の工程です。茶葉が玉になったままだと品質が劣化してしまいます。
7、精捻(せいねん)
熱と力を加えることによって茶葉の形を整える工程です。
8、乾燥
文字通り茶葉をしっかりと乾燥させる為の工程です。茶葉の水分含有量を約10%~13%を5%まで下げます。
9、篩分(しぶん)・切断
ふるいを使って細かい茶葉を選り分ける工程です。
10、木茎分離(きくきぶんり)
茶の若枝、茶葉の柄、新芽の茎を取り除く工程です。取り除いた茎などを使用した茎茶という種類もあります。
緑茶の用途
緑茶は飲用としてだけでなく、料理をはじめとした様々な用途で活用されているので以下で紹介していきます。
- 料理
緑茶をかけるお茶漬けや緑茶を使用して米を炊く茶飯が有名でしょう。他にも茶葉を天ぷらやかき揚げにする料理もあります。 - 調味
緑茶の一種である抹茶を使用し、そばに加えた茶そばや塩と合わせて天ぷらの味付けとして用いられています。抹茶風味のお菓子にも使用されます。 - 医薬品
緑茶に含まれているテオフィリンという苦み成分は、気管支拡張剤の原料として活用されています。 - 香料
緑茶は爽やかな香りを持っているので、その特徴を活かして入浴剤や制汗剤にも使用されています。 - 抗菌
緑茶に豊富に含まれているカテキンは抗菌・抗ウィルス作用があるので、シャンプーやタオル、寝具などにも利用されています。
緑茶の効果・効能
緑茶は健康から美容など、幅広い効果・効能がある優れた飲み物です。科学的に立証されているので信憑性も高く、手軽に飲むことができるお茶なのでぜひ健康や美容の為にも飲むようにしましょう。
- 生活習慣病予防
- ダイエット効果
- 虫歯・口臭予防
- インフルエンザ・食中毒・ガン予防
などなど。
これだけでも十分飲む価値があると思いますが、上記4つ以外にも様々な効果・効能があります。詳しく知りたい人な以下のリンクをチェックしてみてください。
日本以外での緑茶の扱い
中国や台湾でもペットボトルなどの緑茶が販売されていますが、ハチミツや砂糖が加えられており、中にはレモン果汁が入っているものもあります。中国や台湾だけでなく、健康ブームの中で緑茶が注目されているオーストリアの緑茶も砂糖などが加えられています。
アメリカでは緑茶のストレートだと味が薄く感じるようで、フレーバーを加えて飲んでいることがあります。日本以外での緑茶の楽しまれ方は、まるで日本人の紅茶の飲み方のような印象を受けます。