本当に美味しい!ジンベースのおすすめカクテルと作り方
世界4大スピリットの1つとして有名なジンですが、その独特の香りからストレートやロックで飲むのは憚られるという方も少なくないでしょう。そんな方々におすすめの飲み方の1つとしてカクテルで飲んでみてはいかがでしょうか?
ジンをベースにしたカクテルはいくつもあり、どれもが世界中で愛されています。その中でも特に美味しいものはバーなどでは定番としてよく飲まれています。そこでこちらでは本当に美味しいジンベースのおすすめカクテルをご紹介していきます。
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ジントニック
まずはジンのカクテルとして真っ先に思い浮かぶであろうジントニックです。カクテルを飲んだことがない方も、ジントニックの名前くらいは聞いたことはあるのではないでしょうか?
ジントニックにはドライジンが使われることが多いですが、これはこのカクテルを作った経緯に由来します。ドライジンの主産地はイギリスのロンドンであったことからロンドンジンとも呼ばれるドライジンですが、このイギリスの人々の中で熱帯植民地で働く移民は健康飲料としてトニックウォーターが飲まれていました。
同様にジンも労働者には好まれており、このトニックウォーターとジンを混ぜたらどうなるのか、という興味本位から生まれ大好評だったことでカクテルとして作られるようになり、第二次世界大戦には世界中に広がったと言われています。
現在ジンをベースに作ったカクテルの中では最もよく知られているのは先述しましたが、人気に火が付いたのはその味わいと、作り方が非常に簡単であるところにあります。
ここでジントニックのカクテルタイプやテイストなどをまとめておきましょう。
- カクテルタイプ:ロング
- グラス:タンブラー
- テイスト:中甘辛口
- 色:透明
- アルコール度数:14%前後
- 製法:ビルド
カクテルを味わう上で大事なポイントの1つにカクテルタイプがありますが、ジントニックはロングとなっています。ロングで作られると言うことは、少し長い時間かけて飲んでも美味しくいただけるカクテルです。つまりジントニックは話しながら飲んでもその美味しさを損なうことなく飲めるカクテルということです。
味については中甘辛口ということで、甘さの中にピリッとした辛みが絶妙な風味となっています。ただこれはバーやジンの銘柄によっても多少変わるので、イメージとしてください。アルコール度数は低めの14%前後になっているのも特徴となっています。
ジントニックの材料
まずは材料です。必要なものと必要な分量は以下の通りになります。
- ジン:1/4
- トニックウォーター:3/4
一見すると単位がmlではないので分かりにくいかもしれませんが、これはグラスの中に注ぐ割合になります。つまり作る量に対してジンを1/4、トニックウォーターを3/4注ぐと言うことになります。比率で言えば1:3の割合で注ぐと言うことですね。
ジントニックの作り方
続いて作り方ですが、こちらはいたって簡単です。
- 氷を入れたグラスに注ぐ。
- 軽くかき混ぜ、好みでライムやレモンを飾る。
ただ入れて混ぜるだけで出来るので、是非ご家庭でも作ってみてください。
>>ジントニックの作り方とアレンジ方法について詳しくはコチラ
マティーニ
マティーニは数々の逸話が語られるほど有名なカクテルであり、その完成度から「カクテルの中の傑作」、「カクテルの帝王」とまで称されています。
1910年代にニューヨークのニッカボッカー・ホテルに在籍していたマルティーニという名のバーテンダーが考案したことから、この名が付けられたとされていますが、これは諸説の1つです。他にもマティーニの原型となったカクテルに、イタリアのマルティーニ・エ・ロッシ社製のベルモットを使っていたなどの説もあります。
作られた当初は甘口でしたが、時代の変遷とともに辛口へと変化してきました。これはスイートベルモットからドライベルモットへと材料が変化したためでもあります。そのため、デコレーションにもオリーブを使い辛口を損なわないようにしているのも特徴です。
これは一般的な辛口のカクテルにはオリーブを使うというものを忠実に守ったものであり、そのおかげでマティーニの辛口をより際立たせることができるのです。ちなみに甘いカクテルにはチェリーを使うのが一般的です。
材料に使われるベルモットもお酒であり、これは白ワインを主体としニガヨモギなどの香草が配合されたフレーバーワインなので、この香りがほんのりとするカクテルとなっています。その辛口のテイストと、ベルモットの香りが特徴的なカクテルがマティーニです。
- カクテルタイプ:ショート
- グラス:カクテルグラス
- テイスト:辛口
- 色:透明
- アルコール度数:25%以上(35%)
- 製法:ステア
マティーニの材料
それでは材料や作り方も見ていきましょう。材料は以下の通りですが、ジンが多めなのが特徴です。
- ジン:4/5
- ベルモット:1/5
ご覧の通り、ジンとベルモットの比率は4:1となります。
マティーニの作り方
続いて作り方です。ステアについてはこのページの最後にまとめさせていただいていますので、そちらをご覧ください。
- ステアしカクテルグラスに注ぐ。
- 好みでオリーブを飾る。
ギムレット
ギムレットはレイモンド・チャンドラー著「長いお別れ」に登場し、「ギムレットには早すぎる」の名台詞によって世界的に有名になりました。
その誕生は1890年にまで遡り、当時のイギリス海軍将校にはジン、船員にはラムを水割りにして配給していましたが、海軍軍医のギムレット卿が健康のためにジンをライムジュースで薄めて飲むように提唱したのが始まりと言われています。
ライムを使っているため、柑橘系の爽やかな香りとともにいただける中甘辛口のカクテルとなっています。その爽やかな香りのおかげでジン特有の香りがあまり気にならず飲むことができるカクテルでもあります。
香り付けをするには生のライムを絞ったものを使うとよりフレッシュな香りになりますが、その場合、甘味がないため砂糖やガムシロップなどで味付けをすることもあるカクテルでもあります。このせいもあってか、作り手によってレシピが異なるカクテルの代表ともなっているのが特徴です。
- カクテルタイプ:ショート
- グラス:カクテルグラス
- テイスト:中甘辛口
- 色:透明
- アルコール度数:25%以上(29~35%)
- 製法:シェーク
ギムレットの材料
それでは材料です。こちらもマティーニ同様、ジンが多めになっています。
- ジン:3/4
- フレッシュライムジュース:1/4
こちらの比率はジン:フレッシュライムジュース=3:4となります。
ギムレットの作り方
続いて作り方になります。こちらもシェイクをしなければいけない以外は簡単な作り方になっています。
- ジンとフレッシュライムジュースをシェイクする。
- カクテルグラスに注ぐ。
トムコリンズ
トムコリンズは19世紀半ばのロンドン・ハノーバー街コンデュイット通りあった「リマーズ・コーナー」という店のボーイ長ジョン・コリンズが作ったとされるカクテルです。
作った当初こそ自身の名をそのままカクテルの名前にしていましたが、ベースに使うジンをジュネバジンからオールド・トム・ジンに変えたことにより、現在の名前を命名したとされています。
第二次世界大戦以降はドライジンを使うのが主流になりましたが、その名は今も語り継がれ使われています。そのため自宅で作る時はドライジンでもオールド・トム・ジンでも作ることができます。
材料にレモンを使用しているため、さっぱりとした酸味と甘味のある風味と爽やかな香りが特徴の飲みやすいカクテルとなっています。ただこれも作り手によって変わることがあります。また注ぐグラスはコリンズグラスという専用のものがあるのも、このカクテルの特徴です。
ちなみに、材料も作り方も同じで分量だけが異なるジンフィズというカクテルがあり、こちらはアメリカで生まれています。
- カクテルタイプ:ロング
- グラス:コリンズグラス
- テイスト:中甘辛口
- 色:透明
- アルコール度数:12%
- 製法:シェーク
トムコリンズの材料
それではトムコリンズの材料をご紹介していきましょう。これまでと違って使う材料が少し多めです。
- ジン:3/4
- フレッシュレモンジュース:1/4
- 砂糖:小さじ2杯
- ソーダ:好みの量
こちらはジンをベースとしているので、比率はジン:フレッシュレモンジュース=3:1です。
トムコリンズの作り方
続いて作り方ですが、こちらもこれ前のものと比べると工程が多いので、よく読んでから作ってみてください。
- ソーダ以外をシェイクする。
- 氷を入れたグラスに注ぐ。
- ソーダを入れて軽くステアする。
- レモンやチェリーを好みで飾る。
>>トムコリンズの作り方とアレンジ方法について詳しくはコチラ
シンガポールスリング
シンガポールスリングはその名の由来通り、1915年にシンガポールにあるラッフルズ・ホテルのバーテンダーであった厳崇文が作り上げたカクテルとして知られています。スリングとはドイツ語で飲み込む(Schlingen)から来ています。
使う材料はいくつか違いがありますが、基本的にはスピリッツに甘味と酸味を加えているため、甘さと酸っぱさが絶妙なトロピカルなテイストとなっています。そのためトロピカルカクテルの傑作とも言われています。香りはジン特有のものと、チェリーリキュールの甘い香りがする口当たりの良いものとなっているのが特徴です。
- カクテルタイプ:ロング
- グラス:タンブラー
- テイスト:中甘辛口
- 色:赤
- アルコール度数:16%前後
- 製法:シェーク
シンガポールスリングの材料
それでは材料と作り方です。材料にはジンのほか、リキュールやジュースを使用します。
- ジン:3/5
- チェリーリキュール:1/5
- フレッシュレモンジュース:1/5
- 砂糖:小さじ1
- ソーダ:好みの量
こちらの比率はジン:チェリーリキュール:フレッシュレモンジュース=3:1:1になります。
シンガポールスリングの作り方
作り方は以下の通りです。こちらもシェイクを行いますので、巻末を参考にしてください。
- ソーダ以外をシェイクする。
- 氷を入れたグラスに注ぐ。
- ソーダを入れて軽くステアする。
- レモンやチェリーを好みで飾る。
ホワイトレディ
ホワイトレディは1919年にロンドンの「シローズ・クラブ」に所属していた名バーテンダーとして知らぬ人はいなかったハリー・マッケンホルンが考案したカクテルです。ちなみにこのクラブはヨーロッパで最もファッショナブルなナイトスポットとして有名でした。
ペパーミントリキュールをベースとして考案されましたが、彼がパリに移ったあとはドライジンに変えたこともあり。このカクテルが現在のように広く愛されるようになりました。
またドライジンをブランデーに変えると「サイドカー」、ウォッカに変えると「バラライカ」、ラム酒に変えると「X.Y.Z.」として飲まれています。ジン特有の香りの後に柑橘の風味が強く鼻に通り、甘味と酸味のバランスが取れた味となっています。
- カクテルタイプ:ショート
- グラス:カクテルグラス
- テイスト:中甘辛口
- 色:白
- アルコール度数:25%以上(29%)
- 製法:シェーク
ホワイトレディの材料
それではこちらも材料から見ていきましょう。
- ジン:1/2
- ホワイトキュラソー:1/4
- フレッシュレモンジュース:1/4
こちらの比率は上から順番に2:1:1の割合で混ぜれば上手くできます。
ホワイトレディの作り方
続いて作り方ですが、基本的には材料を混ぜてシェイクすることになります。
- シェイクする。
- カクテルグラスに注ぐ。
ジンリッキー
19世紀のアメリカ、首都であるワシントンD.C.の「シューメーカー」というレストランで夏向きの爽やかなカクテルとして考案された飲み物です。これを最初に飲んだ客がジム・リッキーであったことから、その名をもらい命名されました。
生のライムを絞ることで、さっぱりとした香りと酸味が爽やかな風味となり、飲みやすいカクテルに仕上がっています。またジントニックよりもアルコール度数も低いことから、トニックが苦手という方でも楽しめるカクテルとなっています。またマドラーで好みの味加減にライムを潰して楽しめるのが特徴となっています。
- カクテルタイプ:ロング
- グラス:タンブラー
- テイスト:中甘辛口
- 色:透明
- アルコール度数:13~14%
- 製法:ビルド
ジンリッキーの材料
それでは材料に移りましょう。こちらはライムが1/2個となっていますが、上記のように好みの量を入れることで味加減を調整できます。
- ジン:1/3
- ソーダ:2/3
- ライム:1/2個
またジンとソーダの比率は1:2になります。
ジンリッキーの作り方
それでは作り方です。ジントニック同様、製法はビルドなので作り方が簡単なカクテルです。
- グラスにライムを搾り、そのままグラスにライムを落とす。
- 氷とジンをグラスに入れる。
- ソーダを加えてマドラーを添える。
カクテルの用語について
それでは説明の上でいくつか出てきたカクテルの用語についてこちらでは扱っていきたいと思います。ご存知の方もみえると思いますが、初めての方もみえると思うのでこちらで知っていただければと思います。
カクテルタイプ
まずはカクテルタイプです。こちらはロングとショートどちらかになりますが、この名称と使っているグラスから、ついついグラスの大きさ、あるいは長さと誤解されがちですが、大きな間違いです。そう思って語ると恥をかきます。
実際にはそのグラスで全て飲み干すために最適な時間をロング、ショートで分類しています。そのためグラスの大きさと対応していますのです。正確にはロング=long time cocktails、ショート=short time cocktailsと呼ばれます。基本としては以下の分け方になります。
ロング(long time cocktails)
飲み干すのに30~40分程度を前提として作られます。これはある程度時間がかかっても適した冷たさや味が損なわれることが少ないためです。アルコール度数低めのものが多く、量が多いのが特徴です。
そのため丈の長いグラスに作ることが多いため、グラス内で直接混ぜたり、シェーカーで混ぜたものをグラスにて炭酸やジュースと混ぜ合わせたりする作り方が一般的です。
ショート(short time cocktails)
飲み干すのに10~20分程度を前提として作られる、量が少なめのカクテルです。アルコール度数が高めで、冷たさと味が損なわれやすいものがこのタイプに当たります。
味や香り、アルコール度数が強いお酒を混ぜ合わせることが多いので、専用のシェーカーなどを使い、まろやかになるよう冷やしながら混ぜ合わせ、グラスに注ぐため、氷もほとんど入っていないのが特徴です。それ故にアルコール度数も高くなり、冷たさが保たれる時間も短いのです。
カクテルの製法
カクテルの製法は「ビルド」「シェーク」「ステア」「ブレンド」があります。今回ご紹介した中にはブレンドはありませんが、こちらも一緒に簡単にですがご紹介しておきます。
- ビルド
- シェーク
- ステア
- ブレンド
ビルド
ビルドは最も簡単な製法で、特に器具を必要としません。基本的にはグラスに氷とベースとなるお酒を入れ、ジュースやリキュールなど必要な分量で満たし混ぜるだけになります。ただしこの方法ができるのはロングタイプのカクテルだけですので注意してください。
シェーク
こちらは名前の通り、シェイクをしなければいけないのでシェーカーが必要となります。シェーカーの使い方には多少コツがいりますが、基本はシェーカーに氷とベースとなるお酒、その他の材料を必要分入れ、振って作ります。ドラマなどで見るバーテンダーの振り方ですが、強く振りすぎたり長く振りすぎたりすると水っぽくなるので、慣れるまでは難しいかもしれません。
ステア
ステアはマティーニを作る時に使われる方法ですが、こちらもミキシンググラスとストレーナーという器具を使います。ステアとは混ぜるという意味になるのですが、この器具を使って混ぜる技法がステアになります。
ミキシンググラスに氷と材料を入れ、バースプーンで混ぜ合わせ、氷を取り除くためにストレーナーをミキシンググラスにセットして、グラスに注ぐ際にカクテルと氷を分離しながら注ぎます。シェーカーと違い、器具さえあれば比較的簡単に作れます。
ブレンド
こちらはブレンダー、つまりミキサーを使って作る技法です。こちらで出来るカクテルはシャーベット状になるのですが、作り方はクラッシュドアイスと材料をブレンダーに入れ、ブレンドするという方法になります。
ブレンダーからは直接注ぐのではなく、バースプーンを使ってグラスにいれ、短くカットしたストローを2本添えて完成です。フローズンカクテルを作るのに使う技法になります。
カクテルの分量
最後にカクテルの分量についてです。比率としてご紹介しましたが、基本的にカクテルは1杯分を毎回量って作ります。そのため分量自体は大体決まってきます。
例えばカクテルグラスに注いだ時の適量60mlを「1」とした時、それに対してどれくらいかを表したものになります。カクテルグラスを使用するマティーニを例に考えてみましょう。マティーニの材料は、
- ジン:4/5
- ベルモット:1/5
であったので、カクテルグラスの適量60mlに対して、
- ジン:60 ml × 4/5 = 48ml
- ベルモット:60 ml × 1/5 = 12ml
となります。ちなみにカクテルグラスの容量は90ml程なので、注ぐ量はその2/3が適量となります。よって60mlで計算しています。他のグラスであっても氷を入れることでかさが増すため、基本的にはカクテルの分量は60mlを基準として考えていただくといいです。
しかしカクテルによって差がありますし、ジントニックのように8オンスや10オンスのタンブラーに注ぐ場合は、全体の分量も120mlや180mlとなり変わりますので計算の際にはお気を付けください。
カクテルで使う特別な単位
料理で言うところの小さじや大さじのように、カクテルでは「tsp(=ティースプーン)」、「dash(=ダッシュ)」という単位があります。
- tsp:1tspは約5ml
- dash:1dashは1ml
またグラスの大きさではオンスが出てきます。正確には液量オンス(計量法では液用オンス)といい、単位はfloz(fluid ounceから)が使用されます。さらにイギリス(英液用オンス)とアメリカ(米液用オンス)で違いがあります。
- 1英液用オンス = 28.4134 ml(イギリス法定で正確には28.4130625 ml)
- 1米液用オンス = 29.5735 ml(アメリカ法定で正確には29.5735295625 ml)
しかしここまで細かいと分かりにくいため、大まかに容積を把握するために、1オンスを約30mlとして換算しています。タンブラーなどのグラスには6オンス、8オンス、10オンスがあるので、それぞれ以下のようになります。グラスを購入する際の参考にしてください。
- 6オンス:180 ml
- 8オンス:240 ml
- 10オンス:300 ml