ヘンドリックスの歴史や特徴とおすすめのジン
ジンの生産地としてはその発祥の地ともされるイギリスやオランダ、ドイツが有名ですが、何もそこでしか作っていないわけではありません。この国よりさらに北に位置し寒さが厳しいスコットランドでも有名な蒸留所はあるのです。
その中でもアメリカの禁酒法時代以降に有名になり、今も愛されるジンを作り続ける銘柄が存在します。こちらではそんな人気のあるヘンドリックスの歴史や特徴とおすすめのジンをご紹介してきます。
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ヘンドリックス(Hendrick's)とは?
ヘンドリックスはスコットランド西部アイアーシャイアー街ガーヴァンを出所とするブランドです。
またグレンフィディックのウィリアム・グラント&サンズ(グランツ社)が作るハンドメイドタイプのスモールバッチ・ジンのブランドとなっています。この蒸留所はウイスキーによって一躍有名となったブランドでもあります。
ヘンドリックスの歴史
ヘンドリックスのジンが生まれたのは1999年とジン全体の歴史の中では比較的新しい商品となります。しかしそこに至るまでの歴史は非常に古く100年以上の歴史があります。
ヘンドリックスジンの製造には2つの単式蒸留器を使用しているのですが、そのうちの1つは1860年にロンドンで製造された銅製のベネットスティルになります。この頃のベネットスティルは不十分ながらも、力強く芳醇なスピリッツを作り出すと評判を得ていました。
1886年にウィリアム・グラントが彼の7人のこども息子と2人の娘と共にスコットランドで家族経営のグレンフィディック蒸留所を開設します。これがグランツ社の前身となりました。それから
翌年の1887年のクリスマスにこの蒸留所の代表作とも言えるシングルモルトウイスキーを製造しました。1920年代にはアメリカの禁酒法が制定されたため、グレンフィディックは生産を増加させた少数の蒸留所の1つとなり、禁酒法が廃止になるまでの間に良質な熟成されたウイスキーを作り、需要の高まりとともにその名は世界に轟くこととなりました。
この後、1948年には蒸留所で使用するもう1台の蒸留器カーターヘッドが製造されました。非常に爽やかで繊細なスピリッツを作り出すという素晴らしい性能を発揮しましたが、カーターは非常に希少で、今日もわずかしか存在していません。
1966年にグラント社のチャールズ・ゴードンがオークションにてベネットスティルとカーターヘッドを購入しています。この年に彼は歴史的なジンのレシピを取得しています。そして1988年にこの2つの蒸留器とレシピを使いジンを発明するため、後にスピリッツの天才児と言われるレスリーグラシーを招き入れます。
それにより、多くの蒸留酒が生まれましたが、どれも基準には達しませんでしたが、この2つの蒸留器の可能性に魅了され、彼らは製造に勤しみました。
そして1999年にゴードンとグラシーはこの2つの蒸留器を使ったプレミアムジン「ヘンドリックスジン」を誕生させました。翌年にはアメリカへ進出し、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションで金賞を受賞してからすぐに販売を開始しました。現在はアジアマーケットにも進出し、世界70カ国で愛されているジンとなっています。
ヘンドリックスのジンの特徴
ヘンドリックスのジンの特徴はその製造方法と風味になります。ヘンドリックスでは11種類のボタニカル(香料植物)を使っています。ジュニパーベリーはもちろん、メドウスウィート、キャラウェーシード、アンジェリカルーツ、カモミール、エルダーフラワー、オレンジピール、コリアンダー、レモンピール、オリスルーツ、キュベブベリーズを使用しています。
これらは毎年世界中からその年の最も品質の高い収穫物を仕入れ、レスリーグラシーにより最高の品質管理が行われています。これらを上記の2つの単式蒸留器を使用して蒸留しています。先述通り、どちらも品質の高い蒸留酒を作り出すアンティークな機械なだけに、出来上がる蒸留酒は2つの特性を併せ持ったものとなっています。
特徴はそれだけではありません。ヘンドリックスジンではさらに薔薇エッセンスオイルをキュウリのエキスを加えて作っています。これにより薔薇の花の香りが強く現れ、また甘さがありつつ、シルクのような輝きを持ちながら口当たりのいい飲み心地となっています。このまろやかな甘味とキュウリによるさっぱりとした口当たりがヘンドリックスの最大の特徴となっています。
ヘンドリックスではこの製造方法にこだわりを持ち、その高い品質を保つためにジンは1種類しか製造していません。それ故に最高品質とも言えるプレミアムジンが作られているのです。
香りを気に入ったという方も多く、薔薇とジュニパーベリーが織りなす少し変わった香りが癖になるという方も少なくありません。価格は少し高めですが、重厚感があるボトルと、高級感のあるラベルから、贈り物として購入されることもある商品です。評価も高いのですが、日本では手に入れにくいのが玉に瑕のようです。
ヘンドリックスのおすすめジン「ヘンドリックス ジン」
現在の価格はコチラ |
それではヘンドリックスのおすすめジンをご紹介していきます。とは言っても、このブランドではヘンドリックスジンのみとなるので、こちらの特徴などを簡単にですがご紹介していきます。
ヘンドリクセンジンは11種類の厳選された品質の高いボタニカルに加えて、薔薇エッセンスオイルとキュウリのエキスを使用することで華やかでフローラル香りとレモンピールの苦みが余韻として広がる、変わり種のジンとして仕上がっています。
しかしその香りも味も奇をてらったものではなく、シルクのような輝きを持ちながら口当たりのいい飲み心地のジンとなっています。
その品質はまさに最高品質となっており、プレミアムジンの名に相応しい出来となっています。このジンで作られるカクテルにはスライスキュウリを浮かべることで不思議な相性を醸し出すとともに、すっきりとしたキレ味と上品な香り味わいのものとなります。
アルコール度数は44%と少し高めですが、ボトルは700mlと1人でも複数人でも楽しみやすい量となっています。