タンカレーの歴史や特徴とおすすめのジン
ジンを嗜む方であれば、タンカレーと言う銘柄を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ジンの中でも非常に品質が高く、高級な商品となっています。しかし、そんなタンカレーのことを詳しく知る方はそんなに多くはありません。
その歴史は非常に古く、伝統的な製法と古くから使われている蒸留器を使って作られるそのジンは、世界でも多くの方に愛されているのです。そこでこちらでは高品質なジンを作るタンカレーの歴史や特徴とおすすめのジンをご紹介していきます。
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タンカレー(Tanqueray)とは?
それではまずタンカレーというブランドについてご紹介していきましょう。タンカレーはイギリスに本拠地を置くタンカレー・ゴードン社のジンブランドです。
日本では東京都中野区中野に本社を置く、ビールや発泡酒を製造する事業子会社・キリンビール株式会社が、海外ではロンドンに本社を置くイギリスの酒造メーカーであり13種類の洋酒ブランドを取り扱うディアジオによって販売されているブランドの1つでもあります。その大元は1830年に創業されたロンドンのブルームスベリーの蒸留所で生まれたジンとその製造者の名から来ています。
タンカレーの歴史
タンカレーという名は元々、20歳でブルースベリーに蒸留所を開いたチャールズ・タンカレーのファーストネームから名づけられています。「今までにない高品質のジンを創る」という信念のもと開発に没頭し、1830年、彼が20歳に作り上げたのがプレミアムジン「タンカレー ロンドン ドライジン」だったとされています。
この製法やレシピは世界で6人しか知らないとされており、門外不出、180年以上に渡り芸術的な味を作り続けています。そんなジンを作り上げた彼も、1868年に58歳という若さで亡くなってしまいます。それでもこの製法が今も生き続けているのは、息子のチャールズ・ウォー・タンカレーが蒸留所と製法を引き継いだためです。
やがてタンカレーは、イギリスの有名ジンブランド・ゴードンと出会い、1898年には買収される形でタンカレー・ゴードン社が設立され、増え続けるジンの需要過多に対応していきました。
第二次世界大戦時には蒸留所が破壊されてしまったものの、1基だけ戦火を免れた蒸留器があり、それは現在でも「オールド・トム」の名で愛され使用されています。その後、いくつかの銘柄を生み出していますが、いずれも有名な銘柄として世界を沸かせることとなりました。
1999年にはプレミア品として、タンカレーが生まれてから9年後の1839年当時のオリジナルレシピを再現して作られた「タンカレーマラッカ・ジン」が、2000年にはタンカレー社の伝統的な製法を再現するために現存している最古の蒸留器で、蒸留所誕生から10番目に製造された小型単式蒸留器「タイニーテン(Tiny Ten)」によって製造されたことから名が付けれれた「タンカレーナンバーテン」が発売されています。
海外での販売は上述の通りディアジオが請け負い、世界50カ国で販売されています。また日本では2009年よりキリンビール株式会社が輸入及び国内販売権を取得し、販売を開始しました。
タンカレーのジンの特徴
タンカレージンの特徴を語る上で、その味を知っていただかないわけにはいきません。ドライジンでありながら、洗練されたすっきりとしたその味わい、そして高品質なボタニカル(香味植物)から生み出される華やかでさわやかな、しかし濃厚とも感じられる豊かで個性的な香りを持つのが特徴となっています。
これは厳選されたボタニカルと生のフルーツを使用することで醸し出される高級感と繊細さを併せ持った味わいのジンとなっています。この味を作り出すため、タンカレーの門外不出のレシピと製法を使っていることは既にご紹介しましたが、その中の1つとして蒸留方法が通常とは違うことが分かっています。
タンカレーナンバーテンが現存する最古の蒸留器を使っていることは記させていただきましたが、こちらを使用し、新鮮な原料を用いて風味を損なわないよう4回の蒸留過程を経ながら少量ずつ製造しているために生まれるプレミアムな味だとされています。
通常ドライジンは連続式蒸留機などを使い2回の蒸留を行うことで、現在の飲みやすいジンを作り出しているのですが、タンカレーではその倍の蒸留回数でジンを製造しているのです。
その味は「ジンのロールス・ロイス」などと称賛されており、数々の賞も受賞してきたほどです。また任期中に暗殺され、悲劇の死を遂げたアメリカ大統領ジョン・F・ケネディも愛したとされています。
タンカレーのジンはそのボトルにも特徴があります。その形はカクテルシェーカーをモチーフとしており、赤い封ロウを模したエンブレムが刻印されています。その値段もやや高めですが、こだわりの製法とデザインがあるからこそであり、多くの方が買い求める商品となっています。
タンカレーを絶賛する方は多く、この値段を気にしないほど好きな方ばかりで、ストレートでもカクテルでも美味しく飲めるその味と香りに魅了されてみえる方ばかりです。ジン好きな方でもジンが苦手な方でも満足させる味がそこにはあります。
先述した銘柄の1つであり、オリジナルレシピで作られたタンカレーマラッカ・ジンは10万本も製造されたにもかかわらず、品薄状態で、ファンの要望に応えるかたちで、欧州のみですが復刻されたほどです。世界を魅了する力がタンカレーにはあると言うことです。
タンカレーのおすすめジン
それではタンカレーのおすすめジンをご紹介していきましょう。いくつかの銘柄がありますが、こちらは特におすすめを2選ご紹介していきたいと思います。
タンカレー ロンドン ドライジン
現在の価格はコチラ |
タンカレーロンドンドライジンは特徴でもご紹介した通り、4回にも及ぶ蒸留によって洗練されたすっきりとしたキレのある味と、厳選された高品質なボタニカルによる、豊かな香りが特徴のジンとなっています。
アルコール度数は47.3%と高めで、容量は750mlのみですが、世界中から愛されるNo.1ジンとしての名声をものにした商品となっています。価格もプレミアムジンながら手が出しやすい値段となっています。
タンカレー ナンバーテン
現在の価格はコチラ |
こちらも先述したようにオリジナル蒸留器であるタイニーテンによって生み出されるジンです。高品質のボタニカルだけでなく、新鮮な生の果物も素材として使用されているので、深い香りと優雅でありながら繊細な味わいを生み出しています。
2000年から2002年までの3年間、サンフランシスコ世界スピリッツ大会でベストスピリッツに選ばれた世界的にも認められた商品でもあります。アルコール度数はロンドンドライジン同様47.3%で容量も750mlとなっています。