初心者でも簡単!美味しいぬか床の作り方と管理方法
ぬか床を初めて作るのはちょっと勇気がいりますよね?手順はこれで合っている?とか、作って失敗をしたらどうしよう…とか、色々と悩みも出てくるかと思います。
しかし、この記事を読めばぬか床の知識がない人でも、問題なくぬか床を作れるようになります。手順や必要なものはもちろんのこと、いくつかの作り方もわかりやすく説明していくので、初めてぬか床作りにチャレンジする人は必見です!
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ぬか床を作るための準備
ぬか床は誰でも簡単に作ることができますが、そうはいっても、全く作ったことがない人にとっては敷居が高いかもしれません。大変な作業は全部無視して、すぐにぬか漬けを始めたい!という人は、市販されている熟成済みのぬか床を購入するのも良い方法だと思います。
さて、ぬか床を作るときに悩んでしまう事といえば、準備と手順と管理です。これさえ覚えてしまえば、あとはぬか床作りを突き進むことができますから、まずは一度覚えてしまいましょう。
覚えるにしてもきちんとしたした説明がなければ、覚えることができません。そこで、ここからは誰でも簡単にぬか床作りができるよう丁寧に説明をしていきます。
まず、ぬか床を作るためには、ある程度の準備が必要になります。この準備を終わらせてしまえば、ぬか床作りの半分は終わったと思って良いでしょう。必要な道具と材料をあらかじめ揃えておき、スムーズにぬか床を作っていきましょう。
ぬか床作りに必要な道具
ぬか床を作る際に必要となってくるのが道具です。そこまでたくさんの種類があるわけではないので、どの家庭でも簡単に揃えることが可能です。
- 保存容器とは別でぬか床を作る場合にはボウル(プラスチック・ステンレス・ガラスなど)
- 水道水を使用するときには、沸騰させるためのやかんや鍋
- 水道水を使用しない場合には、塩素の含まれていない水
- 必要に応じて清潔なサラシや布巾
- フタが閉まるぬか床の保存容器
これだけ用意すればぬか床を作ることができます。どのようにしてぬか床を作っていくのかによって、揃える道具も多少違ってきます。自分で作り方を決めた上で道具を揃えるようにしましょう。
保存容器は、プラスチック、ホーロー、陶器とありますが、どれを使っても問題はありません。材質によって特徴が違ってくるので、容器にこだわるのであれば特徴もチェックするのが、失敗しない選び方です。
ぬか床作りに必要な材料
ぬか床作りには道具も必要ですが、それと同じくらい重要なものが材料です。家庭によって作る量が違ってくるかと思いますが、わかりやすいように、ぬか1kgに合った必要な材料を紹介します。
- 生ぬか・炒りぬかのいずれか1kg
- 皮つきの薄切りショウガを1かけ分
- 捨て漬け用の野菜くずを適量
- だし昆布10~15cmを1枚
- 赤唐辛子を2~4本
- 粗塩140~150g(できれば自然塩)
- 水1200cc
ぬかに関しては好みの問題もあるのでどちらでもかまいませんが、生ぬかの方が美味しくできるという人も多いです。
また、ショウガと赤唐辛子は風味を良くしてくれるほか、防腐作用があります。入れなくてもぬか床はできますが、用意できるなら入れておいた方が良いでしょう。
ぬか床を作る順序
ぬか床を作るための必要なものが揃ったら、次はぬか床を作っていくだけです。そんなに難しくはありませんが、面倒くさがらずに最後までやり通さなければ、食材を漬けても美味しくなくなってしまいます。
ぬか床作りの一番初めにすることはかき混ぜです。このかき混ぜによって乳酸菌がきちんと育つか決まるといっても過言ではありません。何事も最初が肝心なので、覚えるまでは真剣に取り組むようにしましょう。
では、以下で「捨て漬け」ができる状態までのぬか床の作り方を解説していきます。ちなみに、捨て漬けというのはその名の通り、ぬか床を育てるために「漬けた後に捨てる」食材を入れる作業のことです。
①塩水を用意する
ぬか床をかき混ぜるための塩水を用意します。用意した水1200ccと、使用するぬかの重量に対して約13~15%の粗塩を混ぜます。
最初に水の塩素を飛ばすために、用意したやかんや鍋に水を入れて沸騰させます。沸騰させたあとには、あら熱を取り除くために放置して冷まします。
塩素を飛ばすのは、ぬか床に塩素が入ると、乳酸菌や酵母など微生物の働きが抑制されてしまうからです。抑制されると発酵がうまくいかないこともあるので、最初に塩素を飛ばしてしまいます。
ただこれは水道水を使う場合であって、塩素の含まれない市販の水を買うのであれば、その限りではありません。
②ぬかと塩水をかき混ぜる
お湯が冷めたら用意しておいた容器にぬかと塩水を入れ、底の方から均一に混ぜていきます。このとき塩水は全て使わず、調整用として1割りほど残しておきましょう。
かき混ぜたと思っていても、ぬか床に塩水が行き届いていない場合もあります。そのときには、混ざっていないところに調整用として残しておいた塩水を入れ、再度かき混ぜます。
③ぬかの硬さを調整し、ぬか床に旨味食材を入れる
全体的に塩水を含ませることができたら、ぬかを手で掴んでまとまるくらいの硬さにします。ちょうど良い硬さになったら、用意した赤唐辛子を入れてかき混ぜ、次にだし昆布を縦に差し込むように入れます。
④ぬか床の表面をならし容器の汚れを拭き取る
全ての作業が終わったら、ぬか床の表面をならし、容器の周りについたぬかを綺麗な布巾で拭き取れば、捨て漬け前の段取りは終了です。汚れを落とすのは、雑菌やかびの繁殖をおさえるためです。
野菜を入れて捨て漬けをする
捨て漬けをする理由は、ぬか床を熟成させるためです。簡単にいうと、野菜に付着している乳酸菌をぬか床に移すのが目的です。
熟成されていないと、食材を漬けても塩っ辛くておいしくありませんから、美味しいぬか漬けを作るために捨て漬けはとても重要な工程ということになります。
捨て漬けの方法
最初に用意しておいた捨て漬け用の野菜くずを良く洗い水気を切ります。その後、洗った野菜をぬか床に埋め込んでいきます。
野菜を埋め込んだらぬか床の表面をならし、フタをしてから常温で保存します。自宅に冷暗所があれば良いのですが、ない場合、夏場の暑い時期には冷蔵庫に入れることを推奨します。
保存しているときに1日2回程度、ぬか床を底の方が上に来るように良くかき混ぜます。3日くらい捨て漬けをして、野菜がしなってきたら野菜についているぬかを良く落とすと同時に良く搾り、ぬかに戻します。
しなってきた捨て漬け野菜を捨てたあとには、新たに野菜を捨て漬けします。捨て漬け野菜を搾るのは、搾り汁に乳酸菌と栄養分が多く含まれているためで、意味なくやっているわけではありません。
捨て漬け野菜の量は、ぬかの量によって変わってきます。ぬか1kgであれば、キャベツの外葉を3~4枚くらい入れておけば十分でしょう。また、捨て漬けに使った野菜は食べることができますが、塩っ辛いだけでお世辞にも美味しいとはいえません。
捨て漬けに使う野菜は何でも良い?
捨て漬けに使う野菜は何でも良いといえば何でも良いのですが、適しているのは水分が多く含まれている野菜です。たくさんある野菜の中から、捨て漬け向きと不向きの野菜を選んだので、捨て漬けをする際の参考にしてみてください。
捨て漬け向きの野菜
- 大根の頭・しっぽ・皮
- キャベツの外側の葉
- 人参の皮
- カブ
できる限り水分が多くて使わない部分を選ぶのが、野菜の上手な選び方です。食べることができる部分でも問題はありませんが、食べない部分があるのなら優先的に使うようにしましょう。
記事の上部でも解説しましたが、漬け捨ての際に「だし昆布10~15cmを1枚、種を抜いた赤唐辛子2~4本程度」を一緒に入れると味が良くなるのでおすすめです。
ぬか漬けに不向きな野菜
- じゃがいも
- タマネギ
- ごぼう
- トマト
- ナス
- ニラ
- 春菊
- 里芋
なんとなくわかると思いますが、トマトやタマネギはそもそもが捨て漬けには向きません。そのほかの野菜はあくが強いので、捨て漬けに使うのはおすすめできません。
捨て漬けをする期間は?
捨て漬けは、一回やっただけで終わりではありません。かき混ぜて野菜を入れ替えての作業を1~2週間くらい続けます。捨て漬けを繰り返すことによって、ぬか床の菌が活発になり発酵が進んでくれます。
ぬか床の発酵がうまくいくとぬか漬けのにおいになります。逆に失敗をすると異臭を放つので、うまくいったのか失敗したのかはぬか床のにおいでもわかります。
かき混ぜる回数の目安は、夏場が1日2回程度、冬場が1日1回程度です。かき混ぜる目的はぬか床に空気を送り込むためです。空気を送り込まないと空気を嫌う嫌気性の酪酸菌が繁殖して、異臭を放つ原因になってしまいます。
捨て漬けをしたあとのぬか床の手入れ
捨て漬けをして、ぬか床が本格的に熟成するまでに要する期間は、1~3ヶ月といわれています。この期間は、できる限り少量でも野菜を漬けていき、ぬか床を休ませないようにしましょう。
味やにおいにも変化があり、一番楽しい期間でもありますが、おいしくなってきたらぬか床の味と硬さを覚えておきましょう。そうすることでぬかや塩を足したときに、どれくらい足したら良いのか要領がわかるようになります。
ぬか床を作るときの注意点とは?
ぬか床を作っていく中で、順番を守りかつ面倒くさがらずに作れば、失敗をすることはほとんどありません。何度も作っている人はわかっているから良いのですが、初めての人は壁にぶつかることもあるかと思います。
そんな人のために、ぬか床を作るときに注意しなければならない点をまとめてみました。ぬか床作りが順調に行かない人は参考にしてみてください。
- 容器で保存する場合には、虫の侵入・雑菌の繁殖・臭い漏れのことも考えて、容器のフタはきちんと閉める。(密閉したくなければ、ホコリや虫の侵入を避けるため、清潔なサラシまたは布巾をフタに咬ませる。)
- ゴム手袋をしてぬか床をかき混ぜると、ぬか床に臭いがついてしまうおそれがあるので、なるべく使用しない。
- 自分で米ぬかを用意するときには、無農薬・減農薬・有機栽培の新鮮な米ぬかを用意する。
- 捨て漬けをしているときには、定期的なかき混ぜを怠らない。
- 長期間使用しないぬか床を対策もたてずに放置しない。
- カビが生えたり腐敗したぬか床はすぐに対処する。
- 直射日光が当たる場所は避ける。
- ぬか床の水抜きは定期的に行う。
- 温度管理には気をつける。
ここで紹介した注意点は、どれもぬか漬け作りに重要なことばかりです。読んでみると当たり前のことばかりのような気もしますが、ぬか漬け作りはこの当たり前のことが面倒になってしまいます。
ぬか床を作っている段階もそうですが、ぬか床が熟成して完全にできあがるまでは、慎重に管理し丁寧な手入れを心がけましょう。
また、以下でぬか漬け初心者にありがちなトラブルの解消法をまとめましたので、「あれ?うちのぬか床ちょっと変?」と感じた場合は確認しましょう。
ぬか漬けを美味しくする旨味食材
順序通りぬか床を作っていけば、ほとんどの場合美味しいぬか漬けを作ることができます。しかし、ぬか漬けを美味しくするための隠し味的な食材も数多く存在します。
- 煮干…ぬか床の美味しさのベースを作ってくれます。
- 実山椒…旨味アップと同時に香りを引き立たせてくれます。
- 粉からし…防腐効果があり、味を引き締めてくれます。
- 干し椎茸…旨味をアップし、余分な水分も吸収してくれます。
紹介した旨味食材以外にも、入れると美味しくなるという食材は多く存在します。人によって好みもありますから、色々と試してみて、本格オリジナルぬか床を目指しましょう。
タッパーで作るぬか床
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ぬか漬けに使える容器には様々なものがあります。特に、タッパーで作る人は多いようです。タッパーならどこでも売っていますしサイズも豊富、しかも普通の自宅にも置いてあることがほとんどです。
このタッパーを使った、誰でも簡単にできるぬか床作りの方法を、必要なものから順を追って説明していきます。
タッパーで作るぬか床に必要なもの
タッパーのサイズは多いので、自分のライフスタイルに合ったタッパーを使うのが良いでしょう。ここではタッパー用量が1000ml前後のものを使い、冷蔵庫保存を想定して必要なものを揃えてみました。
- 1000ml前後のタッパー
- 米ぬか800g
- ぬるま湯600~800ml
- 粗塩(あれば天然塩)300g
- だし昆布3×5cmを3枚程度
- 干し椎茸3本
- 赤唐辛子3個
- 捨て漬け用の野菜くずを適量
- かき混ぜ用のボウル
揃えるのに、そんなに苦労することなく揃うようなものばかりです。これ以外に実山椒や粉からしなどの旨味食材があれば、さらに美味しくぬか漬けを作ることができます。
ぬか床が熟成するのは数ヶ月くらいかかります。知人などでぬか床を作っている人がいたら、種となるぬかを分けてもらうことで熟成期間も短縮できますし、美味しくできあがる確率が高くなります。
タッパーで作るぬか床の手順
必要なものが揃ったら、いよいよ本格的にぬか床を作っていきます。順番通りに作っていけば失敗することはありません。
- 用意したぬかと塩とぬるま湯をボウルに入れ、手で掴んでまとまるくらいの硬さになるまでかき混ぜます。
- タッパーの底に干し椎茸、だし昆布、赤唐辛子を敷いていきます。
- タッパーにぬかを入れます。
- 捨て漬け用の野菜を良く洗い、水気を切ってぬか床に入れます。
- 捨て漬け野菜の上にぬかをかぶせるように入れていきます。
- 野菜が見えなくなったら、ぬか床の表面をならしていきます。
最初の一週間は朝と晩の2回かき混ぜるようにし、捨て漬け野菜は2~3日くらいで取り替えるようにします。室温が20~25度のちょうど良い温度であれば、常温で保存した方が発酵が進み熟成する速度が早まります。室温があまりにも高くなってしまう夏場などは、冷蔵庫に保存するのが無難です。
かき混ぜるときには同時に水の管理もしましょう。ぬか床に水分が溜まり過ぎてしまうと、ぬか床にダメージを与えてしまうことも考えられます。
ダメージといえばかびですが、混ぜ忘れると表面に白い膜が現れることがあります。それは産膜酵母といって乳酸菌が活発になった証拠なので、かき混ぜても問題ありません。あまりにも大量であれば取り除きましょう。
普通の容器でもタッパーでも、ぬか床の作り方と手入れは基本的には変わりません。捨て漬けをしてから1~2週間くらい経過した頃に食べれるようになります。このときに好みで野菜に塩ずりをしてみたり、旨味食材を加えてみたり色々と試してください。
冷蔵庫保存では発酵速度が遅くなりますから、焦りは禁物です。
ジップロックで作るぬか床
現在の価格はコチラ |
ぬか床は、通常の容器で作るばかりでなく、ジップロックで作ることも可能です。
ぬか床作りの中で一番手間がかからない方法かもしれません。そんなジップロックでのぬか床作りを伝授するので、チャレンジしたい人は、良く読んで実践してみてください。
ジップロックで作るぬか床に必要なもの
ジップロックにも色々とありますが、ここでは、ジップロックスタンディングバッグと呼ばれる、ジップロック自体が自立するぬか漬けに最適な商品を使った場合の材料を揃えていきます。
- 米ぬかを500g
- 水250ml
- 水を沸騰させる鍋
- 粗塩50g(あれば自然塩)
- 5cm角のだし昆布1枚
- ショウガひとかけ分
- 赤唐辛子1本
- 捨て漬け用の野菜くずを適量
ジップロックで作るぬか床の手順
ジップロックスタンディングバッグは、ジップロックでありながら立てて使うことができる優れものです。通常の容器を使っているかのような感覚で、ぬか床を作ることができるのが魅力です。
- 用意した水と粗塩を鍋に入れて沸騰させ、塩を溶かしたら放置して冷まします。
- ジップロックスタンディングバッグに米ぬかと冷ました水を入れてかき混ぜます。
- 手で掴んでまとまるくらいの硬さになったら、だし昆布、赤唐辛子を入れてかき混ぜます。
- ぬか床に捨て漬け用の野菜を入れていき、ぬか床の表面をならしたらジッパーをしっかりと閉め、常温で保存します。
最初の一週間は朝と晩の1日2回バッグ内をかき混ぜるようにし、捨て漬け野菜は2~3日くらいで取り替えるようにします。基本的には常温で保存しても良いのですが、夏場など室温が高くなるときには冷蔵庫で保存した方が、失敗する確率が下がります。
ジップロックは小さいので、水分を取り除くのが困難に思えますが、そんなこともありません。小さめの水抜き器を使えば効率良く水分を取り除くことができます。また、ぬか床の端に窪みを作っておけば、そこに水分が溜まるので、キッチンペーパーなどで吸収することも可能です。
ぬか床作りをサポートしてくれるおすすめアイテム
初めてぬか床を作る人は、うまくいくのか不安な気持ちでいっぱいです。そんな人をサポートするためのおすすめアイテムを紹介します。
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厚みのあるビニールで強度抜群!さらにダブルジッパーでぬか床のにおい漏れも防いでくれます。ジップロックで、ぬか床作りにチャレンジしようと思っている人にはおすすめの製品です。
大野商会/ぬかとっくり小
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とっくり型の形状により、ぬか床の菌が出す発酵ガスを吸い出してくれる優れもの!ぬかに埋め込むだけで不要なガスや水を取り除くことができるので、水抜きの手入れを楽に行いたい人にはおすすめです。