もうダメ?ぬか床にカビが生えた時の対処法
ぬか漬け作りで、誰もが通るかもしれないトラブルがぬか床に生えるカビです。ぬか床に生えたカビを見た瞬間に、初めての人はみんな驚いてしまうことでしょう。しかし、ぬか床のカビのことを知れば知るほど、ぬか漬けの奥深さが良く分かります。
そこで、ぬか漬けのカビに関する疑問を解消していきます。カビの種類や対処法、カビが発生してしまう原因など、細かいところまで追求していきましょう。
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ぬか床にカビが生える原因とは?
ぬか床の状態によっては、カビが生えてしまうこともあります。一生懸命ぬか床を作っていても、カビが生えてしまうとちょっとショックです。
では、何故カビが生えてしまうのでしょうか?その原因は主に以下の4種類だと考えられます。
- ぬか床のかき混ぜ不足
- ぬか床の温度が高い
- ぬか床の塩分が少ない
- ぬか床の水分が多い
ここからは詳しく、ぬか床に生えてしまうカビの原因と、カビを生えなくするためのお手入れ方法を紹介していきます。
ぬか床のかき混ぜ不足
ぬか床にカビが生えてしまう原因としては、ぬか床のかき混ぜ不足が挙げられます。乳酸菌は空気を嫌うので、ぬか床内部には乳酸菌が多く存在します。
それとは反対に、ぬか床の表面は空気に触れることが多いため、乳酸菌が少ないことになります。乳酸菌が多くなるとほかの菌が増えにくいので、乳酸菌が少ない表面にカビが生えてしまいます。
お手入れ方法
ほかの菌を増やさないために、ぬか床全体に満遍なく乳酸菌を割り振らなければなりません。乳酸菌を均一に割り振るために、冬場は1日1回、夏場は1日2回以上は、底の方から持ち上げるようにしてかき混ぜます。
ぬか床の温度が高い
ぬか床に含まれる乳酸菌の適温は、20~25度といわれています。それよりも熱くなると酸が多く出てしまうほか、長期間放置すると、カビが生えてしまう原因になります。
お手入れ方法
冷蔵室や野菜室に保存して、ぬか床を冷やしてあげましょう。冷蔵庫に入りきらない場合には、凍ったペットボトルや蓄冷剤をぬか床に入れることで、冷やすことができます。
ぬか床の塩分が少ない
ぬか床に何度も野菜を漬けていくと、野菜に塩分が吸収されて塩分が少なくなっていきます。塩分が少な過ぎると乳酸菌だけではなく、ほかの菌も活発になり、カビが生える原因になってしまいます。
お手入れ方法
漬けてある野菜やぬか床の量によって違いがありますが、4~5回漬けた後、ぬか床に小さじ1杯くらいの粗塩を加えてかき混ぜます。かき混ぜるときには野菜を全部取り出し、2~3日は野菜を漬けずにぬか床を休ませましょう。
ぬか床の水分が多い
ぬか床に水分が増えてしまうと、美味しく漬けることができないばかりか、雑菌が繁殖しやすい環境を作っていることになります。雑菌が繁殖しやすいということは、カビにとっては良い環境なので、定期的に取り除かなければなりません。
お手入れ方法
キッチンペーパーやスポンジを使って水分を取り除いていきます。市販の水抜き器なら、簡単に水分を取り除くことができるのでおすすめです。足しぬかをすることでも水分を少なくすることができますが、足しぬかだけだと塩分が少なくなるので、必要に応じて塩も一緒に加えましょう。
ぬか床に生えるカビの種類と危険度
ぬか床に生えるカビは一種類だけではありません。白、黒、赤、青、緑、オレンジなど、様々なカビが存在します。
これらの色の中で白以外のカビは、全部危険なカビだと思ってください。
白とそれ以外の色のカビが生えてしまったときには、どのように対処したらいいのかを見ていきましょう。
白いカビが生えたぬか床の対処法
ぬか床の塩分が少なく酸度が強くなると、表面に白いカビのようなものが現れることがあります。これは、産膜酵母と呼ばれるもので、酸素が大好きな菌です。
人によってはピンク色に見える場合もあるかと思います。ただし、ピンク色でフワフワしていたら産膜酵母ではなくカビの可能性があるので注意しましょう。
食べても害は無く、フルーツのような匂いがします。少量であれば問題はありませんが、大量になるとぬか漬けの味が落ちてしまうので対処しなければなりません。
対処法で一番簡単な方法は、冷蔵庫に保存することです。冷蔵庫であれば低温のため発酵がおさまりますから、簡単に改善することができます。
常温で保存する場合には最低でも1日1回、底と表面を入れ替えるようにしてかき混ぜます。一週間くらいすると改善します。
産膜酵母が少ない場合にはそのままかき混ぜても問題ありませんが、多い場合にはぬか漬けの味にも影響が及ぶので、取り除いた方が良いでしょう。
色つきのカビが生えたぬか床の対処法
基本的に白いカビ以外の色つきのカビは、全て危険なカビです。そのため、ぬか床に生えてしまったときには、速やかに取り除くことをおすすめします。
色つきのカビが生えてしまう原因は以下の通りです。
- 動物性の食品をぬか床にたくさん入れた。
- 温かいところに長期間放置した。
- ぬか床のかき混ぜが不十分。
色つきのカビが生えたときの対処法は、ぬか床に生えたカビの部分は全て捨てます。目安としては深さ3cmくらいはごっそりと取り除いて捨て、残りのぬかを取り出します。
取り出したら容器を綺麗に洗い、天日干しをして良く乾かします。綺麗になった容器に取り出したぬかを戻せば、また同じように食材を漬けることができます。
ぬかが足りないようであれば足しぬかをします。足しぬかをするときには、塩を小さじ1杯ほど入れてかき混ぜます。このときに、ぬか床を休ませるために野菜は漬けず、2~3日くらいはかき混ぜるだけにしましょう。
もしも、ぬか床の容器を開けただけでも腐敗臭が凄い場合には、全てのぬかを捨て、新しく作り直した方が無難です。
ぬか床の表面が黒く変色するのはカビではない?
ぬか床の色が黒く変色してしまうと、ほとんどの人はカビだと疑うかもしれません。しかし、黒く変色しているだけではカビではない可能性もあります。
黒く変色する原因とは一体なんなのでしょうか?
ぬか床の腐敗
ぬか床が腐敗してしまうと黒く変色してしまいます。この場合は普通の臭いとは異なるので、すぐにわかります。
手遅れのときもあるので、新しく作り直すことを考えましょう。
ぬか床の酸化
ぬか床に含まれる脂質やミネラルが、空気中の酸素と結びつくことにより、酸化や変色をしてしまった可能性があります。
ぬか床が酸化しているだけの変色であれば、体に害はありませんから、足しぬかをしてかき混ぜることで改善します。
アミノ酸と糖類の反応によるぬか床の変色
ぬか床に含まれるアミノ酸と糖類が反応すると、黒く変色してしまうこともあります。
食品には良くある反応で、醤油が黒いのもこの反応による結果です。特に体に害があるというわけではありませんが、ぬか漬けの風味とは多少異なります。
改善したいのであれば、足しぬかをして必要に応じて塩を足してかき混ぜます。その後、なるべくぬか床を涼しい場所に保存して反応速度を緩めることで改善に向かいます。
カビの生えたぬか床は捨てる?そのまま使う?
カビが生えてしまったぬか床は、カビの発生量によってはそのまま使うことが可能です。白いカビに関しては害ではないので、大量に発生していなければ、基本的にはそのまま使っても問題はありません。
白いカビ以外の色付きのカビは、そのまま使うのは危険ですが、カビの部分を取り除いてから足しぬかをすれば、使うことができます。ただ、ぬか床がほとんどカビでやられていたり、ぬか床全体や底の方まで腐敗臭が凄い時には、捨てることも考えなければなりません。
色つきのカビがぬか床のほとんどをダメにしてしまっても、元気なぬかが少しでも残っていれば、それを種にしてぬか床を作り直すことが可能です。
ぬか床を捨てるにしてもそのまま使うにしても、カビがどこまでぬか床にダメージを与えているのかによって、捨てるか使うかの判断が大きく変わってきます。