本当に多い?ぬか漬けの塩分量と控え方
ぬか漬けは美味しいとはいえ、塩分が多く含まれる食べ物です。適度な量であれば問題はありませんが、食べ過ぎてしまうと体に悪い影響を及ぼしてしまうこともあります。
そこで、ぬか漬けの塩分量を気にしている人のために、ぬか漬けの塩分に関する問題を解決していきます。基本的なぬか漬けの塩分量から、注意点までを詳しく解説していきます。
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ぬか漬けに含まれる塩分量はどれくらい?
ぬか漬けには塩分が多く含まれています。塩分が多く含まれていることは知っていても、どれくらい含まれているのか知っている人は少ないでしょう。
ぬか漬けに含まれる塩分量をある程度知っておくことで、食べたときに、自分がどれくらい塩分を摂取しているのかわかるようになります。
そこで、いくつかの代表的な野菜、100g当たりに含まれる塩分量を表にしました。野菜をぬか漬けにした場合、どれくらいの塩分が含まれているのか見てみましょう。
きゅうり | カブの葉 | 大根 | ナス | カブの根 | |
100g当たりの塩分(g) | 5.3 | 3.8 | 3.8 | 2.5 | 2.2 |
表にすると分かる通り、どの野菜にもたくさんの塩分が含まれていることが分かります。仮に、大根が3切れだと塩分は約0.9gとなっています。ぬか漬けを食べるときには、塩分が多く含まれているということを頭の片隅におくことで、健康的に食べることができます。
1日に食べるぬか漬けの適量は?
日本人が目標とする1日の塩分摂取量は、男性が8.0g未満、女性が7.0g未満となっています。これを1日3回食べると1食の目標塩分摂取量は、男性が2.6g未満、女性が2.3g未満となります。
ただ、これは1日と1食の塩分量なので、この中にぬか漬けが入ると話が違ってきます。もしも、ほかのおかずと一緒にぬか漬けを食べるとしたら、ぬか漬け以外のおかずを減らすか、ぬか漬けを減らすかしなければならないということになります。
大根のぬか漬けなら、10切れも食べればすぐに1食の目標塩分摂取量を越してしまいますから、食べる量には気を遣わなければなりません。
紹介した塩分量は目標摂取量で多少は少なめに設定しています。初めから塩分を控えていなければ、この数字には中々なりにくいのですが、この塩分量を大幅に越すことなく、毎食ぬか漬けを食べていくのが健康への近道です。
ぬか漬けの塩分量を減らす漬け方と食べ方
健康のことを考えて、漬けたぬか漬けの塩分をおさえたいと考える人もたくさんいることでしょう。ぬか床の塩分を下げる方法などもありますが、そこまで手間をかけたくない人にピッタリの方法も存在します。
ここでは塩分量を減らす漬け方と食べ方を紹介します。
ぬか漬けの塩分量を減らす漬け方
塩分量を減らす漬け方にもいくつかあるので、最初にどのようなものがあるのか見ていきましょう。
- 野菜を切らないで漬ける
- 冷蔵庫で漬ける
- 浅漬けにする
野菜を切らないで漬ける方法は、例えばきゅうりだと一本丸ごと漬けるのと縦半分に切って漬けるのとでは、付け上がり時間が倍以上も違ってきます。塩分をあまり多くしたくない場合には、丸ごと一本を漬け、なおかつ漬け時間を短くすることが有効な手段です。
冷蔵庫で漬けると、乳酸菌の活動を抑制することができ、塩分をおさえたぬか漬けができあがります。冷蔵庫に入る容器を使って漬けている場合には、冷蔵庫に入れて漬けるというのも、ひとつの手だということを頭に入れておきましょう。
塩分量を減らす一番簡単な方法としては、浅漬けにすることです。浅漬けは単に漬け時間を短縮するだけで良いので、時間も手間もかかりません。自分が使用しているぬか床でどれくらいの時間であれば、塩分をおさえたぬか漬けができるのかを覚えておくことがポイントです。
ぬか漬けの塩分量を減らす食べ方
漬けすぎて少ししょっぱくなってしまったり、少しでも塩分をおさえいたい人は、塩分量を減らす食べ方もあります。塩分量を減らす食べ方にはどのような方法があるのでしょうか?
- 塩抜きをする
- 漬けた食材を搾る
代表的な方法は上記の2点です。塩抜きはぬか床から取り出した食材を、5~10分程度水に浸しておくことで自然と塩分が抜けてくれます。水に浸してしまうと、多少水っぽくなったり味が薄過ぎてしまうこともありますが、1滴程度の醤油をたらすことで美味しく食べることができます。
もうひとつは、ぬか床から取り出した食材を搾るだけです。これだけで塩分が抜けてくれます。ギュッと搾るのか軽く搾るのかで塩分の抜け方も多少違ってきますから、搾り加減にも注意しましょう。食材によって搾ることが困難なものもあるので、そのときには無理して搾ることは避けましょう。
ぬか漬けを食べるときの注意点
ぬか漬けには塩分が多く含まれているので、食べるときに注意しなければならないこともあります。ぬか漬けを食べる上で、一番注意しなければならないのは塩分の摂取量です。ぬか漬けを食べて塩分を摂り過ぎてしまうと、体に良くない様々な症状を引き起こします。
ここでは塩分を摂り過ぎたことによって、体にどのような影響があるのか?病気の人はぬか漬けを食べることができるのか?について解説していきます。
塩分を摂り過ぎたことによる体への影響
毎日でもぬか漬けを食べて健康的に…と考えている人もいるかと思いますが、塩分が多く含まれるぬか漬けをたくさん食べてしまうと、体に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。体に現れる代表的な症状を以下に記していきます。
のどの渇き
塩分を摂り過ぎてしまうと、のどが渇くばかりでなくのどが渇きやすくなります。体内のナトリウムが増え、カリウムの代わりに水分を取り込んで、塩分濃度を薄めようとしたときに起こる現象です。
塩分濃度を薄めるためには水分が必要になるので、その結果のどが渇きます。カリウム不足が考えられるので、普段からカリウムを摂取していれば予防することができます。
血圧の上昇
塩分を摂り過ぎると、血液中の塩分濃度が高まり、体が血液中の塩分を薄めようとします。このときに血液中に水分が取り込まれるのですが、同時に血液の量が増え血管の壁に大きな負担がかかり心臓への負担も大きくなります。このため、血圧が上昇してしまうというわけです。
塩分の多い食事が続けば、今は平気でも将来的に高血圧が慢性化する可能性もあるので、普段から塩分を控えた食事を摂ることが大切です。
むくみが多くなる
塩分を摂り過ぎると、一番分かりやすい症状がむくみです。普段はむくまないのに急にむくみ出したりすると、それは危険信号かもしれません。立ち仕事でむくむ話は良く聞きますが、この場合は足にむくみが発生することが多いです。
塩分を摂り過ぎたことによるむくみは足だけではなく、酷くなれば全身に症状が現れることもあります。塩分の多い食材を食べるときには、塩分の排泄を促すカリウムが含まれる食材を一緒に食べるようにしましょう。そうすることでむくみ予防に繋がります。
病人はぬか漬けを食べても平気?
ぬか漬けは塩分が多く、塩分を摂り過ぎると体に良くないことが起こります。しかし、食べる量を考えれば健康な体を作ってくれるのがぬか漬けの魅力でもあります。健康な人は食べる量に気を付ければぬか漬けを食べることができますが、病気の人は食べることができるのでしょうか?
元々の病気がどのようなものなのかによりますが、仮に腎臓や心臓に疾患を抱えていた場合には、塩分の多い食べ物は控えるのが普通です。健康な人でも控えなければならない塩分ですから、疾患を抱えている人はなおさら控えなければなりません。
腎臓や心臓に疾患を抱えている人に限っては、主治医の支持を仰ぐことが大切です。自分で決めるのではなく医師と相談した上で、自分の病気の状態だと、どれくらいぬか漬けを食べていいのかを聞くようにしましょう。
大きな病院であれば栄養士が在籍していますから、そちらの方に聞いた方がより分かりやすい説明をしてくれます。
ぬか漬けが妊婦に良いといわれるのはなぜ?
ぬか漬けが妊婦に良いといわれる理由はたくさんあります。ぬか漬けにはたくさんの栄養素が含まれていますから当然といえば当然です。ここでは、ぬか漬けがなぜ妊婦に良いのか?というところに注目していきます。
植物性乳酸菌で腸内環境改善!
ぬか漬けに含まれる植物性乳酸菌は、生きて腸まで届く頼れる菌です。植物性乳酸菌が腸まで届くと、腸内バランスを改善し、腸を綺麗にしてくれるだけではなく、免疫力を高めてくれる効果が期待できます。
腸内環境が整った妊婦から産まれる赤ちゃんは、アレルギーやアトピーになりにくいといいますから、母体だけではなく、赤ちゃんにも良いことになります。
また、妊婦にありがちな症状である便秘解消の手助けもしてくれるので、ぬか漬けは妊婦にとってまさにお助け食材なのです。
妊婦のむくみやすい体にはカリウム!
妊婦になるとむくみやすいという声を良く聞きます。このむくみを解消してくれる食材がぬか漬けなのです。生野菜には豊富なカリウムが含まれており、それがむくみの解消に一役買っています。
カリウムは、ナトリウムの排泄を促し血圧を下げる作用があるといわれています。そのため、豊富なカリウムが含まれるぬか漬けを食べることにより、体内に取り込んだ塩分を効率的に外に出してくれます。
カリウムは野菜をぬか漬けにすることでその栄養価がアップします。例を挙げると、生のきゅうりをぬか漬けにすることで、およそ3倍もカリウムの含有量がアップするといわれています。
妊婦の貧血予防には鉄分を!
お腹の赤ちゃんは、お母さんの血液から酸素や栄養などを摂り込むので、妊婦は貧血になりやすい体といえます。貧血は、母体の健康だけではなく授乳にも影響することから、鉄分不足にならないためにも鉄分は摂取しなければなりません。
ぬか漬けに含まれる鉄分は貧血予防には最適です。鉄分だけではなく、ぬか漬けに豊富に含まれるビタミンB6も貧血に効果があるので、ダブルで良い効果をもたらしてくれる期待大です。
赤ちゃんのためにも妊娠をしたら、貧血になる前に少量でもぬか漬けを食べて、鉄分やビタミンB6を補うようにしましょう。
妊婦が食べるぬか漬けの適量は?
妊婦にとって、様々な良い効果をもたらしてくれるぬか漬けですが、食べる量も考えなければなりません。妊婦に良いからといって食べ過ぎてしまえば、母体だけではなく、お腹の赤ちゃんにもダメージを与えてしまうかもしれません。
それに、元々むくみやすい妊婦が、塩分の多いぬか漬けを食べ過ぎてしまえば、さらにむくみやすくなるばかりか、妊娠高血圧症候群を引き起こすことだってあり得ます。
妊婦は、普通の人の体とは違うので、ぬか漬けを食べる量は、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。それ以外にも、1日に使える塩分を決めたり、味付けを薄くするなど工夫をすれば、塩分の摂取量を控えることができます。