漬け方?ぬか床?ぬか漬けがしょっぱい原因と対処法
美味しいぬか漬けは、酸味と塩味が絶妙なバランスで漬けあがります。酸っぱ過ぎずしょっぱ過ぎずで、誰が食べても美味しいものです。このバランスが崩れると、美味しいぬか漬けもまずくなってしまいます。
普通に漬けていたら当然、塩分が染み込んでいくのですが、しょっぱ過ぎてしまうのは何が原因なのでしょうか?トラブルとしても多いぬか漬けのしょっぱいに関しての疑問を、ひとつひとつ解決していきます。
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ぬか漬けがしょっぱい(塩辛い)原因
ぬか漬け自体がしょっぱいのは、ぬか漬けに塩をふりすぎたか、食材を長期間漬けてしまったことが原因です。美味しく食べるつもりがしょっぱ過ぎて食べることができない、なんて経験をした人も多いのではないでしょうか?
仮に漬けた食材がしょっぱくても、しょっぱ過ぎて食べれないだけで、そこまで問題ではありません。「しょっぱいから食べることができないし、捨ててしまおう…」と思うのではなく、しょっぱいぬか漬けをいかにして美味しく食べるのかを考えるほうが得策です。
しかし、ぬか床自体がしょっぱくなってしまっている場合は、ぬか床から塩分を取り除く必要が出てきます。
ぬか床がしょっぱい原因と対策
ぬか床がしょっぱくなってしまう原因はいくつかあります。ひとつは、ぬか床に塩を入れ過ぎてしまったことでしょっぱくなってしまった。もうひとつは、捨て漬けをしていないか、捨て漬けが上手くいっていないことで、ぬか床が熟成されていないことが考えられます。
塩を入れ過ぎたにしても、捨て漬けが上手くいっていないにしても、そのままにしていたら漬けても美味しくはないので、それぞれ対処をしていかなければなりません。美味しいぬか漬けを作るためにも、正しい対処法を頭に入れておきましょう。
ぬか床の熟成不足
ぬか床が熟成不足だと、捨て漬けをしなければなりません。ぬか漬け作りにおいて、捨て漬けはやるべきことなので、忘れないようにしましょう。また、捨て漬けを行っていても、うまくいかなかった場合が考えられます。
捨て漬けをするときには、捨て漬けをした後の本漬けの段階で、ところどころ味の確認をすると、失敗することがなくなります。
捨て漬けを行うときに入れる野菜は何でも良いのですが、水分が多く含まれるキャベツ、かぶ、大根などが適しています。大根やかぶは葉も捨て漬けに使用します。
発酵が進みぬか床が熟成されてくるとぬか漬けの匂いになってくるので、ただ捨て漬けをするだけではなく、匂いも気にするようにしましょう。
また、捨て漬けをすると漬けた野菜は塩分を吸い取ってくれますが、同時に水分も出しますから、水分が多くなり過ぎないように、水抜きなどの手入れも怠らないようにしましょう。
ぬか床に塩の入れ過ぎ
ぬか床に塩を入れすぎると当然しょっぱくなります。ただ単に塩を入れ過ぎてしまったか、漬け込む野菜に塩をたくさんすり込んでしまったことが原因でしょっぱくなります。塩分濃度が高くなると、乳酸菌の活動も抑制されるので、余計にしょっぱくなってしまいます。
対処法としては、足しぬかをします。生ぬかよりも炒りぬかを入れた方が、味が馴染みやすく美味しく漬けることができます。足しぬかをしてからは、乳酸菌の繁殖を手伝うために、2~3日程度は野菜を漬けないでおきましょう。
足しぬかをするときには、初めからたくさん入れないで、少しずつ様子を見ながら足していくのがいいでしょう。少しずつ足しぬかをしていけば、塩分濃度も少しずつ下がっていくので、味が大幅に変化するということはありません。
塩分濃度が高いからといってぬか床の状態を見ずに、水をジャバジャバ入れて薄めるようなことはやめましょう。水浸しになったり味のバランスが崩れると共に、ぬか床自体にもダメージを与えてしまう可能性が高まります。
使っているぬかによって塩加減が違う
ぬか床を作る段階で、どのようなぬかを使っているのかによって塩加減も違ってきます。お米屋さんからもらったりした米ぬかであれば、何も入っていないので塩加減の調節が楽です。市販のぬかの場合には、最初から塩が入っている場合もあります。
塩が入っている市販のぬかを使うときには、野菜にすり込む塩と、ぬか床に入れる塩の加減を間違えてしまうと、しょっぱくなってしまいます。自分でぬか漬けを作るときには、どんなぬかを使っているのかを把握することも大切です。
ぬか床の塩分濃度の下げ方
ぬか床がしょっぱいと、漬けても美味しく漬け上がらない可能性があります。そうならないためにも、塩分濃度は調節しなければなりません。ここでは、ぬか床のかたさによっての塩分濃度を下げる方法をご紹介します。
ぬか床がゆるいとき
ぬか床がゆるいときには、炒りぬかを加えて塩分濃度を下げます。生ぬかでもいいのですが、炒りぬかの方が早めに味が馴染んでくれます。このとき市販のぬかを使うのであれば、塩が入っていないことを確かめましょう。
ぬか床がかたいとき
ぬか床がかたいときには、水を入れることで塩分濃度を下げることができます。ビールや日本酒を入れることで風味や旨味が増すところもポイントです。
水にしてもお酒にしても、ぬか床に入れて薄めるのは良いのですが、入れる量を良く考えましょう。お酒の場合は入れ過ぎてしまうと、アルコールの臭いが強くなるので、注意してください。
ぬか床のかたさを変えたくないとき
ぬか床のかたさをそのままで維持したいときには、使用しているぬかと同じくらいのかたさに炒りぬかを練ります。その後、ぬか床に入れてむらがないように満遍なくかき混ぜます。
ぬかを加えるときには、最初からたくさんのぬかを加えてしまわないように注意しましょう。漬けたときの味や、ぬか床に含まれる菌のバランスが崩れてしまう可能性もあるので、様子を見ながら少しずつ足していきましょう。
ぬか床の塩分濃度を下げたときの注意点
ぬか床の塩分濃度を下げる方法は複数あります。誰でも簡単に下げることが可能ですが、ぬか床の塩分濃度が下がりすぎてしまうと、酵母や乳酸菌が活発化します。
その結果、アルコール臭や酸味が強くなることも考えられるので、塩分濃度を下げるにしても、ぬか床の状態に気を付けながら下げることを心がけましょう。
ぬか床がしょっぱいことによるメリットとデメリット
ぬか床がしょっぱいと、食材を漬ける時間を短縮することができるというメリットがあります。逆にデメリットは、ぬか床を元の塩分濃度に戻す手間がかかります。
食材を漬ける時間が短縮できるのはありがたいことですが、1日で漬け上がるものが1時間で漬け上がるわけではないので、短縮時間を期待して、わざとぬか床をしょっぱくする人はほとんどいないでしょう。
ぬか床がしょっぱくなり過ぎてしまうと、元の塩分濃度に戻す時間はかなりかかってしまいますから、最初から手順通りにぬか床を作っていくのが一番良い方法です。
しょっぱいぬか漬けを美味しく食べる方法
しょっぱいぬか漬けでも、ひと手間加えるだけで美味しいぬか漬けに早変わりします。どのような方法なら、しょっぱいぬか漬けでも美味しく食べることができるのかを見ていきましょう。
しょっぱいぬか漬けの塩抜き
漬けた食材がしょっぱいときには、塩抜きをするのが手っ取り早い方法です。方法はとっても簡単です。漬けた食材を5~10分程度水に浸しておけば塩を抜くことができます。
食材の漬け具合と、味の好みによって水に浸す時間も違ってきますから、味を確認しながら浸していくことをおすすめします。もしも味が薄くなってしまったら、醤油をかければ美味しく食べることができます。
もうひとつの塩抜き方法としては、迎え塩があります。迎え塩は、1.5%程度の濃度の塩水に食材を浸して塩を抜く方法です。この方法で塩抜きをすると、水っぽくなりにくくなるばかりか、旨味も抜けにくくなります。ただ、塩を抜くだけで味が落ちてしまうのを気にする人は、迎え塩をぜひ試してみてください。
しょっぱいぬか漬けを刻んで調味料として使用
ぬか漬けがしょっぱくなっても、塩抜きをせずに美味しく食べることができます。しょっぱくなってしまったぬか漬けを、細かく刻んでチャーハンやお茶漬け、白いご飯などにかけて食べると美味しく食べることができます。
しょっぱいぬか漬けを利用したレシピ
しょっぱくなりすぎたぬか漬けを利用したレシピなんかもあります。せっかく漬けたのですから、美味しく頂きたいですよね?しょっぱいぬか漬けもちょっと手を加えるだけで、食欲をそそるレシピに大変身します。つい漬け過ぎてしまった人は必見です!
材料(3~4人分)
- 漬かりすぎたナスを半分
- 漬かりすぎたきゅうりを半分
- かつお節を適量(量は好みで)
- 白ごまを大さじ1杯程度(すりごまでも、いりごまでもどちらでも)
作り方
- ナスときゅうりのぬか漬けを3~5mmくらいの角切りに刻む。
- 刻んだぬか漬けに白ごまとかつお節を加える。
- 良くかき混ぜて、10分程度味を馴染ませたら完成。
味見をしてしょっぱいようなら、かつお節を入れて調整します。
しょっぱ過ぎて敬遠していたぬか漬けも、ほとんど手間をかけることなく簡単にできあがります。ぬか床から取り出してそのまま食べるぬか漬けも良いですが、たまにはこんなレシピも良いものです。
失敗したから作るのではなく、最初から狙って作るのも良いかもしれませんね?