知っているようで知らない!ヨーグルトとは?
誰もが聞いたことのあるヨーグルトですが、ヨーグルトのことを知っている人はどれくらいいるのでしょうか?食品だということは知っていたとしても、それ以外のことを知っている人は数少ないでしょう。
そこで、ヨーグルトがどのようなものなのか基本的なことから、知っている人も少ない歴史や製造方法までを紹介していきます。
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ヨーグルトについて
ヨーグルトとは発酵乳の一種であり、乳汁を乳酸菌を用いて凝固させた発酵食品のひとつです。
牛乳などに乳酸菌や酵母を加えて発酵させたものですが、牛の他にも羊・ヤギ・馬・水牛の乳を原料にしたヨーグルトもあります。
ヨーグルトを作る際には性格が温厚な動物を選ぶことが多いです。これらの動物は搾乳が行いやすく、乳分泌量も多いことからヨーグルト作成には最適といわれています。
ヨーグルトの定義とは?
ヨーグルトは「厚生労働省の乳等省令」において、日本では発酵乳として位置づけられています。発酵乳の定義は次のようになっています。
発酵乳の定義
乳またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳などを乳酸菌または酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの、またはこれらを凍結したもの
ヨーグルトの成分規格
- 無脂乳固形分8.0%以上
- 乳酸菌数または酵母数が1mlあたり1000万以上
- 大腸菌群が陰性
「無脂乳固形分」とは、牛乳から乳脂肪分と水分を除いた物のことをいいます。たんぱく質・ビタミン・カルシウム・炭水化物など、人の体には欠かせない栄養素を多く含み、骨や筋肉を作ってくれる大事な成分です。
長きに渡るヨーグルトの歴史
ブルガリアが発祥といわれているヨーグルトの歴史はとても長く、紀元前3000年とも5000年ともいわれています。実際のところは正確な記録や文書が残っているわけではないので、いつとは一概にはいいきれません。
初めは作ろうと思って作っていたわけではなく、ヤギの皮に入れていた生乳がバクテリアの発生により、時間と共に、自然とヨーグルトのようになっていたのが始まりだともいわれています。
世界中に広まって行ったのは、日本の弥生時代にあたる2世紀頃だそうです。ブルガリアの人々がヨーロッパ中へと広めて行き、そこから世界へと知れ渡って行ったという説もあります。
ヨーグルトが日本へと伝わってきたのはいつ頃?
ヨーグルトの歴史は長いですが、日本での歴史も長いです。7世紀頃の飛鳥時代に伝わり、日本で一番古いといわれている医学書には、乳製品が体にとっていいものだということが記されているようです。
ヨーグルトの歴史は長いのですが、日本の中でヨーグルトとして有名になったのは、年間生産量が34トンをこす大正時代の初め頃です。1917年の大正6年には、乳製品のメーカーである「チチヤス」から、日本で初めてのヨーグルトが発売され、そこからヨーグルトとして広まって行ったといわれています。
ヨーグルトの製法
市販されているヨーグルトの主な原料は、生乳・その他乳製品・脱脂粉乳・クリームなどです。
ヨーグルトにはドリンクヨーグルトを作るときの「前発酵タイプ」と、プレーンヨーグルトを作るときの「後発酵タイプ」の2つに分かれます。安心・安全に食べることが出来るように、時間をかけて製造・検査をしています。
ヨーグルトの製造過程
- 新鮮な生乳や乳製品をよくかき混ぜ、生乳の中にある脂肪球を高圧で細かく砕きます。
- 安全性を増すため、原料を加熱殺菌します。その後、発酵温度を40~45℃程度まで下げ、加熱された原料を冷やします。
- ヨーグルトを発酵させるため、原料に乳酸菌を入れよく混ぜます。
この後の製造過程は「前発酵」と「後発酵」で順番が変わってきます。原料に乳酸菌を入れた後の過程は、それぞれ以下の通りです。
前発酵タイプ
- 乳酸菌が活発に働いてヨーグルトを作るために、発酵タンク内の温度を40~45℃に保ちます。
- 発酵温度から保存するのにちょうどいい温度にし、再び冷やします。
- ヨーグルトを容器に充填します。
- 異物や分量の確認をするため、金属検査と重量測定を行います。合格したものはその後、賞味期限が印刷され、印字が正しいのかも確認します。
- 出荷前にも検査をし、検査に通ると出荷となります。
後発酵タイプ
- ヨーグルトを容器に充填します。
- 異物や分量の確認をするため、金属検査と重量測定を行います。合格したものはその後、賞味期限が印刷され、印字が正しいのかも確認します。
- 乳酸菌が活発に働いてヨーグルトを作るために、発酵タンク内の温度を40~45℃に保ちます。
- 発酵温度から保存するのにちょうどいい温度にし、再び冷やします。
- 出荷前にも検査をし、検査に通ると出荷となります。
ヨーグルトを容器に充填する時には、製品によって甘味料や果汁が入ることもあります。
ヨーグルトを食べることによるメリット
ヨーグルトは美味しいですし体にもいいといわれています。食べることによってどんな効果があるのか、知りたい人はたくさんいるはずです。ただ、なんとなく食べている人もいますが、効果を知ればもっと食べたくなるのがヨーグルトです。
ヨーグルトを食べるといったいどのような効果が現れるのか?を詳しく紹介して行きます。
便秘解消
体内の悪玉菌が増えてしまうと便秘の原因になってしまいます。しかし、乳酸菌が含まれているヨーグルトを毎日100g以上食べると善玉菌を増やしてくれます。細菌の総量はだいたい決まっているので、善玉菌が増えれば便秘のもととなる悪玉菌が少なくなります。
悪玉菌が減ることにより便秘になりにくくなるので、ヨーグルトを食べることによって便秘解消に近づけるわけです。
花粉症の症状軽減
ヨーグルトを食べると免疫力が高まるといわれています。そのため色々な病気に効果があるのですが、近年では花粉症にもいいとされています。
ただ、食べてすぐに効果が現れるというわけではなく、食べ続けなければ効果がありません。毎日食べ続けることによって病気に対する免疫力が高まり、結果、花粉症の症状を軽減してくれるといわれています。
ヨーグルトの栄養成分
ヨーグルトには人間に必要な栄養分がたくさん含まれています。「完全栄養食品」といわれている牛乳よりも栄養価が高いのが特徴です。
たんぱく質
人間の体を作るためになくてはならない栄養素です。プレーンヨーグルト100g中、約3.6g含まれています。牛乳は約3.3gほどなので、牛乳よりも栄養価が高いことがわかります。
カルシウム
牛乳にも多く含まれていることで有名ですが、牛乳100gあたりカルシウムが約110mgほどです。それに対してプレーンヨーグルトは約120mg含まれています。丈夫な骨を作ってくれるので積極的に摂取しましょう。
ビタミン
日本人に不足しているといわれている、ビタミンA・B1・B2がヨーグルトに含まれています。ヨーグルトを200g食べることにより、ビタミン不足が補えるということですから、ヨーグルトは食べておきたい食品です。
炭水化物
人が体を動かす時には欠かすことのできない栄養素です。プレーンヨーグルト100gあたり約4.9g含まれており、牛乳と同等の栄養を摂ることができます。
脂質
体を動かすエネルギー源となるのが脂質です。プレーンヨーグルトには約3.0g含まれています。飲むヨーグルトには約0.5gしか入っていないので、プレーンヨーグルトの方が大幅に多いことがわかります。
ヨーグルトを食べることによって摂取できる栄養分はたくさんあります。体のことを考えたら毎日でも食べたい食品です。
ヨーグルトの種類
ヨーグルトにも色々な種類があります。苦手な人でも食べることが出来るように、最近では色々なものが市販されています。
プレーンヨーグルト
乳酸菌だけで発酵させたタイプのヨーグルトのことをいいます。糖や香料などは加えずヘルシーなヨーグルトで、料理に使われることも多いです。
ハードヨーグルト
日本で最初に発売されたタイプのヨーグルトです。基本的に甘味料・果汁・ゼラチン・寒天が入っているヨーグルトですが、入っていないものも販売されています。
ドリンクヨーグルト
飲むヨーグルトといわれているものです。液状なので固形が苦手な人にも飲みやすくなっています。
フローズンヨーグルト
ヨーグルトに空気を含ませて凍結させたものです。デザート感覚でいただくことができます。
ソフトヨーグルト
プレーンヨーグルトを混ぜて滑らかにしたヨーグルトです。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の種類と働き
ヨーグルトには乳酸菌という菌が含まれています。乳酸菌は1種類だけではなく、数多く存在します。主な乳酸菌とその働きを見て行きましょう。以下で紹介しきれない乳酸菌についてはコチラのページで解説しています。
ビフィズス菌
誰もが聞いたことがある菌です。善玉菌のひとつで、体の害となる物質を外に出してくれます。花粉症やアレルギー症状の改善にも効果がある、頼れる菌です。厳密にいうと乳酸菌ではありません。
ヤクルト菌
正式名称は「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」といいます。ヤクルト菌は整腸作用に優れているといわれています。便秘の改善や悪玉菌の増殖を抑制してくれる働きをしてくれます。
LG21乳酸菌
LG21乳酸菌は、人間の体内に元々ある菌で、ピロリ菌の活動を抑制する効果があるともいわれています。胃酸にも強く、胃の中でピロリ菌と戦うことができる頼れる戦士です。
LG21以外にも、R-1やPA-3など、メーカーによって様々な効果をもたらす乳酸菌が生み出されいます。