はちみつで口内炎対策!塗り方や注意点
はちみつを口内炎に塗る治療法は、民間療法として非常に有名です。
はちみつが持つ殺菌作用を利用して、人によっては短期間で口内炎を治療することが可能。
ただ、塗り方にポイントや注意点がありますし、正しく行わないと口内炎が悪化する可能性があります。
ここでははちみつの口内炎に対する塗り方だけでなく、口内炎への対策なども詳しく紹介しています。
口内炎に悩んでいる方はぜひチェックしてください。
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はちみつを使った口内炎対策について
はちみつは古くから民間療法として口内炎の治療に使われていて、口内炎の治りが早くなるなどの効果が見込めると広く認知されています。
医学的に効果が立証されているわけではありませんが、研究者の実験で実際に効果が認められる結果が出ていたり、厚生労働省が定めた「日本薬局方」にもはちみつは口内炎に効くとの記載があります。
実際に口内炎が短期間で治ったとの報告もあるので、試してみる価値のある口内炎の治療法であると言えます。
はちみつの殺菌作用は口内炎に効果が期待できる
はちみつが口内炎に効果があるとされる理由としては、はちみつの殺菌作用による効果と考えられます。
はちみつは水分の含有量が少ないため、雑菌が活動するのに必要な水分を確保できず内部で菌が繁殖しません。
また、吸湿作用を持つ糖の含有量が多いため、他の物質と触れると浸透圧の関係で水を吸い出し、雑菌を殺します。
これによって口内炎の傷口の治りを早くすることができると考えられます。
さらに、ミツバチがはちみつを作る時、ハチの唾液に含まれるブドウ糖酸化酵素という酵素が注入されます。
これは強い酸性のグルコン酸や過酸化水素を発生させ、はちみつを細菌が生存しにくい強い酸性にします。
はちみつには他にもビタミン・ミネラル・アミノ酸などの栄養素が含まれていて、これらも殺菌作用がある成分です。
様々な要素によるはちみつの殺菌作用が口内炎の原因である細菌を殺菌するため、口内炎を早く治す効果があると考えられています。
また、はちみつは粘度が高く、口内炎に塗ると傷口をカバーすることができるため、絆創膏のように外部からのダメージや細菌の侵入を防いで治りが早くなるという側面もあります。
はちみつで口内炎が治るまでの期間
個人差があるので、一概にどれくらいの期間で治るのかを言い切ることは難しいです。
しかし、早い人だと1日で治る場合もあるようですし、2、3日で治ったという場合もあります。
逆に効果がなかったという人もいますので、まずは3日間ほど口内炎にはちみつを塗って様子を見てみることをおすすめします。
口内炎が長引いている場合は病院を受診する
はちみつは口内炎に対して効果が見込める民間療法として認知されています。
しかし、はちみつを口内炎に塗って効果が感じられず長引いている場合は病院を受診するようにしましょう。
後述しますが、口内炎には種類があり、それぞれ原因が違います。
病院なら原因を特定し適した薬を処方してもらえるので、はちみつでの口内炎治療よりも確実であると言えます。
大人は耳鼻咽喉科、子供はまずは小児科へ
「口内炎は何科?」と思う人もいるかと思いますが、基本的に耳鼻咽喉科で問題ありません。
しかし、口腔外科や内科、皮膚科でも診療している病院もあるので、行く病院のHPを確認してみてください。
また、子供が口内炎を発症した場合は、まず小児科や小児歯科を受診するようにしましょう。
はちみつの口内炎への塗り方
はちみつを口内炎に塗る時は、歯磨きやうがいをして口内を清潔にし、患部を刺激しすぎないよう綿棒を使って塗り付けます。
その他の細かなポイントについて以下で解説していきます。
綿棒を使ってはちみつを口内炎に塗る
はちみつを口内炎に塗る時は綿棒を使うようにしましょう。
衛生的に患部に塗ることができますし、はちみつを染み込ませるので満遍なく塗りやすいのがメリットです。
もし綿棒が塗りづらい場合は、脱脂綿を使って塗るのもおすすめです。
指ではちみつを塗る場合は清潔にしてから
はちみつを指で口内炎に塗る場合は、必ず手洗いや消毒を行って清潔にしてください。
指は雑菌が多いため、そのままはちみつを付けて塗ってしまうと口内炎を悪化させる可能性があります。
マヌカハニーを塗る場合は金属製スプーンは必ず避ける
優れた抗菌作用を持つメチルグリオキサール(MGO)の含有量が多いのがマヌカハニーの代表的な特徴です。
しかし、金属製スプーンを使用すると、メチルグリオキサールと金属が化学反応を起こし、抗菌作用が弱くなる可能性があるとされています。
マヌカハニーに含まれるメチルグリオキサールは口内炎に非常に有効ですので、木製や陶器製スプーンを使用するようにしてください。
口内炎時だけではなく、普段マヌカハニーを食べる時にも使用することをおすすめします。
はちみつを薄めてうがいするだけでも効果を見込める
はちみつを口内炎に塗ると基本的に痛みを伴います。
痛みを我慢できる方は問題ありませんが、中には我慢できない方もいるかと思います。
そういった場合は、ぬるま湯や水ではちみつを薄めてうがいするだけでも口内炎への効果を期待できます。
はちみつを直接塗る方がいいとされていますが、比較的痛みを和らげることができるので実践しやすいでしょう。
はちみつの口内炎への塗り方のポイント
単にはちみつを口内炎塗るだけでなく、ポイントを抑えることによって効果を得られる可能性があります。
はちみつを口内炎に塗るタイミングは歯磨き後に
しっかりと歯磨きをした後に塗るようにしましょう。
口内炎は雑菌によって悪化する可能性があり、口内環境を清潔にしておくことは治療にも予防にも重要です。
口内環境を清潔にした後にはちみつを塗ることによって、さらに効果を期待できるようになります。
はちみつの中でも特にマヌカハニーがおすすめ
マヌカハニーとは、ニュージーランドに自生しているフトモモ科の植物「マヌカ(ティーツリー)」の花の蜜から作られるはちみつです。
マヌカは花の時期が短く、また自生している範囲も狭いためマヌカハニーは希少なはちみつです。
マヌカハニーは、他のはちみつに比べて抗菌・殺菌効果が強く、他のはちみつには含まれないメチルグリオキサールという抗菌活性成分が含まれていることが特徴です。
このため、マヌカハニーは普通の蜂蜜の8倍もの抗菌活性力を持っていて、口内炎だけではなく感染症にも効果があるなど健康効果が期待されています。
はちみつの口内炎への塗り方の注意点
はちみつを口内炎に塗る場合、注意しなければならない点がいくつかあります。
効果が得られないだけでなく、悪化させたり体に悪影響が出る可能性もあるので、必ずチェックしてください。
天然の非加熱はちみつを使う
はちみつには、蜂の巣から取れたものをそのまま販売している天然はちみつと、加熱をしたり他の成分を混ぜた加工はちみつがあります。
口内炎の治療には、天然で非加熱のはちみつを選びましょう。
加熱などの加工によって、はちみつに含まれる栄養素が破壊され、口内炎に効果が期待できない場合もあります。
全てのはちみつが口内炎に効果があるわけではないので、注意しましょう。
はちみつは酸性なので痛みを感じる
はちみつを口内炎に塗ると痛みを感じる場合があります。
はちみつのpHは酸性なのでどうしてもしみて痛くなりますが、殺菌効果がきちんと働いているということです。
痛みがあるからといって、はちみつでの治療を断念する必要はありません。
何度か塗り続けているうちに、次第に痛みは弱くなります。
あまりに痛くて我慢できない時は、はちみつを水で薄めるなどして少量ずつ塗布するようにしましょう。
はちみつを赤ちゃん・乳児の口内炎に使用するのは乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性がある
主にウイルスが原因で赤ちゃん・乳児も口内炎になることがあります。
口内炎には加熱処理していない天然はちみつが有効ですが、赤ちゃん・乳児の口内炎にはちみつを塗るのは大変危険です。
はちみつにはボツリヌス菌が稀に含まれている場合があり、赤ちゃん・乳児がはちみつを摂取すると乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があります。
はちみつを口内炎に塗るということは、口の中にはちみつを入れるということです。
はちみつは当然甘いので、赤ちゃん・乳児は必ず舐めてしまいます。
乳児ボツリヌス症を引き起こさない為にも、はちみつで口内炎を治療しようとせず必ず病院に行くようにしてください。
口内炎の原因
口内炎は、原因によって以下の4種類にわけることができます。
- アフタ性口内炎
- カタル性口内炎
- ウイルス性口内炎
- その他の口内炎
アフタ性口内炎
口内炎の中でも最も多いと言われており、ストレスや疲れによる免疫力の低下や、栄養不足、睡眠不足などが原因です。
丸い白っぽい潰瘍なのでわかりやすく、何度も繰り返しできる「再発性アフタ性口内炎」があります。
カタル性口内炎
カタル性口内炎は、口の中を噛んでしまったり、歯列矯正器具の刺激など外部ダメージが原因の口内炎です。
赤く腫れる、または水疱ができる場合があり、唾液量の増加によって口臭が気になったり、口の中が熱く感じることがあります。
ヘルペス性口内炎
ヘルペスウイルスによる感染が原因で発症するのがヘルペス性口内炎です。
小さい水疱が発生し、赤く腫れて痛みを伴います。
乳幼児がかかりやすく、高熱を伴う場合もある為、重い症状になることも珍しくありません。
大人でも疲労や体調不良など、免疫力が低下している時に発症することがあります。
カンジダ性口内炎
口の中の常在菌である真菌のカンジダの増加が原因で発症するのがカンジダ性口内炎です。
白い苔のようなものが口の中に発生し、痛みがあまりありませんが、ピリピリしたり症状が変化することがあります。
免疫力・抵抗力が低下した大人や、乳幼児にも発症することがあるタイプの口内炎です。
その他の口内炎
特定の食べ物や薬、金属などが原因で粘膜に炎症が起きる、体質的に発症する「アレルギー性口内炎」や、喫煙の習慣が原因の「ニコチン性口内炎」などがあります。
はちみつ以外の口内炎の治療手段
口内炎になった場合、治療する手段はいくつかあります。
放置して自然に治す方もいると思いますが、治らず長引く場合は治療を行うことをおすすめします。
病院を受診
病院を受診し、適した薬を処方してもらうのが最も信頼できる治療法であると言えるでしょう。
はちみつを口内炎に塗る治療法はあくまで民間療法であるため、どんな口内炎なのか診てもらい、適切な薬を使用するのが確実であると言えます。
レーザー治療
患部にレーザーを照射しかさぶたを作り、治りを早くする治療法です。
薬を使うよりも痛みが少なく、殺菌作用があり即効性もあるのが特徴です。
費用は保険適用外になるので病院によって差があります。
安い病院・クリニックだと数百円で済む場合もありますし、高くても大体3,000円程度です。
心配な方は行く病院のHPを確認するか問い合わせをしてみましょう。
市販薬の使用
口内炎の市販薬には、使用方法によっていくつかのタイプに分けることができます。
塗るタイプ
口内炎に直接塗るタイプの市販薬です。
直接患部に塗るので即効性が期待でき、痛みを和らげつつ患部を保護することができます。
しかし、カンジダ性口内炎などのウイルス性口内炎に使用した場合、悪化する可能性があるので、自分がどのタイプの口内炎なのか確認するようにしてください。
貼るタイプ
口内炎に直接貼るタイプの市販薬です。
患部をしっかり保護してくれるので、触れた時の痛みがひどい場合に非常に有効。
患部に直接貼るため即効性が期待できるのも特徴です。
飲むタイプ
体の中から口内炎を改善したい場合におすすめなのが飲むタイプの市販薬です。
患部に直接働きかけるわけではないので痛みを感じませんが、即効性があるわけではないのがデメリットです。
口内炎がなかなか治らない場合や、繰り返し口内炎が発生してしまう場合におすすめです。
口内炎に直接働きかけるタイプと併用すると、より効果的です。
スプレータイプ
塗るタイプや貼るタイプの市販薬が使いづらい場所の口内炎に有効なのがスプレータイプです。
届きづらい患部に使いやすく、患部に直接吹き掛けるため即効性が期待できます。
携帯しやすくすぐに使えるので外出時にもおすすめです。
はちみつ以外の食材を患部に使用
はちみつ以外にも口内炎に効果的とされる食材があります。
塩
科学的な根拠があるわけではありませんが、民間療法として患部に塩を塗るのは非常に有名です。
効果があると断言はできませんが、塩には殺菌作用があるため、口内炎の種類によっては効果が見込める可能性はあります。
しかし、患部に直接塩を塗る為、非常に強い痛みを伴います。
患部に直接塗るのが難しい場合は、塩水でうがいをするのも効果的とされています。
梅干し
梅干しは殺菌作用があるので、口内炎に塗ると効果があるとされています。
また、梅干しにはクエン酸が含まれており、クエン酸は疲労回復効果があるため、疲労によって免疫力が低下している際の食事にもおすすめできる食材です。
ココア
実はココアには殺菌作用があるので、口内炎に効果的とされています。
また、ココアには治癒力を高めるとされる亜鉛が豊富に含まれています。
口内炎にならない為の対策・予防
口内炎にならないためには、健康的な生活を心がけるのが大切です。
すでにある口内炎に即効性がある方法ではありませんが、健康的な生活を送ることによって体の免疫力を向上させることが重要です。
生活の改善で免疫力が上がれば、口内で細菌が繁殖しにくく、口内炎のできにくい体質になります。
- しっかりと睡眠をとる
- ストレスを減らす
- ビタミンB2を摂って代謝を促進する
- 鉄・亜鉛・ミネラルで抵抗力を上げる
生活習慣の改善
健康的な生活習慣と一言で言っても、具体的にどのように生活習慣を改善すればいいかわからない方もいるかと思います。
生活習慣の改善方法について以下で紹介していきます。
しっかり睡眠を摂る・ストレスを減らす
しっかりと睡眠をとったり、ストレスを減らすことで免疫力が上がり、口内炎だけではなく風邪など他の病気にもかかりにくくなります。
口内炎は疲労やストレスによる免疫力の低下が原因になることが非常に多いので、体や心のケアを意識してみてください。
適度な運動を心掛ける
適度な運動によって免疫力を向上させることができます。
免疫力を向上させることによって口内炎を予防することができますし、運動はストレス発散にもなります。
しかし、強度の高い運動は逆に免疫力の低下に繋がりますし、疲労の原因にもなります。
個人差はありますが、ウォーキング30分程度の強度が適度な運動とされています。
食生活の改善
口内炎の対策・予防において食生活は非常に重要です。
腸内環境を整える
ビフィズス菌や乳酸菌、オリゴ糖を摂るのが最も簡単な方法です。
腸内の善玉菌を増やすことにより、免疫力を向上させることができます。
また、オリゴ糖は腸内の善玉菌の栄養となり、善玉菌の増加を促す働きがあります。
ビフィズス菌と乳酸菌、オリゴ糖を効率よく摂取する場合、はちみつをヨーグルトにかけて食べるのがおすすめです。
ビフィズス菌と乳酸菌はヨーグルトから、オリゴ糖ははちみつから摂取することが可能です。
また、食事から摂取するのが難しい場合は、サプリメントから摂取するのがおすすめです。
ビタミンB2、ビタミンB6を摂る
ビタミンB2は口内炎の治療薬としても使われる成分で、皮膚や粘膜の代謝を促す効果があるため、口内炎対策に効果的です。
また、ビタミンB6は不足すると口内炎だけでなく、皮膚炎が発症しやすくなります。
ビタミンB2、B6だけ摂ればいいわけではなく、ビタミンB群をバランスよく摂取するようにしてください。
- ビタミンB2を多く含む食品:牛、豚、鶏のレバー、青魚、納豆、卵、乳製品、しいたけ、唐辛子など
- ビタミンB6を置く含む食品:鶏のササミ、マグロ、カツオ、サンマ、唐辛子、ニンニク、バナナなど
また、食事でビタミンB群を摂取するのが難しい人は、サプリメントで摂取するのがおすすめです。
鉄・亜鉛・ミネラルで抵抗力を上げる
鉄・亜鉛・ミネラルは不足すると抵抗力が低下し口内炎の原因となる場合があるため、日常的にしっかりと摂取しましょう。
ただし、特定の栄養素のみをとっていれば口内炎の予防になるということはありません。
栄養素はそれぞれ相乗効果を持っているため、様々な栄養素をバランスよく摂取することで全体的な免疫力が上がり、口内炎になりにくい体質を作るのです。
鉄を多く含む食品:レバー、カツオ、マグロ、アサリ、ほうれん草、ひじきなど
亜鉛を多く含む食品:カキ、蟹、うなぎ、牛肉、ココア、パプリカ
また、食事で鉄や亜鉛、ミネラルの摂取が難しい場合は、サプリメントで摂取することをおすすめします。
口内環境の改善
口内環境が悪いと口内炎や虫歯になりやすく、口内環境を整える常在菌だけでなく、悪玉菌を増加させてしまうことになります。
また、口内環境は口の中だけの問題ではなく、体の健康を害することもあります。
どのように口内環境を改善すればいいか以下で解説していきます。
歯磨きなどのオーラルケアをしっかり行う
歯磨きをしっかり行い、重曹を溶かした水やマウスウォッシュなどのうがいも効果的です。
口の中を清潔に保つよう心掛けることが重要です。
唾液の分泌を促す
唾液には細菌が繁殖するのを抑える効果があるため、口の中が乾いていると口内環境が悪いということになります。
しっかりと水分を取り、食事の際にしっかりと咀嚼するようにしてください。
また、口呼吸だと口内が乾いてしまう為、鼻呼吸を意識することが好ましいです。
人によっては難しい場合があるので、そういった場合は歯科を受診して相談してみてください。
野菜などのアルカリ性食品をしっかり摂る
肉や甘いもの、炭酸飲料などの酸性食品ばかりを摂ると、酸性に弱い歯に悪影響を与えてしまいます。
虫歯や歯周病の原因にもなり、それに伴い口内環境が悪化することになります。
野菜やキノコ類、海藻類などのアルカリ性食品を摂り、食事のバランスを意識するようにしてください。