鍋島(なべしま)の日本酒の種類やおすすめ
佐賀の銘酒、日本を代表する日本酒の銘柄として非常に高い人気を誇る「鍋島」。
様々な酒造好適米を使用しており、お米の旨味をしっかり味わいながらも飲みやすい日本酒が特徴です。
ここでは鍋島の日本酒の種類やおすすめ、鍋島という日本酒とはどんな銘柄なのかについて紹介していきます。
スポンサーリンク
鍋島の日本酒の種類
佐賀を代表する日本酒というだけでなく、今や日本を代表する日本酒となった人気の銘柄である鍋島。
鍋島の日本酒の種類は非常に多いので、以下で鍋島の日本酒の種類ごとの特徴などを紹介していきます。
鍋島 大吟醸
2011年にIWCチャンピオン・サケにも選ばれた、鍋島を代表する日本酒です。
兵庫県特A地区山田錦を100%使用し、上品で優しい甘さと爽やかでスムーズな飲み口が特徴です。
鍋島 純米大吟醸 山田錦35%
兵庫県特A地区山田錦を35%まで磨き上げて使用した純米大吟醸です。
メロンのようなフルーティーな香りと濃厚な旨味、透明感のある後味が特徴となっています。
鍋島 純米大吟醸 山田錦45%
通称「ゴールドラベル」と呼ばれる限定商品です。
鍋島らしい上品な香りと透明感、バランスのとれた甘みと酸味が特徴です。
鍋島 雫しぼり 純米大吟醸
IWC純米大吟醸の部で、2017年、2018年と2年連続銀賞を受賞している鍋島の新たな代表作です。
ネットショップ等での取り扱いが少なく、入手が難しいことも特徴です。
鍋島 BlackLabel
最高の米・最高の造りで贅を尽くした商品ですが、純米ということ以外全て非公開のミステリアスなお酒です。
2017年のIWC純米大吟醸の部で銅賞を獲得しています。
鍋島 純米大吟醸 愛山
幻の酒米「愛山」を40%まで磨いて使用した純米大吟醸です。
愛山の旨味をしっかり感じられ、3種類ある愛山シリーズの中でも最高峰の一本です。
鍋島 純米大吟醸 山田穂
山田錦の母親にあたる山田穂を使った純米大吟醸です。
山田錦よりも柔らかく優しい味わいが特徴で、米で造ったお酒の良さを感じられる商品となっています。
鍋島 純米大吟醸 短稈渡船
短稈渡船は、山田錦の父親にあたる酒米です。
華やかで甘めの果実香と柔らかな飲み口、しっかりとした旨味が特徴となっています。
鍋島 純米大吟醸 鍋島米
鍋島米は明治時代ごろに北陸地方で作られていた酒米です。
名前に縁を感じた富久千代酒造が、研究用に保存されていたわずか7グラムの鍋島米を入手し、増やして作った希少な鍋島米の日本酒です。
鍋島 純米大吟醸 きたしずく
北海道産の酒米「きたしずく」を使った限定酒です。
きたしずくの華やかな香りとフレッシュ感、鍋島らしい米の旨味が調和した上品で味わい深い日本酒になっています。
鍋島 純米大吟醸 吉川産山田錦
酒米の王様と称される山田錦の中でも、特に別格とされるのが吉川産と東条産です。
こちらは特A地区吉川産山田錦を使用しています。
最高の米へのこだわりを感じられる、清流のような上品かつ爽やかな味わいです。
鍋島 純米吟醸 山田錦
鍋島の山田錦シリーズの中では、比較的安価に購入できる商品です。
米の旨味が凝縮されながらも爽やかな喉越しが特徴で、和食だけではなく洋食にも合います。
鍋島 純米吟醸 山田錦 生酒
生酒とは、一度も火入れをしていない繊細な日本酒です。
「鍋島純米吟醸 山田錦」を絞ったままパッケージングしたこちらは、飲みやすい山田錦の味わいに、生酒らしい甘みと苦味が加わっています。
鍋島 純米吟醸 雄町
主に岡山で栽培されている雄町を50%まで磨いて使用したお酒です。
どの取扱店でも購入本数が制限されている、希少な限定酒です。
濃厚な米の旨味と綺麗になくなっていく爽やかな後味が特徴です。
鍋島 純米吟醸 雄町 生酒
「純米吟醸 雄町」の生酒です。
3月〜6月出荷のみの限定酒となっています。
火入れしていないぶん口当たりがスムーズで、冷やして飲むとよりキレが出て爽やかな飲み口になります。
鍋島 純米吟醸 五百万石
鍋島のラインナップの中で、最もすっきりとした軽い味わいが特徴です。
ミネラル分をたっぷりと含んだ味わいと芳醇な香り、クリアなキレで、食事に合わせやすくグイグイ飲める食中酒となっています。
鍋島 純米吟醸 五百万石 生酒
「純米吟醸 五百万石」の生酒です。
バナナやメロン、パイナップルなどに例えられるフルーティーな香りと、微発泡のフレッシュな飲み口が特徴です。
鍋島 純米吟醸 隠し酒
通称「裏鍋島」と呼ばれる、知る人ぞ知る鍋島の日本酒です。
もろみを搾る際の、最初の「あらばしり」と最後の「せめ」をブレンドして瓶詰めしています。
荒削りさや雑味が逆に遊び心を感じさせる、コアな鍋島ファン向けの味わいとなっています。
鍋島 純米吟醸 NewMoon 生酒
新酒シーズンの冬季に毎年発売されるのがこちらの「NewMoon」です。
磨き上げられた雑味のない甘さと、フルーツジュースのようなフレッシュな果実香が特徴となっています。
鍋島 純米吟醸 BlossomsMoon
「BlossomsMoon」は、毎年春季限定で発売される商品です。
北海道産彗星を使用し、ボリューム感とフレッシュ感のある味わいとなっています。
鍋島 吟醸 SummerMoon
「SummerMoon」は、Moonシリーズの夏季限定商品です。
マスカットのような香りと爽やかな酸味、滑らかな喉越しが特徴の夏にぴったりの日本酒です。
鍋島 60%純米 HarvestMoon
「HarvestMoon」は、秋の収穫を祝うMoonシリーズの秋季限定商品です。
ドライな味わいと細やかな旨味、わずかなガス感とキレのある後味が特徴となっています。
鍋島 特別純米酒
2002年、国際酒祭りの純米酒部門で1位になり、鍋島の名前が全国に知られるきっかけとなった商品です。
佐賀の華、山田錦55%を使用し、上品な香りと切れ味が特徴の辛口日本酒です。
鍋島 特別純米 生酒
「鍋島 特別純米酒」の生酒です。
特別純米酒の爽やかな香りや飲みやすさに、生酒らしい酸味とミネラル感が加わった、食事と気軽に合わせられる生酒になっています。
鍋島 特別純米 生原酒
原酒とは、加水処理をしない醸されたそのままの日本酒のことです。
生原酒ならではのコクと旨味が特徴で、爽やかで落ち着いた香りとふくらみのある味わいを楽しめます。
鍋島 特別純米酒 Classic
鍋島特別純米酒より落ち着いた、穏やかな香りと旨味が特徴のお酒です。
食中酒に最適でどんな食事とも合わせやすく、気さくに毎日飲める味わいとなっています。
鍋島 特別本醸造
60%の佐賀の華を使用した佐賀らしさにこだわったお酒です。
後味のキレがいい爽やかな甘口で、上品な鍋島らしい味わいとなっています。
鍋島 清酒肥州
佐賀の美味しい水を生かした淡麗な味わいのお酒です。
控えめな香りと丸みのある味わいで辛口でも刺激的ではない穏やかな飲み口です。
九州料理の味の濃い煮つけや海鮮によく合います。
おすすめの鍋島の日本酒
鍋島という名前だけで美味しい日本酒として人気がありますが、多くの種類の中からおすすめの鍋島の日本酒を紹介します。
鍋島は希少性故にレア日本酒として手に入れづらくなっていますが、その中でも比較的リーズナブルな鍋島の日本酒をピックアップしていきます。
鍋島 特別純米
現在の価格はコチラ |
商品詳細
- 使用米:佐賀の華、山田錦
- 種類:特別純米酒
2002年第14回国際酒祭りの純米酒部門で1位、2011年IWC・純米酒の部で金賞となったのが「鍋島 特別純米」。
酒造好適米の筆頭である山田錦と、純米酒に向いている佐賀産の酒造好適米「佐賀の華」を使用。
吟醸酒並みの精米歩合になっており、上品な香りと透明感のあるすっきりとした味わいが特徴となっている日本酒です。
鍋島 大吟醸
現在の価格はコチラ |
商品詳細
- 使用米:山田錦
- 種類:大吟醸酒
2011年IWCの吟醸酒・大吟醸酒部門で金賞、2015年は銅賞など、多数の賞を獲得している「鍋島 大吟醸」。
数ある鍋島の日本酒の中でも人気が高く、鍋島ブランドが生まれた当初からある種類で、鍋島を代表する逸品と言っても過言ではないでしょう。
メロンを彷彿とさせるフルーティーな香りと、甘すぎない上品な甘さ・旨さを口いっぱいで楽しめる鍋島の日本酒となっています。
鍋島 純米大吟醸 愛山
現在の価格はコチラ |
商品詳細
- 使用米:愛山
- 種類:純米大吟醸酒
米の甘み・旨味が強い酒造好適米・愛山を使用したのが「鍋島 純米大吟醸 愛山」です。
芳醇なお米の甘味と旨味を味わうことができ、しっかりした味わいなのにも関わらず後味がすっきりしているのが特徴です。
大吟醸酒ならではの華やかな香りもあり、芳醇な日本酒が好きな方にぜひおすすめしたい逸品となっています。
鍋島の日本酒の味などの特徴
鍋島の日本酒の味わいは、米の旨味を生かした淡麗でスムーズな飲み口が特徴です。
メロンのような華やかな香りの「山田錦」、力強い旨味の「雄町」、控えめで優しい香りの「佐賀の華」など、それぞれの酒米に最適な醸し方で旨味を引き出しています。
全体的に「甘口」「優しい」「上品」と評されるお酒が多いことも鍋島の特徴です。
繊細な旨味や香りを楽しめる世界的に評価が高い純米大吟醸から、気軽に食事と合わせられる純米酒まで幅広く優れた日本酒を造っています。
鍋島は九州の佐賀で作られています。
鍋島を製造している佐賀県の鹿島市浜町は、多良岳山の綺麗な水と米作りに適した土壌に恵まれた、日本酒造りにうってつけの土地です。
1987年、酒類免許の緩和によってスーパーなどでも日本酒が扱われるようになったことから、安価で味の良くない日本酒が出回り酒屋が苦戦を強いられた時代に鍋島は生まれました。
佐賀の日本酒の質を上げ、地元の酒屋を救うために考案された鍋島の前身となる日本酒は、初めは「富久千代 天」という商品名で販売されていました。
その後、一般公募により、江戸時代に佐賀藩を納めていた鍋島家にちなんで「鍋島」という銘柄をつけることで、地元を盛り上げようという狙いがあったのです。
洗練された美味しさを追求しつつ、「隠し酒」のように遊び心のある商品や、季節限定のMoonシリーズなど日本酒好きを楽しませる商品展開で、佐賀県内のみならず全国にファンが増え続けています。
IWCの日本酒部門で最優秀賞を受賞
IWCとは「インターナショナルワインチャレンジ」の略で、イギリス・ロンドンで毎年開催されているワインコンペです。
1984年に初めて開催され、2007年には日本酒部門が設けられました。
2011年から、外務省はIWCで上位入賞した日本酒を「海外の人の口に合う日本酒」として在外公館用に採用しています。
日本にも「全国新酒鑑評会」という日本酒のコンペティションがありますが、そちらでは一定の基準を満たしている全てのお酒に賞が与えられるため、IWCのように順位がつけられるということがありません。
IWCの品評で1位になった日本酒は「チャンピオン・サケ」という称号を得て、その結果には毎年日本酒ファンが注目しています。
2011年、そんなチャンピオン・サケに「鍋島大吟醸」が選ばれました。
従来の審査では、「チャンピオン・サケ」に選ばれるのはワインでいう「フルボディ」にあたるような飲みごたえのある銘柄が多かったとのことです。
反面、鍋島大吟醸は豊かな香りと甘口でスムーズな飲み口が特徴となっています。
上品で優しい飲み口の鍋島がチャンピオン・サケに選ばれたのは、外国人審査員にも日本酒をワインとは違う尺度で味わうという考え方が浸透してきているという見方もできます。
鍋島を醸す「富久千代酒造」とは?
富久千代酒造は、大正末期に創設された佐賀県鹿島市にある酒造です。
当初は「盛寿」という名前でしたが、戦時中の企業整備と戦後の復興の際、「千代に栄えて福きたる」という願いを込めて現在の「富久千代」に改称しました。
富久千代酒造の酒蔵は「一号蔵」「精米所」「麹室」の3つが国の登録有形文化財に指定されています。
現在の代表・飯盛直喜氏は、酒造の創業者である飯盛謙次氏の長男で、2代目の井上富男氏の跡を継いだため3代目の杜氏です。
モットーは創業当時から今も変わらず「品質第一」で、町の酒屋さんや地元の人々との繋がりを大切にした商品づくりが特徴です。
富久千代酒造の代表銘柄である鍋島も、1987年、酒類免許の緩和で売り上げを他店に取られ、苦しんでいた地元の地酒専門店を救いたいという考えから商品開発が始まりました。
地元の小売店の代表者と日夜話し合いを重ね、同じ目線に立って物作りをする中で、佐賀の地酒として胸を張れる出来栄えの「鍋島」が完成したのです。
その後も、安価な日本酒が主流になる中で、高品質なぶん高価格な鍋島は苦戦を強いられます。
しかし、地元の飲食店との連携や応援団作りを通じて売り上げを伸ばし、また2011年にIWCの「チャンピオン・サケ」受賞で注目を集めたことが転機となりました。
現在では、鍋島の日本酒はどれも入手困難なほどの人気となり、鍋島は佐賀の地酒といえば必ず名前が挙がるほどの有名銘柄に成長したのです。