本場イタリア流!パスタのマナーと上手な食べ方
パスタを音を立てて食べるのはマナー違反と知っている方は多いかもしれません。では、パスタを食べる際のフォークやスプーンの正しい使い方をご存知でしょうか。日本では、パスタを食べる際にスプーンを使って食べないのはマナー違反と教わることも多いですが、本場イタリア人のパスタの食べ方は少し違います。
ここでは、知らないと恥ずかしいマナーや相手に不快感を与えてしまうパスタのマナーをご紹介します!ぜひ学んで、パスタを正しく食べましょう!
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要注意!パスタを食べ時のマナー
パスタを食べる時のテーブルマナーと聞くと、フォークとスプーンの使い方が気になりますよね。もしかすると、ご両親や知人から「フォークだけではなくて、きちんとスプーンも使って食べなさい」と指摘された経験がある方もいるかもしれません。
では実際、本場のイタリアではどうやってパスタを食べているのかというと、実は多くのイタリア人はフォークだけを使い、スプーンを使ってパスタを食べることは滅多にありません。ではスプーンも一緒に使って、パスタを食べるのはマナー違反なのでしょうか。
実は、スプーンも一緒に使って食べたからと言って、マナー違反になることはありません。イタリア料理の一番のマナーは「食事を楽しむこと」です。雰囲気に合わせて柔軟に食事するのがイタリア料理のマナーの基本なのです。日本人はパスタを食べる時に、フォークとスプーンの使い方を必要以上に気にしますが、イタリア料理のマナーではどちらでも構わないのです。
フォークとスプーンの使い方を気にすることより、イタリアではパスタを食べる際に、絶対にやってはいけない「恥ずかしいマナー」が存在します。代表的なやってはいけない「恥ずかしいマナー」は以下の3つですので覚えておきましょう。
- パスタをすする事
- パスタを噛み切る事
- ソースを最初に混ぜる事
「食事を楽しむこと」を一番のマナーであるイタリア料理では、上述した3つのような「相手を不快にさせる」行為をやってしまうと、マナー違反になるので注意しましょう。以下でそれぞれの行為がなぜ不快感を与えてしまうのかを解説します。
パスタをすするのはNG!
これは大半の日本人がやってしまう行為です。そばやうどんを食べる時のようにズズズと音を立てて、パスタをすするのは「恥ずかしいマナー」です。イタリアだけに限らず、海外で音を立てて食事をする行為は、食事中にオナラやゲップをするのと同じくらい失礼な行為です。パスタを食べる際は、麺をすすらずに音をたてないように食べるように注意しましょう。
パスタを噛み切るのはNG!
一度フォークに巻いたパスタを、再びお皿に戻すのは、一緒に食事をしている相手に不快感を与えてしまします。一度にたくさん取らずに、口に入る量だけフォークに巻き取るのがマナーです。フォークに2~3本だけ巻き取り、ひと口で食べるのがポイントです。つい大量にパスタを巻き取ってしまった場合は、口に入れずにお皿に戻しましょう。
また、本場イタリアでは、長いパスタを噛み切るのは非常に縁起が悪いこととされています。日本でも「長い(永い)」は縁起が良いものとされていますから、験担ぎを壊すという意味があるのかもしれません。
ソースを最初に混ぜるのはNG!
パスタを食べ始める際に、ソースを最初に混ぜる行為もマナー違反になります。ソースを最初に混ぜてしまうと、パスタの見た目が非常に悪くなり、一緒に食べている人が不快になり、マナー違反です。ソースを混ぜるのではなく、パスタの上に広げるように伸ばして、各自のさらに取り分けた後に混ぜる用にして口元へ運びましょう。初めからソースが混ざっているオイルソースやクリームソース系のパスタはその限りではありません。
パスタはスプーンを使って食べてもOK?
イタリアでは、普通パスタを食べる際フォークのみで食べることが多いです。しかし、深皿であったり、ソースの緩さや具の大きさ、麺の太さなどフォークのみでは食べにくい場合にはスプーンを使います。またイタリアでも北部の一部地域やフォークの使い方が下手な小さな子供、口元や洋服を汚したくない女性はスプーンを使って食べることもあります。
イタリアでは「フォークで食べた方がかっこいい」「スプーンを使うのは子供っぽい」といったイメージがあるようですが、実際にはパスタを食べる際にスプーンを使うか使わないかは、個人の判断に委ねられ、マナーとしてきちんと決まっているわけではありません。イタリアでも最近は「スプーンを使った方が食べやすい」という文化が広まりスプーンを出すお店が増えてきています。
なので、スプーンを使って食べても何の問題もありません。自分の食べやすい方法でフォークとスプ―ンを使い分けて食べるのが最適でしょう。むしろ気をつけないといけないのは、「パスタをすする」「パスタを噛み切る」「ソースを最初に混ぜる」といった食事中に相手を不快にさせる行為です。相手を不快にさせる行為さえ気を付ければ、パスタを食べる際に注意すべきマナーは基本的にありません。
ただ本場のイタリア人のように、フォークのみで食べたいという方に今回がフォークのみで上手にパスタを食べる方法もご紹介します。
フォークのみでパスタを上手に食べる方法
マカロニやペンネ、リガトーニといった一口サイズのショートパスタなら、フォークのみでも容易に食べれますが、スパゲッティやフェットチーネなどのロングパスタを食べる際には、フォークで「上手にまく」のがポイントになってきます。
以下の手順で正しく巻き取り。上手に食べましょう。
- パスタを皿の向こう側に寄せてスペースを作る
- 一度に2~3本の少量のパスタを、空いたスペースで巻き取る
- 一口で食べきる
- 食べ終わったら、お皿の右端にフォークとスプーンを揃える
ちなみにパスタの種類やソースによって、食べやすいものと食べにくいものが存在します。たとえば、マカロニやペンネ、リガトーニといったショートパスタはフォークのみで食べやすいパスタです。基本的にショートパスタは、フォークで刺して食べるのではなく、フォークに乗せるイメージで食べた方が行儀が良いとされています。またリボン状のパスタのフェットチーネや、フェットチーネより幅の広いタリアテッレなどは、比較的フォークで巻き取りやすいパスタです。
またソースの種類によっても、フォークのみで食べやすいものと、そうでないものが存在しています。カルボナーラやアルフレッド、アボカドクリームチーズ等に代表されるクリーム系のソースは、パスタとよく絡み、スプーンを使わなくても比較的飛び散りにくいとされています。一方、オイルソースやミートソース、トマトソースといったサラサラしたタイプのソースは、パスタと絡みにくく、フォークで巻き取る際に飛び散る恐れがあるので注意が必要です。
Step,1:パスタを皿の向こう側に寄せてスペースを作る
スプーンを使わずにパスタを食べる場合には、パスタを巻き取るスペースが必要になってきます。その為に、最初にパスタを皿の向こう側によせ、皿の手前側にスペースを作ります。スペースを作ることにより、見栄えを損なわずに綺麗にパスタを巻き取ることが出来るようになります。また「ソースを最初に混ぜる」行為は、見た目が悪くなり不快感を与えてしまいますので、絶対にしてはいけない行為です。
Step,2:一度に2~3本の少量のパスタを巻き取る
空いたスペースでパスタを巻き取ります。この際に重要なポイントは、パスタの頂上付近から巻き取るのではなく、端っこの部分からフォークで巻き取ります。一度に2~3本のパスタを巻き取ります。それ以上、巻き取ってしまうと、ソースが飛び散ったり、一口で入りきらない恐れがあるので気を付けましょう。またイタリアでは反時計回りにフォークを回すと不幸になると言われています。時計周りでフォークを回した方が無難でしょう。
Step,3:一口で食べきる
フォークに巻き取ったパスタは、一口で食べきりましょう。この際、パスタをすすって音を出したり、パスタを噛み切ってはいけません。
Step,4:食べ終わったら、お皿の右端にフォークとスプーンを揃える
食事が終わったら、お皿の右端にフォークとスプーンを揃えて置きましょう。お店側へ「食べ終わりましたよ」という合図になります。
その他:気を付けたいパスタの食べ方
ここまで、ショートパスタとロングパスタ(スパゲッティ)の食べ方について、学べたと思いますが、パスタにはスープパスタや蟹や貝の殻が入っている「食べにくい」パスタも存在しているので、要点を絞って解説していきます。
スープパスタを食べるときの注意点
スープパスタの場合、一般的なパスタと比べてソースがサラサラなため、パスタを食べ終わってもお皿にソース(スープ)が残ってしまいます。この時、直接お皿に口を付けてスープを飲むのはマナー違反です。右手に持っているフォークを一旦置き、スプーンに持ち替えて、スープを飲みましょう。この際も、なるべく音を立てないように気を付けましょう。
蟹や貝の殻が入ったパスタを食べるときの注意点
蟹や貝の殻が入ったパスタを食べる時に限り、手を使っても構いません。スプーンを持っている場合は、スプーンを一旦置き、左手で蟹や貝をおさえ、右手のフォークで身を外し、お皿の上に落とします。蟹や貝の身をとり終えたら、別のお皿や空いているお皿に殻を移し、まとめておくと良いでしょう。手が汚れてしまった場合は、おしぼりやナプキンで汚れをふき取りましょう。